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本編
15話 思い出の料理
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「と、言うようなことがあったのです」
「レオン様にそんな過去が......」
自室。
私は、セバスチャンを呼び出して話しをしてもらっていました。
屋敷の廊下で、セバスチャンに会ってから、何度かレオン王子殿下の過去を聞きました。
王国中で、うわさされているやさぐれ王子はなるべくしてなったのだと感じました。
「シルヴィア様、過去の話はレオン様の前ではしないようにしてほしいのです」
「いいですけど、どうしてですの?」
「レオン様は私には優しいのですが、来たばかりのシルヴィア様には冷たく当たってしまうと思うのです。そんな時に、過去の話しを持ち出してしまうと......」
私に対してより強い拒絶感を抱いてしまう、と。
セバスチャンの言いたいことは、何となく分かりました。
「けどセバスチャン」
「どうかなさいましたか、シルヴィア様」
「どうして私にレオン様の過去を話してくれたのですか?」
「ふふふ、それは内緒でございます」
セバスチャンは、笑いながらそう言った。
どうやら、どうして過去の話をしてくれなのかは教えてはくれないみたいです。
けれど、わざわざ教えてくれたのです。
セバスチャンには、教えるだけの何か理由があったのでしょう。
「セバスチャン、お願いがあるのだけれど」
「何でしょうかシルヴィア様。私に出来ることでしたら、なんなりと」
「私に、レオン様に教えたという料理を教えてくれませんか?」
「それはそれは——」
私は、セバスチャンに料理のつくり方を教えてもらえないかお願いをした。
プリンでダメだったのなら、ほかの料理。それも、過去の思い出のものなら何か手応えがあるかもしれません。
セバスチャンは、微笑みながら言った。
「分かりましたシルヴィア様。お教えしましょう」
こうして、私はサラだけではなく、セバスチャンからも料理を教わることになりました。
◇
厨房。
前回の経験を踏まえて、自分専用のエプロンを着ています。
これなら、いくら汚れても大丈夫なので思い切って作業が出来ます。
「では、始めましょうか」
「ええ、セバスチャン」
私とセバスチャンは、料理を準備から始めました。
「まずは、手をしっかりと洗うところから始めましょう」
「え、ええ」
私は、言われた通りに石鹸を使ってしっかりと手を洗って行く。
いつもよりも慎重に、そして丁寧に行うように気をつけました。
「そうしたら、お米を準備する必要があります。シルヴィア様、お米を水で洗って頂けますか」
「分かりましたわ」
私は、セバスチャンからやり方を教えてもらいながら、お米を洗って行きました。
単純で地味な作業ではありますが、意外と難しくもあります。
「あ、お米がこぼれてしまいましたわ」
「それは大変ですね。ここをこうすると、こぼれなくなりますよ」
「あら、本当ですわ」
水を入れ替える時に、一緒に大量のお米がこぼれてしまいました。
セバスチャンは、その解決方法を教えてくれて、実際にやってみると、こぼれることはなくなりました。
「洗い終わりましたわセバスチャン」
「そうしたら、次は洗ったお米を火にかけます」
私は、言われた通りにお米を耐熱容器へと入れて火にかけました。
いつも食べているお米は、このようにしてつくられているのですね。
実際にやってみなければ、分からないことだらけです。
「セバスチャン、次はどうしたらいいのですか?」
「お米が炊き上がるまで、しばらく待つ必要があります......」
「まぁ、でしたら時間が空いてしまうのね」
前回もやっていて思いましたが、料理には時間がかかります。
と思っていると、セバスチャンは何やらゴソゴソとし始めました。
「が、ここに炊き上がったお米を用意しておきました。今日はこちらを使って料理をつくりましょう」
「ええっ!?」
何ということでしょう。
セバスチャンは、事前にお米を炊いていたのです。
まだご飯の時間でもないというのに、どうしてでしょうか。
「シルヴィア様、手を水で濡らして頂けますでしょうか」
「え、ええ? 分かりましたわ」
どういった意味があるのかは分かりませんが、とりあえず言われた通りにします。
「そうしたら、お米を手にとって」
「熱いですわね」
「塩をかけながら丸めて行きます」
「こうかしら、意外と難しいですわね」
私は、丸くなるようにお米を握って行きました。
だけどなかなか丸くはならず、いびつな形をした何かが出来上がりした。
「おめでとうございます、シルヴィア様。これで料理は完成でございます」
「ええ! もう出来たのですか?」
「はい、シルヴィア様。これはおにぎりという料理で、実際にレオン様もつくられたものです」
「レオン様も、おにぎりをつくったのですね」
こうして、私の二回目の料理は完成しました。
その後は試食をしたり、セバスチャンと会話をしたりしました。
「シルヴィア様、どうしてレオン様と同じ料理をつくろうとなされたのですか」
「それはね——」
その後もセバスチャンに頼んで、うまくつくれるように頑張りました。
