魔法の剣とエド

アズ

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第一章 魔法の剣

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「僕は理解出来ない。魔女は自然を守ろうとしていた。そんな魔女が戦争を引き起こした?」
「魔女は人間を滅ぼすことで、この星が再び再生することに、最後の望みとした。自然が再生するには、人間は邪魔になる。人間がいてはまた自然が破壊されてしまう。主はそれに反対した」
「ちょっと待って! 僕の知る話しとは違う」
 そう言って、エドは自分が知る物語を話しだした。

森が騒がしいと思い何事かと駆け寄ると、折れた鉄の羽のそばに男が倒れていた。

男の額には血がついており、それは新しかった。

男の黒い瞳が此方を見ていた。その男の肩には小鳥がとまっていた。

ここの生き物が簡単に人間の男に恐れもせずに肩にとまっているのに驚いた。

小鳥は話かける。

「この人を助けて」

今まで動物が人間を助けてなんて言われたことはなかった。

動揺した私だったが、男を助けることにした。

本当は嫌だった。

だって、この男の格好は軍服だったから。

男は元気を取り戻し、私に感謝を述べてきた。

私は直ぐに森から出るよう警告した。

だが、彼は直ぐに森を出なかった。もう、完治しているのに。

彼の目には楽園を見つけたような眼差しがあった。

危険だと思った。

男を脅したが、男は動揺しなかった。それを見た私が動揺してしまった。

男は一人、森を散策した。

森に迷いその男は死ぬだろう。せっかく助けた命だったが、これで私はホッとした。

だが、男は生きていた。

男は死ななかった。

男は植物を眺めてから、私に素晴らしい場所だと言った。

何故なのか。ここにある植物は毒を持っている。知らないのか。

だが、男は人間に危害があっても美しさが消えるわけではないと答えた。

変わった男だと思った。

男はそれからもずっと森に居座った。

何故戻らないのかと聞くと、男は「戦争をしたくない」と答えた。

ずっと森にいたいと言う男に私は迷惑していた。

だが、ここにいる植物達は何故か彼に棘の先を向けなかった。

私は困惑して、植物との会話の仕方を彼に教えた。

彼はあっさり覚えた。

もっと知りたいと言う彼に、自然の会話を教えた。

すると、彼の周りで風が吹いた。

私は驚いた。

男は自然を理解したのだ。

普通の人間では出来ないことだ。

彼は本当に自然が好きだった。

私は次第に心を許すようになった。

彼は自然を愛し、私を愛した。

私も彼を愛し、二人の時間は続いた。

だが、それは永遠ではなかった。

突然の別れだ。

それは亀裂が走るように衝撃的だった。

彼は自然を守りたいと言い出した。

そして、人間を全員殺すのだと。

違う。自然は生命。でも、彼は破壊と死を選択した。

彼は人間だった。

自然にも終わりはある。だが、それは奪うものと違う。彼は奪おうとした。

私とは違う。

私は彼から離れた。

彼は私を呼び止めようとしたが、私は彼の目の前からは二度と姿を見せなかった。何度、呼ばれようと。

諦めきれず連呼する彼。

でも、終わったことだ。

私は後悔した。男に言葉を教えてしまった。

そして、私が予感したことが起こった。男は遂に魔法を使い、森を大地を変えてしまった。

男は呪いをかけ、ガーディアンをつくった。

最後に、男は私の名を呼んだが、私は最後まで答えなかった。

その後、男がどうなったかは知らない。



 その話しを聞いた魔女ガーディアンは首を横に振った。
「正しくない。正しくはこうだ」


森が騒がしいと思い何事かと駆け寄ると、折れた鉄の羽のそばに男が倒れていた。

男の額には血がついており、それは新しかった。

男の黒い瞳が此方を見ていた。その男のそばにカラスがとまっていた。

使い魔が珍しく人間を殺さずにいるのに驚いた。

カラスは話かける。

「この男を利用しよう」

一回目以来使い魔から人間を利用しようと提案されたことはなかった。

躊躇った私だったが、結局男を助けることにした。

本当は嫌だった。

だって、この男からは正義感が感じられたから。

男は元気を取り戻し、私に感謝を述べてきた。

私は後々になって使い魔に従ったことに後悔して男に直ぐに森から出るよう警告した。

だが、彼は直ぐに森を出なかった。もう、完治しているのに。

彼の目には楽園を見つけたような眼差しがあった。

厄介だと思った。

