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フラッシュバック
もしかして?
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息を呑んだ。
ここで?
学校で?
俺の歌い手名が出る!?
--ヤバい、雪に怒られる
身バレが怖い、恥ずかしいよりも雪にグチグチと言われるほうが俺にとって恐怖だ。
腹をくくる覚悟を決め、俺は大きく深呼吸し、席から立ち上がる。
相手と対峙する決意だ!
「急になんだ?」
防御モードに入り、思いほか威圧的に出てきた自分の言葉。
ヤバっ。
「ホシくんの初めての歌い手友達と聞いて、」
ーー詰んだ!!!バッチリ聞かれた!
雪みたいに機転が利かない俺は完全に詰んだ。
言い訳もなにも考えられない。
「えっとぉー」
俺は言葉を濁しながら、どうにか言葉を紡ごうとしている。
最もらしい言い訳はないのか!?
働け、俺の脳みそ!!!
明らかに挙動不審になっている俺に対して目の前の男子生徒が「ハハッ!」と笑った。
恐る恐るみると、目の前には168cm と俺より、少しだけ背が低い男子生徒がにこにこと笑っている。
真面目そうな雰囲気でありながら、可愛らしい顔立ちだ。
--あっ、この人、図書委員だ!
「分からない?」
「えっと、なんでしょうか?図書委員さん…?」
俺の返答に彼はキョトンし、そのあとお腹を抱えながら笑い出した。
「間違っていないけど、ハハッ!そう来るかぁ~!」
図書委員はひと通り笑い終えると俺の前に向き合って、満面の笑みを見せた。
「僕は「ナツ」なんだけど」
--そうだ!この笑い方はー!
「ナツくんだぁー!!!」
思わず大声を出してしまった俺にナツくんは「シーッ!シーッ!」と人差し指を口元に当てて落ち着かせる。
「いまは僕たちしかいないけど、ここは図書室だから、静かに!」
「悪い、感動して」
--だって応援している活動者が目に前にいるんだぞ!
感動で目が潤む俺にナツくんは笑った。
「それにしても、まさか、ホシくんと同じ高校とは!」
「世間って狭いな!そして昨日のゲーム実況、面白かった!」
「最近は歌ってみたより実況ばかりやっちゃうから歌い手とは名乗りづらいけどね」
「俺としては毎日継続して配信していることが凄いと思うし、やりたいほうをひたすらやったらいいと思う!ゲーム配信だとやっぱり、サファリカート8をずっとやっていて欲しい」
「ホシくんは本当にサファリカート8好きだね」
突然の出会いに話が盛り上がる俺たちは背後に気づかなかった。
「随分と楽しそうだね」
と低い声が突然、降りかかる。
「「うわぁああ!!!」」
俺とナツくんは思わず声をあげて、後ろを振り返る。
そこには俺たちを見下ろす仏頂面の雪が!
ここで?
学校で?
俺の歌い手名が出る!?
--ヤバい、雪に怒られる
身バレが怖い、恥ずかしいよりも雪にグチグチと言われるほうが俺にとって恐怖だ。
腹をくくる覚悟を決め、俺は大きく深呼吸し、席から立ち上がる。
相手と対峙する決意だ!
「急になんだ?」
防御モードに入り、思いほか威圧的に出てきた自分の言葉。
ヤバっ。
「ホシくんの初めての歌い手友達と聞いて、」
ーー詰んだ!!!バッチリ聞かれた!
雪みたいに機転が利かない俺は完全に詰んだ。
言い訳もなにも考えられない。
「えっとぉー」
俺は言葉を濁しながら、どうにか言葉を紡ごうとしている。
最もらしい言い訳はないのか!?
働け、俺の脳みそ!!!
明らかに挙動不審になっている俺に対して目の前の男子生徒が「ハハッ!」と笑った。
恐る恐るみると、目の前には168cm と俺より、少しだけ背が低い男子生徒がにこにこと笑っている。
真面目そうな雰囲気でありながら、可愛らしい顔立ちだ。
--あっ、この人、図書委員だ!
「分からない?」
「えっと、なんでしょうか?図書委員さん…?」
俺の返答に彼はキョトンし、そのあとお腹を抱えながら笑い出した。
「間違っていないけど、ハハッ!そう来るかぁ~!」
図書委員はひと通り笑い終えると俺の前に向き合って、満面の笑みを見せた。
「僕は「ナツ」なんだけど」
--そうだ!この笑い方はー!
「ナツくんだぁー!!!」
思わず大声を出してしまった俺にナツくんは「シーッ!シーッ!」と人差し指を口元に当てて落ち着かせる。
「いまは僕たちしかいないけど、ここは図書室だから、静かに!」
「悪い、感動して」
--だって応援している活動者が目に前にいるんだぞ!
感動で目が潤む俺にナツくんは笑った。
「それにしても、まさか、ホシくんと同じ高校とは!」
「世間って狭いな!そして昨日のゲーム実況、面白かった!」
「最近は歌ってみたより実況ばかりやっちゃうから歌い手とは名乗りづらいけどね」
「俺としては毎日継続して配信していることが凄いと思うし、やりたいほうをひたすらやったらいいと思う!ゲーム配信だとやっぱり、サファリカート8をずっとやっていて欲しい」
「ホシくんは本当にサファリカート8好きだね」
突然の出会いに話が盛り上がる俺たちは背後に気づかなかった。
「随分と楽しそうだね」
と低い声が突然、降りかかる。
「「うわぁああ!!!」」
俺とナツくんは思わず声をあげて、後ろを振り返る。
そこには俺たちを見下ろす仏頂面の雪が!
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