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その後4
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ようやく彼女の許可がおり、彼女の部屋に行く。
あのカフェから徒歩数分の住宅街のマンションだった。下町といった風情から世代交代しつつあるそんな地域だった。
彼女の部屋は、予想どおり可愛らしいとか、女性らしさを感じさせない部屋だった。本がたくさんあった。なぜか国語辞典が2冊あり、なぜ? と聞くと、昔、職場用と自宅用に持ってたけど、今はネットで調べられるから職場にも自宅にも要らないね、と言った。
まるで終活かのように、ゴミ出しの日に合わせて部屋に戻り、部屋のものを捨てて行く。
「もの、増やさないようにしてたんだけどやっぱり増えちゃってるのよね…」
「これ、ゴミ置場持ってくよ?」
「はい。お願いします。」
ゴミ袋を持って階下に降り、ふと見上げるとエントランス前に人が見え、なんとなく注視したら、忘れもしないあの男だった。かつて彼女が付き合っていた男がいた。
ギョッとした。なんでこんなところに奴がいるのか、何をするつもりなのか気になり、隣のビルの前にある自販機で缶コーヒーを買うふりをして男を確認することにした。エントランスを出て行くと、不自然に視線を逸らし、たまたま通りかかっただけです、と言わんばかりに歩き出す。が、のろのろと3歩進むだけで、それ以上先に進まない。ブラックの缶コーヒーとカフェオレを買いつつ視界の端に奴を映していたら、見られていないと思ったのか、また元の場所に戻ってくる。振り返ってエントランスに戻ろうとすると、俺に気がついて慌てて歩き出す。しかしチラチラと振り返るが距離は進まない。イラっとした。仁王立ちで睨みつけた。
奴が諦めて歩き出し姿が見えなくなるまで見送り、部屋に戻った。
「竜一さん? ゴミ捨て場そんなに分かり難かったですか?」
「いや、どれ買おうか迷っちゃって。」
もし彼女が一人でこの部屋に戻って来ている時に、奴に鉢合わせしたら?
ゾッとした。彼女が怖い目にあうんじゃないかということが怖かった。
「翠、早くここ引き払いなよ。片付け大変なら、俺有休取って手伝うから。」
「…今日は随分強引ですね。そんなに急がなくても、あとは、不用品を回収に出して、ってくらいですよ?」
「服とか、本は明日レンタカー借りてでも運んじゃおう?」
彼女をもう、この部屋に一人で戻らせる気はなかった。
「……なんでそんなに急に慌てだしたんです?」
「いや、この部屋に帰らせたくないから。あいつ、この部屋知ってるんだろ?」
「あいつ? ……前の彼ですか?」
「そう」
「マンションは知ってるけど、部屋番号までは言ってないです。」
彼女が疑わしげに俺を見る。
「別れてから、この近所、カフェ周辺であいつに会ったことある?」
「ありません。……竜一さん会ったんですか?」
「中途半端なこと言って余計に怖がらせるのは嫌だから言う。ごく最近見た。」
「そうですか……。あの、奴の職場はここから最寄駅が同じです。ここと反対口方面ですが。転職してなければ」
「そっか、ならこっち側にいるのは不自然だな。もう、この部屋には一人で戻るな。」
「え……」
カフェオレの缶を持ったまま翠が固まる。恐怖の表情はない、次第に頬がこわばり、いかにも不快と言った表情を浮かべる。
「不愉快だとはっきり感じてるから、以前みたいに、押しに負けて流されたりはしません。でも、力づくで来られたら、負ける。」
「わかってるならいい。今日明日中に管理会社へ連絡して、引っ越そう? 残りの家賃も引越し作業の費用も俺出すから。」
「…わかりました。私も、もう会いたくありません。費用は大丈夫です。」
翠がうんざり、と言った表情でため息をつく。
数日後、残りの荷物が俺の部屋に来た。家電や家具を回収業者へ渡し、翠の部屋が空っぽになる。部屋を掃除し、最後にカーテンを外す。ゴミ袋へ詰め、ゴミ捨て場に出した。週末の午前中、管理会社に引き渡し確認をしマンションを出た。あれ以降、奴に会うことはなく、ホッとした。
俺の勤め先でもあるカフェへ一服しに行く。
