1 / 26
プロローグ
プロローグ
しおりを挟む
「綾人、楽しそうだね。どうして僕を呼んでくれないの?」
俺は目の前に現れた銀髪のイケメンに息を呑んだ。
彼の美貌に見惚れたからではない。
この世で最も会いたくない人間に会ってしまった恐怖からだ。
「雪、どうしてお前がここにいる」
光は俺を庇うように前に出る。
「光、寂しいよ。どうして僕を呼ばないんだ?」
「お前と綾人を会わせたくないからに決まっているだろ」
「高校からの友人にしてはそれは辛辣だな」
「何の用だよ、この売れっ子歌い手さん。いや、今はもうアーティストか?」
185cmの雪が俺たちを見下ろす。
175cmの光と178cmの俺じゃどう足掻いても雪と同じ目線にはなれない。
だけど光も背筋を凛と伸ばし、負けじと睨む。
「てめぇは瞬と一緒にいろ。俺たち一般人に構うな」
と光は吐き捨てると彼は俺に言った。
「綾人、飲み直すぞ」
「あぁ」
俺たちは雪に背を向け、繁華街の奥へ向かおうする。
「綾人、待って」
クイッと雪に肩を掴まれる。
その瞬間、ゾワッと鳥肌が立つ。
走馬灯のように、雪との出会いから今に至る出来事が俺の中で駆巡る。
パキッ、と自分の心が痛い。
ーーお願いだ、もう傷つきたくない。
ーー俺と関わるな!
「離せ」
雪の手を振りほどき、俺は雪の前に立つ。
185cmの彼にどう足掻いたって見下ろされるが、俺も負けずに鋭い視線をぶつける。
「俺に相方面するな」
ーー怖い。
「ダイダスを捨てたのはお前だろ。」
ー―俺を捨てたのもお前だろ。
「そして終わらせたのは俺だ」
ー―逃げるのを決めたのは俺だ。
俺の発言に対する雪の感情が読めない。
彼はただ俺を静かに見つめた。
「お前の活動はこれからも応援しているよ。でももうお前とは会いたくない」
なんとか言葉を紡ぐと、俺は光の手首を掴んだ。
「じゃあな」
今度こそ雪から離れるように俺たちは飲み屋街に紛れ込もうとする。
そんな俺たちに雪は一言いった。
「光、瞬が君に会いたいって言っていたよ」
雪の発言に光は振り向き、キョトンとした表情を見せると、ハッと冷たく笑った。
「もう遅ぇとあいつに伝えてくれ」
と光は満面な笑みを見せる。
「あばよ!」
光は俺をひっぱると、俺たちは一目散に新宿の繁華街の人混みに入り込む。
「綾人、またね」
という雪の最後の言葉は聞かなかったことにする。
俺は目の前に現れた銀髪のイケメンに息を呑んだ。
彼の美貌に見惚れたからではない。
この世で最も会いたくない人間に会ってしまった恐怖からだ。
「雪、どうしてお前がここにいる」
光は俺を庇うように前に出る。
「光、寂しいよ。どうして僕を呼ばないんだ?」
「お前と綾人を会わせたくないからに決まっているだろ」
「高校からの友人にしてはそれは辛辣だな」
「何の用だよ、この売れっ子歌い手さん。いや、今はもうアーティストか?」
185cmの雪が俺たちを見下ろす。
175cmの光と178cmの俺じゃどう足掻いても雪と同じ目線にはなれない。
だけど光も背筋を凛と伸ばし、負けじと睨む。
「てめぇは瞬と一緒にいろ。俺たち一般人に構うな」
と光は吐き捨てると彼は俺に言った。
「綾人、飲み直すぞ」
「あぁ」
俺たちは雪に背を向け、繁華街の奥へ向かおうする。
「綾人、待って」
クイッと雪に肩を掴まれる。
その瞬間、ゾワッと鳥肌が立つ。
走馬灯のように、雪との出会いから今に至る出来事が俺の中で駆巡る。
パキッ、と自分の心が痛い。
ーーお願いだ、もう傷つきたくない。
ーー俺と関わるな!
「離せ」
雪の手を振りほどき、俺は雪の前に立つ。
185cmの彼にどう足掻いたって見下ろされるが、俺も負けずに鋭い視線をぶつける。
「俺に相方面するな」
ーー怖い。
「ダイダスを捨てたのはお前だろ。」
ー―俺を捨てたのもお前だろ。
「そして終わらせたのは俺だ」
ー―逃げるのを決めたのは俺だ。
俺の発言に対する雪の感情が読めない。
彼はただ俺を静かに見つめた。
「お前の活動はこれからも応援しているよ。でももうお前とは会いたくない」
なんとか言葉を紡ぐと、俺は光の手首を掴んだ。
「じゃあな」
今度こそ雪から離れるように俺たちは飲み屋街に紛れ込もうとする。
そんな俺たちに雪は一言いった。
「光、瞬が君に会いたいって言っていたよ」
雪の発言に光は振り向き、キョトンとした表情を見せると、ハッと冷たく笑った。
「もう遅ぇとあいつに伝えてくれ」
と光は満面な笑みを見せる。
「あばよ!」
光は俺をひっぱると、俺たちは一目散に新宿の繁華街の人混みに入り込む。
「綾人、またね」
という雪の最後の言葉は聞かなかったことにする。
50
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説


罰ゲームで告白したら、一生添い遂げることになった話
雷尾
BL
タイトルの通りです。
高校生たちの罰ゲーム告白から始まるお話。
受け:藤岡 賢治(ふじおかけんじ)野球部員。結構ガタイが良い
攻め:東 海斗(あずまかいと)校内一の引くほどの美形



王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる