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出会い
3 男の正体
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「フェーベ! あれは何だ!?」
「あれは夜桔梗でしょう。この時期に珍しいですね。近づくと噛まれますので、お気を付けくださいね」
「あっちは?」
「血沼です。あ、ちょうど火蝶がきてますね」
「火蝶?綺麗だが、あの火は燃えうつらないのか……?」
男を町まで案内する……と言ったら、男は飛ばずに徒歩で歩き出した。そのことに最初は驚いたが、目につくものすべてに興味深げに質問してくる様子に、フェーベ自身も楽しく思い始めてきた。まるで、見るものすべてが初めての経験だ、というかのようだ。徐々に顔色も良くなってきている。
もし自分に「友達」がいたら、こんな風に森を歩いていたのかもしれない。ただ話しているだけで何時間でも過ごせるらしい「友達」。きっと彼は大悪魔だろうから「友達」になんてなれないだろうけど、こんなに楽しいのはどれ位ぶりだろう。
「なんだか、子供みたいですね……」
失礼な言葉だが、思わず笑顔と共に口から滑り出てしまった。しまったとその瞬間思ったが、男はまじまじとフェーベの顔を見つめてきた。
「……失礼致しました。言葉が過ぎました」
「いや、違う。そうじゃないんだ。そんな顔をして笑うんだな、と思ってな……」
「そんな顔、ですか?」
どんな顔だろうか。よく地味だとか華がないとか平凡だとかは言われる。
「気が付いていないならいい。むしろ、そのままでいてくれ」
フェーベは首をかしげたが、顔については「地味だ」という言葉くらいしかもらったことがないから分からない。魅力のない顔だということには気が付いているんだが……彼は嬉しそうに笑っているので、問題はないのだろう。彼の笑顔は恐ろしいほどの美形なのに柔らかい温かみがあって、それにくらべたら自分の顔についてなんて些細なことだ。輝くような笑顔、とは彼の笑顔のようなことなんだろう。
「そうですか……。あ、あちらの奥の道をまっすぐ進んでいくと、領主様のお屋敷へ着きます」
フェーベが本来進もうと思っていた道にまた戻ってきた。領主の館へ行くための道だ。かなり時間が経ってしまっているから、もう遅刻だろう。さっきまでの幸せな気分が消えさってまたため息をつきたくなる。
「領主?」
「はい。ストラス様のお屋敷です」
ストラスは薬学や天文学に優れた悪魔だ。魔力と腕力だけでなく、智力にすぐれている。知っているだろうと思い彼の名前を言うと、ふいに両腕を覗き込むように強く掴まれた。
「まて、ストラスと言うと……あの悪魔ストラスか……?」
間近で見た男はやはり恐ろしいほどの美形で、思わず顔に血が上る。美形の両親を見慣れていたはずのフェーベですらそうなのだから、普通だったら卒倒していたかもしれない。
男はフェーベを見下ろすとそう呟いた。その瞳はどこか剣呑に輝いている。まるで興奮と絶望を同時に味わっているようだ。
「はい、そうですが……、なにか……?」
肌に感じる圧倒的な魔力に思わず怯みそうになるが、フェーベは何とか頭を縦に振った。すると男は、その貴族然とした顔に凶悪な笑みを浮かべた。
「そうか……ようやく合点がいった」
男はフェーベの腕をゆっくりと放す。
「つまり今日は俺が堕ちた、最初の日というわけか」
男はそう言うが早いか、巨大な漆黒の翼を広げた。翼をもつ魔族は、普段は邪魔になるから翼を消している。それなりに魔力があれば翼がなくても空も飛べるし、フェーベも実際今は翼をしまっている。
自分の背の半分ほどまでしか届かないフェーベの翼と違い、彼の体の5,6倍はゆうにある。しかも、コウモリの羽のような悪魔の翼ではなく、彼が持っていたのは鳥の羽のような翼だった。
「ぅわっ!」
漆黒の天使の羽は、堕天使の証。だが堕天使などめったにお目にかかれるものではない。しかも、これほど大きな翼をもっているなんて。
フェーベが目を白黒させてのけぞると、男はどこか楽しそうに笑った。
「どうりで空気が違って息苦しいと思ったが……じきに慣れるだろう。それにしても驚いたな。魔界は石と溶岩しかないと聞いていたが、木も生えれば水も湧く。それに悪魔もこんなに表情が豊かだ」
フェーベは自分が笑われたことに気が付き、さっと顔を紅潮させるが、男はそれすらも愉快そうに眺めた。
「フェーベ、お前も悪魔なのだな」
「……はい」
まさか討伐されたりしないだろうか。そう思いながらも頷くと、男は嬉しそうに笑った。
「そうか。最初に会ったのがお前で良かった。魔界に慣れていない堕天使なんて、妖獣のいい餌食だろう」
たしかに魔界に来たての堕天使や人間が瘴気に当てられて、妖獣や小悪魔の餌食になることはある。でも目の前の男のような圧倒的な力をもった者を襲うほどバカな妖獣もいないだろう。
そう思ったが、口答えするのもおこがましい気がして、フェーベはとりあえず膝をつくと頭を下げた。
「属性は?」
「い、淫魔です」
「淫魔!? ……見えないな」
その言葉に過去に何度も浴びせられた言葉がフェーベの頭に蘇った。地味で平凡で、まるで魅力のかけらもない。色気のない淫魔なんて、閨ですら役に立たない。
今までさんざん言われ続けて当の昔に慣れていたはずなのに、なぜかこの輝くような男に言われたら胸が痛んだ。まるでお前には魅力がかけらもない、淫魔として失格だと言われている気がする。実際に魅力なんてないんだから、彼は事実を言っているだけだ。そう思って痛む胸を鎮めようとするが、胸の痛みは増すばかりだ。ぐっと唇を噛みしめて下を向くと、声を絞り出した。
「他の淫魔はもっと優れた容姿でございます。もしあなた様がお望みでしたら、どの者も喜んでお傍に侍るでしょう。」
「……フェーベ?」
「恐れながら、あなたほどの方でしたら、私などより上級の魔族が魔界の案内を致します。もし淫魔をお供にご所望でしたら、もっと上位の淫魔も」
目の前の男を恐ろしいと思っているのに、口が勝手に動く。この輝くような男の前で、下級魔族である淫魔の、さらにその中でも落ちこぼれの自分を晒しているのが酷くいたたまれなかった。
「何を言っているんだ?」
「申し訳ないのですが、私、領主様に呼ばれておりますので。ご用件が以上でしたら失礼いたします」
無礼だとは分かっていても、感情が暴走して止まらない。この男がその気になれば、自分なんて一瞬で塵になる。そのことは怖いけれど、この役立たずのみじめな姿をさらし続けるくらいなら、塵にされたほうがマシな気すらした。
そう思ってフェーベは領主の屋敷へと続く道へ足を踏み出そうとした。
だが。
「待て、フェーベ。お前はストラスに仕えているのか?」
一歩踏み出す前に男に腕を掴まれた。
「契約はしてませんが、この領土に住んでます」
「住んでいるだけで、呼ばれたら行くのか。領主が一介の悪魔を呼び出すなんて、何の用だ?」
「……私は淫魔です。そうすると仕事は一つです」
目の前の男は、そんなことが分からないほど愚かではないだろう。なんだか露悪的な気分になって、フェーベは吐き捨てるように言った。まるで、そんなことは慣れていると言わんばかりに。しかしその言葉に、男は目を見開いた。
「……それは本当か?」
「魔界は力が強いものが絶対です。領主様に呼ばれて行かない訳にはいきません」
「力が強いものが絶対、か……」
男の瞳が剣呑に光る。怒気と魔力が彼の体からじわりとにじみ出るのを感じた。
気さくな雰囲気だったが……彼は一流の上級魔族だ。漂う殺気にじっとりと汗が出る。怯えを隠しきれないフェーベに、彼は冷酷に言い放った。
