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第7章 オーガの罠
第42話 ルクス侯爵領
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第42話 ルクス侯爵領
翌日僕達は昨夜の仮宿である修道院を後にした。
僕達が馬車に乗り込むときに見せた神官達の蔑む眼差しは当分忘れないだろう。
季節は収穫の秋を迎えようとしている。
そろそろ収穫を迎える小麦のような外見に近いが小麦より可食部が少ない、ニーノという植物が収穫を迎えようとしていた。
この世界にもジャガイモがあればいいのにといつも思う。
芋自体はあるが収穫効率があまり良くなく、主にニーノが育たない土地で栽培されている。
僕とミレーヌの故郷にはテフという米に似た穀物があって収穫量も良いけど栽培可能な土地が限られている。
テフは日差しと水が豊富な土地にしか植えられない。
僕達がいた土地はアズマといって、かつてはフレーベルとは別の国だったがフレーベル国に併合された。
その目的はテフを奪う事だったが、フレーベル国の大部分を占める森の土とテフは相性が悪くその目論見は失敗した。
幸い平和的な婚姻を通じた併合だったのでフレーベルとアズマの遺恨はそれほど深くない。
フレーベル国にはいくつもの貴族の領地があって、馬車の行き先のルクス公爵領もその一つ。
人口は10万人くらいの街でかなり大きい。
水利に恵まれていてダヌー川沿いにはニーノを脱穀する水車が多く見える。
どの水車にもニーノを満載した二頭立て荷馬車が列を作っている。
脱穀されたニーノはルクス公爵領と接するダヌー川を通じてフレーベル国の隅々まで行き渡る。
ルクス公爵家はフレーベル国の王族が代々継承している豊かな土地で経済の要衝でもあり、僕達の乗った馬車のように乗合馬車のターミナルでもある。
水利が大きいので橋が多く、橋は設置にも修繕にも大金がかかるので橋を渡るごとに税金がかかる。
橋の税金だけでも高額なのにそれでも物資が集まるのだから豊かさが伺える。
当然その守りは強固でダヌー川の水を引き入れた水堀を配置した作りになっている。
ルクス城は最初は丘の上に作られた城だったけど公爵家の財力と街の拡大につれて大きくなり、今では街をぐるりと囲む水堀と城壁があり城壁の高さは6m、厚さは3mはある強固な作りだ。
元々あった防御の城に加え外壁に沿って街が形成され今では本城に7つの砦を要した城塞都市へと変化した。
それぞれの砦はお互いを防御しあい、一つの砦が攻略されても他の砦から反撃できるようになっている。
「うわあ…フレーベルより強そう」
馬車の窓からルクス城を見上げた僕は思わず感嘆の声をあげる。
元々首都として整備されたフレーベルは住居を守る城壁の規模は大きいが、城壁沿いに塔などで守る方法なのでどうしても手薄な箇所が見つかるものだけど、ルクス城は戦乱に揉まれるたびに拡張工事されたので居住性は良くないが防御が高い。
これでもルクス城のすぐ下を交易広場にしている等、経済都市としての機能を持たせている。
まさに戦争と経済の城という印象だ。
僕達の乗った馬車は4つの橋を渡りようやくルクス城の入り口にたどり着いた。
首都フレーベルにいた兵士と違って目つきが鋭く、門の上に設置された防御塔からこちらを見下ろす兵士は欠伸一つしていない。
馬車に対する監視も厳しく僕達全員馬車から降りて持ち物と身分証検査をされた。
いかつい兵士がうちの女性陣を見つめる目は厳しく、ミレーヌのような少女でも容赦なく検査される。
だがクヌートとフェリシアを見て侮蔑と好奇の混じった視線を向けてくるのは許せなかった。
侯爵家の兵士は明らかにクヌートとフェリシアをハーフエルフだからという理由だけで公然と差別する。
この世界の人々はハーフエルフを犯罪者予備軍として見ている事が多く、僕は大変腹立たしい。
確かに犯罪に手を染めるハーフエルフもいるのは確かだけど、こういう視線がハーフエルフの社会参加を妨げているのは間違いない。
僕とミレーヌが怒りに手を震わせていると、フェリシアが僕達の手を握って諦めたように首を振った。
ミレーヌも険しい顔で兵士を睨みつけている。
シグレさんとセシルさんは平静を装っているが内心怒っているだろう。
「犯罪歴は無いようだな。街で騒ぎを起こすなよ」
そう兵士に念押しされると馬車の御者が卑屈な笑いを浮かべる。
その御者に鼻を鳴らして目配せする公爵家の兵士。
僕達は馬車に乗り城門を通った。
「あれが支配する側とされる側の顔だ。お前たちはあんな顔になるなよ」
シグレさんが僕とミレーヌにそう言うと僕は頷く。
侯爵家の家臣だというだけで尊大に振舞う兵士と、その門を通る為に卑屈な笑いをする御者。
クヌートとフェリシアの事を何も知らないのに見下している兵士。
僕がどんなに偉くなっても、ああはなりたくないと思った。
◆◆◆
僕達がルクス侯爵領に来たのは依頼を受ける為。
冒険者ギルドでは依頼内容の紹介を行う場合とギルドが直接依頼する場合のどちらかだ。
今回はルクス侯爵領に所属する村からの依頼なので報酬はルクス侯爵から出る。
ルクス城下にある役所で冒険者ギルドから受け取った依頼受諾書を提出する為に出向くと、羽根つきキャップを被り青いジャケットの上に袖口が広いローブを着た商人や、首回りと袖口にレースのついたぴっちりとしたスーツを着ている役人が立ち話をしていた。
商人はマントや上着の袖などに穴があけてあり、書き物や細かい作業の時に手を出せる実用本位の服装をしている。
役人は威厳のあるジュストコールというスーツを身に着けている。
対して僕達は基本的に目立たない地味なシャツの上にローブを羽織っているので旅人だとすぐわかる。
商人でも役人でもない旅人が役所に来ることは珍しい。
旅人がいるのは宿や街中と決まっているので地味な服装は逆に目立った。
案の定役人が僕達を胡散臭げに見ているので早く用事を済ませようと窓口に出向く。
不愛想な役人が僕の提出した書類を見て
「冒険者か。この依頼を引き受けるという事で良いのだな」
と少し尊大な態度で接してくる。
僕が頷くと年若い僕が一行のリーダーだというのが珍しいらしく、好奇の視線で見られたがすぐに判子を押して書類を返してくれた。
あとはこの書類に依頼主の村からオーガ退治完了の判子を貰えば報酬が払われる事になっている。
はっきり言って面倒くさい手続きだけど、冒険者なんて信用できない人種相手にするにはこのくらい用心したほうがいいのだろう。
そしてここでもハーフエルフのクヌートとフェリシアは蔑みの目で見られる。
さっさと依頼を果たしてこの不愉快な街を出ようと心に決めた。
翌日僕達は昨夜の仮宿である修道院を後にした。
僕達が馬車に乗り込むときに見せた神官達の蔑む眼差しは当分忘れないだろう。
季節は収穫の秋を迎えようとしている。
そろそろ収穫を迎える小麦のような外見に近いが小麦より可食部が少ない、ニーノという植物が収穫を迎えようとしていた。
この世界にもジャガイモがあればいいのにといつも思う。
芋自体はあるが収穫効率があまり良くなく、主にニーノが育たない土地で栽培されている。
僕とミレーヌの故郷にはテフという米に似た穀物があって収穫量も良いけど栽培可能な土地が限られている。
テフは日差しと水が豊富な土地にしか植えられない。
僕達がいた土地はアズマといって、かつてはフレーベルとは別の国だったがフレーベル国に併合された。
その目的はテフを奪う事だったが、フレーベル国の大部分を占める森の土とテフは相性が悪くその目論見は失敗した。
幸い平和的な婚姻を通じた併合だったのでフレーベルとアズマの遺恨はそれほど深くない。
フレーベル国にはいくつもの貴族の領地があって、馬車の行き先のルクス公爵領もその一つ。
人口は10万人くらいの街でかなり大きい。
水利に恵まれていてダヌー川沿いにはニーノを脱穀する水車が多く見える。
どの水車にもニーノを満載した二頭立て荷馬車が列を作っている。
脱穀されたニーノはルクス公爵領と接するダヌー川を通じてフレーベル国の隅々まで行き渡る。
ルクス公爵家はフレーベル国の王族が代々継承している豊かな土地で経済の要衝でもあり、僕達の乗った馬車のように乗合馬車のターミナルでもある。
水利が大きいので橋が多く、橋は設置にも修繕にも大金がかかるので橋を渡るごとに税金がかかる。
橋の税金だけでも高額なのにそれでも物資が集まるのだから豊かさが伺える。
当然その守りは強固でダヌー川の水を引き入れた水堀を配置した作りになっている。
ルクス城は最初は丘の上に作られた城だったけど公爵家の財力と街の拡大につれて大きくなり、今では街をぐるりと囲む水堀と城壁があり城壁の高さは6m、厚さは3mはある強固な作りだ。
