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おまけ 3 もし宇一が、土竜と抱き合うアスファーを見た後に部屋に戻っていたら

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もし宇一が、土竜と抱き合うアスファーを見た後に部屋に戻っていたら。ただのエロです
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アスファーに恋人がいただなんて。


いや、全然不思議じゃない。
あれだけイケメンで、優しくて、だったら引く手あまたなのは分かっていただろう。

ふらふらと夢遊病者みたいな足取りで部屋に戻り、ベッドに突っ伏す。
さっきすれ違ったメイドさんに、誰も部屋には入れないで欲しいと伝えたから、思う存分泣こう。



それにしても、なんで俺の体はこんなに浅ましいんだろう。
はじめから実らない恋だって分かってたけど、失恋が確定して、俺の心は引き裂かれそうに痛いのに、体が疼いた。

この世界に来てから抜いていないせいか。
それとも、さっき見たアスファーと美人の、抱き合う姿にあてられたんだろうか。
そういえば辺りには甘い……まるでフェロモンみたいな空気が漂っていた。

涙でまだ汚い顔を拭い、ベッドヘッドに背中を預けるとベルトを外す。
足の間で熱を持った陰茎は、すでに甘く勃ち上がっていた。

ズボンをくつろげて、下着をずらして、陰茎をぞんざいに掴み上げる。
やや乱暴に手を動かして幹を擦りながら、さっき恋人と抱き合っていたアスファーを思い浮かべる。

広い肩幅。
長くて逞しい腕。
その体からほのかに漂う甘い匂い。

彼に抱きしめられたらどんな感じなんだろう。
目に焼き付いた、二人が抱き合う姿を……虚しいと思いながらも自分に置き換える。

胸が痛い。
なのに気持ちいい。

こんなに欲に浮かされることなんて今までなかったのに。
我慢ができなくなってズボンを完全に脱ぎさり、シャツも前をはだけさせる。
今までの彼氏はあまり触ってくれなかったけど、自分で乳首を摘まみ爪で引っ掻く。

は、は、と熱く響く俺の声。
くちくちと湿った音がする。
このままイってしまおうか。

それとも……胸の尖りを弄っていた指を離し、陰茎よりもさらにその奥にそっと指を進める。
会陰を辿り、まるで何かを欲しいと言わんばかりにヒクつく窄まりを指先で押した。
溢れ出る先走りが指に絡む。

そして爪の先をのめり込ませようとした、その時。

軽やかなノックの音が響いた。




「ウィチ、少しいいか?」



跳ね上がるほど驚いて、俺は間抜けな格好でその場に固まった。

嘘だろう。
さっきまで、恋人と抱き合っていたアスファーが何で。
俺なんて邪魔なら、今日はもう来ないと思っていたのに。


「や、ちょ・・・・、」

「ウィチ、声がおかしい。何かあったの?入るよ、」


アスファーが俺の返事も待たずに扉を開ける。
そして晒された俺の姿に、アスファーも固まった。

体にシャツを引っかけただけの半裸姿。
それでベッドの上に転がっていたら、何をしているかは一目瞭然だ。
しかも辺りには俺の匂いが充満している。

せめて、と足を閉じたけど、きっとバレている。


びしりと固まったアスファーは、たっぷり3秒はそのまま俺を凝視して、それから慌てたように扉を閉めた。
ただし、アスファーの背中で__つまり、アスファーは部屋に入ってきて扉を閉めた。


「……なに、してたの?」

「っ! ……分かるだろ。来るなよ」


アスファーが大きく目を開いて、俺の体を見て。しかも、こちらに向かって足を進めている。
なんで入って、しかも近づいてくるんだ。


俺は羞恥で焼ききれそうな脳みそを必死で働かせて、体を縮こまらせる。
くそ。
くそ。
なんでこんなとこ、こいつに見られなきゃいけないんだ。
そもそもこいつが悪い。
俺のことを番だなんて言ってその気にさせて、自分は美人な恋人とイチャイチャして。
俺だって、そっちから口説くみたいなこと言われなきゃ、こんな美形のアスファーに惚れたりだなんてしなかったよ。
神みたいな扱いされてる竜族で、イケメンで優しくて、俺なんかが届く相手じゃないってちゃんと理解して、諦めてたのに。