「だったら、俺はお前を好きにしてもいい、ということだな?」
「あれは夜桔梗でしょう。この時期に珍しいですね。近づくと噛まれますので、お気を付けくださいね」
「あっちは?」
「血沼です。あ、ちょうど火蝶がきてますね」
「火蝶?綺麗だが、あの火は燃えうつらないのか……?」
男を町まで案内する……と言ったら、男は飛ばずに徒歩で歩き出した。そのことに最初は驚いたが、目につくものすべてに興味深げに質問してくる様子に、フェーベ自身も楽しく思い始めてきた。まるで、見るものすべてが初めての経験だ、というかのようだ。徐々に顔色も良くなってきている。
もし自分に「友達」がいたら、こんな風に森を歩いていたのかもしれない。ただ話しているだけで何時間でも過ごせるらしい「友達」。きっと彼は大悪魔だろうから「友達」になんてなれないだろうけど、こんなに楽しいのはどれ位ぶりだろう。
「なんだか、子供みたいですね……」
失礼な言葉だが、思わず笑顔と共に口から滑り出てしまった。しまったとその瞬間思ったが、男はまじまじとフェーベの顔を見つめてきた。
「……失礼致しました。言葉が過ぎました」
「いや、違う。そうじゃないんだ。そんな顔をして笑うんだな、と思ってな……」
「そんな顔、ですか?」
どんな顔だろうか。よく地味だとか華がないとか平凡だとかは言われる。
「気が付いていないならいい。むしろ、そのままでいてくれ」
フェーベは首をかしげたが、顔については「地味だ」という言葉くらいしかもらったことがないから分からない。魅力のない顔だということには気が付いているんだが……彼は嬉しそうに笑っているので、問題はないのだろう。彼の笑顔は恐ろしいほどの美形なのに柔らかい温かみがあって、それにくらべたら自分の顔についてなんて些細なことだ。輝くような笑顔、とは彼の笑顔のようなことなんだろう。
「そうですか……。あ、あちらの奥の道をまっすぐ進んでいくと、領主様のお屋敷へ着きます」
フェーベが本来進もうと思っていた道にまた戻ってきた。領主の館へ行くための道だ。かなり時間が経ってしまっているから、もう遅刻だろう。さっきまでの幸せな気分が消えさってまたため息をつきたくなる。
「領主?」
「はい。ストラス様のお屋敷です」
ストラスは薬学や天文学に優れた悪魔だ。魔力と腕力だけでなく、智力にすぐれている。知っているだろうと思い彼の名前を言うと、ふいに両腕を覗き込むように強く掴まれた。
「まて、ストラスと言うと……あの悪魔ストラスか……?」
間近で見た男はやはり恐ろしいほどの美形で、思わず顔に血が上る。美形の両親を見慣れていたはずのフェーベですらそうなのだから、普通だったら卒倒していたかもしれない。
男はフェーベを見下ろすとそう呟いた。その瞳はどこか剣呑に輝いている。まるで興奮と絶望を同時に味わっているようだ。
「はい、そうですが……、なにか……?」
肌に感じる圧倒的な魔力に思わず怯みそうになるが、フェーベは何とか頭を縦に振った。すると男は、その貴族然とした顔に凶悪な笑みを浮かべた。
「そうか……ようやく合点がいった」
男はフェーベの腕をゆっくりと放す。
「つまり今日は俺が堕ちた、最初の日というわけか」
男はそう言うが早いか、巨大な漆黒の翼を広げた。翼をもつ魔族は、普段は邪魔になるから翼を消している。それなりに魔力があれば翼がなくても空も飛べるし、フェーベも実際今は翼をしまっている。
自分の背の半分ほどまでしか届かないフェーベの翼と違い、彼の体の5,6倍はゆうにある。しかも、コウモリの羽のような悪魔の翼ではなく、彼が持っていたのは鳥の羽のような翼だった。
「ぅわっ!」
漆黒の天使の羽は、堕天使の証。だが堕天使などめったにお目にかかれるものではない。しかも、これほど大きな翼をもっているなんて。
