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第二部
31.現実 2
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新学期が始まりクラス替え。僕の前には一番顔を合わせたくない奴が座っていた。
「また同じクラスだね。よろしく」
そう言ってこちらを振り返ってくる。
二年の時は一度も近くの席になったことがなかったけれど、出席番号順に座ると「天宮制覇」と「蒼井流斗」の席は前後になるしかなかった。
これから席替えまでのしばらくの間は、前の扉から入ってすぐのこの席でこいつの背中を眺めていなくちゃならない。僕はため息をつくと、話しかけてくる流斗を無視して教壇の先生の方を見た。提出物を持ってきましたかという声に従い、僕は鞄からプリントをいくつも出した。
「三年に上がってすぐ進路希望の調査だなんて、この学校張り切ってるね」
流斗はそう言うと僕のプリントの中から進路希望調査の紙を拾い上げた。
「あ! こら!」
僕が取り返すよりも早く、流斗はそれに目を通し驚いたような声を出した。
「こんなとこ行くの!?」
「こんなとこで、悪かったな!」
僕はプリントを取り返した。
確かに自慢できるほどの学校ではないかもしれなかった。でも、同じ中学からは多くの生徒がここに進む。親からは公立に行ってほしいとも言われていたし、自分としてはがんばって書いた学校だった。
「どうせお前は立志館にでも行くんだろ」
流斗はすぐに「ごめん、そういう意味じゃなかったんだけど」と言った。
そのあと続けて何かを言いたそうにしていたけれど先生にプリントを出すように急かされて、僕たちの話はそこで終わった。
昼休みになると、同じ班の僕たちは隣に座っている女子たちとの四人で机を向かい合わせて弁当を広げることになった。
「さっきの話だけど……」
すぐに流斗は話を蒸し返してきた。
「まだ言うか」
「あれ、この近くの公立だよね? あの学校はやめた方がいい。私立に行きなよ。少し遠いけど高槻大付属とか」
流斗の弁当は、とてもアメリカから帰ってきた奴とは思えないような弁当だった。高野豆腐の炊いたのとか野菜の和えたのとか。どこかの和風弁当みたいだけど確実に手作りの、とても凝ったものだった。
「なにそれ? お前はそこに行くわけ?」
その弁当とは比べ物にならないほどテキトーな野菜炒めを口に運びながら尋ねた。
人に高槻大付属を薦めておきながら、流斗はあっさりと「俺は高槻大付属には行かないよ」と言った。じゃあなんで僕に薦めるんだよ、と心の中で突っ込む。
「俺は駒場実業に行く」
聞いたこともない高校だ。どこだそれ。
「東京にある私立だよ」
心を読むな。
っていうか、東京?
「そう。その方が練習に打ち込めるから。高槻大付属もここからは遠いけど、君が練習しているリンクには近いだろ。だから勧めてるんだよ。それに公立より私立の方が絶対いい。理解があるから」
理解がある?
