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●隆也の本気の恋

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ある日、私と隆也は渋谷を歩いていた。

隆也と私は週に1回は必ずデートをしていたのだ。

隆也とのデートは、街をブラブラとしたり、ゲーセンで遊んだり、ご飯を食べたり・・・


隆也とのデートは、私にとって一番幸せな時間だった。


この日は、夜の7時ごろに待ち合わせをした。

夜の渋谷は、学校帰りの学生や会社帰りの社会人などで、人があふれかえっていた。


そんな中、隆也と私はどこかでご飯を食べようとウロウロさまよいながら、店を探していたのだった。

だけどご飯時のこの時間、店はどこも満席で、私と隆也は渋谷の街をさまよっていた。


109前の人ごみが一番激しい。

まともに前へ行けない位だ。



私と隆也が、歩道をノロノロと進んでいると、


「由希・・・?」


背後から名前を呼ばれた。

振り向くと、驚いたような顔をしながら、人ごみの中に立っている懐かしい顔。


まどかだったんだ―――


「え・・・まさか・・・まどか・・・??」


驚いて、思わずつぶやくように聞いた。

その途端まどかはニッコリと、昔と変わらない笑顔を浮かべてうなずいた。


「由希、全然変わらないね~~!すぐわかったよ♪」

「まどかこそ!」


まどかは昔と全然変わらなかった。

昔からすごく美人だったけど、今もその輝きは全く失われておらず、それどころか一層美しさに磨きがかかっていた。

無邪気な笑顔も昔のまんまだった。


「すごい久しぶり♪」

「会えてうれしい!」


私とまどかは手を取り合って、再会を喜び合った。


「何でまどかが東京にいるの?」

「うん、こっちの大学受かったから、こっちに戻ってきたんだよ」

「そうだったんだ♪」


まどかに会うのは、何年ぶりだろう―――


でも小学校から中学校まで、まどかとは毎日のように一緒にいたから、しばらく会っていなかったけど何の違和感も感じない。


昔のまんまだ。


「おい・・・通行人の邪魔になってるぞ!」


隆也がそう言って、私の腕をひっぱった。


まどかとの久々の再会で、周りの人の邪魔になってるのも気づかなかった。
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