涙がじわりと滲んだ。


「ウィチ、」


顔を俯けていると、いつの間にかすぐそばに来たアスファーがこちらを見ている。
彼はベッドに乗りあがると、俺のはだけたシャツやむき出しの足に視線を落とす。

アスファーが、は、と吐息を漏らした。
間近で感じたその息は、なんだか熱い気がした。
今まで見たことない雄の顔。
まるで欲情しているみたいな__。


飲み込んだ唾液に、思わず喉が鳴る。
だが、アスファーの口から出てきた言葉に、俺は固まった。





「もう、精通してたんだ」

「…………はぁ?」


精通って、あの精通だよな。
人のオナニーシーンみて言うことがそれか。

っていうか、俺の歳で精通していないわけないだろう。
予想していなかった言葉に、混乱しすぎて口をぽかんと開ける俺に、アスファーはギラギラと欲望の滾った瞳を向ける。


「ウィチって発育早いほう?ああ、まあそんなのもういいか」

「っ、わ!」


訳の分からないことを言いながら、アスファーは俺の体を抱き上げる。
そのまま体を入れ替えられて__まるで子供が抱っこされているみたいに、後ろから抱きしめられた。

あぐらをかいたアスファーの上に座らされ、大きく足を割り開かされる。


「え、・・・・・、え?」

「俺が気持ちよくしてあげる」


太腿を開いたまま抑えられて、足を閉じることもできない。
まだ屹立して涎を垂らす陰茎が彼の眼前に晒される。

恥ずかしさと混乱に頭の中が真っ白になっているうちに、アスファーの掌が俺の肩から体のラインをなぞっていく。


「や、……え、ちょ、ま、って、」

「ん? 大丈夫だよ、痛いことも怖いこともしないから」


ちゅ、と音をたてて首の後ろにキスを落とされる。
そのまま首筋を舐められ、軽く甘噛みもされて、濡れた感覚に体が震えた。

そうしている間にもアスファーの手はゆっくりとシャツを剥ぎ取り、体のすべてを露わにしてしまう。
彼の片方の掌は太腿を抑えながら撫で、もう片方の手がそっと腹から上に上がってくる。
指先が擽るように胸の尖りを捉えた。


「っ、!」


薄く色づく先端を爪の先で引っ掻かれる。
もどかしいような甘い痺れが体に走る。

今まで付き合ってきた男たちは、ここを愛撫するようなことはなかった。
だから決して敏感ではないはずなのに。指先でくりくりと揉まれ、押しつぶされると、たちまち硬く尖っていく。


「や……、なんで、ぁ、」


恥ずかしいほど、気持ちいいと反応を返す胸の突起。
そこから甘い痺れが全身にじわりと広がる。
気持ちよさと混乱の狭間で揺れていると、彼のもう一方の手がそろりと前に伸ばされた。


「ひっ!」

「ああ、暴れちゃだめだよ」


大きな掌に陰茎が包まれる。
少し強く握られて、でも裏筋を撫でたり先端のくびれを苛めたり、指先が器用に動いて追い上げてくる。
先端の小さな穴にまで指先を柔らかくのめり込まされて、痛いほどの刺激に腰が浮く。
アスファーの掌で扱かれている、と思うだけで、達してしまいそうに気持ちが良かった。


「ぃ、……あ、ああ、あ!」


乳首を転がしていた手が離れ、陰嚢を揉みこむようにして刺激される。
同時に耳の中に彼の舌が這入り込んできて、脳みそまで犯されているような感覚に陥った。


「あ、ぁあ、、ぃや、あ!」

「うん、気持ちいいね。ビクビクしてる。もう出ちゃいそう?」


耳朶を噛まれ、陰茎を擦られ、その先端も一緒に苛められる。
溜まってるからなんていい訳もできないくらいにあっさりと俺の体は追い上げられて、もう今にも解放してしまいたい。
見られながらなんて、とか、彼の手で出すなんて、とか脳裏に浮かぶけれど、それに構っていられなくらい出したくてしょうがない。
時折り彼の指先が最奥の窄まりを悪戯するように撫で、そのことにももどかしいほどの甘い痺れを感じた。