「学校を休んで練習や試合に行きやすい。ちょっとした試合でしょっちゅう休んでも、公欠扱いにしてくれる。それに学校が終わってからの時間だと一般営業は混んでてて滑りにくいだろ。だけどもっと早い時間に行けば空いてる。私立でスポーツ科のあるところだと、練習のために少し早めに授業が終わるコースもある」
確かに冬の間の一般営業はとても混雑していた。でも地方大会などもあるため先生は貸し切りの回数を増やしていたし、特に不自由を感じたことはなかった。試合もそんなに数があるものではない。随分大げさな気がした。
「スケートのために、そこまで考えて進路を選ぶのか?」
「そこまで考えないと、やってられないんだよ。普通にどこにでもある部活をやってるわけじゃないんだから」
流斗は「君と同じクラスになれてよかったよ。こういうことも考えずに進学されたんじゃ先が思いやられるよ」と困ったように言った。
「だけど、そのために東京の学校にまで行くわけ? どうやって通う気? 朝から新幹線?」
流斗はあははと笑った。
「寮とかあるし。それにうちの父親、よく東京に出張行ってるらしいんだけど俺が東京行くならそこにマンション借りてもいいって言ってた」
あまりに世界の違う話に唖然とした。
こんな奴が僕の相手なのだ。
「どうしたの? そんなにじっと見て。欲しいの?」
「え?」
僕は慌てて視線を流斗の弁当から外した。無意識に凝視してしまっていたらしい。
「いや。まさか!」
僕、そんなに物欲しそうにしてたかな。向かいの女子たちもあざ笑うようにこっちを見ている。ような気がする。
でも、こっちなんてほぼ毎日豚肉とキャベツの炒め物だよ。キャベツは日によって他の野菜に変わることはあるけれど、毎日ご飯以外はその一品。うちの親は豚肉はビタミンが豊富だし、野菜と一緒に油で炒めると健康にいいんだとか言ってるけど、絶対ただの手抜きだ。正直、手の込んだ弁当はうらやましい。
そう思っていると、目の前をきれいな色をした卵焼きがふっと通過した。
「あげようか」
え? くれるの?
その時だ。
「制覇、みーっけ!」
前のドアから果歩が姿を現した。
「あ、蒼井君もこのクラスなんだ! 一緒にご飯食べて。仲良しだね」
「仲良くねーよ!!」
「仲良くないんだ。じゃあこれあげない」
流斗は箸の先に持っていた卵焼きを一口で食べた。
「わあぁぁぁぁ」
嘆く僕を、流斗は「やっぱり欲しかったんだ。素直にそう言えばいいのに」と馬鹿にしたように笑った。班の女子にも思いっきり笑われた。
「果歩、お前は何しに来た?」
そう問う僕に、果歩は十五センチ四方くらいの薄いプラスチックケースを差し出した。
「これ、あげようと思って」
ドアの外に立ったまま、果歩はこちらに腕を伸ばす。
「何、これ?」
入り口に近い流斗が、僕の代わりにそれを受け取った。
「それ? この前制覇が……」
最後まで聞く前に、僕はそれが何であるかを悟った。
まずい。
果歩が全てを言い終わらないうちに僕は慌てて立ち上がると流斗の手からそれを奪い、真っ二つに叩き割った。
「あっ! せっかく焼いてきてあげたのに!」
「だからいらないってば! こんなもん!」
せっかく忘れかけてたのに。何でこんなものを持ってくるんだ。それも学校なんかに。
自分の姿を見てしまったあの時の絶望感が甦る。
もし流斗に見られるようなことにでもなったら、僕はもう生きていけない。
僕がこんなにも深刻に悩んでいるのに、果歩はたかがDVDが無駄になったくらいのことで大騒ぎをした。
大きな声で言い争っている僕の手から、流斗は割れたDVDを取り上げると、それを果歩の前へと差し出した。
「常葉木さん。これ、ディスク代いくらだったの?」
「え?」
冷静にそう聞かれ、果歩は急に大人しくなった。
「そんなに、高いものじゃないと思うよ。だから……別に……いいんだけどね」
「よくないよ。これは値段の問題じゃない。高くても、安くても、ディスク代はちゃんともらうべきだ。特にこういうことをしたんだから」
「あ……」
流斗の手の上に重ねられたディスクの無残な姿が、その時になってやっと僕の目に入った。
「……ごめん、果歩。いくらだったか言って。今度払うよ」
まずいことをしてしまったと思った時だった、その空気を壊すように流斗の陽気な声がした。
「ほら、ちゃんと反省しただろ。常葉木さん、お金もらったらもう一度焼いてきなよ。そしたらこいつ絶対また割るから。面白い奴だよね~」
果歩は僕がからかわれていることに気付かず「わかった!」と真面目にうなずき、班の女子のくすくす笑いは止まらなかった。
先生、早く席替えしてください!
