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俺は元相方から逃げたい
やりたいことをやる
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「なにって…」
俺は戸惑いながら、なんとか言葉を紡ぐ。
「それは俺と光の投稿文だけど?」
なにが原因でそんな深刻そうな顔をしているのか俺には理解できない。
目の前の雪はジト目で俺を見つめてくる。
「どうして相談もなくやった?」
ーーはぁ?
俺は眉間を寄せ、不思議に思いつつ答える。
「どっ、どうしてって…。ダイダスのワンマンライブまで急いで色々やりたかったから、すぐに動き出した。」
俺の回答に雪はどうやら納得がいかないようだ。
「ダイダスのワンマンライブだよ?だったら…ナツホシじゃなくて、ダイダスで1ヶ月盛り上げ配信しようよ」
雪はそう言うと、俺の手を両手でつかみ、片膝を絶立たせ、懇願するように言う。
「綾人、君は僕のだろう?」
ーーがっ、顔面が、、、良い!
俺は雪に手を掴まれたまま、硬直してしまった。
無意識に雪がやる甘える仕草が本当に心臓に悪い。
女子はもちろん、男もクラっと来る、「美」。
だけど…
雪の主張は納得いかないな。
「俺はお前の許可がいるのか?」と俺は雪をまっすぐ見て言った。
「お前は、たくさんのミュロボPや有名歌い手とコラボするけど、その時は俺に報告もしないぞ。なのに俺にはしろ、というのか?」
「それは、こっちは関係者以外の発表が禁止されていて、どうしても事前に伝えられないんだ。ごめん」
と雪は謝るが、俺のモヤモヤは晴れない。
「そうは言っても、俺がやりたいことを止めることは違うだろ。俺は、光とこの1か月間、配信と投稿に力を入れたいんだ。お前が他とコラボしている間、俺は光と活動する」
そうだ、どうせ俺は雪と違うんだ。
自分ができること、したいことをするんだ。
「別に雪に迷惑をかける訳じゃないから、いいだろ?」
俺の淡々とする口調に「それはそうだけど」と雪はたじろぐ。
ーーいったい何が気に入らないんだ。
「雪、」とここで光が俺たちの会話に入った。「僕のことを心配しているなら大丈夫だよ。取ったりしないよ」
その返答に俺は思わず「はぁ?」と声を漏らしたが、雪は光にムスッとした表情をしつつ頷いた。
「大丈夫だと分かっている。」
雪の拗ねた表情に光るはクスッと笑うが、そのあと忠告するように厳しい口調を雪に言った。
「でも、お前はもうちょっとしっかりしろよな。今のままだと崩れるぞ」
すると、雪と光の間に冷たい空気が流れるように、二人の表情は冷ややかだ。
「分かっている」と雪がさらに拗ねる。
「なら行動で示せよ。有名歌い手」と光はそう吐き捨てる。
俺はいまいち会話を理解できていないが、とりあえず雪とひと悶着はあったものの、ナツホシの1か月盛り上げ配信をやることに納得したようだ。
雪と少し本音をぶつけられたと思ったけど、
結局ワンマンライブの開催まで、配信以外で雪とこうしてまともに話すことはなかった。
俺は戸惑いながら、なんとか言葉を紡ぐ。
「それは俺と光の投稿文だけど?」
なにが原因でそんな深刻そうな顔をしているのか俺には理解できない。
目の前の雪はジト目で俺を見つめてくる。
「どうして相談もなくやった?」
ーーはぁ?
俺は眉間を寄せ、不思議に思いつつ答える。
「どっ、どうしてって…。ダイダスのワンマンライブまで急いで色々やりたかったから、すぐに動き出した。」
俺の回答に雪はどうやら納得がいかないようだ。
「ダイダスのワンマンライブだよ?だったら…ナツホシじゃなくて、ダイダスで1ヶ月盛り上げ配信しようよ」
雪はそう言うと、俺の手を両手でつかみ、片膝を絶立たせ、懇願するように言う。
「綾人、君は僕のだろう?」
ーーがっ、顔面が、、、良い!
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無意識に雪がやる甘える仕草が本当に心臓に悪い。
女子はもちろん、男もクラっと来る、「美」。
だけど…
雪の主張は納得いかないな。
「俺はお前の許可がいるのか?」と俺は雪をまっすぐ見て言った。
「お前は、たくさんのミュロボPや有名歌い手とコラボするけど、その時は俺に報告もしないぞ。なのに俺にはしろ、というのか?」
「それは、こっちは関係者以外の発表が禁止されていて、どうしても事前に伝えられないんだ。ごめん」
と雪は謝るが、俺のモヤモヤは晴れない。
「そうは言っても、俺がやりたいことを止めることは違うだろ。俺は、光とこの1か月間、配信と投稿に力を入れたいんだ。お前が他とコラボしている間、俺は光と活動する」
そうだ、どうせ俺は雪と違うんだ。
自分ができること、したいことをするんだ。
「別に雪に迷惑をかける訳じゃないから、いいだろ?」
俺の淡々とする口調に「それはそうだけど」と雪はたじろぐ。
ーーいったい何が気に入らないんだ。
「雪、」とここで光が俺たちの会話に入った。「僕のことを心配しているなら大丈夫だよ。取ったりしないよ」
その返答に俺は思わず「はぁ?」と声を漏らしたが、雪は光にムスッとした表情をしつつ頷いた。
「大丈夫だと分かっている。」
雪の拗ねた表情に光るはクスッと笑うが、そのあと忠告するように厳しい口調を雪に言った。
「でも、お前はもうちょっとしっかりしろよな。今のままだと崩れるぞ」
すると、雪と光の間に冷たい空気が流れるように、二人の表情は冷ややかだ。
「分かっている」と雪がさらに拗ねる。
「なら行動で示せよ。有名歌い手」と光はそう吐き捨てる。
俺はいまいち会話を理解できていないが、とりあえず雪とひと悶着はあったものの、ナツホシの1か月盛り上げ配信をやることに納得したようだ。
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