元々あった防御の城に加え外壁に沿って街が形成され今では本城に7つの砦を要した城塞都市へと変化した。
それぞれの砦はお互いを防御しあい、一つの砦が攻略されても他の砦から反撃できるようになっている。
「うわあ…フレーベルより強そう」
馬車の窓からルクス城を見上げた僕は思わず感嘆の声をあげる。
元々首都として整備されたフレーベルは住居を守る城壁の規模は大きいが、城壁沿いに塔などで守る方法なのでどうしても手薄な箇所が見つかるものだけど、ルクス城は戦乱に揉まれるたびに拡張工事されたので居住性は良くないが防御が高い。
これでもルクス城のすぐ下を交易広場にしている等、経済都市としての機能を持たせている。
まさに戦争と経済の城という印象だ。
僕達の乗った馬車は4つの橋を渡りようやくルクス城の入り口にたどり着いた。
首都フレーベルにいた兵士と違って目つきが鋭く、門の上に設置された防御塔からこちらを見下ろす兵士は欠伸一つしていない。
馬車に対する監視も厳しく僕達全員馬車から降りて持ち物と身分証検査をされた。
いかつい兵士がうちの女性陣を見つめる目は厳しく、ミレーヌのような少女でも容赦なく検査される。
だがクヌートとフェリシアを見て侮蔑と好奇の混じった視線を向けてくるのは許せなかった。
侯爵家の兵士は明らかにクヌートとフェリシアをハーフエルフだからという理由だけで公然と差別する。
この世界の人々はハーフエルフを犯罪者予備軍として見ている事が多く、僕は大変腹立たしい。
確かに犯罪に手を染めるハーフエルフもいるのは確かだけど、こういう視線がハーフエルフの社会参加を妨げているのは間違いない。
僕とミレーヌが怒りに手を震わせていると、フェリシアが僕達の手を握って諦めたように首を振った。
ミレーヌも険しい顔で兵士を睨みつけている。
シグレさんとセシルさんは平静を装っているが内心怒っているだろう。
「犯罪歴は無いようだな。街で騒ぎを起こすなよ」
そう兵士に念押しされると馬車の御者が卑屈な笑いを浮かべる。
その御者に鼻を鳴らして目配せする公爵家の兵士。
僕達は馬車に乗り城門を通った。
「あれが支配する側とされる側の顔だ。お前たちはあんな顔になるなよ」
シグレさんが僕とミレーヌにそう言うと僕は頷く。
侯爵家の家臣だというだけで尊大に振舞う兵士と、その門を通る為に卑屈な笑いをする御者。
クヌートとフェリシアの事を何も知らないのに見下している兵士。
僕がどんなに偉くなっても、ああはなりたくないと思った。
◆◆◆
僕達がルクス侯爵領に来たのは依頼を受ける為。
冒険者ギルドでは依頼内容の紹介を行う場合とギルドが直接依頼する場合のどちらかだ。
今回はルクス侯爵領に所属する村からの依頼なので報酬はルクス侯爵から出る。
ルクス城下にある役所で冒険者ギルドから受け取った依頼受諾書を提出する為に出向くと、羽根つきキャップを被り青いジャケットの上に袖口が広いローブを着た商人や、首回りと袖口にレースのついたぴっちりとしたスーツを着ている役人が立ち話をしていた。
商人はマントや上着の袖などに穴があけてあり、書き物や細かい作業の時に手を出せる実用本位の服装をしている。
役人は威厳のあるジュストコールというスーツを身に着けている。
対して僕達は基本的に目立たない地味なシャツの上にローブを羽織っているので旅人だとすぐわかる。
商人でも役人でもない旅人が役所に来ることは珍しい。
旅人がいるのは宿や街中と決まっているので地味な服装は逆に目立った。
案の定役人が僕達を胡散臭げに見ているので早く用事を済ませようと窓口に出向く。
不愛想な役人が僕の提出した書類を見て
「冒険者か。この依頼を引き受けるという事で良いのだな」
と少し尊大な態度で接してくる。
僕が頷くと年若い僕が一行のリーダーだというのが珍しいらしく、好奇の視線で見られたがすぐに判子を押して書類を返してくれた。
あとはこの書類に依頼主の村からオーガ退治完了の判子を貰えば報酬が払われる事になっている。
はっきり言って面倒くさい手続きだけど、冒険者なんて信用できない人種相手にするにはこのくらい用心したほうがいいのだろう。
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