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第一章 魔法の剣
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ミアは口笛を吹いていた。サイモンはというと、自分がこれまで見つけてきた植物について僕に説明をしていた。
サイモンが言うには、魔法生物がいるように植物も魔力によって変異したことから、総称として魔法植物と呼んでいるとのこと。
専門的な話をされても特に理解できそうにないので重要だと思ったところだけ頭の中に入れておくことにした。
「魔法植物が毒を持つのはね、外敵から身を守る為なんだよ。魔法植物にとって毒は武器であり、防御なんだ。中には、燃えやすい植物もあるな」
「燃えやすい植物ですか?」
「ああ。太陽光で照らされると燃えちゃうやつ。ほら、この先はさ森が燃えてるじゃん?」
確かに、雪山の頂上から見たあれだ。
「植物にはさ、自ら燃えて種をまき、繁殖しようとする植物がいるんだよ。しかも、その種は熱に強いんだ。そうやって自然界には変わった繁殖行為をする植物がいるんだ」
「成る程。勉強になります」
「あと、中には防護服が必要な植物もいるんだ」
「え!?」
すると、ミアは「この辺りにはいないよ」と答えた。
「本当に恐ろしい森ですね」
「そりゃ、人間が住めるような場所じゃないからな」
「そんな場所によくサイモンさんは長くいましたよね」
「植物を見ればだいたいは知っているからな。近づかない方がいい植物だな、これは触れなきゃ大丈夫だなって」
「へぇー」
すると、なんだか焼けるような臭いがしてきた。
「どうやら、この先は火事のようだな。ということは順調に行ったようだ」
「更に行けば燃える山へ行けるわよ」
「だが、噴火する山には近づけないぜ」とサイモンは言った。
「ええ、そうね。今の私では魔法が使えないから。ただ、火山噴出物の中には魔力が僅かに紛れているわ。ただ、正確に魔力をとらえないと魔法は使えない」
「やはり汚れなき水が必要になるか。確かあんた、水に心当たりがあるみたいだったが」
「ええ。魔女が魔法を使う為に水を組み上げる場所があるの。でないと魔法は使えないでしょ? ちょっと寄り道するけど、そこに行けば手押しポンプがあるわ」
「手押しポンプか。懐かしいな」
「魔女は機械を嫌うの」
「ああ、知ってるよ」
「そう言えば、あなた今まで飲水はどうしてきたの?」
「雨水を機械で飲水に変えてた」
ミアはどうでもいいことを聞いたとつまらなそうな顔をした。
「こっちよ」
ミアはそう言って先を進んだ。
◇◆◇◆◇
ミアの言う通り、手押しポンプが見えてきた。かなり古そうだが…… 。
ミアは空の瓶を取り出すと、手押しポンプに手で水を出した。
それは綺麗で光っていた。
空の瓶に水がたんまり入ると、ミアはその瓶を持った。
「それじゃ、あなた達もこの水に濡れて。魔法をかけるから」
エドはサイモンを見た。
それから、二人は手押しポンプでビショビショに濡れた。
「それじゃ、魔法をかけるよ」
ミアはそう言って両手を二人に向け突き出した。
ミアの呪文は二人にはなんと言っているのか分からなかった。知らない言葉だ。
呪文が完成すると、二人は宙を浮いた。
「これで、ひとっ飛び出来る。一気に山を越えるよ!」
ミアがそう言うと、一気に空高く体が飛んだ。
それは、経験したことのない体感。まるで、鳥になった気分だ。
ああ、こんなに地面が遠い。雲がそば近くにある。酸素が少ない。
その時だ。
あの巨大な鳥が此方に向かって飛んできた。
サイモンが言うには、魔法生物がいるように植物も魔力によって変異したことから、総称として魔法植物と呼んでいるとのこと。
専門的な話をされても特に理解できそうにないので重要だと思ったところだけ頭の中に入れておくことにした。
「魔法植物が毒を持つのはね、外敵から身を守る為なんだよ。魔法植物にとって毒は武器であり、防御なんだ。中には、燃えやすい植物もあるな」
「燃えやすい植物ですか?」
「ああ。太陽光で照らされると燃えちゃうやつ。ほら、この先はさ森が燃えてるじゃん?」
確かに、雪山の頂上から見たあれだ。
「植物にはさ、自ら燃えて種をまき、繁殖しようとする植物がいるんだよ。しかも、その種は熱に強いんだ。そうやって自然界には変わった繁殖行為をする植物がいるんだ」
「成る程。勉強になります」
「あと、中には防護服が必要な植物もいるんだ」
「え!?」
すると、ミアは「この辺りにはいないよ」と答えた。
「本当に恐ろしい森ですね」
「そりゃ、人間が住めるような場所じゃないからな」
「そんな場所によくサイモンさんは長くいましたよね」
「植物を見ればだいたいは知っているからな。近づかない方がいい植物だな、これは触れなきゃ大丈夫だなって」
「へぇー」
すると、なんだか焼けるような臭いがしてきた。
「どうやら、この先は火事のようだな。ということは順調に行ったようだ」
「更に行けば燃える山へ行けるわよ」
「だが、噴火する山には近づけないぜ」とサイモンは言った。
「ええ、そうね。今の私では魔法が使えないから。ただ、火山噴出物の中には魔力が僅かに紛れているわ。ただ、正確に魔力をとらえないと魔法は使えない」
「やはり汚れなき水が必要になるか。確かあんた、水に心当たりがあるみたいだったが」
「ええ。魔女が魔法を使う為に水を組み上げる場所があるの。でないと魔法は使えないでしょ? ちょっと寄り道するけど、そこに行けば手押しポンプがあるわ」
「手押しポンプか。懐かしいな」
「魔女は機械を嫌うの」
「ああ、知ってるよ」
「そう言えば、あなた今まで飲水はどうしてきたの?」
「雨水を機械で飲水に変えてた」
ミアはどうでもいいことを聞いたとつまらなそうな顔をした。
「こっちよ」
ミアはそう言って先を進んだ。
◇◆◇◆◇
ミアの言う通り、手押しポンプが見えてきた。かなり古そうだが…… 。
ミアは空の瓶を取り出すと、手押しポンプに手で水を出した。
それは綺麗で光っていた。
空の瓶に水がたんまり入ると、ミアはその瓶を持った。
「それじゃ、あなた達もこの水に濡れて。魔法をかけるから」
エドはサイモンを見た。
それから、二人は手押しポンプでビショビショに濡れた。
「それじゃ、魔法をかけるよ」
ミアはそう言って両手を二人に向け突き出した。
ミアの呪文は二人にはなんと言っているのか分からなかった。知らない言葉だ。
呪文が完成すると、二人は宙を浮いた。
「これで、ひとっ飛び出来る。一気に山を越えるよ!」
ミアがそう言うと、一気に空高く体が飛んだ。
それは、経験したことのない体感。まるで、鳥になった気分だ。
ああ、こんなに地面が遠い。雲がそば近くにある。酸素が少ない。
その時だ。
あの巨大な鳥が此方に向かって飛んできた。
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