「も、……や、ゃ、あ゛、」

「いいよ、イって。可愛いイキ顔、見せてね」

「……ッ! ぁあ、や、あ、あっ、ああ゛!」


耳元で囁かれ、頬を舐められる。
絞り出すように先端に向かってぎゅ、と擦り上げられて、俺はあっさりと白濁を零してしまった。







はーはー、と荒い俺の呼吸が響く。
自分で出す時よりずっと強い快感に、射精感がなかなか引かなくて、俺は陸に打ち上げられた魚のように体をぴくぴくと跳ねさせた。


「気持ちよかったね。ウィチ、とっても可愛かったよ」


アスファーは何を考えているのか、楽し気に俺に囁きながら俺の頭や頬にしきりに口づけを落としてくる。


「これからも俺が気持ちよくしてあげるからね?毎晩でもしようね」


いや、ちょっと待て。
アスファーには恋人がいるんじゃないのか。
さっきは俺にキスされるのも嫌がったのに、なんで俺の体に触ったりするんだ。
だめだと言って彼の体から離れようとするけど、力強い腕に引き戻される。


「大丈夫だよウィチ、これは悪いことじゃないから」


彼のかいた胡坐の上に座らされて、頭を撫でられた。
まるで子供にするような仕草だけど、俺の尻に当たるのはアスファーの性器だろう。


「ア、アスファー、俺、これ以上は、ちゃんと付き合ってる人としなきゃだめだ、って」


別にアスファーにヤりたいとか言われた訳じゃないのに、俺は焦ったように早口で呟く。
そうでもしないと、体に触れる熱い熱におかしくなりそうだった。

だけど俺の発した言葉に、アスファーはふいに頭を撫でていた手を止めて尋ねてきた。


「これ以上?」

「その……挿れたり、とか、」


そんなの言わなくても分かるだろう。
そもそも、挿入しなくてもこれだって十分ダメだ。
人によっては……というか完璧に浮気だ。

そう思って振り向くと___真剣な顔をしたアスファーと目が合った。



「……ウィチ。それ、誰に教えられた?」







膝の上から軽々と抱き上げられ、ベッドに四つん這いに伏せさせられる。

首を捻って彼を見ようとすると、後孔に指が這入りこんでくる。
俺の精液を纏わせた長い指が俺の内壁を探り、前立腺を見つけ出してコリコリと苛まれる。


「ひぃっ、い、あ!」

「ここ、今まで誰かに触らせたってこと?」


内側を押し広げられ指が奥まで突き込まれる。
容赦なく気持ちのいいところを押しつぶされて、悲鳴のような声が喉の奥から漏れた。
指が増やされ、ばらばらに動かされて堪らない。


「い、ゃ、あ、あ、ああ!」


さっき出したばかりだっていうのに、俺の陰茎はびくびく跳ねながら再び熱く充血していく。
後孔をぐちゃ、と粘ついた音を立ててかき回されて、羞恥に体が朱に染まった。


「ウィチ。ちゃんと言って? ここ、誰に触られた?」


強すぎる快感に腕で体を支えられなくて、尻だけ高く上げた状態で震える俺に、アスファーが冷ややかな声を掛ける。
俺のすっかり蕩けきった頭でも彼が酷く怒っていることは分かって。
何が悪かったのか分からないまま、俺は謝罪を口にした。


「ご、ごめんな、さ」

「ウィチは謝らなくていいよ。悪い大人に、誑かされたんだろう?」


涙声の俺に、アスファーは怒りを押し殺すようにして声のトーンを穏やかにする。
だけどその指先は止まることがなくて。
再び高まっていく射精感に頭が真っ白になる。



アスファーの恋人のことも、なんでこんなことするのかも聞けないまま、解放されたのは何日経ったか分からないほど後のことだった。


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