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対面するように座り、馬車に揺られるクライブとイアン。しばらく沈黙が続いていたが、やがて、クライブがぼそっと呟いた。
「……やらかしたと思うか?」
間を置かず、イアンがこくりと頷く。うう。クライブは低く唸った。
「……なんの前触れもなく、亡くなった婚約者と同じ顔をした女性が現れてみろ。誰だって、駆け寄りたくなる」
「お気持ちはお察ししますが……」
イアンの脳裏に浮かんだのは、特待生に駆け寄るクライブに手を伸ばす、フェリシアの姿。
「クライブ殿下を見詰めるフェリシア様の顔が、泣きそうに歪んでいて……正直、胸が詰まりました」
「……フェリシアは心の壁が厚すぎて、嫌われてはいないだろうが、好かれているとも思っていなかった──のだが……」
「私も驚きました。なにか言わなくてはと、許可も得ず、リサ様のことを話してしまい、申し訳ありませんでした」
「……いや。お前が言わなければ、わたしが伝えていた。言い訳に聞こえたかもしれないが……」
「どう、でしょうね。まあ、特待生がクライブ殿下に礼を述べたときの態度は、流石に不自然過ぎましたが」
うっ。言葉に詰まったクライブは、その自覚があったのか、背もたれに体重を預け、窓から外の景色を眺めた。
「勉学も、剣術も、あの子は過ぎるぐらいに、真面目に取り組んでいる」
「ですね」
「でも、一向に心を開いてはくれない」
「普段なら、クライブ殿下が笑いかければ、令嬢はそれだけで、心を開きますからね」
「……嫌味か?」
「単なる事実ですよ」
「──立っているだけで、人は寄ってくる。この顔と、立場のおかげで。お前もだろう?」
緩く指を指されたイアンは、答えない。
「話もふってくれる。だから正直、戸惑っている。フェリシアと、どう接すればいいのか」
「無理に愛し合う必要はないのでは?」
「それはとても、寂しいことだ」
「……はい」
「フェリシアを愛しているかと問われれば、答えは、わからない、だ。ただ、あの子はリサとは違い、病弱なわけでもないのに、どうしてか、儚い。目を離せば、どこかへ消えてしまうような。そんな気さえ起こさせる」
「わかります」
「どうしてかな。今日のことで、その思いがさらに強くなってしまった」
数秒の沈黙の後。イアンは、躊躇いがちに口を開いた。
「フェリシア様は、クライブ殿下に愛されることはない。そう、思い込んでいるような気がします」
クライブが、なぜ、と目を見開く。
「明確な理由はないので、なんとも。私の思い過ごしかもしれませんが」
「リサのことを知る前か……?」
「ええ。しかし、あくまで私個人の意見ですので」
「…………」
「リサ様のこと、まだ愛していますか?」
クライブは一度、イアンの目を真っ直ぐに見据えてから、ああ、と答えた。
「忘れることは、きっとない」
フェリシアのことは、愛しているかわからない。けれどリサのことは、はっきり愛していると告げたクライブ。
密かな想い。誰に伝えることもなかったし、この先も、するつもりはない。
そう。決して届かないとわかっていたのに。イアンはリサを想っていた。
でも、今は──。
どうしてか。フェリシアの、あの泣きそうな顔が、イアンの瞼の裏に焼き付いて離れなかった。
「フェリシア様、あの」
太陽の光が眩く差し込む学園の廊下を歩くフェリシア。名を呼ばれ振り返ると、そこには、ハンカチを差し出すデリアの幼なじみ、テッドが立っていた。
「これ、落としましたよ」
「あ、ありがとうございます」
「いえ」
爽やかな笑顔で去って行くテッドを、不思議な気持ちで見送るフェリシア。
学園生活を送るようになって、一週間が経とうとしていたが、今のところ、攻略対象者の誰にも暴言を吐かれていないし、睨まれてもいない。
ティモシー先生も、挨拶をすれば、他の生徒と同じように、普通に返してくれる。
クライブとイアンは変わらずで。少なくとも表面上は、嫌われていない──と思う。セオドアには、学年が一つ上ということもあり、顔を合わせていないのでわからない。
でも。いつそのときが来るのかわからないので、常に緊張状態だ。なので、ものすごく疲れる。
「……早く行こう」
階段を上り、途中にある踊り場に足をかけた。そこに「なんだ、迷い姫か」と、頭上から声が降ってきた。ふっと顔を上げる。そこには光を背景に立つ、セオドアがいた。無駄に眩しい。フェリシアは疲れた心で呟いた。
「……迷っていません」
「どうだか。入学式の式場にも、自力で辿り着けなかったじゃないか」
違います。そう返そうとしたが、迷ったということにしてもらった恩があるので、逆らうのは止めることにした。
「……あのときは、助けていただいてありがとうございました。今は、音楽室に忘れ物をしたので、取りに行くところなだけです」
セオドアが肩を竦め、フェリシアの横を通り過ぎる。ふうっとため息をつき、三階へと続く階段を上ろうとしたフェリシアは、無言で踵を返した。前にいるセオドアを追い越し、階段を下る。
セオドアが何事かと、変な顔をする。その目の前で、足をもつれさせたフェリシアが、階段を踏み外した。
「──!」
ギョッとしたセオドアが、間一髪で、フェリシアの腰に手を回した。がくっとセオドアの腕に体重がかかり、フェリシアの身体が空に止まり、揺れる。
「……この、馬鹿っ!」
手すりを持ち、顔面蒼白なフェリシアを引き寄せ、どうにか階段上に立たせるセオドア。
「どうかしましたか?!」
誰かが階段を下ってくる音に反応するように、セオドアの腕の中にいるフェリシアの顔が、身体が、強張りはじめた。
「──?」
なんだ。問う前に、黒の制服を身にまとった女子生徒が現れた。セオドアが、デリアとフェリシアを交互に見る。
デリアが「あ、あたしの顔になにかついてますか?」と、照れたようにもじもじする。セオドアは、いや、と一言。
「どこに行こうとしていた」
「あたしですか? 図書室に行ってて。授業がはじまるから、教室に戻ろうと」
「……そうか。なら、早く行け」
「? はい」
首を傾げ、階段を下りるデリア。俯くフェリシアの横を、すっと通る。
くわっ。
通り過ぎる一瞬。俯いていて、デリアの顔は見ないようにしていたはずなのに、どうしてか、デリアがこちらを向き、目を剥いた気がした。
「……っ」
「おい。いい加減、腕を離せ」
間近で響いた声色に、思いのほか逞しいセオドアの腕を、爪を立てるほどに強い力で掴んでいたことに気付いたフェリシアは、慌てて力を抜いた。
「す、すみません……」
「謝る前に、早く手すりを掴め。また落ちられたらかなわない」
「はい……」
フェリシアが手すりを掴んだことを確認すると、セオドアはフェリシアの腰から、ゆっくり腕をほどいた。
きゃあ!
嬉しそうな悲鳴が、少し離れた場所から上がった。二階の廊下からこちらを見上げていた女子生徒たちが、見つかったとばかりに笑い合いながら去って行く。
「すごい、フェリシア様! クライブ殿下という人がいながら、セオドア様まで!」
「三角関係かな?!」
興奮しているのか。大きな会話は、フェリシアたちの耳に、しっかり届いていた。
「……重ね重ね、申し訳ありません」
「別に。困るのは、むしろきみだろう。馬鹿な噂が広がる前に、クライブ殿下に、早く真実を伝えておいた方がいいのではないか」
「それは大丈夫です。クライブ殿下はこんな些細なこと、気にするお方ではありませんから」
微笑みながらの台詞だったなら、惚気だととられてもおかしくなかったが、フェリシアの陰を帯びた表情に、さしものセオドアも、なにかを察したようで。
「王子の婚約者様は、一人で音楽室に行けますか?」
呆れたようなわざとらしい敬語に、フェリシアは「……行けます」と、手すりから手を離し、ゆっくりと階段を上りはじめた。セオドアはしばらくそれを眺め、視界からフェリシアの背中が消えてから、二階にある、自身の教室に足を向けた。
「……やらかしたと思うか?」
間を置かず、イアンがこくりと頷く。うう。クライブは低く唸った。
「……なんの前触れもなく、亡くなった婚約者と同じ顔をした女性が現れてみろ。誰だって、駆け寄りたくなる」
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「……いや。お前が言わなければ、わたしが伝えていた。言い訳に聞こえたかもしれないが……」
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「勉学も、剣術も、あの子は過ぎるぐらいに、真面目に取り組んでいる」
「ですね」
「でも、一向に心を開いてはくれない」
「普段なら、クライブ殿下が笑いかければ、令嬢はそれだけで、心を開きますからね」
「……嫌味か?」
「単なる事実ですよ」
「──立っているだけで、人は寄ってくる。この顔と、立場のおかげで。お前もだろう?」
緩く指を指されたイアンは、答えない。
「話もふってくれる。だから正直、戸惑っている。フェリシアと、どう接すればいいのか」
「無理に愛し合う必要はないのでは?」
「それはとても、寂しいことだ」
「……はい」
「フェリシアを愛しているかと問われれば、答えは、わからない、だ。ただ、あの子はリサとは違い、病弱なわけでもないのに、どうしてか、儚い。目を離せば、どこかへ消えてしまうような。そんな気さえ起こさせる」
「わかります」
「どうしてかな。今日のことで、その思いがさらに強くなってしまった」
数秒の沈黙の後。イアンは、躊躇いがちに口を開いた。
「フェリシア様は、クライブ殿下に愛されることはない。そう、思い込んでいるような気がします」
クライブが、なぜ、と目を見開く。
「明確な理由はないので、なんとも。私の思い過ごしかもしれませんが」
「リサのことを知る前か……?」
「ええ。しかし、あくまで私個人の意見ですので」
「…………」
「リサ様のこと、まだ愛していますか?」
クライブは一度、イアンの目を真っ直ぐに見据えてから、ああ、と答えた。
「忘れることは、きっとない」
フェリシアのことは、愛しているかわからない。けれどリサのことは、はっきり愛していると告げたクライブ。
密かな想い。誰に伝えることもなかったし、この先も、するつもりはない。
そう。決して届かないとわかっていたのに。イアンはリサを想っていた。
でも、今は──。
どうしてか。フェリシアの、あの泣きそうな顔が、イアンの瞼の裏に焼き付いて離れなかった。
「フェリシア様、あの」
太陽の光が眩く差し込む学園の廊下を歩くフェリシア。名を呼ばれ振り返ると、そこには、ハンカチを差し出すデリアの幼なじみ、テッドが立っていた。
「これ、落としましたよ」
「あ、ありがとうございます」
「いえ」
爽やかな笑顔で去って行くテッドを、不思議な気持ちで見送るフェリシア。
学園生活を送るようになって、一週間が経とうとしていたが、今のところ、攻略対象者の誰にも暴言を吐かれていないし、睨まれてもいない。
ティモシー先生も、挨拶をすれば、他の生徒と同じように、普通に返してくれる。
クライブとイアンは変わらずで。少なくとも表面上は、嫌われていない──と思う。セオドアには、学年が一つ上ということもあり、顔を合わせていないのでわからない。
でも。いつそのときが来るのかわからないので、常に緊張状態だ。なので、ものすごく疲れる。
「……早く行こう」
階段を上り、途中にある踊り場に足をかけた。そこに「なんだ、迷い姫か」と、頭上から声が降ってきた。ふっと顔を上げる。そこには光を背景に立つ、セオドアがいた。無駄に眩しい。フェリシアは疲れた心で呟いた。
「……迷っていません」
「どうだか。入学式の式場にも、自力で辿り着けなかったじゃないか」
違います。そう返そうとしたが、迷ったということにしてもらった恩があるので、逆らうのは止めることにした。
「……あのときは、助けていただいてありがとうございました。今は、音楽室に忘れ物をしたので、取りに行くところなだけです」
セオドアが肩を竦め、フェリシアの横を通り過ぎる。ふうっとため息をつき、三階へと続く階段を上ろうとしたフェリシアは、無言で踵を返した。前にいるセオドアを追い越し、階段を下る。
セオドアが何事かと、変な顔をする。その目の前で、足をもつれさせたフェリシアが、階段を踏み外した。
「──!」
ギョッとしたセオドアが、間一髪で、フェリシアの腰に手を回した。がくっとセオドアの腕に体重がかかり、フェリシアの身体が空に止まり、揺れる。
「……この、馬鹿っ!」
手すりを持ち、顔面蒼白なフェリシアを引き寄せ、どうにか階段上に立たせるセオドア。
「どうかしましたか?!」
誰かが階段を下ってくる音に反応するように、セオドアの腕の中にいるフェリシアの顔が、身体が、強張りはじめた。
「──?」
なんだ。問う前に、黒の制服を身にまとった女子生徒が現れた。セオドアが、デリアとフェリシアを交互に見る。
デリアが「あ、あたしの顔になにかついてますか?」と、照れたようにもじもじする。セオドアは、いや、と一言。
「どこに行こうとしていた」
「あたしですか? 図書室に行ってて。授業がはじまるから、教室に戻ろうと」
「……そうか。なら、早く行け」
「? はい」
首を傾げ、階段を下りるデリア。俯くフェリシアの横を、すっと通る。
くわっ。
通り過ぎる一瞬。俯いていて、デリアの顔は見ないようにしていたはずなのに、どうしてか、デリアがこちらを向き、目を剥いた気がした。
「……っ」
「おい。いい加減、腕を離せ」
間近で響いた声色に、思いのほか逞しいセオドアの腕を、爪を立てるほどに強い力で掴んでいたことに気付いたフェリシアは、慌てて力を抜いた。
「す、すみません……」
「謝る前に、早く手すりを掴め。また落ちられたらかなわない」
「はい……」
フェリシアが手すりを掴んだことを確認すると、セオドアはフェリシアの腰から、ゆっくり腕をほどいた。
きゃあ!
嬉しそうな悲鳴が、少し離れた場所から上がった。二階の廊下からこちらを見上げていた女子生徒たちが、見つかったとばかりに笑い合いながら去って行く。
「すごい、フェリシア様! クライブ殿下という人がいながら、セオドア様まで!」
「三角関係かな?!」
興奮しているのか。大きな会話は、フェリシアたちの耳に、しっかり届いていた。
「……重ね重ね、申し訳ありません」
「別に。困るのは、むしろきみだろう。馬鹿な噂が広がる前に、クライブ殿下に、早く真実を伝えておいた方がいいのではないか」
「それは大丈夫です。クライブ殿下はこんな些細なこと、気にするお方ではありませんから」
微笑みながらの台詞だったなら、惚気だととられてもおかしくなかったが、フェリシアの陰を帯びた表情に、さしものセオドアも、なにかを察したようで。
「王子の婚約者様は、一人で音楽室に行けますか?」
呆れたようなわざとらしい敬語に、フェリシアは「……行けます」と、手すりから手を離し、ゆっくりと階段を上りはじめた。セオドアはしばらくそれを眺め、視界からフェリシアの背中が消えてから、二階にある、自身の教室に足を向けた。
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