21 / 47
第21話 もう逃げ場はない。
しおりを挟む
第21話 もう逃げ場はない。
レッドバスターカレンは牛舎の床に倒れこんだ和美を抱き起す。
バスタースーツに戦闘員の射精した汚い汚濁精液が付くが気にしない。
「……カレン?」
カエル怪人ゲッコーに凄惨なレイプと何度も強制出産をさせられ、戦闘員に輪姦された和美の瞳に光が戻る。
レッドバスターカレンは親友の変わり果てた姿に涙を流して抱きしめた。
「ごめんごめんね。ボクがもっと早く来ていたらっ!!」
「……やっぱりカレンがレッドバスターカレンだったんだね」
「和美?」
「……そんな気がしたんだ」
和美が自分の事を知っている筈がない。
和美の前で変身した事など一度も無いのだ。
「和美。どうしてボクの事が解ったの?」
「だって私たちずっといつも一緒だったじゃない」
そう言って力なく微笑むと意識を失ったのかぐったりとしてしまう。
そんな和美を抱きしめてレッドバスターカレンは泣いた。
(カレンさんここにいては危険です。和美さんがカレンさんの事に気が付いたかどうか詮索するのはあとにしましょう)
(そうだね。和美の身体を綺麗にして病院に運ばないと)
そう言ってレッドバスターカレンは和美を両手で抱きあげようとした。
(カレンさん後方に敵反応!!)
(え!?)
レッドバスターカレンが振り向く間もないままカエル怪人ゲッコーが、カエルらしい飛翔力でレッドバスターカレンの後方からジャンプして背中にへばりついた。
同時にカエル怪人ゲッコーの身体中から強力な酸が噴き出してレッドバスターカレンの背中を焼く。
「ぎゃああああっっ!!」
(カレンさん!!)
強酸でバスタースーツが溶かされ地肌に直接強酸が襲う。
焼けただれる痛みにのたうち回るがゲッコーはその身体を離しはしない。
痛みに苦しみ叫ぶレッドバスターカレンの様子を見てカエル怪人ゲッコーが笑う。
「飛んで火にいる夏の虫とはお前の事だゲコ」
「ぐっあああああ!!どうしてバスタースーツが溶けるの!?」
「ゲッゲッゲッ。お前のスーツなどとっくの昔に解析済みゲコ。抵抗できず酸に焼かれる気分はどうゲコ雛月カレン」
「どうしてそれを!?」
「お前が抱いているその娘が白状したゲコ。組織中にお前の正体は知れ渡ったゲコ。もうお前に逃げ場は無いゲコ。他の怪人がお前を打ち取る前にお前を殺して功績をあげるゲコ」
「ぐあああああっっ!!」
「死ねレッドバスターカレン!!いや雛月カレンよ!!」
カエル怪人ゲッコーの全身から噴き出た強酸でレッドバスターカレンの背中は焼けただれた。
激痛に絶叫し悶え苦しむカレンの姿を見てゲコゲコと楽しそうに笑うゲッコー。
「あぎいいいいっ!!」
「ゲッゲッゲッ!!無様ゲコ。今までお前が殺してきた怪人の恨みを思い知るゲコ!!」
そう言ってレッドバスターカレンの背中だけでなく身体全体に抱き着いて強酸を塗り付けるゲッコー。
レッドバスターカレンはゲッコーを振りほどこうとするも吸盤によって強固に貼り付いたゲッコーの身体は引きはがせない。
「ああっ!!熱い!!痛い!!ああっ!!うああっ!!」
「苦しいゲコ?でもまだまだこれからゲコ」
「ああっ!!ああっ!!うああっ!!」
強酸の激痛にのたうち回るレッドバスターカレン。
全身を隈なく焼き尽くされる痛みにレッドバスターカレンは泣き叫んだ。
「うあああっ!!うああああっっ!!」
「ゲコゲコゲコゲコ。もっと苦しめゲコ」
レッドバスターカレンが苦痛に喘ぐ度にゲコゲコと嬉しそうに鳴くゲッコー。
全身を強酸で焼かれる苦痛に耐えきれなくなったレッドバスターカレンは牛舎の床に倒れ伏す。
それでもカエル怪人ゲッコーの攻めは終わらない。
完全にトドメを刺すまで離れるつもりはないらしい。
「ゲッゲッゲッ。折角正体を聞き出したが無駄になったゲコ。このまま処刑して素顔を人間どもに公開してやるゲコ」
ゲッコーはサディスティックな悦びを感じていた。
カレンの死に顔を晒すため顔には触れず背中から脇腹や手足に強酸を塗り付けて全身を焼く。
(ごめんAI・マシロ。ボクもうこれ以上戦えないよ。このまま身体中が溶かされて死ぬんだ)
(何を言ってるんですかカレンさん!!カレンさんが諦めたら和美さんはどうなるんですか!!)
