奴隷医の奴隷。

隠岐 旅雨

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反逆の奴隷

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 一月下旬、夜。
 勝司は帰宅するなり予備校から郵送されてきた封筒を突きつけられた。
「いま最後の模試が終わったところで」
「うむ、お疲れさん。だからどうした」
「もうすこし、後で見たいかなあ、と」
「いいだろ。今回は罰ゲームもないし」
 十二月はまったく勉強、見てやれなかったからなぁ、と高弘は遠い目をしていた。
「ただし前回より下がったら、ご褒美だ」
 勝司は頭を抱えた。
「それじゃ何も変わんねーっての……」
 封筒をぴりぴりと、端からちぎっていく。
「お。上がってる」
「見せてみたまえ」

 数学、偏差値「67.8」
 英語、偏差値「61.2」
 国語、偏差値「60.6」
 総合。偏差値「63.2」

 文句なしのA判定である。高弘はもう驚かなかった。
「今日の試験は、どうだった」
「うん。集中できたと思うよ」
 よくやったと高弘は素直に賞賛する。
「残り、あと二週間だ。現役の高校生は、ここからいきなり、伸びてくるからな?」
「わかってるって。油断なんかしねーよ」
 頼もしく笑う勝司を、高弘は抱き寄せる。
「受かってくれよ」
「ああ。当然だろ」
 うんうんと、感慨深そうに頷きながらも、高弘の手はグレーのダッフルコートをかきわけて、股間部にたどりついた。
「オッサン、なにしてんスか……?」
「ああ、すまん。手が勝手にな」
「そのうち現行犯逮捕されんぞ」
「大丈夫だ。不特定多数に手は出さない」
 自らコートを脱ぎ捨てた勝司は、その手を自由にさせていた。ジーンズの前部は持ち上がり、自然とふたり寝室へと移動する。
 寝室で下着姿になった勝司を、高弘は押し倒して口づける。
 やさしいキスだった。なんだかついばむような。
 普段とちがう扱いに違和感を抱きながらも勝司は、そのまま身を任せていた。
 口は鎖骨を経て胸部へと移動する。
 そして先端の尖りを、また啄んだ。
「──ぁ…」
 どうしたんだろう。まるで逆に奉仕・・・・されているかのようで、勝司はようやく不審な表情をしてみせる。高弘は着衣もそのままに勝司の唇を奪い、胸部、腹部に手を這わせた。
 大腿部までを探りながらも、勃起には触れようともしない。らし、だろうか。
 そうして右乳頭を吸って、口に含みながら左側は指で摘まみ、反応を窺っている。
 次は反対。右乳頭は長い指に翻弄される。
「カツは左──だな?」
「なにがだよ……」
 高弘は答えない。執拗に左の胸を舌で掠め、つつき啄まれて勝司が声をあげ、身をよじるのを見つめていた。
「エロいな」
 勃ち上がりは水色のローライズボクサーにはっきりと形を浮き上がらせて、先端部は先走りに濡れて青かった。
「オマエは感じやすいな。全身的に」
 高弘は勃起を持ち上げ、突端の首の部分を親指で容赦なくえぐるようにした。
「う──ッあ…」
 高弘はローションを持ってくると、下着の勃ち上がり周辺に満遍まんべんなく垂らしこむ。
 そして淫猥いんわいな水音をたてながら、下着の上から勃起を扱き上げた。
「どうしたんだよ──タカ…?」
「たまにはいいだろ、エロ動画みたいで」
 色のうすい下着からは、ほぼ勃ち上がりが透けて見える。
「やべえな」
「ナニが──?」
「イかせてやるだけのつもりだったのに」
 高弘は、獰猛どうもうに笑い着衣を脱ぎ捨てた。
「襲いたくてアタマがガンガンしてきた」
「意味わかんねェ……」
 たぶん、受験を控えて無茶はできないと、高弘なりに気を遣っていたのだろう。
 溜まったままでは集中できないから、と。
 高弘は自分から全裸になると、濡れて光る勝司のボクサーパンツを引き下げた。
 勃起が反動で、引き締まった腹部を打つ。
 淫靡いんびに光るそれを高弘は躊躇ちゅうちょなく咥えた。
 ローションの滑りも手伝って、高弘の口と舌は自在に勃起を縦横じゅうおうする。
「うぁ──ッく…!」
 高弘は目を閉じたまま、口をはげしく上下させる。唇で幹の太さを感じていた。
 そうして右手で根元を抑えながら、左手は自身の勃起を扱いている。
 自力で達するつもり、なのか。
「──うぁ。ダメだ、ヤバいって…ッ!」
 精嚢せいのうを交互に音をたてて吸われて、勝司は悲鳴をあげた。その部位は勝司の最大の弱点だった。
 高弘はやはり無言である。見上げる目は狂猛だった。
 今度は勃起の先端部を集中的に舐る。吸いついては口を離し、舌で入口を探る。
「──ッく…!」
 限界が近いことを視線で伝えると、高弘は勃起を口に含んだまま、ただ頷いた。
 どうやら口内に発射させるつもりらしい。
 まるで奴隷が・・・主人に奉仕される・・・・・・・・ような。
 普段とは違うシチュエーションに、勝司は動揺して射精の寸前に腰を引こうとしたが高弘は、それを許さなかった。
「──く、ぅア…ッ!」
 仰向けのまま幾度いくども腰を宙へ浮かす勝司を高弘は、自身の勃起を扱きながらも咥えて逃がさなかった。
 射精は終わりがないように思えた。
 腰の躍動を静まらせながらも、まだ白濁が噴出する勢いを感じる。高弘は一瞬、戸惑いの表情を見せた。
 両腕を投げ出して、荒い息のまま大の字になっている勝司の勃起がようやく萎える。
 すると高弘は立ち上がり勝司に口づけた。同時に大量の白濁が、注ぎ込まれる。
 自身の放った精液の量の多さで、反射的に飲み込みそうになるところに高弘の勃起が強引に突き入れられた。
「ん──!?」
 そうして割り入ってくると同時に、高弘の射精がはじまった。とても収まりきるものではない。
「飲み込むな」
 その言葉に高弘を、涙目で見上げる。
 かろうじて飲み込みはしなかったものの、勝司の口許からは白濁がどうしようもなく次から次へとあふれ返っては止まなかった。

 息ができず視線の覚束おぼつかない勝司の口から、高弘がようやく勃起を引き抜いた。
 勝司は口許から腹部までを、大量の精液で汚したまま、呆然としていた。
「すまん。一度、やってみたかったんだ」
 白濁にまみれた姿態に、高弘はまたも欲情しそうになるが、なんとか自制に成功する。
 だがその半勃ちを、勝司は掴み上げた。
「カツ──?」
「タカ、これじゃ罰ゲームじゃねえか?」
「あ。そっか」
 気の向くまま口を犯したが、たしかにこれでは不意打ちの罰ゲームのようなものだ。
「納得いかねーな。タカ、逆罰ゲームだ。しばらくは勃起できないようにしてやる」
 そうしてベッドサイドに立つと、なにやら見覚えのあるアイテムを手に獰悪に笑う。
「どこに行ったかと思えば。隠してたか」
「これには散々な目にあわされたんでね」
 覚悟しろよ、と勝司は宣告した。
「これつけてる限りは、萎えないからな」
「体験者は語る、だな」
「余裕かましてられんのも、今のうちだ」
 勝司は高弘の根元に、コックリングを装着した。根本と鼠蹊部そけいぶで連結し、それだけで勃起は硬度を増す。それから勝司は、高弘を無防備に仰向けにさせた。
「さっきので一回。ノルマはあと四回な」
「マジか……」
 前置きもなく勝司はリングの振動を最大に設定した。高弘の全身が、跳ねる。
「──う…ッ」
「さて、はじめよっか。高弘センセイ──?」
 勝司は長大な勃起を手に取るなり、最速で射精へと追いやる自慰のような手つきで、高弘を追いつめる。
 二度目の射精は、すぐだった。
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