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「……またそのような強がりを」

 引き攣った笑いを浮かべるマルヴィナに、アーノルドは肩を竦めた。

「話が通じないのは、相変わらずみたいだね。隣にいる彼と一緒だ。いい相手を見つけたものだね」

 お似合いだよ。
 言い捨てられた台詞に、マルヴィナは目を吊り上げた。

「このあたしと、この男がお似合い? 本当にそんなこと思っているのですか?」

「心の底から思っているよ」

「目、ついてます? この男の容姿が、あたしにつり合うとでも?」

 心底馬鹿にしたような口調。これまでの、わがままというにはあまりに横暴な行い、暴言が一気に脳内を駆けめぐり、オーブリーの中のなにかがぷつりと切れた。

「……よくもそんな口が聞けたものだな!」

 マルヴィナに唾を飛ばし、オーブリーは声を荒げた。

「お前の元婚約者に聞いたよ。本性がばれて、二、三年には相手にされなくなったそうだね。いままで散々偉そうにしてたけど、もう一年にも噂は広まっているだろうから、もう誰にも、見向きもされなくなるんじゃないのか?」

 最初は、はじめて見るオーブリーの剣幕にぽかんとしていたマルヴィナだったが、すぐに持ち直し、負けじとキッと睨み返してきた。

「人のことが言えて? あなたが伯爵家の嫡男でなかったら、近付きもしなかったわよ! なんの取り柄もないばかりか、容姿も醜いくせに!」

「中身が醜いお前よりよっぽどマシだね!」

 言い捨て、オーブリーはミラベルの方へ向き直った。

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