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エピローグ 初めてのデート
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王都の王宮での生活を始めて、数日が経ちました。
まだ慣れないこともたくさんありますが、少しずつここでの生活にも、適応出来ている気がします。
王宮の皆さんも本当に優しくて、毎日がとても楽しいです。
王宮や王族としてのマナーを教えてくれるメイド、王族として知っておくべき知識を教えてくれるメイド。
私には、たくさんのメイドがついて、多くのことを教えてくれます。
いじわるをされるのではないかと、心配していましたけれど、そんなことはありませんでした。
ここでの生活では、メイドたちに支えられているので、何とか出来ているのです。
「ローラ、ローラはいるか?」
いつものように、王族として相応しくなるための勉強をしていました。
すると、アレックスの声が聞こえて来た。
私はメイドの方をチラリ、と見ます。
勉強中なので、メイドの言うことに従わなければなりません。
特に何も言わないようなので、返事をしました。
「アレックスさま、ローラはここにいますわ。どうかしたのですか?」
わざわざ、私の部屋にまで来ると言うことは、何かあったのかもしれません。
再び、メイドの方を確認すると「構いません」と許可をもらえたので、とびらを開けました。
「あ、勉強をしていたのか......これはすまなかった。また後で来るとしよう」
アレックスは、私が勉強中なのが分かると、しょんぼりとした顔になる。
「許可ももらえたので、少しなら大丈夫ですわ」
アレックスは、少しだけなら良いと言われると、パァっーと明るい顔になった。
「それで、何か要件があったのではないですか?」
「ああ、そうだった。要件があって来たのだったな」
そそっかしいアレックスに、思わず笑ってしまいました。
要件があって来たのに、それを忘れてしまうなのて、なんて可愛い方なのでしょう。
「ローラ、明日は何か用事はあるか?」
「明日ですか? 確か明日は——」
「アレックス王子、ローラさまの明日の予定は特にありません。ローラさまは明日一日、休みでございます」
「そ、そうかっ! それはとても良かった」
いつのまにかメイドが来ていて、私の言葉をさえぎるように、そう答えた。
あれ?
明日って確か、マナーの勉強の予定があったような。
うーん、けどメイドが言うってことは、私の勘違《かんちが》いかもしれません。
「ローラ、明日はデートしに行かないか」
「ま、まぁっ! アレックスさま、本当ですの?」
「ああ、本当だとも」
私は、ついつい嬉しくなってはしゃいでしまいました。
先程のメイドの発言は、すっかり忘れてしまいました——。
◇
朝食をとって少し経った頃。
まだ日は、それほど高くには昇ってはいません。
「さぁ、行こうかローラ」
「ええ、アレックスさま」
私たちは、前回と同じように白馬と黒い馬に乗って、デートに出かけました。
本当のことを言えば、二人一緒に乗りたいです。
でも、無理は言えません。
それに、馬に負荷をかけてしまう可能性があるので、残念ですが別乗りです。
それでも、私はとても嬉しい気持ちになります。
アレックスとお散歩をしたことはあっても、デートをしたことはありません。
あのエドガーともしたことはないので、今回が初めてのデートです。
そんな浮かれた気持ちで、黒い馬に乗って歩きました。
「ローラ、王宮での暮らしはどうだい。何かつらいことはないか?」
「そんなことはありませんわ。メイドも執事も、皆さんとても優しくしてくれます」
アレックスは、とても心配そうに聞いてきました。
「そうか、それは良かった。本当に良かった」
「ただ......」
「なっ!? やっぱり何かあるのか。なんでも言ってくれないか」
「領地にいた頃よりも、お菓子の量が減ったのは残念です」
私の発言に、アレックスは目をまん丸にしています。
予想外の言葉とでも言いたげな表情です。
「ははは、なんだそんなことか。それくらいは、僕がなんとかしようじゃないか。こう見えても、僕は王宮ではいろいろと融通が効くんだ」
「もう、アレックスさまったら。それで体重が増えたらメイドに叱られてしまいますわ」
私たちは互いに顔を見て、笑い合いました。
道中でそんなやり取りをしながら、目的地へと進んで行きました——。
「ここは......」
「ああ、前回と同じ場所で申し訳ないと思う。僕が自由に行ける場所には、限りがあってね......」
たどり着いた目的地は、前回のお散歩で来た美しい湖でした。
アレックスは、同じ場所で申し訳なさそうにしています。
私は、あまりの美しさに見とれてしまって、何も話さずにいました。
「や、やっぱり、ダメだったよな。場所を変えようか......」
「違うのです、アレックスさま。湖のあまりの美しさに、見とれてしまっていたのです」
私は続けて言った。
「それに、場所はどこでも良いのですわ。私は、アレックスさまが隣にいてくれるだけで、それだけで十分です」
私の言葉を聞いて、アレックスの表情は明るくなる。
「そうか! それは良かった。同じ場所ではあるけれど、思い入れのある所に、デートとして来たかったんだ」
「私も初めてのデートが、この湖で良かったですわ」
それを聞いて、さらに嬉しそうにするアレックス。
「ローラも初めてなんだなっ! 僕も実はこれが初めての......デートなんだ」
少し言葉を濁しながら、アレックスはそう言いました。
何かあるのでしょうか?
私には分かりません。
ただ、アレックスも初めてなのが分かって良かったです。
「さて、お昼でも食べようか」
「あら、もうそんな時間だったのですか」
気付けば、日は高くに昇っていました。
「今日のお昼は、僕が持って来たんだ。高価なものではないけれど、特別な一品だ」
「まぁ、楽しみですわ!」
そう言ってアレックスは、ごそごそとお昼を取り出しました。
「この日のために、特別に作らせたものだよ」
「これは、何ですの?」
見た目からパンなのは分かる。
「昔、小さい頃に王都の屋台で食べたパンなんだ。民たちのことを知るために、この場所に来たらよく食べていたんだよ」
「まぁ、美味しいですわ!」
「ローラなら、そう言ってくれると思っていたんだ!」
パンは質素な味ではあるけれど、今まで食べたものにも負けないくらいに美味しいものだった。
そんな風に、二人だけの時間を楽しんでいった——。
「日が落ちて来た、そろそろ帰ろうかローラ」
「ええ、アレックスさま」
楽しかったデートは、終わりを告げた。
前回みたいに、後ろ髪《がみ》を引かれるような寂しい気持ちは感じませんでした。
デートは終わってしまったけれど、帰る場所は同じ王宮です。
それに、アレックスとはこれからもずっとずっと一緒にいられるのです。
「ローラ、いつかまたデートをしてくれるか?」
「ええ、アレックスさま。私、ローラはいつでもお付き合いしますわ」
まっすぐとアレックスの顔を見た。
いつ見ても、格好が良いです。
外見だけではありません、性格だってとても素晴らしい人です。
そんなアレックスだから、こんな風に何気ない日常。
何気ないデートですら、隣にいてくれるだけで、輝いた一日となるのかもしれません。
うっとりとした視線を、アレックスへと向ける。
「な、なんだいローラ。そんなに見つめられると恥ずかしくなるよ」
アレックスは、照れたようにそう言いました。
「そんなに見つめて、僕の顔に何かついているのかい?」
「ち、違いますわ。何もついていませんわ。ただ、その......アレックスさまが格好良くて、見とれていたのです」
「そっ、そうなのかっ!」
アレックスは照れながらも、嬉しそうにしています。
私たちは、互いに見つめ合ったまま近付いて、そのままくっつきました。
唇《くちびる》が付くかどうかと言うくらいの、軽いキスをしました。
「さ、さてっ! 帰るかローラ!」
「え、ええ。帰りましょうアレックスさま......」
私たちは、王宮へと戻ることにしました。
こうして、楽しかった初めてのデートは、無事に終わりました。
この先、どんなことがあってもアレックスとなら乗り越えられると、そう確信しました——。
まだ慣れないこともたくさんありますが、少しずつここでの生活にも、適応出来ている気がします。
王宮の皆さんも本当に優しくて、毎日がとても楽しいです。
王宮や王族としてのマナーを教えてくれるメイド、王族として知っておくべき知識を教えてくれるメイド。
私には、たくさんのメイドがついて、多くのことを教えてくれます。
いじわるをされるのではないかと、心配していましたけれど、そんなことはありませんでした。
ここでの生活では、メイドたちに支えられているので、何とか出来ているのです。
「ローラ、ローラはいるか?」
いつものように、王族として相応しくなるための勉強をしていました。
すると、アレックスの声が聞こえて来た。
私はメイドの方をチラリ、と見ます。
勉強中なので、メイドの言うことに従わなければなりません。
特に何も言わないようなので、返事をしました。
「アレックスさま、ローラはここにいますわ。どうかしたのですか?」
わざわざ、私の部屋にまで来ると言うことは、何かあったのかもしれません。
再び、メイドの方を確認すると「構いません」と許可をもらえたので、とびらを開けました。
「あ、勉強をしていたのか......これはすまなかった。また後で来るとしよう」
アレックスは、私が勉強中なのが分かると、しょんぼりとした顔になる。
「許可ももらえたので、少しなら大丈夫ですわ」
アレックスは、少しだけなら良いと言われると、パァっーと明るい顔になった。
「それで、何か要件があったのではないですか?」
「ああ、そうだった。要件があって来たのだったな」
そそっかしいアレックスに、思わず笑ってしまいました。
要件があって来たのに、それを忘れてしまうなのて、なんて可愛い方なのでしょう。
「ローラ、明日は何か用事はあるか?」
「明日ですか? 確か明日は——」
「アレックス王子、ローラさまの明日の予定は特にありません。ローラさまは明日一日、休みでございます」
「そ、そうかっ! それはとても良かった」
いつのまにかメイドが来ていて、私の言葉をさえぎるように、そう答えた。
あれ?
明日って確か、マナーの勉強の予定があったような。
うーん、けどメイドが言うってことは、私の勘違《かんちが》いかもしれません。
「ローラ、明日はデートしに行かないか」
「ま、まぁっ! アレックスさま、本当ですの?」
「ああ、本当だとも」
私は、ついつい嬉しくなってはしゃいでしまいました。
先程のメイドの発言は、すっかり忘れてしまいました——。
◇
朝食をとって少し経った頃。
まだ日は、それほど高くには昇ってはいません。
「さぁ、行こうかローラ」
「ええ、アレックスさま」
私たちは、前回と同じように白馬と黒い馬に乗って、デートに出かけました。
本当のことを言えば、二人一緒に乗りたいです。
でも、無理は言えません。
それに、馬に負荷をかけてしまう可能性があるので、残念ですが別乗りです。
それでも、私はとても嬉しい気持ちになります。
アレックスとお散歩をしたことはあっても、デートをしたことはありません。
あのエドガーともしたことはないので、今回が初めてのデートです。
そんな浮かれた気持ちで、黒い馬に乗って歩きました。
「ローラ、王宮での暮らしはどうだい。何かつらいことはないか?」
「そんなことはありませんわ。メイドも執事も、皆さんとても優しくしてくれます」
アレックスは、とても心配そうに聞いてきました。
「そうか、それは良かった。本当に良かった」
「ただ......」
「なっ!? やっぱり何かあるのか。なんでも言ってくれないか」
「領地にいた頃よりも、お菓子の量が減ったのは残念です」
私の発言に、アレックスは目をまん丸にしています。
予想外の言葉とでも言いたげな表情です。
「ははは、なんだそんなことか。それくらいは、僕がなんとかしようじゃないか。こう見えても、僕は王宮ではいろいろと融通が効くんだ」
