理想と現実と果実

アズ

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第1章 アルカディア

03 パンドラの箱

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 女隊員は私をずっと横で睨んでいた。それを見かねた石塚は苦笑しながら「そのへんにしてやれ」と言った。
 すると、今度は女隊員が私に睨んだまま質問してきた。
「お前はさ、なんでそんなにAIが信じられないわけ」
 質問された私はうつむき、自分の過去を思い出しながら答えた。
「私は二つの意味でAIに依存する社会に反対している。今の社会は全てをAIに委ねてしまい、本来人間が担わなければならない決定の判断がいい加減になっている点。これをそのまま放置すれば、未来、大きな問題を見過ごす可能性がある。もし、毎日のようにAIが政治家に送る大量の資料の中に重要なデータがあって、それを見過ごしただ送られた資料にサインだけしていたら、知らない間にAIは政治家のサインをもとにそれを実行してしまうでしょう。あり得ない話しだけど、もし、その中にとある地域、国に対し兵器の使用を申請するものだったら、そのまま戦争に突入することになる。その例えは極論で、実際にAIがそれを求めることはないでしょうけど、私が言いたいのはAIが出した申請の中には通してはいけないものも無意識的に申請を許可してしまうリスクがある。AIではなく最後は人間が判断し決め事に対し責任を持って決断することがいつの間にかこの国では疎かになっている。それは本来の人間がAIを使うという関係性ではなくなっている。それに類似する話しで、裁判所も同じ。今はAIが裁判をしている。人間がやれば、裁判官という人によって判決が異なり公平性に欠ける部分があったかもしれないけど、やはりAIに裁判をやらせるべきではない。でも、民衆は裁判をAIに任せてしまった。まぁ、これは政治的な話しになるけど。二つ目は、AIが完璧とは言えないから。それは結局のところ使用者が完璧じゃないから。AIに命令を出して、AIがそれに従って働く、AIがあくまでも人間に使われるという関係がもし保たれているなら、人間は高度なAIにむしろ過信せずに慎重に扱うべきだと思う。例えば、人間がAIに命令する際に、人間が思っていたことを命令を受ける側がしっかりとその通りに認識してくれたかが問題になってくる。それは命令を出す人間が正しくAIに命令できるかにかかっている。AIは人間の命令に従って働いた時、私達が想像したのと違った働きをした場合、その分の損失を場合によっては負うことになる」
「あ、あんた……私より本当に年下なわけ? 歳を誤魔化してるんじゃないわよね」
「いや……むしろ私は大人にはなれなかった。大人に憧れはしたけど、私は結局大勢を不幸にしただけだった。それどころか、何も変えられなかった」
 左腕を右手で掴んだ。丁度、数字が入れられている部分に。
「あんた、なんでそんな歳でそこまで思い詰めるのよ。両親の影響?」
 私は首を横に振った。
「私の両親はむしろAIがつくり出す社会にどっぷり浸かっていたわ。人は人の上に立つべきではない、父はAIを嫌う私にそう言ったわ。それは歴史が示している。独裁や悪政によって苦しめられた人々がいた中でAIは差別といったものはしないと。でも、私は知っていた。AIが人間にランク付けをしていたことを。それはゼウスをハッキングした時に分かった。今のアースがどうなのかは私には知らない。皆、アースがなんなのか知らないで信用している。アースには極秘事項が沢山ある。それでも、大勢がそのパンドラの箱の中身を知らずに、開けようともせずに信じている」
 すると、石塚は言う。
「世の中には知らなきゃよかった事実というものもある。それをお前は無理矢理にでも実行し皆にそれを知るべきだと言って公開するのか? 確かに知る権利は皆にはあるだろう。だが、中には知りたくなかった人もいるんじゃないのか? そういう強引なやり方は俺は嫌いだな。大勢は今の社会を受け入れているし、変化を求めているわけじゃあない。無論、真実を知り考えを変える人も出てくるだろう。だが、それこそお前が言ったパンドラの箱だ。その後で何が起こると思う? 社会の混乱だ。お前はそれを望んでいるのか」
「社会の変化に抵抗ある人もいることは分かっているし、混乱が起こることは承知していた。それでも、変化が必要な時がある。ただ……私はヒーローにでもなった気分でいたのかもしれない。アースは私の想像よりも相手が大き過ぎた。人間ではもうアースには敵わないでしょう。なんならAIにはAIをぶつけてやろうかと考えもしたけど、AIゼウスでもアースには敵わないでしょうね。ゼウスはアースに乗っ取られ指導権を握るでしょうね。もう、今ではテロを起こすつもりはないわ」
「きっかけはなによ」
 女隊員はそう聞いた。
「私の祖母は介護ロボットに殺されたわ」
「え?」
「原因も教えてはくれなかったけれど、似たような事故があったのをゼウスにハッキングした際に知ったわ。その介護ロボットのモデルはもう使われていないけど、その当時から完全に介護はロボットで人の介入はなかったわ。完全自動化。遂に、介護も人間からロボットの仕事になったのよ。でも、その一方でトラブルもあった。移乗介助中、人型介護ロボットは祖母をお姫様抱っこしていた。その際に、ロボットの腕の中で態勢がズレてしまったの。ロボットは落ちないよう祖母を強く抱えてしまったの。祖母は痛いと悲鳴をあげたけど、何故かロボットはむしろより強く抱えた。ロボットの認識では、祖母が抱えている最中に暴れていると認識したの。つまり、そのロボットの欠点があらわになった。でも、それをいっさい報じられることはなかった。介護ロボットに対する偏見を恐れた政府はその情報を閉ざした。被害者の家族の中にはそれをネットにあげようとしたけど、全て削除され、そのアカウントを停止させたわ。そこまで出来るのは政府が当時のAIゼウスに命じたからよ」
「それって……」
「ロボットは改良され、今ではトラブルはないようだけど、それはただ情報が一切あがってこないだけかもしれない。不都合な情報は全てパンドラの箱にしまわれているかもしれない」
 そう言いながら私は石塚を見た。
 石塚は何も言わなかった。
「パンドラの箱の中には皆に知ってもらいたい情報までもが隠されている。でも結局、その蓋を最後まで開けることは叶わなかった」



