23 / 207
第1章 まだ見ぬ世界へ想いを馳せる君へ
1-22 決戦前昼のはちみつパンケーキ
しおりを挟む
「完成~っ! 【メリーさんの枕】やっとできたっ!」
ミミリは誉めてと言わんばかりに、完成した【メリーさんの枕】をお披露目する。
完成に至るまでに紆余曲折あったので、ミミリの喜びもひとしおだ。
「早く試してみたいな。モンスター、本当にグッスリ寝ちゃうのかなぁ」
ミミリのワクワクは止まらない。
「うんうん、良かったな。次の採集作業の時に機会があったら使ってみよう。ミミリのおかげでモンスター討伐が楽になると思うと、俺も効果が楽しみだよ」
「ゼラくんありがとう」
本当に嬉しそうにしているミミリを見て、ミミリがもし採集作業用の衣装、あの猫のワンピースを着ていたら、きっとしっぽが左右に揺れていたに違いない、とゼラは思った。
……思ったが。
またしっぽの話をするとまたあらぬ誤解を招いてしまうので、心にそっと秘めることにした。
「ミミリ、おめでとうございます。錬成できるアイテムも増えてきましたね。最近のミミリを見ていると、遠き日のご主人様を見ているようです」
「えへへ……。嬉しいなぁ」
「ちょっと、みんなミミリを甘やかしすぎよ?」
うさみはゼラが作ったはちみつパンケーキを一口食べてから、フォークの先をミミリに向けた。
「ミミリ、この間みんなに注意されたこと、忘れてないわよね?」
「……うぅぅ。その話は耳が痛いよ」
ミミリは結局、倒れた日も含めると丸3日間、ベッドで療養に時間を充てた。
採集作業やモンスター討伐の疲労の蓄積に加え、割と長めに川に入って魚を獲っていたこと、連日連夜の錬成で寝不足であったこと、錬成に没頭しすぎてMPが枯渇したことなどが積み重なって、快癒するまでに時間を要してしまったのだ。
結果として、みんなにとても心配させてしまったので、ミミリは深く反省している。
うさみの確認事項に対して、ミミリは右手の指を折りながら、頭の中の整理も兼ねて口に出す。
「もちろん、忘れてないよ?
①寝不足にならないように、規則正しい生活をすること。努力します。……これは、できるだけ。
②疲れたらちゃんと休むこと。これは意識して休憩するようにするね。
③川に入ったらちゃんと身体を温めること。これはすごく反省してるよ、ついつい魚獲りに夢中になっちゃったの。
④MP管理を気をつけること。うぅーん。これはちょっと、まだ修行中です。頑張らないと。
あとは……。えぇっと……」
「【睡眠薬】の錬成をする際は、換気をすること、ですね」
アルヒの助け船に、ミミリは満面の笑みで感謝の気持ちを伝える。
「そうそう、⑤作成する錬成アイテムを理解して、作業環境を整えること。
……うん、この5つだ! 頑張るね‼︎」
ミミリは胸の前で両手を握って、意気込んで気合いを入れてみせる。
うさみはミミリの答えにはぁ、と大きくため息をついた。
「本当にわかってるのかしら、この子」
うさみは小首を傾(かし)げながら、頬に手を当てて困ったポーズをする。
「まぁ、気持ちはわかるけど、大丈夫じゃないか? 俺はミミリって、ふわふわしているようで意外としっかりしてると思ってるよ。太い芯が一本通ってるっていうかさ。…なんせ俺は、出会い頭に助けてもらってるしな」
ゼラはそう言って笑いながら、焼きたてのはちみつパンケーキのおかわりをうさみのお皿にそっと乗せた。
「よかったら焼きたてをもう一枚いかがですか。うさみ先輩?」
「あら、ありがと。いただくわ」
うさみはありがたく申し出をお受けした。
ゼラの手際の良さにうさみは度々感心する。家事なども率先してこなし、面倒見も良く、それでいて鍛錬も怠らない。
いつの間にか、ゼラはこの家にすっかり馴染んでしまった。
そして、ゼラのエプロン姿が今日もなかなかさまになっている。金の短髪、輝く宝石のような赤い瞳。スラッと伸びた手足と、ほどよくついた筋肉。目鼻立ちがよく端正な顔立ち。
……可愛い系少女、美少女に浸ってきたけれど。
「ふぅむ……。これはこれでなかなかありかもね」
「……? 何か言ったか?」
「っ、なんでもないわ」
うさみは、このことは絶対に秘めておこうと心に決めた。
「それにしても、ゼラって色々とそつなくこなしてくれるわよね。面倒見もいいし。歳の割にしっかりしてるなって思ってね」
「……ん? あぁ、俺の村ではしっかりせざるを得なかったから、自然とな。それに俺、居候の身だし。言うだろ? 働かざる者なんとかって」
ハハッと笑って、ゼラはミミリとアルヒにも着席を促し、はちみつパンケーキを勧める。
うさみは、気丈に振る舞うゼラの表情が少し陰ったことに気がついた。
うさみは誰にも聞こえないくらいの声量で、
「そりゃ、誰だって色々あるわよね……。ゴメン」
と、ポソリと呟いた。
「ミミリ、体調はどうですか?」
はちみつパンケーキをナイフで切り分けながら、アルヒはミミリの体調を気遣う。
「ありがとう、アルヒ。みんなのおかげですっかり元気になったよ。錬成もできたしね!」
