ラビットホール

のらねことすていぬ

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「あっあ、も、もう、やだぁ……!」
「大丈夫だから、力を抜け」
「おねがっ……、やめ、……!」

嘘つき嘘つき嘘つき、無茶しないって言ったのに!

俺が頷いた途端に大神は豹変した。それまでは余裕しゃくしゃくで落ち着いた雰囲気だったのに、俺のことを肩に担ぎあげると寝室まで大股で連れ去った。その途中で彼に借りていたスーツの上着をひっぺがされて床に投げ捨てられる。情けないバニーボーイ姿に戻った俺をベッドに頬り投げると、は、と興奮したような息を吐いた。

 『オッサンどもにヤられてたのは気に入らねぇが……これから躾けなおしてやるからな。覚悟しておけよ』

 舌なめずりをしそうな顔でそう呟いた大神は、俺の頭の上で間抜けに揺れていたウサギ耳をピンと指で弾いて。ゆっくりと顔が近づいて……思ったよりもそっとキスをされた。



「ぃ……やっ、ああ、あ!」

 気持ちいい。気持ちよくておかしくなりそう。だけど同じくらい恥ずかしい。

 飢えた顔で俺をベッドに転がした大神はとても手慣れているようだった。優しかったのはキスだけで、彼に体を撫でまわされると理性がどこかへ飛んで行ってしまいそうだった。俺と同じ男の指なのに、そうっと耳や胸元を撫でられると電流が走ったように痺れてしまう。散々焦らされてから胸の先を摘ままれた時は変な声がでてしまった。

ベストを取り去られぴちぴちのショートパンツを剥かれ、中になにも履いてないのだと知ると彼は楽しそうに笑った。だけどこちらは笑うどころではない。そのままベッドの上にうつ伏せにされると、腰だけを高く上げさせられた。

 露わになった尻の狭間に、大神がぬめる指を這わせた。そして這わせるだけじゃなくて……ゆっくりと中へと押し入ってきた。やだやだ怖いと言ってもやめてくれず、指は何度も出入りする。時折とまってはぬめるものを足されて、ヌチヌチと卑猥な音をたててほぐされる。俺が逃げようとすると尻たぶをぺしりと叩かれ、竦んだところを、後ろから陰茎を扱かれる。飴と鞭を使って追い詰められて、もう息も絶え絶えだ。

「硬いな。でも中がひくついてきたぞ」
「んああぁ、ああ、あ!」

 ほら、と大神が指を根本まで差し込む。最初は酷い違和感しかなかったそこが、きゅうと太い指に絡みつくように収縮する。

「今までの客は、あんまり開発してくれなかったのか?」
「ぁ、あー! や、そこ、やだぁ!」

 世間話でもするかのように言いながら、大神の指はぐりぐりと奥をこねる。そうして深い所を指の腹でほじくられると、背筋を這いあがるような快感に貫かれる。

「ここ、気持ちいいだろ?」
「あ、あ! 気持ちいぃ……やあっ! ああ!」

 体中を犯す刺激に、気持ちいい、気持ちいいからもう助けてくれと首を振る。太腿も尻もさっきからびくびくと震えて限界だ。身をくねらせて尻を揺すり、涙目になりながら大神を振り返った。

「ぃ、いきたい、もういきたい、からぁ……!」
 
 尻穴を晒したあられもない格好で、陰茎の先からはとろとろと先走りを零して。脳みそが焼ききれそうなほど恥ずかしい。でもそれよりも今はこの狂いそうな快感を何とかしてほしい。縋るように大神を見つめると、彼は一瞬動きを止めて……それから唇を舐めると、自分のズボンに手を伸ばした。前立てを乱暴に開けてずるりと陰茎を引き出す。凶悪な質量をもつものが視界の端に入って一瞬正気に戻りかける。だけど大神にふたたび緩く後孔を弄られると、怖い気持ちが快感に上塗りされた。

「躾けはまた今度だな」

 上擦った大神の声。挿れるぞ、と小声で言われるのと同時に、ずぶずぶと熱いものが後ろを犯していく。

「ひぎっ……ぃっ!」
「右崎……、右崎!」

 熱い、裂ける。でも気持ちいい。頭の中が真っ白になっていく。気持ちのいいところを立て続けに突かれて、潰れた喘ぎ声が漏れた。腰を掴んでいた大神の手が、俺の陰茎を掴み扱き上げる。もう耐えられない。

「あ、ぁああ、あ……ぃ、い、や、いく、う、ああぁ! あ、あああああ!」

 体中が強張って、後孔の大神のものをぎゅうぎゅうと締め上げる。大神に握られたままの肉棒から白濁があふれ出す。前と後ろ両方からもたらされる経験したことのない快感におかしくなりそうだ。

「あ、あ、……ぁああっ!」

 精を吐き出して弛緩する体を容赦なく突き上げられて、悲鳴のような声が漏れる。もう無理。死んでしまう。そう呟いた言葉はずのは、喉の奥で喘ぎ声に代わってしまった。

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