僕とボクっ娘勇者の異世界ファンタジー純愛和姦冒険物語~転生した僕は恋人のボクっ娘勇者と幸せラブラブSEXしながら魔王を倒して世界を救います~

屠龍

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第14章 転生者達

第101話 フミン族の歴史

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 第101話 フミン族の歴史
 
 僕とミレーヌとロッテはその足で大図書館へと向かう。
 なだらかな丘の上の貴族街の所にある六階建ての白い建物は隅々まで綺麗に掃除されている。
 いざの時の防火だろう高い塀に囲まれた図書館は警備が厳重で兵士が入り口に立っていて駐在所まである。
 貴重な書物が多いのだろう泥棒が出入りしないように監視しているのだ。
 
 僕とミレーヌとロッテは中に入る。
 エバンスさんから貰った認識番号を衛兵へみせるとロッテを一瞥したあとあっさりと中に入れてくれた。
 きっとロッテは従者だとエバンスさんが書いてくれたのだろう。
 大図書館の中は天井が高く、2階まで吹き抜けになっているのでとても広く感じる。
 そこには壁一面に本棚があり隙間なく本が並んでいた。
 図書館の中央には大きな通路と階段がある。
 人が多く椅子に座っていて、机の上に本を積んで本を読んでいる人が多い。
 アルスラン帝国は大帝国だけあって知識も豊富なのだろう。
 こうして見ると僕達が生まれ育ったフレーベル国がいかに小さい国だとわかる。

 受付には如何にも頑迷そうな老人が座っていて多分司書さんだろう。
 僕は司書さんに近づいてエバンスさんから受け取った紙を手渡した。
 
 「ふむ。エバンスの紹介なら問題ないじゃろう」
 
 そう言って司書さんが僕に赤い認識番号をくれる。
 この番号は図書館に入れる許可証のようなものらしい。
 これがあれば何度出入りしてもいいらしい。
 
 「ありがとうございます」
 
 「良い知識の旅路を」
 
 そう言って僕と老人は微笑んだ。
 僕とミレーヌとロッテは壁一面に並んだ本棚を眺める。
 どんな本があるのかという好奇心もあるが、マナジ教の事が知りたいのも確かだ。
 僕たちは本の背表紙を見ながら歩いていくと、『フミン族の歴史』という本を見つけたので手にとって読んでみる事にした。
 本の厚さは10cmくらいあって分厚くて文字が小さいが読めないほどではない。
 かなり痛んだ本で丁寧に扱わないとばらばらになりかねない。
 
 「私が読みますね」
 
 ここで魔法を使うと警備員が駆け付けかねないのでロッテに読んで貰う事にした。
 僕達は椅子に座って『フミン族の歴史』を読むことにした。
 
 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
 昔、世界は4つの勢力に分かれていた。
 それがフミン族・人間族・妖精族・魔族の4つだ。
 彼らはそれぞれ高い文明を築き上げていた。
 その平和は長く続き4つの勢力は時に敵味方に分かれ争う事はあってもおおむね平和な日々を過ごしていた。
 均衡が保たれていた4つの勢力の一つ魔族の中で、変異種として生まれた少女が魔王を名乗り古代魔法文明を滅ぼすまでは。
 それに呼応するように邪悪な魔物たちも出現し人々を脅かし始めたのだ。
 事態を重く見た妖精族とフミン族、それに人間族の3つの種族は協力して魔王と戦う事を決めた。
 人族と妖精族が同盟を結び魔王と戦う武器を作り、フミン族と人間族の戦士は魔王の軍勢を打ち倒して大陸の西半分を支配下に置いた。
 妖精族は世界樹からマナの実を授かり、それをフミン族へ渡して勇者とした。
 勇者の力を得たフミン族は魔王を打ち破り世界を平穏へと導いた。
 しかし人間族は魔族亡き世界の全てを欲しがった。
 フミン族の主だった首長が集まった集会を襲撃してフミン族の首長のほとんどを殺戮してそのままフミン族を虐殺していった。
 彼らの豊かな農地や神殿を奪い取りその上にアルスラン帝国を作り上げた。
 そしてフミン族を奴隷として使役した。
 妖精族は人間族に怒り、マナの実を人間族に授けるのを拒んだ。
 これによって妖精族と人間族の同盟は決裂した。
 その後。数百年間フミン族の反乱が頻発したが数を増やした人間族によって尽く殲滅され、かつて高度な文明を築いたフミン族は事実上滅亡したのだ。
 
 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 そこまで読んで僕はふうとため息をつく。
 僕達の先祖がロッテたちの先祖を殺してこの土地を奪った?
 それに妖精族の怒りをかってマナの実を貰えなかった。
 これでは僕達が悪いみたいじゃないか。
 本に書かれていたのは過去の歴史だけど、これってまるで僕たちが侵略者みたいじゃないか?
 でも前世の地球でもこういう事はよくあった。
 フミン族の人々は人間族のように欲深くはなかった。
 だから先手をうたれてしまった。
 賢い人ほど自分が理性的だから相手も理性的に行動すると誤解する。
 賢い人が馬鹿に背中を刺される事はよくある事なんだ。

 図書館で調べた事 フミン族の歴史を読んでから僕とミレーヌとロッテは図書館で様々な本を読んだ。
 戦争や歴史、神と宗教など様々な分野の本を読んだけどマナジ教についての記述はなかった。
 ただこの本の著者が書いたと思われるフミン族の虐殺に関する本にそれらしい記述がある。
 虐殺を逃れたフミン族の人々は暗殺者集団を作ったという。
 その集団はアルスラン帝国の要人を何人も暗殺して復讐心を満たしていった。
 多分この暗殺者集団がマナジ教だろう
 僕はこの著者に会って話を聞いてみたいと思った。
 でも今は戦時中だからそんな暇はない。
 僕とミレーヌとロッテは図書館を出ると街中を歩くことにした。
 戦争が始まるとこの首都からも離れないといけないから今のうちに色々な所を見ておこうと思ったからだ。
 大図書館で得た情報を元にマナジ教の事を調べてみたいという事もあるけど、僕達はまだマナジ教について何も知らないのだ。
 だけど暗殺者のような裏稼業なら盗賊のセシルさんが情報収集のつてがあるだろう。
 街中は開戦前夜という雰囲気で整列し行軍する兵士が東の城門の外へと歩いている姿をよく見かけるようになった。
 彼らを戦場へ送ろうとしている現皇帝とそれを影から操るマナジ教。
 早く見つけ出さないといけない。
 そして無意味な戦争を止めるんだ。
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