ミミリは食欲も旺盛で、はちみつパンケーキを食べる手は休むことを知らない。
「アルヒさん、これだけはちみつパンケーキを食べられるくらいだからきっともう大丈夫ですよ」
そう言ってゼラは、腰のエプロンを椅子に掛けて着席した。
「俺の分も食べていいんだぞ?」
「そっ、そんなに食いしん坊じゃないよ! とっても美味しいからおかわりはしたいけど……」
「私の分を差し上げましょうか」
「もー! アルヒまで! もし、お腹いっぱいだからって誰かが残しちゃったら代わりに食べたいなって思うくらいだから大丈夫だよ」
「心配しなくても後でおかわりは焼いてやるよ」
ゼラはクスッと笑う。
ミミリの顔はパァッと花が咲いたように明るくなる。
「嬉しい! ありがとう! ……と言いたいところだけど、今度は私が焼くよ。ゼラくんはゆっくりパンケーキ食べてね!」
と言って席を立ち、ミミリは釜へ向かった。
……ん?釜?
「キッチンじゃなくて釜で作るのか⁇」
ゼラはびっくりしてパンケーキを喉に詰まらせそうになった。
うさみは三人のやりとりを見て、
「……ふむぅ、やっぱり悪くないわね」
と言って、こっそりしっぽをふるふる震わせた。
「提案させていただきたいのですが」
パンケーキタイムの終了に伴い、アルヒは真剣な面持ちで提案をもちかける。
ミミリたちは、食後のお茶を楽しんでいるところ。美味しいパンケーキでお腹が満たされて、好きな飲み物を片手にまったり団欒している最中だった。
「うん。何の提案?」
ミミリはホットミンティーを飲むのを止め、コップをテーブルにコトンと置いた。
「ミミリ、病み上がりの貴方にとって少々酷なことを言うかもしれません。ですが、これから旅をするにあたって、必ずしも常に万全の状態であるわけではないことは、おわかりいただけるかと思います」
「うん、私もそう思う」
屋根のある所で夜を過ごせることは珍しいかもしれない。傷を負って苦しむことも、熱を出しても歩き続けなければならないこともあるかもしれない。
ミミリの想像する限りで、あらゆることは想定できている。
そのため、アルヒの言っていることはよくわかった。
だからこそ、体調管理という面で先日のことはいい教訓として心に留めておかなければならない。
ゼラは両の手の握り拳を膝の上に置いた。
うさみはコーヒーを飲みながら。
うさみもゼラも、旅を始める当事者として、アルヒの言葉に真摯に耳を傾ける。
「病み上がりである今だからこそ、提案します。…森で野営をしてみましょう」
アルヒからの、突然の提案。
終夜(よもすがら)、モンスターが跋扈(ばっこ)する森の中で野営をすることは、モンスターの格好の餌食となることを意味する。
アルヒの提案に、うさみはゴクリと息を呑んで、顎に手を当てて、いいわねと言って全面肯定する。
「たしかに、アルヒと一緒に野営を経験することは、今後において大きなアドバンテージになるわね。でも、どう? ミミリ、できそう?」
「うん! もちろんだよ!」
ミミリの表情は期待とやる気に満ち溢れていた。ミミリの空色の目はキラキラと輝いて、まさに、目が口ほどに物を言っている。
そんなミミリを見てゼラは一言。
「ホラな、ミミリはやっぱり芯が強いよ」
ミミリは誉めてと言わんばかりに、完成した【メリーさんの枕】をお披露目する。
完成に至るまでに紆余曲折あったので、ミミリの喜びもひとしおだ。
「早く試してみたいな。モンスター、本当にグッスリ寝ちゃうのかなぁ」
ミミリのワクワクは止まらない。
「うんうん、良かったな。次の採集作業の時に機会があったら使ってみよう。ミミリのおかげでモンスター討伐が楽になると思うと、俺も効果が楽しみだよ」
「ゼラくんありがとう」
本当に嬉しそうにしているミミリを見て、ミミリがもし採集作業用の衣装、あの猫のワンピースを着ていたら、きっとしっぽが左右に揺れていたに違いない、とゼラは思った。
……思ったが。
またしっぽの話をするとまたあらぬ誤解を招いてしまうので、心にそっと秘めることにした。
「ミミリ、おめでとうございます。錬成できるアイテムも増えてきましたね。最近のミミリを見ていると、遠き日のご主人様を見ているようです」
「えへへ……。嬉しいなぁ」
「ちょっと、みんなミミリを甘やかしすぎよ?」
うさみはゼラが作ったはちみつパンケーキを一口食べてから、フォークの先をミミリに向けた。
「ミミリ、この間みんなに注意されたこと、忘れてないわよね?」
「……うぅぅ。その話は耳が痛いよ」
ミミリは結局、倒れた日も含めると丸3日間、ベッドで療養に時間を充てた。
採集作業やモンスター討伐の疲労の蓄積に加え、割と長めに川に入って魚を獲っていたこと、連日連夜の錬成で寝不足であったこと、錬成に没頭しすぎてMPが枯渇したことなどが積み重なって、快癒するまでに時間を要してしまったのだ。
結果として、みんなにとても心配させてしまったので、ミミリは深く反省している。
うさみの確認事項に対して、ミミリは右手の指を折りながら、頭の中の整理も兼ねて口に出す。
「もちろん、忘れてないよ?
