僕とボクっ娘勇者の異世界ファンタジー純愛和姦冒険物語～転生した僕は恋人のボクっ娘勇者と幸せラブラブSEXしながら魔王を倒して世界を救います～

第14章 転生者達

第97話 転生者たち。

　第97話　転生者たち。
　
　ギルドマスターのオットーさんの発言に僕は顔を上げてオットーさんを見つめる。
　転生者。
　つまりオットーさんも前世は地球人だったという事だ。
　まさか僕以外に転生者がいたなんて想像もしていなかった。
　
　「転生者って本当ですか？」
　
　僕の質問にギルドマスターは頷く。
　
　「本当じゃよ。儂もお主と同じ世界からこの世界にやってきた。儂の前世は1945年に戦争に負けたドイツ人の一兵士じゃった。ベルリン攻防戦というのを聞いたことがあるかのう？」
　
　僕は頷く。
　これでも前世で学んだ世界史とゲーム知識は豊富なほうだ。
　オットーさんはそれを見てニヤリと笑うと話を続けた。
　どうやら第二次世界大戦の時のドイツ軍の話だ。
　
　当時ドイツは世界各国に侵攻をしていた。
　1943年ごろから戦争に負けだしたドイツは1945年4月末から5月まで首都ベルリンで連合国とドイツ軍による最後の戦いが繰り広げられた。
　ドイツの指導者ヒトラーは最後までベルリンで戦い続け最後は自決する。
　ドイツの首都ベルリンにまで攻め込まれた時点で最初からドイツに勝ち目のない戦いだった。
　ソ連軍に必死に抵抗したドイツ軍は敗れ去り、ヨーロッパにおけるドイツ軍は降伏したのだ。
　
　「あの戦いは悲惨じゃった。当時の儂は徴兵されたばかりの新兵でソ連軍と戦い戦死した。気が付けばこの異世界フォーチュリアに転生しておった」
　
　ギルドマスターのオットーさんはそう言って紅茶を啜る。
　僕はその話を聞いて衝撃を受けていた。
　まさかあのドイツの戦死した兵士が異世界に転生していたなんて……。
　確かにゲームや漫画でよく見る設定だ。
　でもまさか現実にそんな事があるとは思わなかった。
　僕がショックを受けていると、ミレーヌは僕の顔を覗き込む。
　
　「ユキナ。さっきから何を言ってるの？転生者って何の事？ボクにわかるように説明してよ」
　
　ミレーヌは僕にそう言ってきた。
　どうやらギルドマスターのオットーさんの言っている事は、ミレーヌにはわからないらしい。
　僕は頷いて答える。
　確かにこの世界の住人であるミレーヌに転生者だと言っても理解できないだろう。
　
　「黙っていてごめん」
　
　「……うん。ボク全部聞くよ。だから教えて。もうボクに隠し事しないで」

　「わかった。じゃあ最初から話すね。僕の魂はフォーチュリアじゃなくて別の世界から来たんだ。日本って国でね。僕はそこで病死した子供だったんだ」
　
　そう言って僕はミレーヌに転生した経緯を話し始めたのだった。
　僕は日本の病院で病死したこと。
　この世界は地球じゃなくて全く違う世界だと生まれた時から気が付いていた事
　そしてこの話をミレーヌにしなかったのは、本当のユキナという少年の身体を乗っ取ってしまったのかもしれないと思って怖かった事。
　こんな話をミレーヌに打ち明けたら嫌われてしまうかもしれないと思っていた事。
　
　「他の人が言うなら信じられないけど……ユキナがボクに嘘を言うわけないから信じるよ」
　
　僕の説明を聞いたミレーヌは僕を抱きしめながらそう答える。
　そして僕の頬にキスをしてくれた。
　ミレーヌはギルドマスターのオットーさんを見て口を開く。
　
　「でもどうしてユキナとオットーさんが転生してきたの？」
　
　それは僕が長年聞いてみたかった事。
　どうして僕はこの世界にたどり着いたのだろうか？
　ただの偶然なのか意味があるのだろうか？
　僕の疑問にオットーさんが答えた。
　
　「それはな。転生者は勇者を支える仲間になる運命だからじゃよ」
　
　それは意外な答えだった。
　転生者が勇者を支える仲間になる為？
　僕にはその言葉の意味がわからなかった。
　ミレーヌも首を傾げている。
　そんな僕たちを見てオットーさんは話を続ける。
　僕は黙って聞くことにしたのだった。
　
　「ミレーヌの父親は神官じゃったが前世は医者をやっておった。盗賊のわしと仲間の魔術師は転生者。戦士とエルフはフォーチュリアの住人で勇者マリータを支える仲間じゃった。マリータは儂らを導く勇者であと一歩という所で魔王に敗北し、マリータは魔王の呪いでけっして治せない呪いをその身に受けた。ガンで死んだというのは表向きの理由じゃ。マリータはその時に妊娠していてな。お腹におったのがミレーヌお主じゃよ。マリータの夫、つまりミレーヌの父親は前世は医者じゃったからマリータを治そうと必死になって治療を施した。仲間の魔術師とエルフの協力でマリータは命を長らえミレーヌを産み育て……短い生涯を閉じた。最後の命を使い果たしてミレーヌに勇者の光を受け継がせたのじゃ」
　
　オットーさんはミレーヌを優しい目で見つめながらそう言った。
　ミレーヌのお父さんが転生者だったなんて知らなかった。
　言われてみれば優秀なお医者さんで、この世界のお医者さんのレベルをはるかに超える名医だった。
　僕を優しく見つめ可愛がってくれたのは、僕が転生者でいつかミレーヌの仲間として覚醒しミレーヌを支える存在になると知っていたからだったんだ。
　でもなぜマリータさんの仲間の転生者がこの世界に？ 
　僕の疑問にオットーさんが答える。
　
　「実はな。魔王も転生者なのじゃよ。いつの時代の誰かまではわからんがな。じゃからこの世界の軍隊や騎士ではかなわない。恐ろしい強さを誇るだけあって余程高位の人間だったのじゃろう」
　
　それは衝撃の事実だった。
　魔王も転生者？
　しかも恐ろしい強さを誇るって……僕のように前世の記憶を持っている？でもどうして転生者はそれほど強い力を持っているのだろう？
　確かに僕も最初はゴブリンに苦戦するくらい弱かった。
　でも今ではミレーヌと一緒に大魔術師ベスパルとシーサーペントを倒せるくらい強くなった。
　ミレーヌは僕と手をつなぎながら黙って話を聞いていた。
　僕はそんな優しいミレーヌの頭を撫でる。
　上質の絹のような美しい緑の髪はいつ撫でても心地よい。
　ギルドマスターのオットーさんはそんな僕たちを見てニヤリと笑うのだった。
　
　「勇者との間に愛情が芽生えた転生者は並外れた強さを誇る。ミレーヌの父親もそうじゃった。ユキナ、お主が鋼級冒険者だと知った時儂にはわかった。お主らは愛し合っておるのじゃろう？」
　
　そう言って楽しそうに笑うオットーさん。
　彼には僕とミレーヌが愛し合いSEXまでする関係だと一目でわかったのだ。
　僕と手をつなぐミレーヌが俯いて顔を赤くする。
　僕も恥ずかしくて俯いた。
　そんな僕達を下卑た笑いでからかうオットーさんの笑い声がギルドマスターの部屋に響き渡るのだった。