AI・マシロの言葉に苦悶の表情を浮かべながらも立ち上がろうとするレッドバスターカレンだが、貼りついたゲッコーの身体を引きはがす術はない。
もう指を動かす事も難しくなったレッドバスターカレンの手が握られる。
それは和美の手だった。
「カレンごめんね……私がカレンを苦しめちゃったんだね」
そう言って涙を流す和美。
レッドバスターカレンは朦朧とする意識を必死につなぎ止めながら和美の手を握り返した。
「和美のせいじゃない……ボクは……和美が無事で……良かった……」
「カレン……」
まだ死ねない。
こんなに弱いボクの為に泣いてくれた親友と人類全ての為にこんな所で死ぬ事はできない。
(AI・マシロ。レーザーブレードの出力を最大にしたらボクごとこの怪人を貫ける?)
(何を言ってるんですかカレンさん!!そんな事をしたらカレンさんが死んでしまいます!!)
(このままでも死ぬよ。答えて。ボクごと貫ける?)
(可能ですが……その行為は自殺だと私は理解します)
(死ななきゃ自殺じゃないよ)
(……ショック死しないように意識レベルを落としますね)
私のサポートするカレンは相変わらず無茶な事を言う。
そう思いつつAI・マシロはカレンの自傷行為で被る苦痛と肉体損傷に備えてエナジー配分を再構築した。
(1分以内に決着をつけてください。それ以上はカレンさんの身体がもちません)
(ありがとうAI・マシロ)
AI・マシロとの会話が終わったカレンは手元に残ったレーザーブレードの出力を最大にする。
普段は抑えられた出力を最大にされたレーザーの刃が青い炎のように吹き出された。
「悪あがきゲコ!!さっさと死ぬゲコ!!」
いくら武器の出力を上げても背中にへばりつく自分に刃が届くはずがない。
そう背中には。
「うああああああ!!」
ゾブリ!!ブチブチブチイィィ!!
レッドバスターカレンは自分の腹ごと最大出力のレーザーブレードでゲッコーを貫いた。
強酸の激痛以上の激痛がレッドバスターカレンを貫くが叫びを上げる余裕は無い。
歯を食いしばって一分しかない勝機に全てをかける。
「ギャアアアアッ!!貴様気は確かゲコ!?」
最大出力のレーザーブレードはゲッコーの腹から背中までを貫いた。
激痛に思わずレッドバスターカレンの身体から飛びのくゲッコー。
牛舎の床で負傷に悶えるゲッコーが慌てて立ち上がろうとするが間に合わなかった。
レッドバスターカレンは自分の腹からレーザーブレードを引き抜くと両手で構えてゲッコーへ突進する。
「よくも和美をおおっ!!」
そう叫んで身体ごとゲッコーに体当たりしてレーザーブレードをゲッコーの身体に突き刺した。
その刃は正確にゲッコーの心臓を貫く。
「ギャアアアアア!!む、無駄な事を。お前の正体はダークネスシャドーの全員に知れ渡ったゲコ。お前にもう逃げ場はないゲコ」
それがカエル怪人ゲッコーの最後の言葉だった。
カエル怪人ゲッコーの身体が消滅すると同時にレッドバスターカレンの身体の限界が訪れる。
変身を維持する余裕などなくAI・マシロが意識レベルを落としてくれなかったら痛みでショック死していた所だ。
(馬鹿馬鹿馬鹿!!カレンさん!!もうこんな事はやめてください!!)
(ごめんねAI・マシロ。でも他に方法が思いつかなかったんだ)
(兎に角身体中焼けただれて死亡寸前です。意識もカットして全エナジーを負傷の回復に使いますからねっ!!)
(……うん。いつもごめんね)
(いいから寝ててくださいっ!!)