「いらっしゃいませ、あ、お疲れ様です。」
「お疲れさん、今日は客だよ。」
「え? そうですか。」
エビとアボカドのサンドウィッチとソイラテのセットを2つ注文する。妙に緊張した様子で作業するスタッフに苦笑する。
先に席に座っていた翠にトレーを渡す。
「あ、エビとアボカドのサンド。ありがとうございます。」
「翠といえば、これ、って思って勝手に注文しちゃったけど、良かった?」
「はい。久しぶりにここ来ましたから、これ食べるのも久しぶりです。」
今更気がつく。
「翠、アイツ、この駅が職場の最寄駅なんだろ? 奴に会うかもって考えなかった?」
「今更ですね。別れてすぐは確かに遠のきましたが、うっかり忘れて何度か来てから思い出しました。でも、会うことはありませんでした。何より、自分からカフェに入るような人じゃないですからね。」
「そう、なら良いけど。でも本当、気をつけて。もうこの駅には近寄らないで。」
クスクスと笑ってわかった、と返事をする翠。
「軽いな。何かあってからじゃ遅いんだぞ」
「大丈夫、この駅、そもそも住んでなければ、わざわざ来るようなところじゃないし。乗り換えで通ることもないし。」
「職場は?」
「付き合うより数年前に名刺をあげた記憶があるけど、もう捨ててるんじゃないかな。」
「翠の勤め先の会社ってかなり有名なグループ会社だよな。」
「うん、だから調べれば簡単に知れるけど、それのどれか覚えてないだろうし、そうするならもう会ってるんじゃない?」
「転職して何年も経ってから、突然連絡寄越すような奴だろ? 今更突撃して来ないとは言えないだろ?」
翠がパクついていたサンドウィッチから、アボカドが滑り落ちた。
ポトリと皿の上に落ちる。
途端に渋い表情になる。
「せっかくの美味しいお昼が不味くなる。」
「ゴメン。でも大事な話だから。」
翠がマグカップのソイラテを一口飲むと姿勢を正す。真っ直ぐ俺の目を見て口を開く。
凛とした佇まい仕草に思わず見惚れる。
「この街には、今日、これっきりでもう近寄らない。ワイドショーのネタになりそうなことする気も会う気もない。」
「うん。ラッシュが苦手なのは知ってるけど、仕事も定時で上がって、人気のある時間帯に帰って来て。」
「はい。……あの、もし竜一さんが良いなら、仕事は辞めたい。」
「え?」
「見つかるかもってビクビクとしながら過ごすのは嫌。竜一さんの部屋から近いところで精神的にも体力的にも楽な仕事に変えたい。でもそうすると、収入が減る。竜一さんに頼ることになる。」
「翠、俺のこと一人も養うこと出来ない甲斐性無しだと思ってるのか?」
「そうじゃないけど、負担が増えるのは確かでしょ?」
「俺は負担だと思ったことはない。むしろ、翠が居てくれて癒されてる。翠がうちに来てから、渡してくれてた生活費は手付かずで貯まってる。」
「え…使ってくれていいのに」
「だから、仕事は辞めても問題ないよ。また働きたくなったら働けばいい。その時は一言教えて。」
「ん…」
またマグカップを手に取り、一口飲むと、残りのサンドウィッチをゆっくり食べ始める。
食事を終え、カフェとは反対口側にある輸入食品のスーパーでハーブティーを買いたいと言うので、翠の買い物に付き合う。
駅前広場に出ると、ふと視線を感じた。
振り返ればあの男がいた。なんで、最後の最後でかち合っちゃうかな。絡まれる前に行こうと、翠を引き寄せ改札に向かう。
運とかタイミングというのは、重なるときはとことん重なる。ご老人のグループにペースを乱されまごついているうちに、すぐ後ろに気配を感じ振り返ると、男が翠に手を伸ばしたところだった。
思わずカッとなり、男の手をはたき落した。
バチィッ
翠がびっくりして、俺をふり仰ぐ。そのまま斜め後ろで中途半端に手を伸ばしたままの男を見る。びっくりした表情のまま固まり、俺の手を握る力がわずかに強まった。
意外と大きな音が響いたせいか、一瞬周りの人がこちらを振り返った。
「失礼、手が伸びて来たのが見えたので。こんな白昼堂々人目のあるところで、スリか痴漢か?」
「なっ……お、俺、お前…」
俺が目に入っていなかったのか、突然行動を遮られたことに、慌てる男。この分じゃ、マンション前から追い払ったのが俺だって、覚えてないんじゃないか?
また、手を伸ばすので翠をかばい後ろに隠した。
「彼女に近寄るな」
「ち、ちが…お…」
「防犯カメラに映ってるだろうし、交番の前だ。申し開きがあるならそこで聞くが?」
遠巻きに見ていた人たちがざわざわし始める。
あのカフェから徒歩数分の住宅街のマンションだった。下町といった風情から世代交代しつつあるそんな地域だった。
彼女の部屋は、予想どおり可愛らしいとか、女性らしさを感じさせない部屋だった。本がたくさんあった。なぜか国語辞典が2冊あり、なぜ? と聞くと、昔、職場用と自宅用に持ってたけど、今はネットで調べられるから職場にも自宅にも要らないね、と言った。
まるで終活かのように、ゴミ出しの日に合わせて部屋に戻り、部屋のものを捨てて行く。
「もの、増やさないようにしてたんだけどやっぱり増えちゃってるのよね…」
「これ、ゴミ置場持ってくよ?」
「はい。お願いします。」
ゴミ袋を持って階下に降り、ふと見上げるとエントランス前に人が見え、なんとなく注視したら、忘れもしないあの男だった。かつて彼女が付き合っていた男がいた。
ギョッとした。なんでこんなところに奴がいるのか、何をするつもりなのか気になり、隣のビルの前にある自販機で缶コーヒーを買うふりをして男を確認することにした。エントランスを出て行くと、不自然に視線を逸らし、たまたま通りかかっただけです、と言わんばかりに歩き出す。が、のろのろと3歩進むだけで、それ以上先に進まない。ブラックの缶コーヒーとカフェオレを買いつつ視界の端に奴を映していたら、見られていないと思ったのか、また元の場所に戻ってくる。振り返ってエントランスに戻ろうとすると、俺に気がついて慌てて歩き出す。しかしチラチラと振り返るが距離は進まない。イラっとした。仁王立ちで睨みつけた。
奴が諦めて歩き出し姿が見えなくなるまで見送り、部屋に戻った。
「竜一さん? ゴミ捨て場そんなに分かり難かったですか?」
「いや、どれ買おうか迷っちゃって。」
もし彼女が一人でこの部屋に戻って来ている時に、奴に鉢合わせしたら?
ゾッとした。彼女が怖い目にあうんじゃないかということが怖かった。
「翠、早くここ引き払いなよ。片付け大変なら、俺有休取って手伝うから。」
「…今日は随分強引ですね。そんなに急がなくても、あとは、不用品を回収に出して、ってくらいですよ?」
「服とか、本は明日レンタカー借りてでも運んじゃおう?」
彼女をもう、この部屋に一人で戻らせる気はなかった。
「……なんでそんなに急に慌てだしたんです?」
「いや、この部屋に帰らせたくないから。あいつ、この部屋知ってるんだろ?」
「あいつ? ……前の彼ですか?」
「そう」
「マンションは知ってるけど、部屋番号までは言ってないです。」
彼女が疑わしげに俺を見る。
「別れてから、この近所、カフェ周辺であいつに会ったことある?」
「ありません。……竜一さん会ったんですか?」
「中途半端なこと言って余計に怖がらせるのは嫌だから言う。ごく最近見た。」
「そうですか……。あの、奴の職場はここから最寄駅が同じです。ここと反対口方面ですが。転職してなければ」
「そっか、ならこっち側にいるのは不自然だな。もう、この部屋には一人で戻るな。」
「え……」
カフェオレの缶を持ったまま翠が固まる。恐怖の表情はない、次第に頬がこわばり、いかにも不快と言った表情を浮かべる。
「不愉快だとはっきり感じてるから、以前みたいに、押しに負けて流されたりはしません。でも、力づくで来られたら、負ける。」
「わかってるならいい。今日明日中に管理会社へ連絡して、引っ越そう? 残りの家賃も引越し作業の費用も俺出すから。」
「…わかりました。私も、もう会いたくありません。費用は大丈夫です。」
翠がうんざり、と言った表情でため息をつく。
数日後、残りの荷物が俺の部屋に来た。家電や家具を回収業者へ渡し、翠の部屋が空っぽになる。部屋を掃除し、最後にカーテンを外す。ゴミ袋へ詰め、ゴミ捨て場に出した。週末の午前中、管理会社に引き渡し確認をしマンションを出た。あれ以降、奴に会うことはなく、ホッとした。
俺の勤め先でもあるカフェへ一服しに行く。
「いらっしゃいませ、あ、お疲れ様です。」
「お疲れさん、今日は客だよ。」
「え? そうですか。」
エビとアボカドのサンドウィッチとソイラテのセットを2つ注文する。妙に緊張した様子で作業するスタッフに苦笑する。
先に席に座っていた翠にトレーを渡す。
「あ、エビとアボカドのサンド。ありがとうございます。」
「翠といえば、これ、って思って勝手に注文しちゃったけど、良かった?」
「はい。久しぶりにここ来ましたから、これ食べるのも久しぶりです。」
今更気がつく。
「翠、アイツ、この駅が職場の最寄駅なんだろ? 奴に会うかもって考えなかった?」
「今更ですね。別れてすぐは確かに遠のきましたが、うっかり忘れて何度か来てから思い出しました。でも、会うことはありませんでした。何より、自分からカフェに入るような人じゃないですからね。」
「そう、なら良いけど。でも本当、気をつけて。もうこの駅には近寄らないで。」
クスクスと笑ってわかった、と返事をする翠。
「軽いな。何かあってからじゃ遅いんだぞ」
「大丈夫、この駅、そもそも住んでなければ、わざわざ来るようなところじゃないし。乗り換えで通ることもないし。」
「職場は?」
「付き合うより数年前に名刺をあげた記憶があるけど、もう捨ててるんじゃないかな。」
「翠の勤め先の会社ってかなり有名なグループ会社だよな。」
「うん、だから調べれば簡単に知れるけど、それのどれか覚えてないだろうし、そうするならもう会ってるんじゃない?」
「転職して何年も経ってから、突然連絡寄越すような奴だろ? 今更突撃して来ないとは言えないだろ?」
翠がパクついていたサンドウィッチから、アボカドが滑り落ちた。
ポトリと皿の上に落ちる。
途端に渋い表情になる。
「せっかくの美味しいお昼が不味くなる。」
「ゴメン。でも大事な話だから。」
翠がマグカップのソイラテを一口飲むと姿勢を正す。真っ直ぐ俺の目を見て口を開く。
凛とした佇まい仕草に思わず見惚れる。
「この街には、今日、これっきりでもう近寄らない。ワイドショーのネタになりそうなことする気も会う気もない。」
「うん。ラッシュが苦手なのは知ってるけど、仕事も定時で上がって、人気のある時間帯に帰って来て。」
「はい。……あの、もし竜一さんが良いなら、仕事は辞めたい。」
「え?」
「見つかるかもってビクビクとしながら過ごすのは嫌。竜一さんの部屋から近いところで精神的にも体力的にも楽な仕事に変えたい。でもそうすると、収入が減る。竜一さんに頼ることになる。」
「翠、俺のこと一人も養うこと出来ない甲斐性無しだと思ってるのか?」
「そうじゃないけど、負担が増えるのは確かでしょ?」
「俺は負担だと思ったことはない。むしろ、翠が居てくれて癒されてる。翠がうちに来てから、渡してくれてた生活費は手付かずで貯まってる。」
「え…使ってくれていいのに」
「だから、仕事は辞めても問題ないよ。また働きたくなったら働けばいい。その時は一言教えて。」
「ん…」
またマグカップを手に取り、一口飲むと、残りのサンドウィッチをゆっくり食べ始める。
食事を終え、カフェとは反対口側にある輸入食品のスーパーでハーブティーを買いたいと言うので、翠の買い物に付き合う。
駅前広場に出ると、ふと視線を感じた。
振り返ればあの男がいた。なんで、最後の最後でかち合っちゃうかな。絡まれる前に行こうと、翠を引き寄せ改札に向かう。
運とかタイミングというのは、重なるときはとことん重なる。ご老人のグループにペースを乱されまごついているうちに、すぐ後ろに気配を感じ振り返ると、男が翠に手を伸ばしたところだった。
思わずカッとなり、男の手をはたき落した。
バチィッ
翠がびっくりして、俺をふり仰ぐ。そのまま斜め後ろで中途半端に手を伸ばしたままの男を見る。びっくりした表情のまま固まり、俺の手を握る力がわずかに強まった。
意外と大きな音が響いたせいか、一瞬周りの人がこちらを振り返った。
「失礼、手が伸びて来たのが見えたので。こんな白昼堂々人目のあるところで、スリか痴漢か?」
「なっ……お、俺、お前…」
俺が目に入っていなかったのか、突然行動を遮られたことに、慌てる男。この分じゃ、マンション前から追い払ったのが俺だって、覚えてないんじゃないか?
また、手を伸ばすので翠をかばい後ろに隠した。
「彼女に近寄るな」
「ち、ちが…お…」
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