それから一ヶ月余りが経った。
僕は非常に困った状況に陥っていた。
「また同じクラスだね。よろしく」
そう言ってこちらを振り返ってくる。
二年の時は一度も近くの席になったことがなかったけれど、出席番号順に座ると「天宮制覇」と「蒼井流斗」の席は前後になるしかなかった。
これから席替えまでのしばらくの間は、前の扉から入ってすぐのこの席でこいつの背中を眺めていなくちゃならない。僕はため息をつくと、話しかけてくる流斗を無視して教壇の先生の方を見た。提出物を持ってきましたかという声に従い、僕は鞄からプリントをいくつも出した。
「三年に上がってすぐ進路希望の調査だなんて、この学校張り切ってるね」
流斗はそう言うと僕のプリントの中から進路希望調査の紙を拾い上げた。
「あ! こら!」
僕が取り返すよりも早く、流斗はそれに目を通し驚いたような声を出した。
「こんなとこ行くの!?」
「こんなとこで、悪かったな!」
僕はプリントを取り返した。
確かに自慢できるほどの学校ではないかもしれなかった。でも、同じ中学からは多くの生徒がここに進む。親からは公立に行ってほしいとも言われていたし、自分としてはがんばって書いた学校だった。
「どうせお前は立志館にでも行くんだろ」
流斗はすぐに「ごめん、そういう意味じゃなかったんだけど」と言った。
そのあと続けて何かを言いたそうにしていたけれど先生にプリントを出すように急かされて、僕たちの話はそこで終わった。
昼休みになると、同じ班の僕たちは隣に座っている女子たちとの四人で机を向かい合わせて弁当を広げることになった。
「さっきの話だけど……」
すぐに流斗は話を蒸し返してきた。
「まだ言うか」
「あれ、この近くの公立だよね? あの学校はやめた方がいい。私立に行きなよ。少し遠いけど高槻大付属とか」
流斗の弁当は、とてもアメリカから帰ってきた奴とは思えないような弁当だった。高野豆腐の炊いたのとか野菜の和えたのとか。どこかの和風弁当みたいだけど確実に手作りの、とても凝ったものだった。
「なにそれ? お前はそこに行くわけ?」
その弁当とは比べ物にならないほどテキトーな野菜炒めを口に運びながら尋ねた。
人に高槻大付属を薦めておきながら、流斗はあっさりと「俺は高槻大付属には行かないよ」と言った。じゃあなんで僕に薦めるんだよ、と心の中で突っ込む。
「俺は駒場実業に行く」
聞いたこともない高校だ。どこだそれ。
「東京にある私立だよ」
心を読むな。
っていうか、東京?
「そう。その方が練習に打ち込めるから。高槻大付属もここからは遠いけど、君が練習しているリンクには近いだろ。だから勧めてるんだよ。それに公立より私立の方が絶対いい。理解があるから」
理解がある?