男を脅したが、男は動揺しなかった。それを見た私が動揺してしまった。

男は一人、森を散策した。

森に迷いその男は死ぬだろう。せっかく助けた命だったが、これで私はホッとした。

だが、男は生きていた。

男は死ななかった。

男は植物を眺めてから、私に素晴らしい場所だと言った。

何故なのか。ここにある植物は私が育てた。毒を持っている。知らないのか。

だが、男は人間に危害があっても美しさが消えるわけではないと答えた。

変わった男だと思った。

男はそれからもずっと森に居座った。

何故戻らないのかと聞くと、男は「戦場には戻りたくない」と答えた。

ずっと森にいたいと言う男に私は迷惑していた。

成る程。男は戦場に戻れば今度こそ死ぬかもしれないとおびえているのだな。

私は使い魔の言う通りに、植物との会話の仕方を彼に教えた。

彼はあっさり覚えた。

もっと知りたいと言う彼に、自然の会話を教えた。

すると、彼の周りで風が吹いた。

意外だった。

男は早くに自然を理解したのだ。

普通の人間では出来ないことだ。

彼は特別な男かもしれない。

私は次第に男に興味を持つようになった。

彼は自然を愛し、私を愛した。

私も彼を利用し、二人の時間は続いた。

だが、それは永遠ではなかった。

突然の別れだ。

それは男にとって亀裂が走るように衝撃的だった。

私は自然を守りたいときり出した。

そして、人間を全員殺すのだと。

彼は否定した。
だが、私は破壊と死を選択した。人間がいなくならない限り、再生は出来ない。

彼は私を愛していたからこそ、苦しんだ。やはり彼は人間だった。

自然にも終わりはある。だが、それは奪うものと違う。彼は最後の説得をした。

私とは違う。

私は彼から離れた。

彼は私を呼び止めようとしたが、私は彼の目の前からは二度と姿を見せなかった。何度、呼ばれようと。

諦めきれず連呼する男。

でも、終わったことだ。

私は後悔した。男にあろうことか魔法を教えてしまった。

そして、私が予感したことが起こった。男は遂に魔法を使い、森を大地を変えてしまった。

男は呪いをかけ、ガーディアンをつくった。

最後に、男は私の名を呼んだが、私は最後まで答えなかった。

その後、男がどうなったかは知らない。



「主はガーディアン、私に魔女を殺すよう命令した。そして、魔女に対抗できる武器として、魔法の剣を残した。しかし、魔女は悪魔のような罠をしかけた。この大地の自然を武器にして、魔女を襲う魔法だったのを人間を襲わせるように変え、動物を凶暴な魔法生物に変えた。 ……かつて、神の目を欺き楽園に魔女が侵入した。魔女は人間を特別扱いする神を恨み、人間を欺いた。正確にはイヴではなく、イヴに変身した魔女で、魔女は自らをイヴと名乗った。主は魔女の本名を知らない故に仮で魔女Xと言った。そもそも、狡猾な動物が楽園にいること事態、謎だった。だが、こうして謎を解いてみると意外にも簡単なことだ。蛇はその時の魔女Xの使い魔だった。そこから、邪悪な魔女の使い魔は蛇という象徴が生まれたが、魔女Xの使い魔は次々と姿を変えていった。故に魔女Xの行方の手掛かりが失われた。だが、主は確信している。魔女Xは再び現れた。自分の目の前に。そして、魔女Xこそ第二の騎士でもあると」
「第二の騎士?」
「ヨハネの黙示録の四騎士、その第二の騎士。普通の悪魔とは違う。だから、神の目を欺く程の変身魔法が使えたと主は予想している。だが、神は我々の味方をしてくれた。魔女Xが信用していた使い魔(悪魔)が化けた天使だったのだ。主は恐らく魔女Xを探している」
「これ、どこまで信用できるの……」と困惑するミア。
 もう一人の魔女も「知ってる話と全然違う」と同じく困惑していた。
 魔女ガーディアンは構わず続ける。
「私の姿は主が出会った際に見た魔女Xの姿だ。もし、魔女Xが変身していなかったら、この姿こそが魔女Xの正体だ。魔女メーデイアの弟子よ。お前は私を見て魔女だと最初言ったな。だが、その後にガーディアンだと分かった。普通はガーディアンを魔女とは言わないだろう。ガーディアンと先に気づけば。私が魔女の姿だと何故思った? 普通は人間の姿をしたガーディアンと見るだろう。だが、私は人間ではない。そう、魔力で動かされている人形でしかない。ガーディアンと分かる理由だ。では、お前は何故私が魔女だと分かった? お前は見たことがあるからだ。この姿をどこかで。答えてもらうぞ。答えが出るまで手段は選ばない」
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