23 / 47
第一章 魔法の剣
22
しおりを挟む
ミアは口笛を吹いていた。サイモンはというと、自分がこれまで見つけてきた植物について僕に説明をしていた。
サイモンが言うには、魔法生物がいるように植物も魔力によって変異したことから、総称として魔法植物と呼んでいるとのこと。
専門的な話をされても特に理解できそうにないので重要だと思ったところだけ頭の中に入れておくことにした。
「魔法植物が毒を持つのはね、外敵から身を守る為なんだよ。魔法植物にとって毒は武器であり、防御なんだ。中には、燃えやすい植物もあるな」
「燃えやすい植物ですか?」
「ああ。太陽光で照らされると燃えちゃうやつ。ほら、この先はさ森が燃えてるじゃん?」
確かに、雪山の頂上から見たあれだ。
「植物にはさ、自ら燃えて種をまき、繁殖しようとする植物がいるんだよ。しかも、その種は熱に強いんだ。そうやって自然界には変わった繁殖行為をする植物がいるんだ」
「成る程。勉強になります」
「あと、中には防護服が必要な植物もいるんだ」
「え!?」
すると、ミアは「この辺りにはいないよ」と答えた。
「本当に恐ろしい森ですね」
「そりゃ、人間が住めるような場所じゃないからな」
「そんな場所によくサイモンさんは長くいましたよね」
「植物を見ればだいたいは知っているからな。近づかない方がいい植物だな、これは触れなきゃ大丈夫だなって」
「へぇー」
すると、なんだか焼けるような臭いがしてきた。
「どうやら、この先は火事のようだな。ということは順調に行ったようだ」
「更に行けば燃える山へ行けるわよ」
「だが、噴火する山には近づけないぜ」とサイモンは言った。
「ええ、そうね。今の私では魔法が使えないから。ただ、火山噴出物の中には魔力が僅かに紛れているわ。ただ、正確に魔力をとらえないと魔法は使えない」
「やはり汚れなき水が必要になるか。確かあんた、水に心当たりがあるみたいだったが」
「ええ。魔女が魔法を使う為に水を組み上げる場所があるの。でないと魔法は使えないでしょ? ちょっと寄り道するけど、そこに行けば手押しポンプがあるわ」
「手押しポンプか。懐かしいな」
「魔女は機械を嫌うの」
「ああ、知ってるよ」
「そう言えば、あなた今まで飲水はどうしてきたの?」
「雨水を機械で飲水に変えてた」
ミアはどうでもいいことを聞いたとつまらなそうな顔をした。
「こっちよ」
ミアはそう言って先を進んだ。
◇◆◇◆◇
ミアの言う通り、手押しポンプが見えてきた。かなり古そうだが…… 。
ミアは空の瓶を取り出すと、手押しポンプに手で水を出した。
それは綺麗で光っていた。
空の瓶に水がたんまり入ると、ミアはその瓶を持った。
「それじゃ、あなた達もこの水に濡れて。魔法をかけるから」
エドはサイモンを見た。
それから、二人は手押しポンプでビショビショに濡れた。
「それじゃ、魔法をかけるよ」
ミアはそう言って両手を二人に向け突き出した。
ミアの呪文は二人にはなんと言っているのか分からなかった。知らない言葉だ。
呪文が完成すると、二人は宙を浮いた。
「これで、ひとっ飛び出来る。一気に山を越えるよ!」
ミアがそう言うと、一気に空高く体が飛んだ。
それは、経験したことのない体感。まるで、鳥になった気分だ。
ああ、こんなに地面が遠い。雲がそば近くにある。酸素が少ない。
その時だ。
あの巨大な鳥が此方に向かって飛んできた。
サイモンが言うには、魔法生物がいるように植物も魔力によって変異したことから、総称として魔法植物と呼んでいるとのこと。
専門的な話をされても特に理解できそうにないので重要だと思ったところだけ頭の中に入れておくことにした。
「魔法植物が毒を持つのはね、外敵から身を守る為なんだよ。魔法植物にとって毒は武器であり、防御なんだ。中には、燃えやすい植物もあるな」
「燃えやすい植物ですか?」
「ああ。太陽光で照らされると燃えちゃうやつ。ほら、この先はさ森が燃えてるじゃん?」
確かに、雪山の頂上から見たあれだ。
「植物にはさ、自ら燃えて種をまき、繁殖しようとする植物がいるんだよ。しかも、その種は熱に強いんだ。そうやって自然界には変わった繁殖行為をする植物がいるんだ」
「成る程。勉強になります」
「あと、中には防護服が必要な植物もいるんだ」
「え!?」
すると、ミアは「この辺りにはいないよ」と答えた。
「本当に恐ろしい森ですね」
「そりゃ、人間が住めるような場所じゃないからな」
「そんな場所によくサイモンさんは長くいましたよね」
「植物を見ればだいたいは知っているからな。近づかない方がいい植物だな、これは触れなきゃ大丈夫だなって」
「へぇー」
すると、なんだか焼けるような臭いがしてきた。
「どうやら、この先は火事のようだな。ということは順調に行ったようだ」
「更に行けば燃える山へ行けるわよ」
「だが、噴火する山には近づけないぜ」とサイモンは言った。
「ええ、そうね。今の私では魔法が使えないから。ただ、火山噴出物の中には魔力が僅かに紛れているわ。ただ、正確に魔力をとらえないと魔法は使えない」
「やはり汚れなき水が必要になるか。確かあんた、水に心当たりがあるみたいだったが」
「ええ。魔女が魔法を使う為に水を組み上げる場所があるの。でないと魔法は使えないでしょ? ちょっと寄り道するけど、そこに行けば手押しポンプがあるわ」
「手押しポンプか。懐かしいな」
「魔女は機械を嫌うの」
「ああ、知ってるよ」
「そう言えば、あなた今まで飲水はどうしてきたの?」
「雨水を機械で飲水に変えてた」
ミアはどうでもいいことを聞いたとつまらなそうな顔をした。
「こっちよ」
ミアはそう言って先を進んだ。
◇◆◇◆◇
ミアの言う通り、手押しポンプが見えてきた。かなり古そうだが…… 。
ミアは空の瓶を取り出すと、手押しポンプに手で水を出した。
それは綺麗で光っていた。
空の瓶に水がたんまり入ると、ミアはその瓶を持った。
「それじゃ、あなた達もこの水に濡れて。魔法をかけるから」
エドはサイモンを見た。
それから、二人は手押しポンプでビショビショに濡れた。
「それじゃ、魔法をかけるよ」
ミアはそう言って両手を二人に向け突き出した。
ミアの呪文は二人にはなんと言っているのか分からなかった。知らない言葉だ。
呪文が完成すると、二人は宙を浮いた。
「これで、ひとっ飛び出来る。一気に山を越えるよ!」
ミアがそう言うと、一気に空高く体が飛んだ。
それは、経験したことのない体感。まるで、鳥になった気分だ。
ああ、こんなに地面が遠い。雲がそば近くにある。酸素が少ない。
その時だ。
あの巨大な鳥が此方に向かって飛んできた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
素材採取家の異世界旅行記
木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。
可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。
個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。
このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。
この度アルファポリスより書籍化致しました。
書籍化部分はレンタルしております。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界転生騒動記
高見 梁川
ファンタジー
とある貴族の少年は前世の記憶を取り戻した。
しかしその前世はひとつだけではなく、もうひとつ存在した。
3つの記憶を持つ少年がファンタジー世界に変革をもたらすとき、風変わりな一人の英雄は現れる!
世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。
阿吽
ファンタジー
クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった!
※カクヨムにて先行投稿中

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる