2 / 22
2
しおりを挟む
ハワードは平日、馬車でファネル伯爵の屋敷へと赴く。ファネル伯爵から、領主としての仕事を学ぶためだ。
朝、出かける時間は常に同じだが、帰宅する時間はあまりに幅広い。今日は仕事が忙しかったからと、深夜に帰宅することすらあった。父であるファネル伯爵に訊ねればすぐにばれる嘘。
けれど、リネットがそれをしないという確信があるからか。ハワードは毎回、同じ言い訳をする。朝とは違う、甘い匂いをまとわせて。
もはや屋敷内で、その言い訳を信じる者はいなかった。ハワードがそれに気付いているのかいないのかはわからなかったが、とにかく、外から帰宅したハワードはいつも、上機嫌だった。
リネットが妊娠する前、休日にはたいてい、二人でデートをしていた。でも、もう何カ月も二人で出掛けていない。きみの身体が心配だからと言い、ハワードは一人、休日の街に出かける。
寂しくて寂しくて。リネットはたまらなかった。でも、わがままを言えば嫌われてしまう。なによりまた、お腹のことを言われるのが怖くて、我慢した。
(子どもが生まれたら、きっと元通り。ううん。きっとそれ以上に、わたしたちを愛してくれるはず)
「ね? あなたもそう思うわよね」
お腹に一人、語りかけた。
出産日より少しだけ早く、ようやく生まれてきてくれた男の子。両親は、よくやった、頑張ったわね、と涙を流し、喜んでくれた。ハワードも、お疲れさま、と顔をくしゃくしゃにして喜んでくれていたのを見て、リネットは泣いてしまった。
──ああ、ほら。信じて良かった。
もういい。戻ってきてくれるなら。一番に愛してくれているのなら。
知っていた。見ないふりをしていただけ。でも、許すから。
これからは、傍にいて。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
ようやく子どもとハワードの、三人になれた子ども部屋で、ハワードがすやすやと眠る我が子──ルシアンをじっと見詰めながらぼやいた。
リネットは、驚愕の双眸をハワードに向けた。それをどう受け取ったのか、ハワードはケラケラと笑い出した。
「違う、違う。きみの浮気を疑ってるわけじゃないよ。リネットは、ぼくが大好きだもんね。ただ純粋に、そう思っただけ」
「……あ、ああ。生まれたばかりの赤ちゃんに、そう感想を抱く人もいるみたい、よ。もう少し経てば、とても可愛く思えてくるはずだから」
なんとか笑みを浮かべ、言葉を絞り出す。
「そうなんだね。楽しみだなあ」
「……そうね」
「元気ないよ? 大丈夫?」
「……うん」
「まあ、仕方ないか。出産してから数日しか経ってないし。それにしても、髪もバサバサだし、肌もカサカサだよ? なんだか、一気に老け込んだみたいだ」
「……え、あ」
「気をつけてね。それじゃあ、ぼくはもう休ませてもらうから」
リネットは慌てて、時計を見た。
「ま、まだ八時……」
「眠いんだ。きみと違って、ぼくは朝から仕事があるし」
「……わ、かった。おやすみなさい」
「うん、おやすみ。明日も帰りは遅くなるかもしれないから、先に寝てていいよ」
「……え?」
目を丸くするリネットに、ハワードが苦笑する。
「なに、その顔。仕方ないじゃないか。仕事なんだから」
──ハワードには基本、午後五時には帰るように指示している。
いつだったか。ファネル伯爵が事もなげにそう告げたことがある。
ファネル伯爵の屋敷から、リネットたちが住まう屋敷まで、馬車で十分ほど。普通なら、午後五時過ぎには、ハワードは帰宅できる──ことを、リネットは随分前から知っていた。
子どもが生まれるまでと必死に耐えていた想いが、溢れそうになる。
「……ハワードっ」
「ん? なに?」
優しく甘い口調に、リネットの決意が折れる。嫌われるのが怖くて、なんでもない、とまた、笑ってしまった。
見送り、ぱたんと閉まる扉。リネットは一人、我が子の元に戻る。
「……こんなに可愛いのに」
伸ばした人差し指を、ルシアンが弱々しく掴んできた。リネットの心が、表情が、ぱあっと明るくなる。
「……あ、ああああ」
悶え、身体を震わす。
──天使?