①寝不足にならないように、規則正しい生活をすること。努力します。……これは、できるだけ。
②疲れたらちゃんと休むこと。これは意識して休憩するようにするね。
③川に入ったらちゃんと身体を温めること。これはすごく反省してるよ、ついつい魚獲りに夢中になっちゃったの。
④MP管理を気をつけること。うぅーん。これはちょっと、まだ修行中です。頑張らないと。
あとは……。えぇっと……」
「【睡眠薬】の錬成をする際は、換気をすること、ですね」
アルヒの助け船に、ミミリは満面の笑みで感謝の気持ちを伝える。
「そうそう、⑤作成する錬成アイテムを理解して、作業環境を整えること。
……うん、この5つだ! 頑張るね‼︎」
ミミリは胸の前で両手を握って、意気込んで気合いを入れてみせる。
うさみはミミリの答えにはぁ、と大きくため息をついた。
「本当にわかってるのかしら、この子」
うさみは小首を傾(かし)げながら、頬に手を当てて困ったポーズをする。
「まぁ、気持ちはわかるけど、大丈夫じゃないか? 俺はミミリって、ふわふわしているようで意外としっかりしてると思ってるよ。太い芯が一本通ってるっていうかさ。…なんせ俺は、出会い頭に助けてもらってるしな」
ゼラはそう言って笑いながら、焼きたてのはちみつパンケーキのおかわりをうさみのお皿にそっと乗せた。
「よかったら焼きたてをもう一枚いかがですか。うさみ先輩?」
「あら、ありがと。いただくわ」
うさみはありがたく申し出をお受けした。
ゼラの手際の良さにうさみは度々感心する。家事なども率先してこなし、面倒見も良く、それでいて鍛錬も怠らない。
いつの間にか、ゼラはこの家にすっかり馴染んでしまった。
そして、ゼラのエプロン姿が今日もなかなかさまになっている。金の短髪、輝く宝石のような赤い瞳。スラッと伸びた手足と、ほどよくついた筋肉。目鼻立ちがよく端正な顔立ち。
……可愛い系少女、美少女に浸ってきたけれど。
「ふぅむ……。これはこれでなかなかありかもね」
「……? 何か言ったか?」
「っ、なんでもないわ」
うさみは、このことは絶対に秘めておこうと心に決めた。
「それにしても、ゼラって色々とそつなくこなしてくれるわよね。面倒見もいいし。歳の割にしっかりしてるなって思ってね」
「……ん? あぁ、俺の村ではしっかりせざるを得なかったから、自然とな。それに俺、居候の身だし。言うだろ? 働かざる者なんとかって」
ハハッと笑って、ゼラはミミリとアルヒにも着席を促し、はちみつパンケーキを勧める。
うさみは、気丈に振る舞うゼラの表情が少し陰ったことに気がついた。
うさみは誰にも聞こえないくらいの声量で、
「そりゃ、誰だって色々あるわよね……。ゴメン」
と、ポソリと呟いた。
「ミミリ、体調はどうですか?」
はちみつパンケーキをナイフで切り分けながら、アルヒはミミリの体調を気遣う。
「ありがとう、アルヒ。みんなのおかげですっかり元気になったよ。錬成もできたしね!」
ミミリは食欲も旺盛で、はちみつパンケーキを食べる手は休むことを知らない。
「アルヒさん、これだけはちみつパンケーキを食べられるくらいだからきっともう大丈夫ですよ」
そう言ってゼラは、腰のエプロンを椅子に掛けて着席した。
「俺の分も食べていいんだぞ?」
「そっ、そんなに食いしん坊じゃないよ! とっても美味しいからおかわりはしたいけど……」
「私の分を差し上げましょうか」
「もー! アルヒまで! もし、お腹いっぱいだからって誰かが残しちゃったら代わりに食べたいなって思うくらいだから大丈夫だよ」
「心配しなくても後でおかわりは焼いてやるよ」
ゼラはクスッと笑う。
ミミリの顔はパァッと花が咲いたように明るくなる。
「嬉しい! ありがとう! ……と言いたいところだけど、今度は私が焼くよ。ゼラくんはゆっくりパンケーキ食べてね!」
と言って席を立ち、ミミリは釜へ向かった。
……ん?釜?