フェーベが目を白黒させてのけぞると、男はどこか楽しそうに笑った。
「どうりで空気が違って息苦しいと思ったが……じきに慣れるだろう。それにしても驚いたな。魔界は石と溶岩しかないと聞いていたが、木も生えれば水も湧く。それに悪魔もこんなに表情が豊かだ」
フェーベは自分が笑われたことに気が付き、さっと顔を紅潮させるが、男はそれすらも愉快そうに眺めた。
「フェーベ、お前も悪魔なのだな」
「……はい」
まさか討伐されたりしないだろうか。そう思いながらも頷くと、男は嬉しそうに笑った。
「そうか。最初に会ったのがお前で良かった。魔界に慣れていない堕天使なんて、妖獣のいい餌食だろう」
たしかに魔界に来たての堕天使や人間が瘴気に当てられて、妖獣や小悪魔の餌食になることはある。でも目の前の男のような圧倒的な力をもった者を襲うほどバカな妖獣もいないだろう。
そう思ったが、口答えするのもおこがましい気がして、フェーベはとりあえず膝をつくと頭を下げた。
「属性は?」
「い、淫魔です」
「淫魔!? ……見えないな」
その言葉に過去に何度も浴びせられた言葉がフェーベの頭に蘇った。地味で平凡で、まるで魅力のかけらもない。色気のない淫魔なんて、閨ですら役に立たない。
今までさんざん言われ続けて当の昔に慣れていたはずなのに、なぜかこの輝くような男に言われたら胸が痛んだ。まるでお前には魅力がかけらもない、淫魔として失格だと言われている気がする。実際に魅力なんてないんだから、彼は事実を言っているだけだ。そう思って痛む胸を鎮めようとするが、胸の痛みは増すばかりだ。ぐっと唇を噛みしめて下を向くと、声を絞り出した。
「他の淫魔はもっと優れた容姿でございます。もしあなた様がお望みでしたら、どの者も喜んでお傍に侍るでしょう。」
「……フェーベ?」
「恐れながら、あなたほどの方でしたら、私などより上級の魔族が魔界の案内を致します。もし淫魔をお供にご所望でしたら、もっと上位の淫魔も」
目の前の男を恐ろしいと思っているのに、口が勝手に動く。この輝くような男の前で、下級魔族である淫魔の、さらにその中でも落ちこぼれの自分を晒しているのが酷くいたたまれなかった。
「何を言っているんだ?」
「申し訳ないのですが、私、領主様に呼ばれておりますので。ご用件が以上でしたら失礼いたします」
無礼だとは分かっていても、感情が暴走して止まらない。この男がその気になれば、自分なんて一瞬で塵になる。そのことは怖いけれど、この役立たずのみじめな姿をさらし続けるくらいなら、塵にされたほうがマシな気すらした。
そう思ってフェーベは領主の屋敷へと続く道へ足を踏み出そうとした。
だが。
「待て、フェーベ。お前はストラスに仕えているのか?」
一歩踏み出す前に男に腕を掴まれた。
「契約はしてませんが、この領土に住んでます」
「住んでいるだけで、呼ばれたら行くのか。領主が一介の悪魔を呼び出すなんて、何の用だ?」
「……私は淫魔です。そうすると仕事は一つです」
目の前の男は、そんなことが分からないほど愚かではないだろう。なんだか露悪的な気分になって、フェーベは吐き捨てるように言った。まるで、そんなことは慣れていると言わんばかりに。しかしその言葉に、男は目を見開いた。
「……それは本当か?」
「魔界は力が強いものが絶対です。領主様に呼ばれて行かない訳にはいきません」
「力が強いものが絶対、か……」
男の瞳が剣呑に光る。怒気と魔力が彼の体からじわりとにじみ出るのを感じた。
気さくな雰囲気だったが……彼は一流の上級魔族だ。漂う殺気にじっとりと汗が出る。怯えを隠しきれないフェーベに、彼は冷酷に言い放った。
「だったら、俺はお前を好きにしてもいい、ということだな?」
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