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●支えてくれる人
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「でさ、悪いけどシャワー借りていい?汗すごくて気持ち悪いからさ」
「あ、う、うん。いいよ」
私は戸惑いながらも、シュンをバスルームに案内する。
そして脱衣所にバスタオルやタオルなどを用意してあげた。
シュンが泊まるってことは、やっぱり考えてしまう。
今日、私はシュンに抱かれるのだろうか?
泊まるっていうことはやっぱりそういうことなのかな。
隆也にふられた当日に??
シュンはどう思ってるんだろう。
私はまだ、そこまでの覚悟はできてない。
でもシュンに抱かれれば、私の中から少しは隆也が消える?
シュンを隆也以上に好きになれるかな?
私は迷いと不安で、頭がグルグル回っていた。
10分くらいたって、シュンが髪の毛をバスタオルでゴシゴシ拭きながら、バスルームを出てきた。
「あ~、さっぱりした」
シュンに、父親が泊まりに来たとき用のシャツを貸してあげた。
お父さんが着ると親父くさいシャツだけど、シュンが着ると何だか違うシャツのように見える。
何だか高級に見えるし、垢抜けて見える。
服って着る人次第で、イメージって変わるんだなって感じた。
シャワーから出たシュンはいつもと何だか感じが違う。
いつもはカッチリめにセットしている髪の毛が、無造作に下りているからかな?
何だかいつもより幼い感じ。
「何見てんの?惚れたか?」
「バカシュン!見てないよ」
つい見つめていた事を見透かされ、私はムキになって反論した。
シュンはクスクス笑っている。
「由希ちゃんもシャワー浴びておいでよ。明日学校でしょ?もう寝ないと」
「う、うん・・・」
私はキョドリながら、バスルームへといそいそ向かった。
シャワーを浴びながらも、私は上の空だった。
シュンと一晩を過ごすことになってしまった―――
何でシュンは、今日『泊まっていいか?』なんて言ったんだろう。
私の心に嫌な考えが浮かぶ。
“もしかして・・・シュンも私の体が目的・・・?”
“隆也ともそういう関係だったから、私とは簡単にそういう関係になれると思ってる?”
シュンはそういう人じゃない。
必死で打ち消す。
絶対にそう思う。
だけど、そんな考えを打ち消そうとすればするほど、不安はどんどん大きくなってくる。
出会ってから、ずっと私を支えてくれて、側にいてくれたシュン。
そんなシュンに対して、疑いをもってしまう自分が本当に嫌だった。
私は全身を洗い終わったのに、シャワーを流したまま、佇んでいた。
“もう出ないと・・・”
そう思うのに、体が動かない。
“よし!”
私は心の中で覚悟を決める。
別にどっちだっていいじゃない。
シュンが例え、私の体目的だって・・・
隆也を忘れられればいい・・・
今は私の中から隆也を消して欲しいだけ。
私は思いっきりバスルームのドアを開けた。
「あ、う、うん。いいよ」
私は戸惑いながらも、シュンをバスルームに案内する。
そして脱衣所にバスタオルやタオルなどを用意してあげた。
シュンが泊まるってことは、やっぱり考えてしまう。
今日、私はシュンに抱かれるのだろうか?
泊まるっていうことはやっぱりそういうことなのかな。
隆也にふられた当日に??
シュンはどう思ってるんだろう。
私はまだ、そこまでの覚悟はできてない。
でもシュンに抱かれれば、私の中から少しは隆也が消える?
シュンを隆也以上に好きになれるかな?
私は迷いと不安で、頭がグルグル回っていた。
10分くらいたって、シュンが髪の毛をバスタオルでゴシゴシ拭きながら、バスルームを出てきた。
「あ~、さっぱりした」
シュンに、父親が泊まりに来たとき用のシャツを貸してあげた。
お父さんが着ると親父くさいシャツだけど、シュンが着ると何だか違うシャツのように見える。
何だか高級に見えるし、垢抜けて見える。
服って着る人次第で、イメージって変わるんだなって感じた。
シャワーから出たシュンはいつもと何だか感じが違う。
いつもはカッチリめにセットしている髪の毛が、無造作に下りているからかな?
何だかいつもより幼い感じ。
「何見てんの?惚れたか?」
「バカシュン!見てないよ」
つい見つめていた事を見透かされ、私はムキになって反論した。
シュンはクスクス笑っている。
「由希ちゃんもシャワー浴びておいでよ。明日学校でしょ?もう寝ないと」
「う、うん・・・」
私はキョドリながら、バスルームへといそいそ向かった。
シャワーを浴びながらも、私は上の空だった。
シュンと一晩を過ごすことになってしまった―――
何でシュンは、今日『泊まっていいか?』なんて言ったんだろう。
私の心に嫌な考えが浮かぶ。
“もしかして・・・シュンも私の体が目的・・・?”
“隆也ともそういう関係だったから、私とは簡単にそういう関係になれると思ってる?”
シュンはそういう人じゃない。
必死で打ち消す。
絶対にそう思う。
だけど、そんな考えを打ち消そうとすればするほど、不安はどんどん大きくなってくる。
出会ってから、ずっと私を支えてくれて、側にいてくれたシュン。
そんなシュンに対して、疑いをもってしまう自分が本当に嫌だった。
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そう思うのに、体が動かない。
“よし!”
私は心の中で覚悟を決める。
別にどっちだっていいじゃない。
シュンが例え、私の体目的だって・・・
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今は私の中から隆也を消して欲しいだけ。
私は思いっきりバスルームのドアを開けた。
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