「もう、アレックスさまったら。それで体重が増えたらメイドに叱られてしまいますわ」
私たちは互いに顔を見て、笑い合いました。
道中でそんなやり取りをしながら、目的地へと進んで行きました——。
「ここは......」
「ああ、前回と同じ場所で申し訳ないと思う。僕が自由に行ける場所には、限りがあってね......」
たどり着いた目的地は、前回のお散歩で来た美しい湖でした。
アレックスは、同じ場所で申し訳なさそうにしています。
私は、あまりの美しさに見とれてしまって、何も話さずにいました。
「や、やっぱり、ダメだったよな。場所を変えようか......」
「違うのです、アレックスさま。湖のあまりの美しさに、見とれてしまっていたのです」
私は続けて言った。
「それに、場所はどこでも良いのですわ。私は、アレックスさまが隣にいてくれるだけで、それだけで十分です」
私の言葉を聞いて、アレックスの表情は明るくなる。
「そうか! それは良かった。同じ場所ではあるけれど、思い入れのある所に、デートとして来たかったんだ」
「私も初めてのデートが、この湖で良かったですわ」
それを聞いて、さらに嬉しそうにするアレックス。
「ローラも初めてなんだなっ! 僕も実はこれが初めての......デートなんだ」
少し言葉を濁しながら、アレックスはそう言いました。
何かあるのでしょうか?
私には分かりません。
ただ、アレックスも初めてなのが分かって良かったです。
「さて、お昼でも食べようか」
「あら、もうそんな時間だったのですか」
気付けば、日は高くに昇っていました。
「今日のお昼は、僕が持って来たんだ。高価なものではないけれど、特別な一品だ」
「まぁ、楽しみですわ!」
そう言ってアレックスは、ごそごそとお昼を取り出しました。
「この日のために、特別に作らせたものだよ」
「これは、何ですの?」
見た目からパンなのは分かる。
「昔、小さい頃に王都の屋台で食べたパンなんだ。民たちのことを知るために、この場所に来たらよく食べていたんだよ」
「まぁ、美味しいですわ!」
「ローラなら、そう言ってくれると思っていたんだ!」
パンは質素な味ではあるけれど、今まで食べたものにも負けないくらいに美味しいものだった。
そんな風に、二人だけの時間を楽しんでいった——。
「日が落ちて来た、そろそろ帰ろうかローラ」
「ええ、アレックスさま」
楽しかったデートは、終わりを告げた。
前回みたいに、後ろ髪《がみ》を引かれるような寂しい気持ちは感じませんでした。
デートは終わってしまったけれど、帰る場所は同じ王宮です。
それに、アレックスとはこれからもずっとずっと一緒にいられるのです。
「ローラ、いつかまたデートをしてくれるか?」
「ええ、アレックスさま。私、ローラはいつでもお付き合いしますわ」
まっすぐとアレックスの顔を見た。
いつ見ても、格好が良いです。
外見だけではありません、性格だってとても素晴らしい人です。
そんなアレックスだから、こんな風に何気ない日常。
何気ないデートですら、隣にいてくれるだけで、輝いた一日となるのかもしれません。
うっとりとした視線を、アレックスへと向ける。
「な、なんだいローラ。そんなに見つめられると恥ずかしくなるよ」
アレックスは、照れたようにそう言いました。
「そんなに見つめて、僕の顔に何かついているのかい?」
「ち、違いますわ。何もついていませんわ。ただ、その......アレックスさまが格好良くて、見とれていたのです」
「そっ、そうなのかっ!」
アレックスは照れながらも、嬉しそうにしています。
私たちは、互いに見つめ合ったまま近付いて、そのままくっつきました。
唇《くちびる》が付くかどうかと言うくらいの、軽いキスをしました。
「さ、さてっ! 帰るかローラ!」
「え、ええ。帰りましょうアレックスさま......」
私たちは、王宮へと戻ることにしました。
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