数日間、おにぎりをつくる練習をして納得のいくものがつくれるようになりました。
「レオン様にそんな過去が......」
自室。
私は、セバスチャンを呼び出して話しをしてもらっていました。
屋敷の廊下で、セバスチャンに会ってから、何度かレオン王子殿下の過去を聞きました。
王国中で、うわさされているやさぐれ王子はなるべくしてなったのだと感じました。
「シルヴィア様、過去の話はレオン様の前ではしないようにしてほしいのです」
「いいですけど、どうしてですの?」
「レオン様は私には優しいのですが、来たばかりのシルヴィア様には冷たく当たってしまうと思うのです。そんな時に、過去の話しを持ち出してしまうと......」
私に対してより強い拒絶感を抱いてしまう、と。
セバスチャンの言いたいことは、何となく分かりました。
「けどセバスチャン」
「どうかなさいましたか、シルヴィア様」
「どうして私にレオン様の過去を話してくれたのですか?」
「ふふふ、それは内緒でございます」
セバスチャンは、笑いながらそう言った。
どうやら、どうして過去の話をしてくれなのかは教えてはくれないみたいです。
けれど、わざわざ教えてくれたのです。
セバスチャンには、教えるだけの何か理由があったのでしょう。
「セバスチャン、お願いがあるのだけれど」
「何でしょうかシルヴィア様。私に出来ることでしたら、なんなりと」
「私に、レオン様に教えたという料理を教えてくれませんか?」
「それはそれは——」
私は、セバスチャンに料理のつくり方を教えてもらえないかお願いをした。
プリンでダメだったのなら、ほかの料理。それも、過去の思い出のものなら何か手応えがあるかもしれません。
セバスチャンは、微笑みながら言った。
「分かりましたシルヴィア様。お教えしましょう」
こうして、私はサラだけではなく、セバスチャンからも料理を教わることになりました。
◇
厨房。
前回の経験を踏まえて、自分専用のエプロンを着ています。
これなら、いくら汚れても大丈夫なので思い切って作業が出来ます。
「では、始めましょうか」
「ええ、セバスチャン」
私とセバスチャンは、料理を準備から始めました。
「まずは、手をしっかりと洗うところから始めましょう」
「え、ええ」
私は、言われた通りに石鹸を使ってしっかりと手を洗って行く。
いつもよりも慎重に、そして丁寧に行うように気をつけました。
「そうしたら、お米を準備する必要があります。シルヴィア様、お米を水で洗って頂けますか」
「分かりましたわ」
私は、セバスチャンからやり方を教えてもらいながら、お米を洗って行きました。
単純で地味な作業ではありますが、意外と難しくもあります。
「あ、お米がこぼれてしまいましたわ」
「それは大変ですね。ここをこうすると、こぼれなくなりますよ」
「あら、本当ですわ」
水を入れ替える時に、一緒に大量のお米がこぼれてしまいました。
セバスチャンは、その解決方法を教えてくれて、実際にやってみると、こぼれることはなくなりました。
「洗い終わりましたわセバスチャン」
「そうしたら、次は洗ったお米を火にかけます」
私は、言われた通りにお米を耐熱容器へと入れて火にかけました。
いつも食べているお米は、このようにしてつくられているのですね。
実際にやってみなければ、分からないことだらけです。
「セバスチャン、次はどうしたらいいのですか?」
「お米が炊き上がるまで、しばらく待つ必要があります......」
「まぁ、でしたら時間が空いてしまうのね」
前回もやっていて思いましたが、料理には時間がかかります。
と思っていると、セバスチャンは何やらゴソゴソとし始めました。
「が、ここに炊き上がったお米を用意しておきました。今日はこちらを使って料理をつくりましょう」
「ええっ!?」
何ということでしょう。
セバスチャンは、事前にお米を炊いていたのです。
まだご飯の時間でもないというのに、どうしてでしょうか。
「シルヴィア様、手を水で濡らして頂けますでしょうか」
「え、ええ? 分かりましたわ」
どういった意味があるのかは分かりませんが、とりあえず言われた通りにします。
「そうしたら、お米を手にとって」
「熱いですわね」
「塩をかけながら丸めて行きます」
「こうかしら、意外と難しいですわね」
私は、丸くなるようにお米を握って行きました。
だけどなかなか丸くはならず、いびつな形をした何かが出来上がりした。
「おめでとうございます、シルヴィア様。これで料理は完成でございます」
「ええ! もう出来たのですか?」
「はい、シルヴィア様。これはおにぎりという料理で、実際にレオン様もつくられたものです」
「レオン様も、おにぎりをつくったのですね」
こうして、私の二回目の料理は完成しました。
その後は試食をしたり、セバスチャンと会話をしたりしました。
「シルヴィア様、どうしてレオン様と同じ料理をつくろうとなされたのですか」
「それはね——」
その後もセバスチャンに頼んで、うまくつくれるように頑張りました。
数日間、おにぎりをつくる練習をして納得のいくものがつくれるようになりました。
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