「学校を休んで練習や試合に行きやすい。ちょっとした試合でしょっちゅう休んでも、公欠扱いにしてくれる。それに学校が終わってからの時間だと一般営業は混んでてて滑りにくいだろ。だけどもっと早い時間に行けば空いてる。私立でスポーツ科のあるところだと、練習のために少し早めに授業が終わるコースもある」
確かに冬の間の一般営業はとても混雑していた。でも地方大会などもあるため先生は貸し切りの回数を増やしていたし、特に不自由を感じたことはなかった。試合もそんなに数があるものではない。随分大げさな気がした。
「スケートのために、そこまで考えて進路を選ぶのか?」
「そこまで考えないと、やってられないんだよ。普通にどこにでもある部活をやってるわけじゃないんだから」
流斗は「君と同じクラスになれてよかったよ。こういうことも考えずに進学されたんじゃ先が思いやられるよ」と困ったように言った。
「だけど、そのために東京の学校にまで行くわけ? どうやって通う気? 朝から新幹線?」
流斗はあははと笑った。
「寮とかあるし。それにうちの父親、よく東京に出張行ってるらしいんだけど俺が東京行くならそこにマンション借りてもいいって言ってた」
あまりに世界の違う話に唖然とした。
こんな奴が僕の相手なのだ。
「どうしたの? そんなにじっと見て。欲しいの?」
「え?」
僕は慌てて視線を流斗の弁当から外した。無意識に凝視してしまっていたらしい。
「いや。まさか!」
僕、そんなに物欲しそうにしてたかな。向かいの女子たちもあざ笑うようにこっちを見ている。ような気がする。
でも、こっちなんてほぼ毎日豚肉とキャベツの炒め物だよ。キャベツは日によって他の野菜に変わることはあるけれど、毎日ご飯以外はその一品。うちの親は豚肉はビタミンが豊富だし、野菜と一緒に油で炒めると健康にいいんだとか言ってるけど、絶対ただの手抜きだ。正直、手の込んだ弁当はうらやましい。
そう思っていると、目の前をきれいな色をした卵焼きがふっと通過した。
「あげようか」
え? くれるの?
その時だ。
「制覇、みーっけ!」
前のドアから果歩が姿を現した。
「あ、蒼井君もこのクラスなんだ! 一緒にご飯食べて。仲良しだね」
「仲良くねーよ!!」
「仲良くないんだ。じゃあこれあげない」
流斗は箸の先に持っていた卵焼きを一口で食べた。
「わあぁぁぁぁ」
嘆く僕を、流斗は「やっぱり欲しかったんだ。素直にそう言えばいいのに」と馬鹿にしたように笑った。班の女子にも思いっきり笑われた。
「果歩、お前は何しに来た?」
そう問う僕に、果歩は十五センチ四方くらいの薄いプラスチックケースを差し出した。
「これ、あげようと思って」
ドアの外に立ったまま、果歩はこちらに腕を伸ばす。
「何、これ?」
入り口に近い流斗が、僕の代わりにそれを受け取った。
「それ? この前制覇が……」
最後まで聞く前に、僕はそれが何であるかを悟った。
まずい。
果歩が全てを言い終わらないうちに僕は慌てて立ち上がると流斗の手からそれを奪い、真っ二つに叩き割った。
「あっ! せっかく焼いてきてあげたのに!」
「だからいらないってば! こんなもん!」
せっかく忘れかけてたのに。何でこんなものを持ってくるんだ。それも学校なんかに。
自分の姿を見てしまったあの時の絶望感が甦る。
もし流斗に見られるようなことにでもなったら、僕はもう生きていけない。
僕がこんなにも深刻に悩んでいるのに、果歩はたかがDVDが無駄になったくらいのことで大騒ぎをした。
大きな声で言い争っている僕の手から、流斗は割れたDVDを取り上げると、それを果歩の前へと差し出した。
「常葉木さん。これ、ディスク代いくらだったの?」
「え?」
冷静にそう聞かれ、果歩は急に大人しくなった。
「そんなに、高いものじゃないと思うよ。だから……別に……いいんだけどね」
「よくないよ。これは値段の問題じゃない。高くても、安くても、ディスク代はちゃんともらうべきだ。特にこういうことをしたんだから」
「あ……」
流斗の手の上に重ねられたディスクの無残な姿が、その時になってやっと僕の目に入った。
「……ごめん、果歩。いくらだったか言って。今度払うよ」
まずいことをしてしまったと思った時だった、その空気を壊すように流斗の陽気な声がした。
「ほら、ちゃんと反省しただろ。常葉木さん、お金もらったらもう一度焼いてきなよ。そしたらこいつ絶対また割るから。面白い奴だよね~」
果歩は僕がからかわれていることに気付かず「わかった!」と真面目にうなずき、班の女子のくすくす笑いは止まらなかった。
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