「キッチンじゃなくて釜で作るのか⁇」
ゼラはびっくりしてパンケーキを喉に詰まらせそうになった。
うさみは三人のやりとりを見て、
「……ふむぅ、やっぱり悪くないわね」
と言って、こっそりしっぽをふるふる震わせた。
「提案させていただきたいのですが」
パンケーキタイムの終了に伴い、アルヒは真剣な面持ちで提案をもちかける。
ミミリたちは、食後のお茶を楽しんでいるところ。美味しいパンケーキでお腹が満たされて、好きな飲み物を片手にまったり団欒している最中だった。
「うん。何の提案?」
ミミリはホットミンティーを飲むのを止め、コップをテーブルにコトンと置いた。
「ミミリ、病み上がりの貴方にとって少々酷なことを言うかもしれません。ですが、これから旅をするにあたって、必ずしも常に万全の状態であるわけではないことは、おわかりいただけるかと思います」
「うん、私もそう思う」
屋根のある所で夜を過ごせることは珍しいかもしれない。傷を負って苦しむことも、熱を出しても歩き続けなければならないこともあるかもしれない。
ミミリの想像する限りで、あらゆることは想定できている。
そのため、アルヒの言っていることはよくわかった。
だからこそ、体調管理という面で先日のことはいい教訓として心に留めておかなければならない。
ゼラは両の手の握り拳を膝の上に置いた。
うさみはコーヒーを飲みながら。
うさみもゼラも、旅を始める当事者として、アルヒの言葉に真摯に耳を傾ける。
「病み上がりである今だからこそ、提案します。…森で野営をしてみましょう」
アルヒからの、突然の提案。
終夜(よもすがら)、モンスターが跋扈(ばっこ)する森の中で野営をすることは、モンスターの格好の餌食となることを意味する。
アルヒの提案に、うさみはゴクリと息を呑んで、顎に手を当てて、いいわねと言って全面肯定する。
「たしかに、アルヒと一緒に野営を経験することは、今後において大きなアドバンテージになるわね。でも、どう? ミミリ、できそう?」
「うん! もちろんだよ!」
ミミリの表情は期待とやる気に満ち溢れていた。ミミリの空色の目はキラキラと輝いて、まさに、目が口ほどに物を言っている。
そんなミミリを見てゼラは一言。
「ホラな、ミミリはやっぱり芯が強いよ」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
夢の中で人狼ゲーム~負けたら存在消滅するし勝ってもなんかヤバそうなんですが~
世津路 章
児童書・童話
《蒲帆フウキ》は通信簿にも“オオカミ少年”と書かれるほどウソつきな小学生男子。
友達の《東間ホマレ》・《印路ミア》と一緒に、時々担任のこわーい本間先生に怒られつつも、おもしろおかしく暮らしていた。
ある日、駅前で配られていた不思議なカードをもらったフウキたち。それは、夢の中で行われる《バグストマック・ゲーム》への招待状だった。ルールは人狼ゲームだが、勝者はなんでも願いが叶うと聞き、フウキ・ホマレ・ミアは他の参加者と対決することに。
だが、彼らはまだ知らなかった。
ゲームの敗者は、現実から存在が跡形もなく消滅すること――そして勝者ですら、ゲームに潜む呪いから逃れられないことを。
敗退し、この世から消滅した友達を取り戻すため、フウキはゲームマスターに立ち向かう。
果たしてウソつきオオカミ少年は、勝っても負けても詰んでいる人狼ゲームに勝利することができるのだろうか?
8月中、ほぼ毎日更新予定です。
(※他小説サイトに別タイトルで投稿してます)
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。

モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?
待鳥園子
児童書・童話
ある日。教室の中で、自分の理想の男の子について語った澪。
けど、その篤実に同じクラスの主役級男子鷹羽日向くんが、自分が希望した理想通りにイメチェンをして来た!
……え? どうして。私の話を聞いていた訳ではなくて、偶然だよね?
何もかも、私の勘違いだよね?
信じられないことに鷹羽くんが私に告白してきたんだけど、私たちはすんなり付き合う……なんてこともなく、なんだか良くわからないことになってきて?!
【第2回きずな児童書大賞】で奨励賞受賞出来ました♡ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる