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「……あいつがか? 信じられないな……」
これまでのことを泣きながら吐露したロッティ。ローレンスが、口元をおさえながら驚愕する。ジェフが小さなころからロッティを愛していたのは、近くで見ていたローレンスもよく知っていたから。
「わたしも、信じたくない……でも……っ」
ロッティは膝の上にあるこぶしを強く握りながら、顔をあげた。
「ローレンス……。辛いことを思い出させるようで申し訳ないのだけれど、あなたはどうやって、奥様の不倫に気付いたの? どうやって、奥様に不倫を認めさせることができたの……?」
涙で滲む双眸で、ロッティが真っ直ぐにローレンスを見てくる。誰より先にローレンスに相談にきた理由の一つは、これなのだろう。
「──わたしが気付けたのは、ただの偶然だよ。庭の片隅で、妻と庭師が口付けをしているように見えたのが、疑うきっかけとなった……いや、どちらかといえば、それが間違いだと証明するために二人のことを調べはじめた。結果、妻は庭師と不貞行為をしていることがわかったのだけれどね」
「……奥様のこと、愛していたのね」
「そうだね。でも、わたしのことを愛していると言いながら、平然と他の男に抱かれている妻が信じられなくなって、どんどん妻に対する愛情がなくなっていくのを感じた。言い逃れ出来ないように、妻が庭師の家で不貞行為をしているときにのりこめるようにあれこれ画策して──」
ロッティは思わず「……そんなことしていたの?」と口を挟んでしまった。
「そうだよ。そしたら妻と庭師の罵り合いがはじまってね。その姿があまりに醜くて、妻への未練はなくなったけど……やっぱり、哀しかったな。ずっと裏切られてたわけだから」
「……そうね。今なら、わたしにもわかるわ」
「けれど、まだはっきりそうと決まったわけじゃないだろ?」
「……そうかしら」
「ああ。はっきりとした証拠か、ジェフの口からそうと聞くまでは、あいつのこと信じてやってくれないか」
そうね。
ロッティは何とか心を落ち着かせ、もう一度だけジェフを信じることにした。結果、それは見事なまでに裏切られることになった。
遠くで。ジェフとリンジーが、仲良くデートをしている。ジェフのあんな、慈しむような目は見たことがない。少なくとも、ジェフがリンジーに好意を抱いているのは、誰の目にもあきらかだった。
そしてリンジーは、見せつけるかのように、ジェフと口付けをかわしたのだ。
これまでのことを泣きながら吐露したロッティ。ローレンスが、口元をおさえながら驚愕する。ジェフが小さなころからロッティを愛していたのは、近くで見ていたローレンスもよく知っていたから。
「わたしも、信じたくない……でも……っ」
ロッティは膝の上にあるこぶしを強く握りながら、顔をあげた。
「ローレンス……。辛いことを思い出させるようで申し訳ないのだけれど、あなたはどうやって、奥様の不倫に気付いたの? どうやって、奥様に不倫を認めさせることができたの……?」
涙で滲む双眸で、ロッティが真っ直ぐにローレンスを見てくる。誰より先にローレンスに相談にきた理由の一つは、これなのだろう。
「──わたしが気付けたのは、ただの偶然だよ。庭の片隅で、妻と庭師が口付けをしているように見えたのが、疑うきっかけとなった……いや、どちらかといえば、それが間違いだと証明するために二人のことを調べはじめた。結果、妻は庭師と不貞行為をしていることがわかったのだけれどね」
「……奥様のこと、愛していたのね」
「そうだね。でも、わたしのことを愛していると言いながら、平然と他の男に抱かれている妻が信じられなくなって、どんどん妻に対する愛情がなくなっていくのを感じた。言い逃れ出来ないように、妻が庭師の家で不貞行為をしているときにのりこめるようにあれこれ画策して──」
ロッティは思わず「……そんなことしていたの?」と口を挟んでしまった。
「そうだよ。そしたら妻と庭師の罵り合いがはじまってね。その姿があまりに醜くて、妻への未練はなくなったけど……やっぱり、哀しかったな。ずっと裏切られてたわけだから」
「……そうね。今なら、わたしにもわかるわ」
「けれど、まだはっきりそうと決まったわけじゃないだろ?」
「……そうかしら」
「ああ。はっきりとした証拠か、ジェフの口からそうと聞くまでは、あいつのこと信じてやってくれないか」
そうね。
ロッティは何とか心を落ち着かせ、もう一度だけジェフを信じることにした。結果、それは見事なまでに裏切られることになった。
遠くで。ジェフとリンジーが、仲良くデートをしている。ジェフのあんな、慈しむような目は見たことがない。少なくとも、ジェフがリンジーに好意を抱いているのは、誰の目にもあきらかだった。
そしてリンジーは、見せつけるかのように、ジェフと口付けをかわしたのだ。
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