僕とボクっ娘勇者の異世界ファンタジー純愛和姦冒険物語~転生した僕は恋人のボクっ娘勇者と幸せラブラブSEXしながら魔王を倒して世界を救います~

屠龍

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第4章 ゴブリン退治

第22話 森の中へ

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第22話 森の中へ
 
 しばらく歩くとカク村の人家が遠くなっていき見えなくなった。
 更に森の奥に分け入ってから一時間ほど獣道を歩く。。
 ここから先はゴブリンが隠れ住んでいると思われる領域になるので注意が必要だそうだ。
 村長さんから貰った地図を片手に森へ入る。
 落葉樹の生い茂る森の中は木々が多く、光が届きにくい場所が多いためか薄暗い。
 足元を確認しながら歩かないと木の根や石に足をかけ転ぶかもしれない。
 重い鎧を着たままこけたりしたら足を挫くだけではすまない。
 こんな森の中で足手まといになりたくはない。
 
 僕とミレーヌも子供の頃から森や湖で遊んだりしてきたから山道は得意だけど、シグレさんとセシルさんのように鎧を着ての行軍に慣れてはいない。
 置いていかれないように付いていくので必死だ。
 ブーツには滑り止めが付いているが万が一、靴擦れとかしないように注意しないと。
 戦闘中に何かあったら大変だからね。
 
 「奴らは音と匂いに敏感だ。森の中で襲われたらあちらの方が有利だという事を忘れるな。それと深追いは禁物だ。必ず待ち伏せがある」

 出発前にシグレさんに注意された事を思い出す。
 森の中と洞窟のように暗い場所はゴブリンの方が長けている。
 ゴブリン一匹一匹は弱いが戦い方を心得ているホブゴブリンもいるらしい。
 ホブゴブリンとは僕が初陣で戦った大きなゴブリンで強い。
 あの時手元に長槍が落ちてなく、運よく胸に当たらなければ死んでいた。
 運も実力のうちとは言うけれどあんな目には二度と合いたくない。
 ホブゴブリンと出会ったらけして深追いしないようにとの事だった。
 
 更に1時間ほど歩いた頃セシルさんが立ち止まる。
 同時に僕とミレーヌが剣を抜いて戦闘態勢に入る。
 セシルさんは先ほどとは違い真剣な表情で風の音や木々の葉音に注意して音を聞いていた。
 
 「何かいるよ。複数だ。多分ゴブリンじゃないかな?まだこっちに気が付いた様子は無いね」
 
 姿が見えない相手の事を的確に察知しているセシルさん。
 普段の飄々とした様子とは違ってスカウトの腕前は確かなようで安心する。
 どうやら相手はこちらの存在に気付いていないようだ。
 
 「待ち伏せのようだな。セシル頼む」
 
 「りょーかい」
 
 シグレさんがセシルさんに声をかけるとセシルさんが軽々と木の枝に飛び乗る。
 そのまま反動を利用して枝の上へと登り、木の上を飛びながら姿が見えなくなった。
 スカウトというのはああいう軽業も出来るのか。
 僕は感心しながらセシルさんを見送る。
 
 「セシルが帰ってくるまでに罠を仕掛けよう」
 
 そう言ってシグレさんがロープを取り出して木の幹の下のほうに縛り付ける。
 ロープの先を別の木に縛り付けて足止めと音が鳴るように作った仕掛けを作っていく。
 僕とミレーヌも手伝いながら辺りの地形を把握する事を忘れない。
 ロイド教官の塾で基本中の基本として真っ先に叩きこまれた事だ。
 
 「よし。ではあの木陰に隠れよう」
 
 シグレさんが目星をつけた隠れ場所に移動して息を殺す。
 それから30分ほどしたらセシルさんが戻ってきた。
 木の上を飛び乗ってきたというのに息が乱れていないのは流石だと思う。
 僕らの近くまで来ると小声で状況を説明してくれる。
 
 「ゴブリンだね。数は10匹。獲物は手斧と弓だね。いっちょ前にレザーアーマーなんか身に着けてた」
 
 セシルさんの説明だと軽く武装しているようだ。
 という事はリーダーがいるとみていい。
 シグレさんも僕と同意見だったようでセシルさんに問いかける。
 ゴブリンは普段レザーアーマーなんて持っていない。
 つまりこの間の戦争で妖魔軍の本隊から逃亡した連中だ。
 
 「群れの長のような者はいたか?」

  「いたいた。リーダー格っぽいホブゴブリンが二匹いて、大きな戦斧を持った奴と杖のようなものをもった奴だ。」
 
 大きな斧を持ったのがボスで杖を持ったものはゴブリンの魔術使いだろう。
 戦場で逃げ切れず洞窟に避難した群れのリーダーか。
 だとすると子分は20匹はいるな。
 まともに戦うのは無理があるだろう。
  
 「予想通りこれを持ってきて正解だったな」
 
 そう言ってシグレさんは腰のポーチから小瓶を取り出した。
 ガラス製で六角形をした長方形の小瓶は手のひらに収まるくらいの大きさしかない。
 瓶の蓋を開けると中には青色の液体が入っていた。
 
 「これは眠りの雫という液体だ。聞いたことはあるだろう?」
 
 シグレさんが僕とミレーヌに微笑んだ。
 この小瓶の中に入っている液体は眠りの雫と言う魔法の液体だ。
 辺りに撒くと眠気が襲ってきて密度によっては本当に眠ってしまう。
 即効性なので戦闘時に撒く事も出来るけど高価な品物だ。
 ゴブリン相手には過剰な気もしたけどシグレさんは油断をしない性格らしい。
 過去に油断して死にかけた事があるのかもしれない。
 
 ゴブリンだと侮って全滅する初心者パーティもいる。
 僕も一瞬の油断が命取りになるとロイド教官に散々言われている。
 ロイド教官の胸には大きな裂傷の痕が残っていた。
 魔法で傷痕は消せるがロイド教官はわざと傷痕を残したらしい。
 自分への戒めの為だとロイド教官は言っていた。
 
 「これを洞窟の中でたむろしているゴブリンのねぐらに撒けば大半は眠りにつくはずだ」

 ゴブリンに限らず知的な生物はねぐらと貯蔵庫を別々にしている。
 貯蔵庫には普段誰もいないが囚われた人は貯蔵庫に入れられていると考えられる。
 どちらにしろ20匹のゴブリンを相手にするのは無理がある。
 眠ったゴブリンを一匹ずつ確実に殺していけば安全だ。
 シグレさんとセシルさんはやはり慣れてるなと僕とミレーヌは感服した。
 
 剣や槍を使う事は出来ても、こういう細かな戦術を使いこなせないのでは冒険者として長生きできない。
 先ほどのようにセシルさんが偵察をしてシグレさんが罠を仕掛ける。
 迷いのない判断力と動き方を身に着けている。
 それを僕達に実地で教えてくれた。
 僕とミレーヌは本当に良い先輩に巡り合えた幸運に感謝した。
 
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