その言葉を最後に雛月カレンの意識は途絶えた。
レッドバスターカレンは牛舎の床に倒れこんだ和美を抱き起す。
バスタースーツに戦闘員の射精した汚い汚濁精液が付くが気にしない。
「……カレン?」
カエル怪人ゲッコーに凄惨なレイプと何度も強制出産をさせられ、戦闘員に輪姦された和美の瞳に光が戻る。
レッドバスターカレンは親友の変わり果てた姿に涙を流して抱きしめた。
「ごめんごめんね。ボクがもっと早く来ていたらっ!!」
「……やっぱりカレンがレッドバスターカレンだったんだね」
「和美?」
「……そんな気がしたんだ」
和美が自分の事を知っている筈がない。
和美の前で変身した事など一度も無いのだ。
「和美。どうしてボクの事が解ったの?」
「だって私たちずっといつも一緒だったじゃない」
そう言って力なく微笑むと意識を失ったのかぐったりとしてしまう。
そんな和美を抱きしめてレッドバスターカレンは泣いた。
(カレンさんここにいては危険です。和美さんがカレンさんの事に気が付いたかどうか詮索するのはあとにしましょう)
(そうだね。和美の身体を綺麗にして病院に運ばないと)
そう言ってレッドバスターカレンは和美を両手で抱きあげようとした。
(カレンさん後方に敵反応!!)
(え!?)
レッドバスターカレンが振り向く間もないままカエル怪人ゲッコーが、カエルらしい飛翔力でレッドバスターカレンの後方からジャンプして背中にへばりついた。
同時にカエル怪人ゲッコーの身体中から強力な酸が噴き出してレッドバスターカレンの背中を焼く。
「ぎゃああああっっ!!」
(カレンさん!!)
強酸でバスタースーツが溶かされ地肌に直接強酸が襲う。
焼けただれる痛みにのたうち回るがゲッコーはその身体を離しはしない。
痛みに苦しみ叫ぶレッドバスターカレンの様子を見てカエル怪人ゲッコーが笑う。
「飛んで火にいる夏の虫とはお前の事だゲコ」
「ぐっあああああ!!どうしてバスタースーツが溶けるの!?」
「ゲッゲッゲッ。お前のスーツなどとっくの昔に解析済みゲコ。抵抗できず酸に焼かれる気分はどうゲコ雛月カレン」
「どうしてそれを!?」
「お前が抱いているその娘が白状したゲコ。組織中にお前の正体は知れ渡ったゲコ。もうお前に逃げ場は無いゲコ。他の怪人がお前を打ち取る前にお前を殺して功績をあげるゲコ」
「ぐあああああっっ!!」
「死ねレッドバスターカレン!!いや雛月カレンよ!!」
カエル怪人ゲッコーの全身から噴き出た強酸でレッドバスターカレンの背中は焼けただれた。
激痛に絶叫し悶え苦しむカレンの姿を見てゲコゲコと楽しそうに笑うゲッコー。
「あぎいいいいっ!!」
「ゲッゲッゲッ!!無様ゲコ。今までお前が殺してきた怪人の恨みを思い知るゲコ!!」
そう言ってレッドバスターカレンの背中だけでなく身体全体に抱き着いて強酸を塗り付けるゲッコー。
レッドバスターカレンはゲッコーを振りほどこうとするも吸盤によって強固に貼り付いたゲッコーの身体は引きはがせない。
「ああっ!!熱い!!痛い!!ああっ!!うああっ!!」
「苦しいゲコ?でもまだまだこれからゲコ」
「ああっ!!ああっ!!うああっ!!」
強酸の激痛にのたうち回るレッドバスターカレン。
全身を隈なく焼き尽くされる痛みにレッドバスターカレンは泣き叫んだ。
「うあああっ!!うああああっっ!!」
「ゲコゲコゲコゲコ。もっと苦しめゲコ」
レッドバスターカレンが苦痛に喘ぐ度にゲコゲコと嬉しそうに鳴くゲッコー。
全身を強酸で焼かれる苦痛に耐えきれなくなったレッドバスターカレンは牛舎の床に倒れ伏す。
それでもカエル怪人ゲッコーの攻めは終わらない。
完全にトドメを刺すまで離れるつもりはないらしい。
「ゲッゲッゲッ。折角正体を聞き出したが無駄になったゲコ。このまま処刑して素顔を人間どもに公開してやるゲコ」
ゲッコーはサディスティックな悦びを感じていた。
カレンの死に顔を晒すため顔には触れず背中から脇腹や手足に強酸を塗り付けて全身を焼く。
(ごめんAI・マシロ。ボクもうこれ以上戦えないよ。このまま身体中が溶かされて死ぬんだ)
(何を言ってるんですかカレンさん!!カレンさんが諦めたら和美さんはどうなるんですか!!)
AI・マシロの言葉に苦悶の表情を浮かべながらも立ち上がろうとするレッドバスターカレンだが、貼りついたゲッコーの身体を引きはがす術はない。
もう指を動かす事も難しくなったレッドバスターカレンの手が握られる。
それは和美の手だった。
「カレンごめんね……私がカレンを苦しめちゃったんだね」
そう言って涙を流す和美。
レッドバスターカレンは朦朧とする意識を必死につなぎ止めながら和美の手を握り返した。
「和美のせいじゃない……ボクは……和美が無事で……良かった……」
「カレン……」
まだ死ねない。
こんなに弱いボクの為に泣いてくれた親友と人類全ての為にこんな所で死ぬ事はできない。
(AI・マシロ。レーザーブレードの出力を最大にしたらボクごとこの怪人を貫ける?)
(何を言ってるんですかカレンさん!!そんな事をしたらカレンさんが死んでしまいます!!)
(このままでも死ぬよ。答えて。ボクごと貫ける?)
(可能ですが……その行為は自殺だと私は理解します)
(死ななきゃ自殺じゃないよ)
(……ショック死しないように意識レベルを落としますね)
私のサポートするカレンは相変わらず無茶な事を言う。
そう思いつつAI・マシロはカレンの自傷行為で被る苦痛と肉体損傷に備えてエナジー配分を再構築した。
(1分以内に決着をつけてください。それ以上はカレンさんの身体がもちません)
(ありがとうAI・マシロ)
AI・マシロとの会話が終わったカレンは手元に残ったレーザーブレードの出力を最大にする。
普段は抑えられた出力を最大にされたレーザーの刃が青い炎のように吹き出された。
「悪あがきゲコ!!さっさと死ぬゲコ!!」
いくら武器の出力を上げても背中にへばりつく自分に刃が届くはずがない。
そう背中には。
「うああああああ!!」
ゾブリ!!ブチブチブチイィィ!!
レッドバスターカレンは自分の腹ごと最大出力のレーザーブレードでゲッコーを貫いた。
強酸の激痛以上の激痛がレッドバスターカレンを貫くが叫びを上げる余裕は無い。
歯を食いしばって一分しかない勝機に全てをかける。
「ギャアアアアッ!!貴様気は確かゲコ!?」
最大出力のレーザーブレードはゲッコーの腹から背中までを貫いた。
激痛に思わずレッドバスターカレンの身体から飛びのくゲッコー。
牛舎の床で負傷に悶えるゲッコーが慌てて立ち上がろうとするが間に合わなかった。
レッドバスターカレンは自分の腹からレーザーブレードを引き抜くと両手で構えてゲッコーへ突進する。
「よくも和美をおおっ!!」
そう叫んで身体ごとゲッコーに体当たりしてレーザーブレードをゲッコーの身体に突き刺した。
その刃は正確にゲッコーの心臓を貫く。
「ギャアアアアア!!む、無駄な事を。お前の正体はダークネスシャドーの全員に知れ渡ったゲコ。お前にもう逃げ場はないゲコ」
それがカエル怪人ゲッコーの最後の言葉だった。
カエル怪人ゲッコーの身体が消滅すると同時にレッドバスターカレンの身体の限界が訪れる。
変身を維持する余裕などなくAI・マシロが意識レベルを落としてくれなかったら痛みでショック死していた所だ。
(馬鹿馬鹿馬鹿!!カレンさん!!もうこんな事はやめてください!!)
(ごめんねAI・マシロ。でも他に方法が思いつかなかったんだ)
(兎に角身体中焼けただれて死亡寸前です。意識もカットして全エナジーを負傷の回復に使いますからねっ!!)
(……うん。いつもごめんね)
(いいから寝ててくださいっ!!)
その言葉を最後に雛月カレンの意識は途絶えた。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる