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第四章 ミナセ伯爵誕生
第二十三話 別れは突然に
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第二十三話 別れは突然に
その日俺は気球を使って各地の気象調査に向かっていた。
谷間などに風速計を取り付け気象の変化にどう反応するか詳しく調べる。
大学の雑務は役人を手配したので余裕が出来たのだ。
俺は本来いいかげんで楽を選ぶ小市民だ。
だからできるだけ仕事は他人に任せている。
天気は毎日変化するがその予兆はどこかで現れるものだ。
そういうのは土地の老人がよく知っている。
彼らは雨や風に詳しい。
風雨は農作物に直接影響する。
特にブレイメン公国は痩せて日照量が少ないから気象の変化を読み間違えると飢えに直結する。
「やっぱり美人だなあ」
「何がだハヤト?」
ドラゴンのジェイソンに跨って俺の気球を引きながら飛んでいたクリスが気球に近づいてくる。
勝気そうな赤い瞳が美しい。
笑った顔も泣いた顔もとても美しい。
心根だって真っすぐで正直だ。
そして何よりも勤勉で真面目だ。
彼女は誰が何と言おうと俺にはもったいない女性に違いない。
「クリスみたいに可愛くて凛とした美人と結婚しない俺ってこの世界で一番の馬鹿だなって思ってさ」
「自覚はあるんだな。ハヤトが日本を忘れられない気持ちもわかる。だがあと二周位(十六か月)たてば私は他の男の所に嫁に行くぞ。ハヤトはそれでいいのか?」
そう言われると返す言葉もない。
いまだに日本へ戻る方法は見つからない。
このまま見つからないかもしれない。
俺が日本を忘れる日が来るとは思えない。
だが俺を愛している結婚して欲しいとまっすぐ一途に言ってくれたクリスの気持ちを踏みにじっていいわけがない。
もしあと二周位経って俺が日本に戻れないとしたら。
いやそれはクリスに失礼だろう。
二周位以内にクリスと結婚したいと思うなら俺はこの地に骨を埋める覚悟が必要だ。
あの不思議な風で日本から流されてまだ八か月。
故郷への想いを捨てきれるほど俺は割り切れない。
気球に並んで飛ぶ俺はクリスを見ながら話を続けた。
「今日俺が行こうとしている場所は谷間の村なんだ。その村の天気を調べるのが俺の仕事なんだよ」
「ハヤトが直接村に行かないとダメなのか?」
「うん。谷の奥は山から来る気流の関係で天気が変わる事が多いからな」
日本なら天気予報がネットで見れたりラジオやテレビでも見る事が出来る。
だがこの世界では予報をしてくれる人もいないしラジオもテレビもない。
情報は自分で仕入れなければいけないのだ。
だから風向風速計という機械を作って設置してデータを取る事にしたんだ。
「クリスの故郷にだって気象観測所があるだろ?あれと一緒さ」
「確かにそうだが。ハヤトに危険な事をして欲しくないのだ」
クリスはドラゴンのジェイソンを巧みに操りながら俺の気球を見る。
クリスの腕前はブレイメン公国一と言われている。
だから多少難易度の高い谷を飛んでも安心だ。
危険というほどのものではないけど心配してくれるのは俺としては嬉しい。
何よりクリスと一緒にいると楽しい。
「俺がしたいんだし、俺以外に気球や風向風速計を作れる人がいるとは思えないからな。気球は量産体制が整っているからもう大丈夫だろうけど」
ブレイメン公国の気球は大公家の作った工場で生産されている。
つまりブレイメン公国の気球は全て大公家が管理しているし航路も大公家が決定する。
他の貴族の反発もあるがこれだけは譲れないので俺が作り方を大公家以外の貴族に教えないようにしている。
その代わり気球一機ごとに大公家が俺にライセンス料を払う契約にしている。
そしておれはそのライセンス料を全て大学費用に使っていた。
間接的にブレイメン大公家が大学を支援する形にしているのだ。
これで大公家の権威と資金は他の貴族を圧倒する事になった。
という事で俺は他の貴族たちから大変評判が悪く暗殺したい貴族は多いだろう。
そして小心者の俺に抜かりはなかった。
俺とクリスの周囲には女性竜騎士が三十騎護衛についている。
これは他の貴族が大々的に動員をかけないと手に負えない兵力だ。
過剰な護衛だって?冗談じゃない。
俺は臆病で小心者なんだ。
死にたくないから臆病者と罵られようと気にしない。
彼らは大公家直属の女性竜騎士で俺も個人的に契約金を支払っている。
付け届けも忘れないし可能な限り援助もしているのだ。
元々クリスの私兵なので女性で編成されている。
しかも全員美人という、別の意味でも他の貴族に恨まれてそうな気がする。
この編成で村々をまわり付け届けの食料や資金を村の老人に渡し、かわりに天候の変化の詳細な記録を受け取っている。
これでブレイメン公国の正確な地図があれば文句がないのだが無いものは仕方がない。
伊能忠敬みたいに測量してくれる人がいないのが悔やまれる。
そろそろ大学に気象学部を作りたいな。
俺がそんな事を考えていた時だった。
「風が変わるな。ハヤト少し風が強くなるから麓に着陸しよう」
「そうしよう。竜騎士のみんなも休憩が必要だろうし」
クリスはブレイメン公国で一番優れている竜騎士なので風を読むことが巧みだ。
そのクリスが言うのだから突風が来るかもしれない。
俺は気球の中の空気を冷やして降下しようとバーナーの火力を落した。
その瞬間俺たちは凄まじい突風に襲われた!!
周りの竜騎士が必死に手綱を操ってなんとか墜落しないようにしている。
クリスでさえジェイソンを制御するのに必死だ。
そして俺は気が付いた。
───これはあの時の風だ。
俺の表情を見たクリスが辛そうな顔を見せる。
クリスにも状況がわかったらしい。
突風が凄いのでお互い叫びながらの会話だ。
「ハヤト覚えているか。私とハヤトが初めて出会った日のことを!!」
「いきなり斬りかかりそうになった赤毛女の事なら覚えてるよ!!」
「いつまで引きずるんだ!!それにあれはお前が悪い!!」
そう言ってクリスが俺に微笑む。
風速計が高速回転している。
今までにない強風に気球が揺れる。
いやこの風は前に経験した事がある。
「………クリス」
強風に煽られながらクリスは俺の瞳を真っすぐ見つめた。
辛そうに唇を噛み締めている。
「戻るのかハヤト!?」
「ああ!!」
「私達ではハヤトの心を埋めることは出来ないのか!?」
「……すまない」
「本当にお前は自分勝手な奴だ!!あの時と同じだな!!」
「本当にな!!」
「行くなハヤト!!行かないでくれ!!」
「………」
「卑屈で小心者でヘタレで一生懸命で情に厚くて私が辛い時に一緒にいてくれた!!」
「俺はヘタレだからな!!」
好きな子を泣かせている俺は本当にヘタレだ。
日本に戻れる。
もっと喜べよ俺。
俺はなんで嬉しくないんだよ!!
クリスと日本とどちらを選ぶか悩んでたはずだろ。
俺にとって日本はクリスと同じ価値がある。
その事に今更気が付いた。
「馬鹿者!!お前がいない世界に私の幸せがあると思うのか!!行くなハヤト!!ずっと私の側にいてくれ!!行くなハヤト!!行くな───っ!!」
クリスの叫びと同時に強風が俺と気球を強風に巻き込む。
最後に見たクリスは泣き崩れていた。
気がつくと俺は温かな太陽に包まれた草原にずっと一緒だった気球と寝転がっていた。
蝉の鳴き声とブレイメン公国とは違う緑に覆われた山々。
そこは俺が夢にまで見た日本の山々だった。
その日俺は気球を使って各地の気象調査に向かっていた。
谷間などに風速計を取り付け気象の変化にどう反応するか詳しく調べる。
大学の雑務は役人を手配したので余裕が出来たのだ。
俺は本来いいかげんで楽を選ぶ小市民だ。
だからできるだけ仕事は他人に任せている。
天気は毎日変化するがその予兆はどこかで現れるものだ。
そういうのは土地の老人がよく知っている。
彼らは雨や風に詳しい。
風雨は農作物に直接影響する。
特にブレイメン公国は痩せて日照量が少ないから気象の変化を読み間違えると飢えに直結する。
「やっぱり美人だなあ」
「何がだハヤト?」
ドラゴンのジェイソンに跨って俺の気球を引きながら飛んでいたクリスが気球に近づいてくる。
勝気そうな赤い瞳が美しい。
笑った顔も泣いた顔もとても美しい。
心根だって真っすぐで正直だ。
そして何よりも勤勉で真面目だ。
彼女は誰が何と言おうと俺にはもったいない女性に違いない。
「クリスみたいに可愛くて凛とした美人と結婚しない俺ってこの世界で一番の馬鹿だなって思ってさ」
「自覚はあるんだな。ハヤトが日本を忘れられない気持ちもわかる。だがあと二周位(十六か月)たてば私は他の男の所に嫁に行くぞ。ハヤトはそれでいいのか?」
そう言われると返す言葉もない。
いまだに日本へ戻る方法は見つからない。
このまま見つからないかもしれない。
俺が日本を忘れる日が来るとは思えない。
だが俺を愛している結婚して欲しいとまっすぐ一途に言ってくれたクリスの気持ちを踏みにじっていいわけがない。
もしあと二周位経って俺が日本に戻れないとしたら。
いやそれはクリスに失礼だろう。
二周位以内にクリスと結婚したいと思うなら俺はこの地に骨を埋める覚悟が必要だ。
あの不思議な風で日本から流されてまだ八か月。
故郷への想いを捨てきれるほど俺は割り切れない。
気球に並んで飛ぶ俺はクリスを見ながら話を続けた。
「今日俺が行こうとしている場所は谷間の村なんだ。その村の天気を調べるのが俺の仕事なんだよ」
「ハヤトが直接村に行かないとダメなのか?」
「うん。谷の奥は山から来る気流の関係で天気が変わる事が多いからな」
日本なら天気予報がネットで見れたりラジオやテレビでも見る事が出来る。
だがこの世界では予報をしてくれる人もいないしラジオもテレビもない。
情報は自分で仕入れなければいけないのだ。
だから風向風速計という機械を作って設置してデータを取る事にしたんだ。
「クリスの故郷にだって気象観測所があるだろ?あれと一緒さ」
「確かにそうだが。ハヤトに危険な事をして欲しくないのだ」
クリスはドラゴンのジェイソンを巧みに操りながら俺の気球を見る。
クリスの腕前はブレイメン公国一と言われている。
だから多少難易度の高い谷を飛んでも安心だ。
危険というほどのものではないけど心配してくれるのは俺としては嬉しい。
何よりクリスと一緒にいると楽しい。
「俺がしたいんだし、俺以外に気球や風向風速計を作れる人がいるとは思えないからな。気球は量産体制が整っているからもう大丈夫だろうけど」
ブレイメン公国の気球は大公家の作った工場で生産されている。
つまりブレイメン公国の気球は全て大公家が管理しているし航路も大公家が決定する。
他の貴族の反発もあるがこれだけは譲れないので俺が作り方を大公家以外の貴族に教えないようにしている。
その代わり気球一機ごとに大公家が俺にライセンス料を払う契約にしている。
そしておれはそのライセンス料を全て大学費用に使っていた。
間接的にブレイメン大公家が大学を支援する形にしているのだ。
これで大公家の権威と資金は他の貴族を圧倒する事になった。
という事で俺は他の貴族たちから大変評判が悪く暗殺したい貴族は多いだろう。
そして小心者の俺に抜かりはなかった。
俺とクリスの周囲には女性竜騎士が三十騎護衛についている。
これは他の貴族が大々的に動員をかけないと手に負えない兵力だ。
過剰な護衛だって?冗談じゃない。
俺は臆病で小心者なんだ。
死にたくないから臆病者と罵られようと気にしない。
彼らは大公家直属の女性竜騎士で俺も個人的に契約金を支払っている。
付け届けも忘れないし可能な限り援助もしているのだ。
元々クリスの私兵なので女性で編成されている。
しかも全員美人という、別の意味でも他の貴族に恨まれてそうな気がする。
この編成で村々をまわり付け届けの食料や資金を村の老人に渡し、かわりに天候の変化の詳細な記録を受け取っている。
これでブレイメン公国の正確な地図があれば文句がないのだが無いものは仕方がない。
伊能忠敬みたいに測量してくれる人がいないのが悔やまれる。
そろそろ大学に気象学部を作りたいな。
俺がそんな事を考えていた時だった。
「風が変わるな。ハヤト少し風が強くなるから麓に着陸しよう」
「そうしよう。竜騎士のみんなも休憩が必要だろうし」
クリスはブレイメン公国で一番優れている竜騎士なので風を読むことが巧みだ。
そのクリスが言うのだから突風が来るかもしれない。
俺は気球の中の空気を冷やして降下しようとバーナーの火力を落した。
その瞬間俺たちは凄まじい突風に襲われた!!
周りの竜騎士が必死に手綱を操ってなんとか墜落しないようにしている。
クリスでさえジェイソンを制御するのに必死だ。
そして俺は気が付いた。
───これはあの時の風だ。
俺の表情を見たクリスが辛そうな顔を見せる。
クリスにも状況がわかったらしい。
突風が凄いのでお互い叫びながらの会話だ。
「ハヤト覚えているか。私とハヤトが初めて出会った日のことを!!」
「いきなり斬りかかりそうになった赤毛女の事なら覚えてるよ!!」
「いつまで引きずるんだ!!それにあれはお前が悪い!!」
そう言ってクリスが俺に微笑む。
風速計が高速回転している。
今までにない強風に気球が揺れる。
いやこの風は前に経験した事がある。
「………クリス」
強風に煽られながらクリスは俺の瞳を真っすぐ見つめた。
辛そうに唇を噛み締めている。
「戻るのかハヤト!?」
「ああ!!」
「私達ではハヤトの心を埋めることは出来ないのか!?」
「……すまない」
「本当にお前は自分勝手な奴だ!!あの時と同じだな!!」
「本当にな!!」
「行くなハヤト!!行かないでくれ!!」
「………」
「卑屈で小心者でヘタレで一生懸命で情に厚くて私が辛い時に一緒にいてくれた!!」
「俺はヘタレだからな!!」
好きな子を泣かせている俺は本当にヘタレだ。
日本に戻れる。
もっと喜べよ俺。
俺はなんで嬉しくないんだよ!!
クリスと日本とどちらを選ぶか悩んでたはずだろ。
俺にとって日本はクリスと同じ価値がある。
その事に今更気が付いた。
「馬鹿者!!お前がいない世界に私の幸せがあると思うのか!!行くなハヤト!!ずっと私の側にいてくれ!!行くなハヤト!!行くな───っ!!」
クリスの叫びと同時に強風が俺と気球を強風に巻き込む。
最後に見たクリスは泣き崩れていた。
気がつくと俺は温かな太陽に包まれた草原にずっと一緒だった気球と寝転がっていた。
蝉の鳴き声とブレイメン公国とは違う緑に覆われた山々。
そこは俺が夢にまで見た日本の山々だった。
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