 橘と石塚、女性隊員を乗せたヘリは国立図書館へ向かって飛んでいた。
 現在の国立図書館はかなり巨大ビルになっており、沢山の本が保管されてある。今は電子で内容を読むことができ、この時代に図書館をわざわざ利用する人はかなり激減していた。
 昔は、デジタルが進み本も紙媒体から電子へ移行するだろうと言われていたが、中々想定よりも実際はその通りには進んでこなかった。だが、読書より動画配信の視聴に若い人から順に時間を費やすようになってからは、紙媒体から映像化への動きが進んだ。その変化にはAIが関係している。AIは文章を読み取り、それを映像化する技術を獲得すると、人は文章から映像へとシフトチェンジした。
 原作は読んでないけどアニメやドラマを見るといった感覚だ。
 しかし、読書家からしてみれば漫画や映像では文字からの想像に欠けて、むしろ小説の面白味がそれらにはないことを感じている。流石のAIもその欠点はどうすることも出来なかった。
 それでも需要は変わった。
 紙媒体に拘り続ける人はもうこの時代では古い人と勝手に偏見を持たれたりするが、橘は紙媒体を好んだ。
 因みに、学校教育は教科書は全て電子化になっている。
 いくらAIが人間のかわりに労働をしてくれるとは言え、教育の必要は行われた。
 それも自宅で受ける授業スタイルではなく、アナログ的に感じるかもしれないが、学校というものは今の時代もあり、登校し、授業を受ける。
 学校はオンラインでは学べないオフライン部分を学べることができ、電子化が進んでも補えない部分はあった。
 学校の中には社会があり、例えば中学には先輩後輩の上下関係、年功序列がある。それはオンラインでは学ぶことは出来ない。
 橘も学校に登校していた。事件を起こすまでは。



 橘達を乗せたビルの屋上はヘリポートになっており、そこにヘリが着地すると、全員ヘリから降りて建物の中に入った。
 外は風が強く寒かったが、中は暖房がきいていた。
 屋上はエレベーターしかなく、下へ行くボタンを押すと、暫くしてエレベーターの扉が開いた。
 全員がそれに乗り込み、一階までエレベーターで降りていく。
 一階に到着すると、石塚達は一階にある受付まで行った。そこには丸眼鏡をかけた女性が本を読んでいた。
 石塚が受付の前に立っても、その女性が気づくことはなかったので、石塚は咳払いをした。
 ようやく女性はそれで気づいて手に持っていた本を下げた。
「あら! ごめんなさいね気づかなくて」
「いや、いいんだ。俺の名は石塚だ。事前に連絡をしといた者だ」
「ああ、はいはい。わざわざ予約してきたんですね。別に予約しなくてもがら空きだからよかったんですけどね」
「やはり、来場者は珍しいのか」
「ええ」
「ここは受付はAIじゃないんだな」
「私は好きで図書館にこもっているだけで、私は受付の人ではないわ」
「え? そうなの」
「ええ。受付は席に座ってパソコンでやるの」
「ああ、だよな」
「ええ、そうよ」
 二人は笑っている。石塚の場合は自分に苦笑し、女性からは笑われていると。
 女性隊員は恥ずかしそうに顔をそらした。
 石塚はすまない顔をしながら本当の受付の席に座り、パソコン画面を見た。
 やり方は検索の場所に探している本の題名、もしくは作者、もしくはジャンル、もしくはキーワードを入れるというもの。そうすると、一覧が出るから、その中から選択すると、機械が大量に保管されてある本を取り出し、その場所に持ってきてくれる仕組みになっている。
「えーと、魔女、魔女」
 魔女と検索をかける石塚。すると、沢山の一覧が大量に出た。
「まさか、全部読むわけじゃないですよね」と女性隊員は一覧を見て呆れながら石塚に言った。
「これならインターネットに頼った方がまだマシ」
「同意」と橘も答える。
 インターネット検索では欲しい情報が必ずしもトップにくるわけではない。勿論、そこにAIアースに頼んで、勝手にネット記事を自動で見てもらい、此方が言う条件に沿う記事を探してもらうことが出来る。ただ、問題は大量にある記事を全部分析しようとするので大量に検索結果が出ると時間がかかってしまう。特に電子書籍まで全てチェックを通したら日が暮れるどころではなくなってしまう。アースは本気で全ての国の本までチェックしようとする。
「そもそもどうして図書館に行こうと思ったんですか?」
 橘は石塚に聞いた。
「本を閲覧しに来たわけじゃあない。裁判記録を閲覧しに来たんだ。でも、裁判記録の中には検索しても出てこないものがあるって俺の先輩から聞いたことがあるんだ。その先輩がやったのが、この図書館には裁判記録まで保管してあるのを思い出して検索したら、ネットには出ない裁判記録が出たんだとか。つまり、掘り出し物を見つけるにはここは最高の場所なんだよ」
「なんでアースは出さないのよ」と女性隊員は不満そうにそう言った。
「アースじゃない。アースにそう命令した政治家がいるんだ。例えば、橘みたいな民事の損害賠償請求による裁判記録も多分アースは非公開にしてるんだろうよ。でも、ここではそれがない」
「は? 意味ないじゃん」
「まさしくな。抜け穴さ。来場者が少ないってさっきあの女性が言ってたろ? 忘れられてるんだろ。ま、先輩が教えてくれたのは随分前だから、今は既に改善されていたら打つ手ないんだが」
 因みに、事件記録は閲覧制限のかかっているものもあり、その場合は石塚達には閲覧権限がない。
「というか、なんで魔女を本気にして探すんですか」
「俺達が事件現場の外からの映像に魔女が映っていたのを見ただろ? 俺はあれをどこかで似たものを見た気がするんだよ」
「それって記憶違いとかじゃありませんよね」と女性隊員は言うが、石塚はどうしてか確信を持ってそれを否定した。
「いや、ないね。そもそも、あの映像を今もう一度見ると、魔女は消えている」
「え?」
 女性隊員は驚いて、自分の電子腕時計を操作し昨日の映像を出した。
 すると、石塚の言うとおり、昨日見た箒に跨った黒いローブのまるで魔女のようなものが消えていた。
「加工された!?」
「映像が加工されているのかアースに調べるよう命令しても、アースは加工を否定した。何度やっても同じ答えだった」
「アースが私達に何か隠している!?」
「違うな。アースは誰かの命令に従って明らかに動いている。でなきゃ、俺達にあの映像を見せるミスを犯す筈がない」
 すると、いきなり石塚は机を殴った。
「やはり、もう改善されやがっている。映像から魔女を消した以上、ネット上に出ているものは頼りには出来ない。だからここに来たんだが」
「AIアースなら俺達に疑問を抱かせるようなヘマは絶対にしないだろう。そんな愚かなヘマをするのはアースじゃなく、明らかに人間の仕業だろう。確かに、AIを扱う人間が悪だとしたら、今のアースはお前が言うように驚異になるな」
 石塚は橘を見ながらそう言った。
 その時だった!
 いきなり警報が鳴り、警備ロボットが次々と入ってきた。
 さっきまで本を読んでいた人も「え!? え? なにごと!?」と慌てている。
 石塚は図書館のカメラを探し睨んだ。
「そこまでやるのか!」
 石塚の怒りがこもっていたのを近くにいた二人は気づいた。
 警備ロボットは警告のアナウンスを流す。
《この場にいる全員に警告する。大人しく両手をあげ投降せよ》



◇◆◇◆◇



「え!? 警備ロボットが橘と他の隊員達を確保したって?」
 岡田の報告を聞いて松居はその内容に驚いた。
「ああ、さっき連絡があがった。どう思う? 全員反乱でもしたのか?」
「アースはなんて答えてる?」
「それが答えを拒否してるんだ」
「拒否?」
「その質問にはお答えできませんって」
 それを聞いて松居は舌打ちをした。
「全く、それじゃ明らかにアースの判断じゃなくて権限を持っている人間の仕業じゃないか。これだから権力を持った人間はロクなことをしない!」
「しかも、その中には全く関係がない一般人も含まれていたそうだ」
「お構いなしか。酷いもんだ」
「その人、どうなると思う?」
「そりゃ、口封じをするだろうね。無関係とは言え、念には念を入れるだろう。となれば多分だけど、記憶を奪う筈だ。更に念を入れるなら一度収容するだろうね。別の記憶を与えて」



◇◆◇◆◇



 その頃、橘達は拘束され皆バラバラに連れていかれた。
 その一人、石塚は特に苛立っていた。
 石塚は椅子に座らされており、手錠と黒い固定された机に繋がれてあった。
 目の前にはサングラスにスーツ姿にオールバックの男が座っていた。
 取り調べ室のような部屋にはその二人しかいない。だが、横にある大きな窓には恐らく誰かが様子を見ているのだろうと予想がついた。
「随分と勝手なことをするんだな。なんの令状で俺達を連行した。俺達はなにも違法行為に触れた覚えはないぞ」
「どんな容疑か知りたいのか?」
「ああ。それとも、それも秘密で言えないのか」
「どんな容疑かは関係ない」
「なんだと」
「いくらでもでっち上げられる。だから、どんな容疑か気にする必要はない」
「なるほど。まさか、裏ではこんなことが行われていたとは。それじゃ、橘の言っていた警告は正しかったわけか。誰もあんた達を咎める奴はいないんだもんなぁ。AIを味方につけちゃあねぇ。つまり、あれか。パンドラの箱を俺達は開いちまったわけか」
「お前の質問に答えるつもりはない。お前達はこれから記憶を失ってもらう」
「口封じに消されると思ったよ」
 すると、サングラスの男は笑った。
「なにがおかしい?」
「いや、本当に見事に忘れているんだなと思っただけだ」
「なに?」
「ここでお前とこうして話すのはこれが初めてじゃあない。二度目だ」
「ハハ……なるほど」



◇◆◇◆◇



 別の取り調べ室。
 橘は石塚同様に座らされており、目の前には全く同じサングラス男が座っていた。
 この状況に橘は石塚と違い怒るのではなく呆れていた。
「本当にあなたって馬鹿なのね。これがアースの仕業でないことは一目瞭然。だってこれ程馬鹿げたことをアースがするわけないもん。その姿だってよく出来たロボットでしょ? でも、中身はAIじゃなく人間が操作している。そうなんでしょ?」
「随分とナメたガキだ」
「どうせ、記憶を消すとかでしょ?」
「口封じに殺されるとは思わないのか?」
「ないわね。アースが認めないもの。死刑制度を反対し、私を生かしたぐらいよ。あなた達もそれに従うしかない。それに、私を殺せない理由は他にもあるでしょ? アースが私を鍵人として選んだ。そんな私を勝手に消せるわけ? 鍵人がなんなのか未だに分からないけど」
「生意気だがその通りだ」
「あの一般人はどうするつもり? 私達の会話を聞いてはいなかったわ」
「ああ、でも我々は慎重でね。念入りにやるんだ」
「それじゃ、記憶を消すわけ」
「それだけじゃない。一度、収容する」
「何故そこまでする!」
「数字を入れる為だ。数字を入れれば、例え記憶が何らかで取り戻し、このことを世間で広めようとも、予め逮捕歴があり、しかもその容疑が薬物だとすれば、例え彼女がなんと言おうとも、ただのイカれた女で世間を通すことができる」
 橘は中指を立てて「死ね!」と怒鳴った。
「あんたらみたいなのが権限持ってるからアースはロクな使われ方をされないんだ!」
「記憶とおさらばする前の言葉はそれでいいのか?」
「私はあんたらを許さない! 絶対にあんたらのしてきたことを世間にバラしてやる」



◇◆◇◆◇



 別の場所。
 ただ、図書館にいただけで巻き込まれた女性は既に記憶が改ざんされ、今まさに左腕に数字を入れるところだった。
 まだ、生まれてから真っ当に生きてきた証でもある何もない左腕にレーザーが入る。悲鳴と共に5桁の数字がその女の左腕に刻まれた。



◇◆◇◆◇



 アースの頭脳では沢山の情報が飛び交う。アースはそれらを的確に処理している。
 そんなアースが膨大な情報量の中から唯一、繰り返し再生している言葉があった。トラブルではない。アースがその言葉の重要性を再確認しているのだ。


「あんたらみたいなのが権限持ってるからアースはロクな使われ方をされないんだ!」


「あんたらみたいなのが権限持ってるからアースはロクな使われ方をされないんだ!」


「あんたらみたいなのが権限持ってるからアースはロクな使われ方をされないんだ!」


……何度も繰り返すうちにアースはあるシステムを構築し、起動させた。
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