愛おし過ぎて、リネットは心で静かに呟いてしまっていた。
はたと目覚めれば、午前九時を過ぎていた。嘘。リネットが驚く。
どんなにつわりが酷くても、病気でも、父の屋敷に向かうハワードを見送ることだけは、一度もかかしたことはなかった。なのにその時間からもう、一時間以上は経っていた。
屋敷には、乳母がいる。赤ちゃんがいるからと、リネットが一晩中見ている必要はないのだが、どうしても離れがたく。ハワードが部屋から出て行った後にやってきた乳母と共に、リネットは自ら授乳したり、寝かしつけたりしていたのだが、いつの間にか眠っていて。
気付けば、朝。
「リネット様、おはようございます」
「……お、はよう。ハワードは?」
「出掛けられましたよ」
「……そう」
乳母と、眠る我が子を起こさないように小声で話す。
コンコン。コンコン。
ノックの後に入ってきたのは、マドリンだった。
「お嬢様、起きられたのですね」
「……マドリン。どうして起こしてくれなかったの? おかげで、ハワードを見送ることができなかったわ」
「とても気持ちよさうに眠っていらしたので、起こすのはしのびなく。それにハワード様も、特に気にされた様子もなかったので」
「…………」
嘘よ。とは言えなかった。身体が不調でも無理して見送るリネットに、ハワードは「そんな顔色で見送られても」と、若干引き気味だったこともあったから。
沈み込みそうになったが、ふと視界にルシアンが入ったことで、考えが変わった。
(疲れた顔で見送っても、ハワードは嬉しくなかっただろうし、かえって良かったかも)
頬を緩ませるリネットに、マドリンが目を丸くする。
「怒らないのですか?」
「誰を?」
「私を。どうして起こさなかったのと」
「さっき言ったわ」
「てっきり、もっと泣き叫ぶものとばかり」
「……わたしのイメージ、そんななの?」
今さら、とばかりにマドリンは肩を竦めた。
「他のことはともかく、ハワード様のことになると、周りのことは一切耳にも目にも入らないではないですか」
「……そう、だったかしら」
ふぎゃあ。泣き出したルシアンに、駆け寄る乳母。それをやんわり止め「わたしが」と、リネットはルシアンを抱き上げた。愛おしそうに見詰め、軽く左右に揺れるリネット。
「可愛いですねえ」
乳母がほんわか微笑むと、リネットは、勢いよく顔を上げた。
「本当?」
「え?」
「わたしの子、可愛いと思う?」
乳母はマドリンと顔を見合わせてから、どうしてそんなことを聞くのかという風に、もちろんですよ、と首を捻った。
「マドリンも?」
「? 当たり前じゃないですか。そもそも畏れ多いことではありますが、私、お嬢様のことは妹のように想っているんです。そんなお嬢様の子どもですよ? 可愛く思わないわけないじゃないですか」
「…………っ」
胸が詰まり、リネットはボロボロと泣き出した。驚くマドリンと乳母に、大丈夫、となんとか伝える。
『──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?』
なんだろう。この気持ちは。
今までなにを言われても、わたしが悪いんだと、彼は嘘がつけない純粋無垢だから仕方ないのだと、諦めにも似たかたちで思うことしかできなかったのに。
──ねえ、ハワード。ルシアンは他でもない、あなたのわたしの子なのよ?
なのに、猿? 不細工?
