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家まで送るだなんて、男前な見た目の男は中身まで男前なんだな。それとも騎士団の仕事の一部なんだろうか。どちらにせよ、こんな時間に一人で出歩く人間がどんな商売をしているのかなんて想像もつかない、清廉潔白な世界に住んでいるんだろう。
「いえ、俺は今夜の仕事相手を探さなきゃなんで」
「仕事?」
「……なに、お兄さんが遊んでくれるの?」
そんなわけないでしょ、と苦笑しながら首をかしげる。美形でいい体で金もありそう……なら、わざわざこんなスラムで小汚い男を買うことはないだろう。まさに違う世界の住人だ。
彼が大きく目を開いて固まるのを見てなぜか心が沈むのを自覚しつつ、立ち去ろうとしたが、戸惑ったような彼の声に引き留められた。
「お前は……男娼なのか?」
「そうだよ。よく見えないって言われるけどね」
ここでは俺は異様に若く見えるらしいがそれでも実際はいい年だ。しかも顔立ちも決して整っているわけじゃない。ブサイクではないと思いたいけど、目を引くような華やかさもない。男娼をして生活できるようには見えないんだろう。実際にお客の多くからは、本当に男娼なのかと何度も聞かれた。
「年は?」
「16歳」
日本で言ったら白い目で見られるレベルのサバの読み方だ。未だに言うのに勇気がいる。でも16歳と言った俺を笑うわけでもなく、ちょっと眉間に皺を寄せる男の整った顔をぼんやりと見つめた。
本当にイケメン、というより美形だ。それに酔っ払いなんて面倒だろうに助けてくれたところや、さっきからさりげなく俺に風が当たらないように庇ってくれているところとか。無表情で怖そうな顔立ちなのに、そんな優しさに胸が高鳴る。日本ではそういう趣味じゃなかったはずなのに……やっぱり職業は人を変えるんだろうか。この後別れれば、もう二度と会うことなんてないっていうのに。そんなことを考えてたせいか、彼が発した言葉に一瞬反応が遅れてしまった。
「……幾らだ?」
幾ら?
幾ら。
って俺の値段?
意外すぎる言葉に一瞬固まり、それから慌てていつもの相場を言う。
「あー、えっと、手と口で抜くのは一回5000ペルラ」
「なっ、5000だと!」
「うわ!」
もしかし高かった? まぁこの男なら、普段からタダでも抱いてくれっていうお姉さんがいっぱいいるんだろうな。確かに俺だって、もし日本で小汚いおじさんに「5000円でフェラしてあげる」って言われても断る。そう考えたら今まで数日間で会ってきたお客さんたちは随分と気前がよかったのかもしれない。
「……買おう。」
「やっぱ値下げしたほうが……て、え?」
「買う、前払いか?」
「いや、どっちでもいいよ。お兄さんさっき助けてくれたから、信用しているし」
「そうか……」
予想外すぎる。予想外すぎるけど、大きな掌に優しく引き寄せられて思わず頬がにやける。引き寄せる手も、力を入れ過ぎないように加減されていることに気が付いてなんだかこそばゆい。
「宿はどこにする?どこでもいいなら俺が選ぶが、行きたいところはあるか?」
「え、宿? 宿じゃなくて、いつもソコでしてるんだけど。」
指先で路地裏の一角を指す。一発抜くだけの為にわざわざ宿に行くよりも安上がりだ。安い連れ込み宿だって2000ペルラはする。人に見られる可能性があるのが嫌なのかな。
「嫌?」
「嫌ではないが……」
「じゃあいいじゃん。そっちの奥に行ってくれれば、外から見えないから大丈夫だよ」
さっそく仕事に取り掛かろうと地べたに膝をつくと、男に慌てたように抱き起された。
「……どうかした? やっぱりやめとく?」
「いや、すまん。何でもない。続けてくれ」
やっぱり直前になって嫌になったのかと思ったら、そうではなかったらしい。いつもなら軽くハグしたりすることもあるけど、この男の服は綺麗すぎて触るのが躊躇われる。俺の服、少なくとも1週間は洗ってないからな。そう思いながらも男の太ももに手を這わせて、ゆっくりと撫でる。
太ももから下腹部までマッサージするように撫でさすって、リラックスさせるのと同時に興奮させようと思ったんだけど……服の上からでも分かる。この人もう勃ってる。相当溜まってたのかなとか思いつつ、焦らさずにベルトを緩めて前を寛げると、体に見合った巨大なモノが飛び出してきた。
これ、口に入るのかな……。若干不安に思いつつ、男のソレを優しく両手で包み込む。手で上下に何度か擦ってから亀頭にちろりと舌を這わせると、少しだけ汗の匂いがする。気にならない程度なので構わず舌を使ってちろちろと舐めあげていると、じわりと粘ついた液体が吹き出てきた。舐めていると腹筋が時折ピクリと動くけど、気持ちいいとも何とも言わないので不安になって視線を上げると……凶暴な目つきをした男と目が合った。
鋭い視線のなかに情欲の焔がちらちら揺れるのをみて、もっと気持ちよくなってもらいたいと大きく口を開けて亀頭だけでも口に含む。えずきそうになるほど喉の奥まで飲み込んで、舌先で亀頭を舐めさすりながら吸い上げる。何度も何度もそれを繰り返して、一際強く吸い上げた時、太いそれが一瞬びくりと震えて……苦みのある液体が大量に口に吐き出された。
「いえ、俺は今夜の仕事相手を探さなきゃなんで」
「仕事?」
「……なに、お兄さんが遊んでくれるの?」
そんなわけないでしょ、と苦笑しながら首をかしげる。美形でいい体で金もありそう……なら、わざわざこんなスラムで小汚い男を買うことはないだろう。まさに違う世界の住人だ。
彼が大きく目を開いて固まるのを見てなぜか心が沈むのを自覚しつつ、立ち去ろうとしたが、戸惑ったような彼の声に引き留められた。
「お前は……男娼なのか?」
「そうだよ。よく見えないって言われるけどね」
ここでは俺は異様に若く見えるらしいがそれでも実際はいい年だ。しかも顔立ちも決して整っているわけじゃない。ブサイクではないと思いたいけど、目を引くような華やかさもない。男娼をして生活できるようには見えないんだろう。実際にお客の多くからは、本当に男娼なのかと何度も聞かれた。
「年は?」
「16歳」
日本で言ったら白い目で見られるレベルのサバの読み方だ。未だに言うのに勇気がいる。でも16歳と言った俺を笑うわけでもなく、ちょっと眉間に皺を寄せる男の整った顔をぼんやりと見つめた。
本当にイケメン、というより美形だ。それに酔っ払いなんて面倒だろうに助けてくれたところや、さっきからさりげなく俺に風が当たらないように庇ってくれているところとか。無表情で怖そうな顔立ちなのに、そんな優しさに胸が高鳴る。日本ではそういう趣味じゃなかったはずなのに……やっぱり職業は人を変えるんだろうか。この後別れれば、もう二度と会うことなんてないっていうのに。そんなことを考えてたせいか、彼が発した言葉に一瞬反応が遅れてしまった。
「……幾らだ?」
幾ら?
幾ら。
って俺の値段?
意外すぎる言葉に一瞬固まり、それから慌てていつもの相場を言う。
「あー、えっと、手と口で抜くのは一回5000ペルラ」
「なっ、5000だと!」
「うわ!」
もしかし高かった? まぁこの男なら、普段からタダでも抱いてくれっていうお姉さんがいっぱいいるんだろうな。確かに俺だって、もし日本で小汚いおじさんに「5000円でフェラしてあげる」って言われても断る。そう考えたら今まで数日間で会ってきたお客さんたちは随分と気前がよかったのかもしれない。
「……買おう。」
「やっぱ値下げしたほうが……て、え?」
「買う、前払いか?」
「いや、どっちでもいいよ。お兄さんさっき助けてくれたから、信用しているし」
「そうか……」
予想外すぎる。予想外すぎるけど、大きな掌に優しく引き寄せられて思わず頬がにやける。引き寄せる手も、力を入れ過ぎないように加減されていることに気が付いてなんだかこそばゆい。
「宿はどこにする?どこでもいいなら俺が選ぶが、行きたいところはあるか?」
「え、宿? 宿じゃなくて、いつもソコでしてるんだけど。」
指先で路地裏の一角を指す。一発抜くだけの為にわざわざ宿に行くよりも安上がりだ。安い連れ込み宿だって2000ペルラはする。人に見られる可能性があるのが嫌なのかな。
「嫌?」
「嫌ではないが……」
「じゃあいいじゃん。そっちの奥に行ってくれれば、外から見えないから大丈夫だよ」
さっそく仕事に取り掛かろうと地べたに膝をつくと、男に慌てたように抱き起された。
「……どうかした? やっぱりやめとく?」
「いや、すまん。何でもない。続けてくれ」
やっぱり直前になって嫌になったのかと思ったら、そうではなかったらしい。いつもなら軽くハグしたりすることもあるけど、この男の服は綺麗すぎて触るのが躊躇われる。俺の服、少なくとも1週間は洗ってないからな。そう思いながらも男の太ももに手を這わせて、ゆっくりと撫でる。
太ももから下腹部までマッサージするように撫でさすって、リラックスさせるのと同時に興奮させようと思ったんだけど……服の上からでも分かる。この人もう勃ってる。相当溜まってたのかなとか思いつつ、焦らさずにベルトを緩めて前を寛げると、体に見合った巨大なモノが飛び出してきた。
これ、口に入るのかな……。若干不安に思いつつ、男のソレを優しく両手で包み込む。手で上下に何度か擦ってから亀頭にちろりと舌を這わせると、少しだけ汗の匂いがする。気にならない程度なので構わず舌を使ってちろちろと舐めあげていると、じわりと粘ついた液体が吹き出てきた。舐めていると腹筋が時折ピクリと動くけど、気持ちいいとも何とも言わないので不安になって視線を上げると……凶暴な目つきをした男と目が合った。
鋭い視線のなかに情欲の焔がちらちら揺れるのをみて、もっと気持ちよくなってもらいたいと大きく口を開けて亀頭だけでも口に含む。えずきそうになるほど喉の奥まで飲み込んで、舌先で亀頭を舐めさすりながら吸い上げる。何度も何度もそれを繰り返して、一際強く吸い上げた時、太いそれが一瞬びくりと震えて……苦みのある液体が大量に口に吐き出された。
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