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プロローグ
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「おいバカ、やめろって」
深夜の寝室。最上階の角部屋とはいえ、会話の内容からして隣近所に聞かれるのは歓迎できない。
「痛ェってんだろ、だから待てって!」
暴れる男は若い、二十代半ばだろうか。それに対する男は三十代くらいか。
若い男の蹴りがまともに鳩尾に入ったらしく、男は床にうつぶせて恨みがましそうな目をした。
「テメェ勝司……オマエな」
「悪い。モロに入ったな、いまの。大丈夫か高弘」
「大丈夫か、じゃねえよ。悪いと思うんなら素直にケツ、こっちに向けな」
「ざけんな、またツッこむ気だろ──!」
「往生際が悪ィんだよ、こんのクソガキが!」
強引に、高弘は勝司をベッドに押し倒す。そしてローライズの下着の勃ち上がりを、焦らすようにして掴み上げた。
「ほらな。こんなにしといて今さら逃げんなよな──?」
そして今度は、自分の勃ち上がりを勝司に掴ませる。
「わかるだろ──コレをいきなり挿れるってーのは、ちょっとムリだ。だから慣らしてやろうと、恥ずかしいアイテムまでわざわざ、いろいろと用意してやったわけだ」
「うん」
「しかもだ。ご丁寧に局所麻酔まで使ってるんだぞ。この程度の一般的な太さのモノくらい、気合いで受けいれて見せろよ」
「わかったよ……」
「じゃあ、後背位の姿勢になれ」
勝司は頬を赤らめながらも、いわれたままの姿勢をとる。
「チカラ抜けよ?」
「うん」
「返事は『はい』だろ」
「う──はい……」
ずん、と突き入れられてくるモノがある。つい先ほど目の前に突きつけられていたバイブだろう。局所麻酔のゼリーで滑らせられたそれが、少しずつ侵入してくる。
「おし。入ったー」
言われて勝司は、ようやく深呼吸する。
「どうよ。貫通された感想は」
「どうって、痛かったけど。いまは平気」
「当然だ。局麻半分使ってんだぞ」
「うん、なんかヘンな感じだ」
「そんじゃ、スイッチオン。まずは初速!」
バイブが奇怪な回転音をあげはじめた。
うにんうにんというその動作にあわせて、勝司は悲鳴と笑い声を上げる。
「止めて。ゴメン──ムリ、無理です!」
「ダメだ止めない。さらに倍速!」
単にくすぐられて笑うよりも、どこか真に迫った凄絶ともいえるバカ笑いに、高弘は医学的興味を抱いていた。
「ふうん。俺はバイブなんかで掘られてもなんも感じなかったもんだけどなぁ」
「関心してないで止めろよ、変態医師!」
「変態ねぇ。さらに倍!」
「やめろぉぉおおおお!」
勝司の縮み上がったモノを間近に観察して、高弘は溜息をついた。
「俺もなんか萎えちゃった。後はひとりで遊んでてくれ」
「ちょ、待てよ、抜けないから頼んでんだろ!」
そういえばバイブは下着の内側から、挿入したのだったか。
下着が邪魔になり、しかもバイブの震動にたえず翻弄されて、身体がいうことをきかないらしかった。
「ぷくく。面白れぇな」
「殺す、ぜってぇコロす!」
「オマエさぁ、自分の立場とかもうすこし把握する能力、身につけたほうがいいぜ?」
高弘は面白がってバイブを押し込んだ。
「ひあ、痛、やめて」
「ん、なんか勃ってきてねえか」
「違う、ケツとは違うんだって!」
実に妙な弁解だなと、高弘は哲学的思索に耽っていた。
「ケツとは違うなら、なんで勃つんだ? 説明を求める」
「知らねー、知らないです。助けてくれ!」
高弘は獰悪な笑顔を浮かべた。そして勝司の勃起を右手に掴む。
「このまま射精できたら、抜いてやるよ」
そして下着の上から、勃起の形に手を添わせて、勢いよく扱き上げる。
「ヤベエ。タカ、やめて──ぅあッ……」