ピシッ。
ハワードへの絶対的な愛情に、僅かに傷が入る音がした。
朝、出かける時間は常に同じだが、帰宅する時間はあまりに幅広い。今日は仕事が忙しかったからと、深夜に帰宅することすらあった。父であるファネル伯爵に訊ねればすぐにばれる嘘。
けれど、リネットがそれをしないという確信があるからか。ハワードは毎回、同じ言い訳をする。朝とは違う、甘い匂いをまとわせて。
もはや屋敷内で、その言い訳を信じる者はいなかった。ハワードがそれに気付いているのかいないのかはわからなかったが、とにかく、外から帰宅したハワードはいつも、上機嫌だった。
リネットが妊娠する前、休日にはたいてい、二人でデートをしていた。でも、もう何カ月も二人で出掛けていない。きみの身体が心配だからと言い、ハワードは一人、休日の街に出かける。
寂しくて寂しくて。リネットはたまらなかった。でも、わがままを言えば嫌われてしまう。なによりまた、お腹のことを言われるのが怖くて、我慢した。
(子どもが生まれたら、きっと元通り。ううん。きっとそれ以上に、わたしたちを愛してくれるはず)
「ね? あなたもそう思うわよね」
お腹に一人、語りかけた。
出産日より少しだけ早く、ようやく生まれてきてくれた男の子。両親は、よくやった、頑張ったわね、と涙を流し、喜んでくれた。ハワードも、お疲れさま、と顔をくしゃくしゃにして喜んでくれていたのを見て、リネットは泣いてしまった。
──ああ、ほら。信じて良かった。
もういい。戻ってきてくれるなら。一番に愛してくれているのなら。
知っていた。見ないふりをしていただけ。でも、許すから。
これからは、傍にいて。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
ようやく子どもとハワードの、三人になれた子ども部屋で、ハワードがすやすやと眠る我が子──ルシアンをじっと見詰めながらぼやいた。
リネットは、驚愕の双眸をハワードに向けた。それをどう受け取ったのか、ハワードはケラケラと笑い出した。
「違う、違う。きみの浮気を疑ってるわけじゃないよ。リネットは、ぼくが大好きだもんね。ただ純粋に、そう思っただけ」
「……あ、ああ。生まれたばかりの赤ちゃんに、そう感想を抱く人もいるみたい、よ。もう少し経てば、とても可愛く思えてくるはずだから」
なんとか笑みを浮かべ、言葉を絞り出す。
「そうなんだね。楽しみだなあ」
「……そうね」
「元気ないよ? 大丈夫?」
「……うん」
「まあ、仕方ないか。出産してから数日しか経ってないし。それにしても、髪もバサバサだし、肌もカサカサだよ? なんだか、一気に老け込んだみたいだ」
「……え、あ」
「気をつけてね。それじゃあ、ぼくはもう休ませてもらうから」
リネットは慌てて、時計を見た。
「ま、まだ八時……」
「眠いんだ。きみと違って、ぼくは朝から仕事があるし」
「……わ、かった。おやすみなさい」
「うん、おやすみ。明日も帰りは遅くなるかもしれないから、先に寝てていいよ」
「……え?」
目を丸くするリネットに、ハワードが苦笑する。
「なに、その顔。仕方ないじゃないか。仕事なんだから」
──ハワードには基本、午後五時には帰るように指示している。
いつだったか。ファネル伯爵が事もなげにそう告げたことがある。
ファネル伯爵の屋敷から、リネットたちが住まう屋敷まで、馬車で十分ほど。普通なら、午後五時過ぎには、ハワードは帰宅できる──ことを、リネットは随分前から知っていた。
子どもが生まれるまでと必死に耐えていた想いが、溢れそうになる。
「……ハワードっ」
「ん? なに?」
優しく甘い口調に、リネットの決意が折れる。嫌われるのが怖くて、なんでもない、とまた、笑ってしまった。
見送り、ぱたんと閉まる扉。リネットは一人、我が子の元に戻る。
「……こんなに可愛いのに」
伸ばした人差し指を、ルシアンが弱々しく掴んできた。リネットの心が、表情が、ぱあっと明るくなる。
「……あ、ああああ」
悶え、身体を震わす。
──天使?
愛おし過ぎて、リネットは心で静かに呟いてしまっていた。
はたと目覚めれば、午前九時を過ぎていた。嘘。リネットが驚く。
どんなにつわりが酷くても、病気でも、父の屋敷に向かうハワードを見送ることだけは、一度もかかしたことはなかった。なのにその時間からもう、一時間以上は経っていた。
屋敷には、乳母がいる。赤ちゃんがいるからと、リネットが一晩中見ている必要はないのだが、どうしても離れがたく。ハワードが部屋から出て行った後にやってきた乳母と共に、リネットは自ら授乳したり、寝かしつけたりしていたのだが、いつの間にか眠っていて。
気付けば、朝。
「リネット様、おはようございます」
「……お、はよう。ハワードは?」
「出掛けられましたよ」
「……そう」
乳母と、眠る我が子を起こさないように小声で話す。
コンコン。コンコン。
ノックの後に入ってきたのは、マドリンだった。
「お嬢様、起きられたのですね」
「……マドリン。どうして起こしてくれなかったの? おかげで、ハワードを見送ることができなかったわ」
「とても気持ちよさうに眠っていらしたので、起こすのはしのびなく。それにハワード様も、特に気にされた様子もなかったので」
「…………」
嘘よ。とは言えなかった。身体が不調でも無理して見送るリネットに、ハワードは「そんな顔色で見送られても」と、若干引き気味だったこともあったから。
沈み込みそうになったが、ふと視界にルシアンが入ったことで、考えが変わった。
(疲れた顔で見送っても、ハワードは嬉しくなかっただろうし、かえって良かったかも)
頬を緩ませるリネットに、マドリンが目を丸くする。
「怒らないのですか?」
「誰を?」
「私を。どうして起こさなかったのと」
「さっき言ったわ」
「てっきり、もっと泣き叫ぶものとばかり」
「……わたしのイメージ、そんななの?」
今さら、とばかりにマドリンは肩を竦めた。
「他のことはともかく、ハワード様のことになると、周りのことは一切耳にも目にも入らないではないですか」
「……そう、だったかしら」
ふぎゃあ。泣き出したルシアンに、駆け寄る乳母。それをやんわり止め「わたしが」と、リネットはルシアンを抱き上げた。愛おしそうに見詰め、軽く左右に揺れるリネット。
「可愛いですねえ」
乳母がほんわか微笑むと、リネットは、勢いよく顔を上げた。
「本当?」
「え?」
「わたしの子、可愛いと思う?」
乳母はマドリンと顔を見合わせてから、どうしてそんなことを聞くのかという風に、もちろんですよ、と首を捻った。
「マドリンも?」
「? 当たり前じゃないですか。そもそも畏れ多いことではありますが、私、お嬢様のことは妹のように想っているんです。そんなお嬢様の子どもですよ? 可愛く思わないわけないじゃないですか」
「…………っ」
胸が詰まり、リネットはボロボロと泣き出した。驚くマドリンと乳母に、大丈夫、となんとか伝える。
『──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?』
なんだろう。この気持ちは。
今までなにを言われても、わたしが悪いんだと、彼は嘘がつけない純粋無垢だから仕方ないのだと、諦めにも似たかたちで思うことしかできなかったのに。
──ねえ、ハワード。ルシアンは他でもない、あなたのわたしの子なのよ?
なのに、猿? 不細工?
ピシッ。
ハワードへの絶対的な愛情に、僅かに傷が入る音がした。
477
お気に入りに追加
3,317
あなたにおすすめの小説
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
健気な妻は今日でお終い
杉本凪咲
恋愛
伯爵家のホースの家に嫁いだ公爵令嬢モニカ。しかしホースはほとんど家には帰って来ず、愛を囁くことすらしない。加えて、金目当てで結婚したことが判明し、挙句の果てには使用人と不倫までしているようで、愛想を尽かしたモニカは彼に離縁を宣言する。
「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。
友坂 悠
恋愛
侯爵夫人のマリエルは、夫のジュリウスから一年後の離縁を提案される。
あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。
ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。
「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」
「わかりました……」
「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」
そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。
勘違い、すれ違いな夫婦の恋。
前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。
四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。
旦那様が妹を妊娠させていました
杉本凪咲
恋愛
勉強ばかりに精を出していた男爵令嬢ライラに、伯爵家からの縁談が舞い込む。縁談相手のオールドは、端正な顔立ちと優しい性格の男性で、ライラはすぐに彼のことが好きになった。しかし半年後、オールドはライラに離婚を宣言して衝撃的な言葉を放つ。「君の妹を妊娠させてしまったんだ」。
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる