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ドキッ。
情けないことに、鼓動が跳ねた。内容はともかく、絵だけはとても好きで、キャラデザも好みど真ん中だった乙女ゲーム。そのキャラが現実に、目の前に現れたのだから、仕方がないというものだろう。
(絵を現実の人物にすると、こんな感じになるのね。なんて綺麗……)
『幼なじみを泣かせるなんて、最低だな』
かつて愛した男の冷徹な声が脳内に響いたおかげで、うっかり見惚れそうになっていたフェリシアは、すぐに我に返ることができた。
「お集まりいただき、ありがとうございます」
中性的な音を含んだ、澄んだ声色が耳に届いた。感激しそうになるのを、慌てておさえる。
待ち焦がれた第一王子の登場に、令嬢たちが沸き立つ。すぐにクライブのまわりは取り囲まれ、その姿は見えなくなってしまった。
(今更だけど、はじめからフェリシアが婚約者だったわけじゃないんだ)
ゲームは、ヒロインが王立学園に入学するところからはじまった。だから、その前の物語は知らない。語られていないのだ。
「……あ、う……」
密集地帯から離れていたフェリシアの少し前に、小さく呻く令嬢がいた。クライブがいるであろう場所を、左右に揺れながら見ている。
クライブがいるところに行きたい。でも行けない。心が手に取るようにわかり、素直だなあと、フェリシアは頬を緩ませた。
いつの間にこちらを見ていたのか。ばちっと目が合い、笑ってしまったことに気付かれてしまったのか。令嬢が、かあっと顔を赤くさせた。フェリシアの心は一気に冷え、すぐに謝罪した。
「ごめんなさい。決して馬鹿にしたわけではないの。あなたが、その、可愛くて」
令嬢はぱちくりとしてから、哀しそうに苦笑いをした。
「……気を使わなくていいわ。王族の人は綺麗な人が多いのに、あたしはブスで、社交性もなくて……よく考えたら、こんなあたしなんか、クライブ殿下が相手してくれるわけないですよね。へへ。馬鹿みたい」
続いて令嬢は、フェリシアをじっと見た。
「いいなあ、あなたは。とっても綺麗で。クライブ殿下に相応しいのは、きっとあなたみたいに綺麗な人よね」
「……なもの」
「え?」
「そんなもの、中身が伴ってないと、なにも意味がないわ」
くしゃっと顔を歪めたフェリシアを、令嬢が不思議そうに見詰める。
と、そこに。
「失礼。少し、いいかな」
令嬢たちの群れから出てきたクライブが、爽やかに話しかけてきた。令嬢が、先ほどとは違う意味で顔を真っ赤にする。
「一人一人に、名前を聞いているんだ。よければ、きみたちも教えてくれないかな」
柔らかい物腰と口調に、フェリシアは少し、驚いていた。対ヒロインには確かにこういう態度だったが、フェリシアには常に、邪魔者が来たとばかりに、舌打ちする勢いだったから。
隣に立つ令嬢は緊張から固まっていたので、フェリシアは先に「はじめまして」と、カーテシーをした。
「フェリシアと申します」
「うん、はじめまして」
うっとりする笑顔も、やがて嫌われるとわかっていれば、冷静でいられる。失礼のないように微笑み返してから、次はあなたの番よというように、フェリシアは隣の令嬢の背を軽く押した。
「あ、あたしは、リンダです!」
はっとしたように、声を震わせながらも、リンダは名乗った。後方にいる数人の令嬢が馬鹿にするようにクスクスと笑っていたが、クライブは、包み込むような笑みを浮かべた。
「はじめまして、リンダ嬢」
──ああ。真二も入社した初日、緊張して声が裏返ってしまったわたしを馬鹿にせず、こうして笑ってくれたっけ。
それでも最初で最後の彼氏は、結局、可愛い幼なじみを選んだ。
みんなが、佳奈を好きになった。真二だけは違うと思っていたけど、結果は同じだった。
目の前にいる王子様も、いまがどれだけ優しかろうと、ヒロインに会えばその虜になり、ヒロインを選ぶ。
(彩香だったとき、真二のことを思い出すのはただただ辛かったけど……クライブ殿下と同じだと思えば、普通に最低な奴だったと思えるなあ)
違う人生を歩んでいるからだろうか。いま、真二と佳奈に向かう感情は、自分でも不思議なことに、怒りのみだった。
佳奈はむろん、真二も、深く考えなくても酷い奴だったと思う。あの優しかった真二はどこへやら。それとも、あれが本性だったのか。高給取りだったが、見た目は平凡だったから、佳奈のように可愛い子に言い寄られて、ころっと惚れてしまったのだろう。
(──可愛い子、か)
ピカピカに磨かれている窓。眩しい太陽の光の中に、美少女が微かに映る。
(綺麗だけど、ヒロインに怒鳴る一枚絵のフェリシアの顔は、鬼みたいだったような)
まさに悪役。などと考えにふけるフェリシアに、どうされましたと、声をかける者がいた。クライブとは違う男性の声。立っていたのは、見覚えのある、クライブにも決して引けを取らない美少年だった。
顔面の良さに、フェリシアが僅かに仰け反る。
(驚いた、けど。攻略対象の一人だ……確か、クライブ殿下の従者で。名前は──なんだっけ)
「窓が汚れていましたか?」
「い、いいえ。お天気がいいなと見ていただけです。お気遣い、ありがとうございます。ところであの、あなたは」
「これは失礼しました。私はクライブ殿下の従者、イアンと申します」
イアン。はっきりとした記憶はないが、そんな名だった気がする。腰を折ったさい、さらっと流れた銀の髪。クライブ殿下の金髪が太陽なら、イアンの髪は月だと、誰かが表現していた気がする。
ちなみにこのイアンにも、当然のように、フェリシアは忌み嫌われていた。こんな風に気遣われるなど、ゲーム中には、一度としてなかった。
攻略対象である残りの三人とは、王立学園に入学してから会うことになるはずだ。一人はヒロインの幼なじみ。一人は王立学園の先生。もう一人は、一つ上の、先輩だったから。
(ヒロインに会う前は、二人と、こんな風に普通に会話できていたんだ)
そう思うと、ますますヒロインが嫌いになった。
婚約者候補探しのパーティーは、つつがなく行われた。クライブの婚約者になろうと、集められた令嬢たちがまわりから離れなかったため、フェリシアは意図せず、クライブとほとんど話さずにすんだ。対し、話したくても話せない、他の令嬢たちに圧倒されたままのリンダと──リンダは落ち込んでいたが──仲良くなれたので、フェリシアは満足だった。
(これでわたしが婚約者に選ばれたら……婚約破棄される運命まっしぐらね)
名前を名乗っただけで、なんのアピールもしていない。これで選ばれたら、集められた他の令嬢たちが納得しないだろう。
──が。
「でかしたぞ、フェリシア! お前がクライブ殿下の婚約者で、未来の王妃だ!」
王宮からの手紙を開封し、目を通すやいなや、フェリシアの父であるハウエルズ公爵は歓喜した。呆然と立ち尽くすフェリシアを抱き締める。
「ふふ。フェリシアは誰より美しく、可愛いからなあ。選ばれると父は信じていたよ」
ハウエルズ公爵は、親馬鹿だった。
出番がなかったので、顔も性格も知らなかったが、フェリシアは、彩香とは違い、少なくとも親には愛されていたらしい。
──クライブに婚約破棄されたあとは別にして、だが。
(……除籍されたのか、もろともに公爵家は没落したのか)
「いまから王妃教育を受けるのは大変だけれど、フェリシアは優秀だから、大丈夫よね」
ハウエルズ公爵夫人は嬉しそうに笑うが、フェリシアはそれどころではなかった。
勉学は嫌いではない。でも、無駄だとわかっている王妃教育に打ち込むことなど、できるだろうか。
(王立学園に入学するまで、約三年……)
普通なら、幼いころから受けるべきもの。それを、この年で──。
(あれ? そういえば、どうして第一王子なのに、いままで婚約者がいなかったんだろう)
「! まあ、大変!」
ご機嫌で手紙を読んでいたハウエルズ公爵夫人が、急に声を上げた。大変というわりに、口調は嬉しそうだ。
「あなた。手紙には明日、クライブ殿下がこの屋敷にいらっしゃると書かれていますわ」
「おお、それはそれは。早速、準備をせねばな」
盛り上がる両親。愛すべき家族。婚約は嫌だなどと、言えようはずもなかった。
情けないことに、鼓動が跳ねた。内容はともかく、絵だけはとても好きで、キャラデザも好みど真ん中だった乙女ゲーム。そのキャラが現実に、目の前に現れたのだから、仕方がないというものだろう。
(絵を現実の人物にすると、こんな感じになるのね。なんて綺麗……)
『幼なじみを泣かせるなんて、最低だな』
かつて愛した男の冷徹な声が脳内に響いたおかげで、うっかり見惚れそうになっていたフェリシアは、すぐに我に返ることができた。
「お集まりいただき、ありがとうございます」
中性的な音を含んだ、澄んだ声色が耳に届いた。感激しそうになるのを、慌てておさえる。
待ち焦がれた第一王子の登場に、令嬢たちが沸き立つ。すぐにクライブのまわりは取り囲まれ、その姿は見えなくなってしまった。
(今更だけど、はじめからフェリシアが婚約者だったわけじゃないんだ)
ゲームは、ヒロインが王立学園に入学するところからはじまった。だから、その前の物語は知らない。語られていないのだ。
「……あ、う……」
密集地帯から離れていたフェリシアの少し前に、小さく呻く令嬢がいた。クライブがいるであろう場所を、左右に揺れながら見ている。
クライブがいるところに行きたい。でも行けない。心が手に取るようにわかり、素直だなあと、フェリシアは頬を緩ませた。
いつの間にこちらを見ていたのか。ばちっと目が合い、笑ってしまったことに気付かれてしまったのか。令嬢が、かあっと顔を赤くさせた。フェリシアの心は一気に冷え、すぐに謝罪した。
「ごめんなさい。決して馬鹿にしたわけではないの。あなたが、その、可愛くて」
令嬢はぱちくりとしてから、哀しそうに苦笑いをした。
「……気を使わなくていいわ。王族の人は綺麗な人が多いのに、あたしはブスで、社交性もなくて……よく考えたら、こんなあたしなんか、クライブ殿下が相手してくれるわけないですよね。へへ。馬鹿みたい」
続いて令嬢は、フェリシアをじっと見た。
「いいなあ、あなたは。とっても綺麗で。クライブ殿下に相応しいのは、きっとあなたみたいに綺麗な人よね」
「……なもの」
「え?」
「そんなもの、中身が伴ってないと、なにも意味がないわ」
くしゃっと顔を歪めたフェリシアを、令嬢が不思議そうに見詰める。
と、そこに。
「失礼。少し、いいかな」
令嬢たちの群れから出てきたクライブが、爽やかに話しかけてきた。令嬢が、先ほどとは違う意味で顔を真っ赤にする。
「一人一人に、名前を聞いているんだ。よければ、きみたちも教えてくれないかな」
柔らかい物腰と口調に、フェリシアは少し、驚いていた。対ヒロインには確かにこういう態度だったが、フェリシアには常に、邪魔者が来たとばかりに、舌打ちする勢いだったから。
隣に立つ令嬢は緊張から固まっていたので、フェリシアは先に「はじめまして」と、カーテシーをした。
「フェリシアと申します」
「うん、はじめまして」
うっとりする笑顔も、やがて嫌われるとわかっていれば、冷静でいられる。失礼のないように微笑み返してから、次はあなたの番よというように、フェリシアは隣の令嬢の背を軽く押した。
「あ、あたしは、リンダです!」
はっとしたように、声を震わせながらも、リンダは名乗った。後方にいる数人の令嬢が馬鹿にするようにクスクスと笑っていたが、クライブは、包み込むような笑みを浮かべた。
「はじめまして、リンダ嬢」
──ああ。真二も入社した初日、緊張して声が裏返ってしまったわたしを馬鹿にせず、こうして笑ってくれたっけ。
それでも最初で最後の彼氏は、結局、可愛い幼なじみを選んだ。
みんなが、佳奈を好きになった。真二だけは違うと思っていたけど、結果は同じだった。
目の前にいる王子様も、いまがどれだけ優しかろうと、ヒロインに会えばその虜になり、ヒロインを選ぶ。
(彩香だったとき、真二のことを思い出すのはただただ辛かったけど……クライブ殿下と同じだと思えば、普通に最低な奴だったと思えるなあ)
違う人生を歩んでいるからだろうか。いま、真二と佳奈に向かう感情は、自分でも不思議なことに、怒りのみだった。
佳奈はむろん、真二も、深く考えなくても酷い奴だったと思う。あの優しかった真二はどこへやら。それとも、あれが本性だったのか。高給取りだったが、見た目は平凡だったから、佳奈のように可愛い子に言い寄られて、ころっと惚れてしまったのだろう。
(──可愛い子、か)
ピカピカに磨かれている窓。眩しい太陽の光の中に、美少女が微かに映る。
(綺麗だけど、ヒロインに怒鳴る一枚絵のフェリシアの顔は、鬼みたいだったような)
まさに悪役。などと考えにふけるフェリシアに、どうされましたと、声をかける者がいた。クライブとは違う男性の声。立っていたのは、見覚えのある、クライブにも決して引けを取らない美少年だった。
顔面の良さに、フェリシアが僅かに仰け反る。
(驚いた、けど。攻略対象の一人だ……確か、クライブ殿下の従者で。名前は──なんだっけ)
「窓が汚れていましたか?」
「い、いいえ。お天気がいいなと見ていただけです。お気遣い、ありがとうございます。ところであの、あなたは」
「これは失礼しました。私はクライブ殿下の従者、イアンと申します」
イアン。はっきりとした記憶はないが、そんな名だった気がする。腰を折ったさい、さらっと流れた銀の髪。クライブ殿下の金髪が太陽なら、イアンの髪は月だと、誰かが表現していた気がする。
ちなみにこのイアンにも、当然のように、フェリシアは忌み嫌われていた。こんな風に気遣われるなど、ゲーム中には、一度としてなかった。
攻略対象である残りの三人とは、王立学園に入学してから会うことになるはずだ。一人はヒロインの幼なじみ。一人は王立学園の先生。もう一人は、一つ上の、先輩だったから。
(ヒロインに会う前は、二人と、こんな風に普通に会話できていたんだ)
そう思うと、ますますヒロインが嫌いになった。
婚約者候補探しのパーティーは、つつがなく行われた。クライブの婚約者になろうと、集められた令嬢たちがまわりから離れなかったため、フェリシアは意図せず、クライブとほとんど話さずにすんだ。対し、話したくても話せない、他の令嬢たちに圧倒されたままのリンダと──リンダは落ち込んでいたが──仲良くなれたので、フェリシアは満足だった。
(これでわたしが婚約者に選ばれたら……婚約破棄される運命まっしぐらね)
名前を名乗っただけで、なんのアピールもしていない。これで選ばれたら、集められた他の令嬢たちが納得しないだろう。
──が。
「でかしたぞ、フェリシア! お前がクライブ殿下の婚約者で、未来の王妃だ!」
王宮からの手紙を開封し、目を通すやいなや、フェリシアの父であるハウエルズ公爵は歓喜した。呆然と立ち尽くすフェリシアを抱き締める。
「ふふ。フェリシアは誰より美しく、可愛いからなあ。選ばれると父は信じていたよ」
ハウエルズ公爵は、親馬鹿だった。
出番がなかったので、顔も性格も知らなかったが、フェリシアは、彩香とは違い、少なくとも親には愛されていたらしい。
──クライブに婚約破棄されたあとは別にして、だが。
(……除籍されたのか、もろともに公爵家は没落したのか)
「いまから王妃教育を受けるのは大変だけれど、フェリシアは優秀だから、大丈夫よね」
ハウエルズ公爵夫人は嬉しそうに笑うが、フェリシアはそれどころではなかった。
勉学は嫌いではない。でも、無駄だとわかっている王妃教育に打ち込むことなど、できるだろうか。
(王立学園に入学するまで、約三年……)
普通なら、幼いころから受けるべきもの。それを、この年で──。
(あれ? そういえば、どうして第一王子なのに、いままで婚約者がいなかったんだろう)
「! まあ、大変!」
ご機嫌で手紙を読んでいたハウエルズ公爵夫人が、急に声を上げた。大変というわりに、口調は嬉しそうだ。
「あなた。手紙には明日、クライブ殿下がこの屋敷にいらっしゃると書かれていますわ」
「おお、それはそれは。早速、準備をせねばな」
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