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その後12
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できなかったらどうしよう。
久しぶりのコトに浮かれて、体を擦りバスミルクを溶かしたお湯に浸かる。バシャッと湯船のお湯を顔にかけ香りを楽しみ、鎮静作用のある香りで落ち着きを取り戻し、ふと我に返る。
先を読んだかのように、翠が用意してくれた香り。落ち着いてしまった為に思い浮かんだ不安。
「竜一さん? どうしたんです、凄く難しい顔してる。」
「あ、いや。これ、久しぶりのいつもの、前に翠がよく使ってた香りだなって」
自分で言いながら変な日本語だと思う。ニュアンスは伝わったようで、翠は俺の前でお湯を両手ですくい、パシャパシャこぼす。
「ローズウッドとラベンダー、ローズマリー。あとマンダリン、たまにアニスシード。」
そんなに使い分けていたんだ。
抱き寄せるように翠のお腹に腕を回し、首筋に顔を埋め香りを確かめる。湯気の香りより、翠の肌についた香りの方が甘く感じるのが不思議だ。ついでにキスを落とし、印をつける。
「あ!」
「襟と髪で隠れるから大丈夫。」
場所を確かめようと伸びてきた手を自分の手で搦め捕り、指を絡める。ゆったりと彼女を抱き締め、その柔らかさを堪能する。まだ俺もリラックスしている。
いつになく、竜一さんが落ち着かずそわそわしてる。無理もない、数ヶ月ぶりだし。お湯に浸かり、香りに気がつく余裕が出て初めてリラックスする。
出産の立会い、赤ん坊取り上げに参加した男が妻、パートナーに欲情しなくなる。分娩室の外で待っていたり、立会わなかった男よりかなり高い割合らしい。私の知り合いはだいたいそんな感じだ。
「竜一さんは…」
平気なの? とストレートに聞きそうになって、留める。そわそわしてたってことは大丈夫なのかな。
「ん?」
「この香り好きですか?」
「うん。翠の香りって感じ。」
「ローズウッドが、ワシントン条約でリスト入りしちゃって、もう入手が難しいんです。それで、代わりになるブレンドを色々試してるんですが…」
杏仁霜にラベンダーだけでも、ほんのりとした杏仁の甘みとラベンダーの華やかでバランスが取れるかも。今度試してみよう。忘れないうちにメモしとこう。
そういえば、数ヶ月ぶりなのに全く気負わずにいられる。不思議。気もそぞろどころか、思いっきり別件に気を取られてる。竜一さんを知る前は、気になることが少しでもあると集中できない。なくてもすぐ何かが気になってしまい集中できなくなった。
気になる事は先に済ませておこう。とは言え、竜一さんとなら他の事を考える、いや、考えるという事自体が不可能になる。
体を反転し、竜一さんのおでこにキスを落として先に風呂を上がる。
ドラマやなんかの赤ん坊を取り上げるシーン、きれい過ぎ。現実はグロいし、臭うし赤ん坊以外も色々出てくる。
女は月のもので、多少なりとも赤いものは見慣れるが、男は現実を思い知り思い出し萎える。萎える以前にその気が起きなくなる。体とともに心も重ねることも少なくなる、なくなる、すれ違う。様々な事情が浮き彫りにされ、溝が深まり離婚に至った夫婦もいた。
竜一さんにはあれ以来そういう対象に見られなくなってしまったのだろうか? 血を思い出しやる気も削げてしまうのだろうか? もう私じゃダメなの? 切なくなる。
上気せる前に風呂から上がり、脱衣所に出れば、見るからに不安そうに考え事をしてる翠がいた。機械的にドライヤーを動かし、もう既に乾いている側に風を当てている。
手早く着替え、ドライヤーを取り上げ、代わりに乾かしてやる。
「あ…」
「もう乾いてる所にずっと風当ててたよ?」
「ぼうっとしてました」
「緊張してる?」
「え?」
初めから翠は俺に対し、緊張する様子がなかったと思い出す。自然に上手に甘えてきたから、目一杯甘やかした。毎晩のように抱いていたのに、ある日を境にピタリとなくなり数ヶ月。
「久しぶりだから、緊張してるのかなって…」
「えー? 竜一さん、ごめんなさい。聞こえないです。耳元でドライヤー当ててるからー」
「……」
鏡越しに何でもないと伝えれば、再び翠は気持ち良さそうに目を瞑って髪を乾かされる。
自分の髪を乾かして寝室に行けば、鏡の前で肌の手入れは終わったのかまだなのか、両手で顔を覆ったまま動かない彼女がいる。
後ろから抱きかかえ、ベッドへ移動させる。
「翠、緊張してる? 不安? 怖い?」
「緊張はしてないです…嬉しいのに少し不安です。」
「何が不安?」
「年末、体調崩してから数ヶ月、毎日のようにあったのが、ピタリとなくなりました。」
「そうだね。でも毎晩ベッドで抱き寄せて、肌に触れてた。」
「我慢してくださってたようには思えませんでした。……私じゃダメになっちゃったんですか?」
「え!? まさか」
「だって、前はあんなにすごかったのに、今は裸で抱き合ってても全然反応してくれないし…」
「いや、反応してないわけじゃないけど…」
ただ心配の方が勝っただけ。論より証拠。翠の寝間着の裾から手を入れ、肌を撫でる。しっとり吸い付く肌に手を滑らせ、唇を塞ぐ。柔らかな肌と甘い香りを堪能してるうちに、勝手にむくむくと元気になるものを押し付ける。ようやく解禁されたんだ、もう満足するまでおさまりそうにない。
「…ん…」
「ん?」
視線を絡ませる。言葉は要らない。唇に頬に首筋にキスを降らせ、着ているものを剥ぎ裸になり押し倒す。
初めて抱いた時よりむしろ丁寧に優しくことが進む。ゆっくり幸せを噛みしめる。
隅々まで柔らかな肌を撫で、頬を赤らめ甘い吐息を漏らす翠の表情をもっとじっくり眺めたい。でも早く突っ込みたくて急く気持ちがせめぎ合う。首に巻きついていた翠の腕が背中に回り、腰に降りてきてもう我慢がきかない、勝手に体が動く。
手早く準備を済ませ潜り込んだ瞬間、全て吹っ飛んだ。いろいろとか、一瞬とか、じゃなくて全て吹っ飛んだ。
「あー、しばらく出来なかった分、ゆっくりたっぷり翠としたいのに、無理そう……」
「んんっ……」
外と中と良いところをピンポイントで攻められた。外から中、手前から奥、上り詰めても果てさせてくれない、続く快感の苦痛。荒々しく息を吐き、声を上げ身をよじらせ腰がはねる。竜一さんが抱き寄せてくれたからしがみつく。切なそうな表情、低く甘い声が耳元で囁く。苦しいほどの快感が弾け、熱い波間に浮かぶような恍惚とした状態になり、ただ竜一さんを感じるだけの肉塊になる。
久しぶりに寝室に満ちる、二人の熱気。ベッドの軋む音、どちらかわからない荒々しく乱れた呼吸音、ぐじゅぐじゅとぬかるむ音に肌を打ち合わせる音。
人間って、人と触れ合い生きていく生き物なんだと思った。それは肌を触れ合わせる物理的なことだけじゃなくて、相手を好きだと思う大切で愛おしいという熱い想い。その強い想いは感じてるよ、自分もそう思ってる伝えたい、伝わってくる、思いを感じ合う。それが心の触れ合い。
目がさめると、時差ボケでできなかった翌日の続き、止まっていた時間が動き出した。
竜一さんの温もり、匂い、呼吸音。寝返りを打とうとして軋む体のだるさ。ふと触れて、ヒリヒリとする無数に散る紅い跡の残る肌。
できた。よかった。
安堵と幸福感に包まれる。
ゴツゴツした竜一さんの脚に自分の脚を絡め、ぐりぐりと胸におでこを押し付け抱きつく。とくとくと一定のリズムを刻む心音を感じ取る。まだ起きてないのに、竜一さんが私の腰に腕を回し抱き寄せてくれる。どこかに下敷きにされた髪が引っ張られ、思わず息を呑む。
「……翠?」
「んー、痛っ!」
私の悲鳴に、竜一さんがギクッとして体を強張らせる。余計に引っ張られ、痛い。
「竜一さん、力抜いて…」
「あ、ごめん」
竜一さんの腕の下から髪を退かし、改めて朝の挨拶。優しく細められる目に、柔らかく上がる口角。久しぶりにこの表情を見た気がした。挨拶のキスというにはあまりに濃厚なキスを受け、はやる気持ちに応える。
久しぶりに二人揃って昼近くまでベッドでゴロゴロする。喉が渇いて、お腹が空いて、渋々ベッドを抜け出した竜一さんが嬉しそうに愚痴をこぼす。
「あー、腰いてぇ、ゴミ袋変えなきゃ…腹減った…」
腰をさすりながら暖房をつけ、部屋を出て行く。程なく替えのゴミ袋を持って戻り、ゴミ箱の袋を変えまた出て行く。その間ずっと素っ裸。服着ないのかな? 寒くないのかな? フリーダムだ。裸族か? 久々にミシミシ言うだけで動かない体をベッドに横たえたまま、寝癖のついた竜一さんの頭を眺める。
「翠、起きれる? そんな色っぽくベッドから視線投げられるとまた襲いたくなっちゃうんだけど」
「体、動かない…」
「そもそも体動かす気ある?」
「ない」
私の体の下に腕を入れ、上半身を起こされる。そのまま抱きしめられる。
「体、辛い?」
「動くのは辛い。」
「そっか。これから何度でもこんな目に合わせちゃうかもよ? あ、『かも』じゃないな……」
「こういう休日、好きです。」
こんな休日をまた過ごせるようになれたことが嬉しい。
久しぶりのコトに浮かれて、体を擦りバスミルクを溶かしたお湯に浸かる。バシャッと湯船のお湯を顔にかけ香りを楽しみ、鎮静作用のある香りで落ち着きを取り戻し、ふと我に返る。
先を読んだかのように、翠が用意してくれた香り。落ち着いてしまった為に思い浮かんだ不安。
「竜一さん? どうしたんです、凄く難しい顔してる。」
「あ、いや。これ、久しぶりのいつもの、前に翠がよく使ってた香りだなって」
自分で言いながら変な日本語だと思う。ニュアンスは伝わったようで、翠は俺の前でお湯を両手ですくい、パシャパシャこぼす。
「ローズウッドとラベンダー、ローズマリー。あとマンダリン、たまにアニスシード。」
そんなに使い分けていたんだ。
抱き寄せるように翠のお腹に腕を回し、首筋に顔を埋め香りを確かめる。湯気の香りより、翠の肌についた香りの方が甘く感じるのが不思議だ。ついでにキスを落とし、印をつける。
「あ!」
「襟と髪で隠れるから大丈夫。」
場所を確かめようと伸びてきた手を自分の手で搦め捕り、指を絡める。ゆったりと彼女を抱き締め、その柔らかさを堪能する。まだ俺もリラックスしている。
いつになく、竜一さんが落ち着かずそわそわしてる。無理もない、数ヶ月ぶりだし。お湯に浸かり、香りに気がつく余裕が出て初めてリラックスする。
出産の立会い、赤ん坊取り上げに参加した男が妻、パートナーに欲情しなくなる。分娩室の外で待っていたり、立会わなかった男よりかなり高い割合らしい。私の知り合いはだいたいそんな感じだ。
「竜一さんは…」
平気なの? とストレートに聞きそうになって、留める。そわそわしてたってことは大丈夫なのかな。
「ん?」
「この香り好きですか?」
「うん。翠の香りって感じ。」
「ローズウッドが、ワシントン条約でリスト入りしちゃって、もう入手が難しいんです。それで、代わりになるブレンドを色々試してるんですが…」
杏仁霜にラベンダーだけでも、ほんのりとした杏仁の甘みとラベンダーの華やかでバランスが取れるかも。今度試してみよう。忘れないうちにメモしとこう。
そういえば、数ヶ月ぶりなのに全く気負わずにいられる。不思議。気もそぞろどころか、思いっきり別件に気を取られてる。竜一さんを知る前は、気になることが少しでもあると集中できない。なくてもすぐ何かが気になってしまい集中できなくなった。
気になる事は先に済ませておこう。とは言え、竜一さんとなら他の事を考える、いや、考えるという事自体が不可能になる。
体を反転し、竜一さんのおでこにキスを落として先に風呂を上がる。
ドラマやなんかの赤ん坊を取り上げるシーン、きれい過ぎ。現実はグロいし、臭うし赤ん坊以外も色々出てくる。
女は月のもので、多少なりとも赤いものは見慣れるが、男は現実を思い知り思い出し萎える。萎える以前にその気が起きなくなる。体とともに心も重ねることも少なくなる、なくなる、すれ違う。様々な事情が浮き彫りにされ、溝が深まり離婚に至った夫婦もいた。
竜一さんにはあれ以来そういう対象に見られなくなってしまったのだろうか? 血を思い出しやる気も削げてしまうのだろうか? もう私じゃダメなの? 切なくなる。
上気せる前に風呂から上がり、脱衣所に出れば、見るからに不安そうに考え事をしてる翠がいた。機械的にドライヤーを動かし、もう既に乾いている側に風を当てている。
手早く着替え、ドライヤーを取り上げ、代わりに乾かしてやる。
「あ…」
「もう乾いてる所にずっと風当ててたよ?」
「ぼうっとしてました」
「緊張してる?」
「え?」
初めから翠は俺に対し、緊張する様子がなかったと思い出す。自然に上手に甘えてきたから、目一杯甘やかした。毎晩のように抱いていたのに、ある日を境にピタリとなくなり数ヶ月。
「久しぶりだから、緊張してるのかなって…」
「えー? 竜一さん、ごめんなさい。聞こえないです。耳元でドライヤー当ててるからー」
「……」
鏡越しに何でもないと伝えれば、再び翠は気持ち良さそうに目を瞑って髪を乾かされる。
自分の髪を乾かして寝室に行けば、鏡の前で肌の手入れは終わったのかまだなのか、両手で顔を覆ったまま動かない彼女がいる。
後ろから抱きかかえ、ベッドへ移動させる。
「翠、緊張してる? 不安? 怖い?」
「緊張はしてないです…嬉しいのに少し不安です。」
「何が不安?」
「年末、体調崩してから数ヶ月、毎日のようにあったのが、ピタリとなくなりました。」
「そうだね。でも毎晩ベッドで抱き寄せて、肌に触れてた。」
「我慢してくださってたようには思えませんでした。……私じゃダメになっちゃったんですか?」
「え!? まさか」
「だって、前はあんなにすごかったのに、今は裸で抱き合ってても全然反応してくれないし…」
「いや、反応してないわけじゃないけど…」
ただ心配の方が勝っただけ。論より証拠。翠の寝間着の裾から手を入れ、肌を撫でる。しっとり吸い付く肌に手を滑らせ、唇を塞ぐ。柔らかな肌と甘い香りを堪能してるうちに、勝手にむくむくと元気になるものを押し付ける。ようやく解禁されたんだ、もう満足するまでおさまりそうにない。
「…ん…」
「ん?」
視線を絡ませる。言葉は要らない。唇に頬に首筋にキスを降らせ、着ているものを剥ぎ裸になり押し倒す。
初めて抱いた時よりむしろ丁寧に優しくことが進む。ゆっくり幸せを噛みしめる。
隅々まで柔らかな肌を撫で、頬を赤らめ甘い吐息を漏らす翠の表情をもっとじっくり眺めたい。でも早く突っ込みたくて急く気持ちがせめぎ合う。首に巻きついていた翠の腕が背中に回り、腰に降りてきてもう我慢がきかない、勝手に体が動く。
手早く準備を済ませ潜り込んだ瞬間、全て吹っ飛んだ。いろいろとか、一瞬とか、じゃなくて全て吹っ飛んだ。
「あー、しばらく出来なかった分、ゆっくりたっぷり翠としたいのに、無理そう……」
「んんっ……」
外と中と良いところをピンポイントで攻められた。外から中、手前から奥、上り詰めても果てさせてくれない、続く快感の苦痛。荒々しく息を吐き、声を上げ身をよじらせ腰がはねる。竜一さんが抱き寄せてくれたからしがみつく。切なそうな表情、低く甘い声が耳元で囁く。苦しいほどの快感が弾け、熱い波間に浮かぶような恍惚とした状態になり、ただ竜一さんを感じるだけの肉塊になる。
久しぶりに寝室に満ちる、二人の熱気。ベッドの軋む音、どちらかわからない荒々しく乱れた呼吸音、ぐじゅぐじゅとぬかるむ音に肌を打ち合わせる音。
人間って、人と触れ合い生きていく生き物なんだと思った。それは肌を触れ合わせる物理的なことだけじゃなくて、相手を好きだと思う大切で愛おしいという熱い想い。その強い想いは感じてるよ、自分もそう思ってる伝えたい、伝わってくる、思いを感じ合う。それが心の触れ合い。
目がさめると、時差ボケでできなかった翌日の続き、止まっていた時間が動き出した。
竜一さんの温もり、匂い、呼吸音。寝返りを打とうとして軋む体のだるさ。ふと触れて、ヒリヒリとする無数に散る紅い跡の残る肌。
できた。よかった。
安堵と幸福感に包まれる。
ゴツゴツした竜一さんの脚に自分の脚を絡め、ぐりぐりと胸におでこを押し付け抱きつく。とくとくと一定のリズムを刻む心音を感じ取る。まだ起きてないのに、竜一さんが私の腰に腕を回し抱き寄せてくれる。どこかに下敷きにされた髪が引っ張られ、思わず息を呑む。
「……翠?」
「んー、痛っ!」
私の悲鳴に、竜一さんがギクッとして体を強張らせる。余計に引っ張られ、痛い。
「竜一さん、力抜いて…」
「あ、ごめん」
竜一さんの腕の下から髪を退かし、改めて朝の挨拶。優しく細められる目に、柔らかく上がる口角。久しぶりにこの表情を見た気がした。挨拶のキスというにはあまりに濃厚なキスを受け、はやる気持ちに応える。
久しぶりに二人揃って昼近くまでベッドでゴロゴロする。喉が渇いて、お腹が空いて、渋々ベッドを抜け出した竜一さんが嬉しそうに愚痴をこぼす。
「あー、腰いてぇ、ゴミ袋変えなきゃ…腹減った…」
腰をさすりながら暖房をつけ、部屋を出て行く。程なく替えのゴミ袋を持って戻り、ゴミ箱の袋を変えまた出て行く。その間ずっと素っ裸。服着ないのかな? 寒くないのかな? フリーダムだ。裸族か? 久々にミシミシ言うだけで動かない体をベッドに横たえたまま、寝癖のついた竜一さんの頭を眺める。
「翠、起きれる? そんな色っぽくベッドから視線投げられるとまた襲いたくなっちゃうんだけど」
「体、動かない…」
「そもそも体動かす気ある?」
「ない」
私の体の下に腕を入れ、上半身を起こされる。そのまま抱きしめられる。
「体、辛い?」
「動くのは辛い。」
「そっか。これから何度でもこんな目に合わせちゃうかもよ? あ、『かも』じゃないな……」
「こういう休日、好きです。」
こんな休日をまた過ごせるようになれたことが嬉しい。
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