「遠慮すんなよ。出していいんだぞ」
「──ッあ…!」
深夜の寝室。最上階の角部屋とはいえ、会話の内容からして隣近所に聞かれるのは歓迎できない。
「痛ェってんだろ、だから待てって!」
暴れる男は若い、二十代半ばだろうか。それに対する男は三十代くらいか。
若い男の蹴りがまともに鳩尾に入ったらしく、男は床にうつぶせて恨みがましそうな目をした。
「テメェ勝司……オマエな」
「悪い。モロに入ったな、いまの。大丈夫か高弘」
「大丈夫か、じゃねえよ。悪いと思うんなら素直にケツ、こっちに向けな」
「ざけんな、またツッこむ気だろ──!」
「往生際が悪ィんだよ、こんのクソガキが!」
強引に、高弘は勝司をベッドに押し倒す。そしてローライズの下着の勃ち上がりを、焦らすようにして掴み上げた。
「ほらな。こんなにしといて今さら逃げんなよな──?」
そして今度は、自分の勃ち上がりを勝司に掴ませる。
「わかるだろ──コレをいきなり挿れるってーのは、ちょっとムリだ。だから慣らしてやろうと、恥ずかしいアイテムまでわざわざ、いろいろと用意してやったわけだ」
「うん」
「しかもだ。ご丁寧に局所麻酔まで使ってるんだぞ。この程度の一般的な太さのモノくらい、気合いで受けいれて見せろよ」
「わかったよ……」
「じゃあ、後背位の姿勢になれ」
勝司は頬を赤らめながらも、いわれたままの姿勢をとる。
「チカラ抜けよ?」
「うん」
「返事は『はい』だろ」
「う──はい……」
ずん、と突き入れられてくるモノがある。つい先ほど目の前に突きつけられていたバイブだろう。局所麻酔のゼリーで滑らせられたそれが、少しずつ侵入してくる。
「おし。入ったー」
言われて勝司は、ようやく深呼吸する。
「どうよ。貫通された感想は」
「どうって、痛かったけど。いまは平気」
「当然だ。局麻半分使ってんだぞ」
「うん、なんかヘンな感じだ」
「そんじゃ、スイッチオン。まずは初速!」
バイブが奇怪な回転音をあげはじめた。
うにんうにんというその動作にあわせて、勝司は悲鳴と笑い声を上げる。
「止めて。ゴメン──ムリ、無理です!」
「ダメだ止めない。さらに倍速!」
単にくすぐられて笑うよりも、どこか真に迫った凄絶ともいえるバカ笑いに、高弘は医学的興味を抱いていた。
「ふうん。俺はバイブなんかで掘られてもなんも感じなかったもんだけどなぁ」
「関心してないで止めろよ、変態医師!」
「変態ねぇ。さらに倍!」
「やめろぉぉおおおお!」
勝司の縮み上がったモノを間近に観察して、高弘は溜息をついた。
「俺もなんか萎えちゃった。後はひとりで遊んでてくれ」
「ちょ、待てよ、抜けないから頼んでんだろ!」
そういえばバイブは下着の内側から、挿入したのだったか。
下着が邪魔になり、しかもバイブの震動にたえず翻弄されて、身体がいうことをきかないらしかった。
「ぷくく。面白れぇな」
「殺す、ぜってぇコロす!」
「オマエさぁ、自分の立場とかもうすこし把握する能力、身につけたほうがいいぜ?」
高弘は面白がってバイブを押し込んだ。
「ひあ、痛、やめて」
「ん、なんか勃ってきてねえか」
「違う、ケツとは違うんだって!」
実に妙な弁解だなと、高弘は哲学的思索に耽っていた。
「ケツとは違うなら、なんで勃つんだ? 説明を求める」
「知らねー、知らないです。助けてくれ!」
高弘は獰悪な笑顔を浮かべた。そして勝司の勃起を右手に掴む。
「このまま射精できたら、抜いてやるよ」
そして下着の上から、勃起の形に手を添わせて、勢いよく扱き上げる。
「ヤベエ。タカ、やめて──ぅあッ……」
「遠慮すんなよ。出していいんだぞ」
「──ッあ…!」
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