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「レオンハルト様!」
何度呼びかけても小さな背中は振り向く事なく前を進んでいく。
これ、あれだね。さっき「レオって呼んで?」って愛称呼びを言い渡されたのに呼ばないから振り向かないやつだね。
面倒臭さにため息が出る。
どうもこんにちは。
アリシア•ファーブルです。
ベタに前世持ちの転生者で、転生先はゴールデンタイムにアニメ化までされた、とある乙女ゲームの悪役令嬢です。
今日は来たくもない王家主催のお茶会に無理矢理出席させられ、母と仲の良い王妃に挨拶したついでに第2王子のレオンハルトを紹介され、大人達の生温い視線を受けながら第2王子に王家の庭園を案内されている最中なのだ。
そうこうしている間に、立派な生垣の角を曲った王子の姿が見えなくなる。
私は立ち止まった。王子の護衛は庭園の入り口と庭に点在していてこの場所は見えない。
うん。もういいや。
そして私は足早に母のいるお茶会会場に引き返した。もちろん、王子の護衛には慌てた様子が伺えたが、彼らが王子に伝える間にさっさっと帰ってしまえばいい。ついでに2度と王子に関わらないように出来ないか算段し始める。
「お母様」
テーブルで王妃と話している母に近づく。
涙をうっすら浮かべ、見えないところで自ら汚したドレスの裾や手を母にだけ見せる。
「どうしたの!?殿下に庭園を案内してもらっていたんじゃ」
母も周りを気にしつつ聞いてくる。
「レオンハルト王子様が前を歩かれていたけど早くて、何度か呼びかけたんだけど聞こえなかったみたいなの。途中で転んでしまって。王子様の姿は見えなくなるし、ドレスも汚れてしまったし、もう帰りたいわ」
タイミング良く涙が一粒頬を伝う。
私って女優!内心拍手喝采なところ、僅かな音を立ててカップが置かれた。そちらを見るとどうも王妃は聞き耳を立てていたらしく、動揺が見てとれる。
「なんてこと。ごめんなさいね。アリシアちゃん」
「そんないいのよ。ディシア。この子の声が小さくて殿下にはきっと聞こえなかったのよ」
「私、何か失礼な事をしたのだと思います。お詫びのしようもございません。今後はレオンハルト王子様にはお会いしないよう、気をつけます」
「「そんな」」
顔を見合わせ焦る様子から、テンプレの匂いがプンプンする。恐らく母達は仲の良い友達同士、自分の子供達をあわよくば婚約させようと画策していたに違いない。
そもそも今日は10歳になる第2王子の未来の側近候補や婚約者候補を選ぶため、高位貴族の子息子女をあつめたお茶会なのだ。
他の子息子女を差し置いて、王子に私だけ庭を案内させた事からも、第2王子と侯爵家の令嬢なら釣り合いも取れるし、私達親戚になるのよ~なんて学園女子が考えそうな夢物語を本気でやるつもりだったと考えられる。
「お母様」
もう一度ドレスをギュッと握り涙目で訴えると、とりあえず母は席を立ち、王妃に今日は帰ると挨拶をする。
会場を後にする際、チラリと第2王子が慌てた様子で護衛と一緒に会場に戻ってきた姿が見えた。
どうやら間に合ったらしい。
その後、8歳の幼気な外見を生かし、家の庭園であっても1人で散歩も出来ない。第2王子の姿を見るとあの時1人取り残された事が蘇って怖い。など、トラウマになった印象を強くつけ、王家主催や第2王子が出席しそうなお茶会には参加しなかった。
あれから4年、私は12歳になった。
「お母様、ズバリ聞きますが、第2王子様と私を婚約させようとしていませんか?」
「なっ何の事かしら~?」
この3年、王子や王妃に会う事はなかったが、特に王妃から、母を介して何やかやと接触を図られている。
今日という今日ははっきりさせるべきだ。
「お母様は私に第2王子様と政略結婚をしなさいと仰るのですね。ご自身は学園で知り合ったお父様と恋愛結婚をして幸せになられたのに、私には侯爵家のため、どちらかというと苦手な第2王子様と愛のない結婚をし、一生を王家、また侯爵家のために捧げろと、そう仰るのですね」
感情の篭らない目で伝える。
「そっそれは。えっと。政略結婚をしろって言っている訳じゃないのよ。ただ、殿下とは歳も釣り合うし、これから知っていけば愛も芽生えるんじゃないかなーっと」
母が愛想笑いをしながらどうにか空気を変えようと明るい声を出す。
「私の気持ちはどうでもいいのですね」
「アッアリシア?」
母の呼び方を無視して部屋を出る。
それから約1か月、食事以外に母と顔を合わせる事をやめ、会話も聞かれた事にイエスがノーで答えるのみ。少しづつ母がやつれてきているが、ここで止める訳にはいかない。自分でも性格が悪いと思うが、第2王子との婚約だけはどうしても避けねばならない。
何故なら、この世界が舞台の乙女ゲームは、攻略対象者が多数いるのではなく、第2王子一択なのだ。
ストーリーは至ってシンプルで、学園の入学式で運命的な出会いをした平民のヒロインと第2王子、その第2王子の婚約者との三角関係がメインで、葛藤や嫉妬やそれを成長と共に乗り越え、困難にも打ち勝つ愛のドラマが繰り広げられる。
もちろん、ヒロインは第2王子とハッピーエンドをむかえ、卒業式ではライバルで悪役令嬢と称された婚約者は「貴女には負けた」と言い残して去っていくのだ。
そう、その第2王子の婚約者こそ私である。
だが私は、そんな面倒な事に巻き込まれたくはない。そもそも、そんなドラマを繰り広げられる程王子を好きになれない。そう、全くタイプではないのだ。
前世からカウントすると50歳になる私にとって、顔良し頭良し誠実で爽やかな王子キャラは、正直物足りない。面白みがない。一生一緒とかつまらなさすぎるのだ。
なので、ヒロインとどうぞ幸せになって欲しいと、切に祈る次第だ。
という事で、たとえ母を悲しませても婚約者にだけはなりたくないのだ。
「ごめんなさい。アリシアちゃん。もうレオンハルト様と婚約させようなんてしないから、お母様を避けないで~」
約1か月後、やつれた母が泣きながらやってきた。
「分かって頂けたならいいのです。ただ、誓約書を書いてください」
12歳らしからぬ申し出だが、譲る事は出来ない。
母は涙ながらに私と第2王子の婚約、結婚をさせないという誓約書を作成しサインした。
そして15歳。学園入学の日で乙女ゲーム開始の日。私は隣国の魔法学校の入学式に出席していた。
そう、第2王子と接種を断つだけではフラグは折れないのではないか。と考えた私は必死で勉強して、自国より魔法学が進んでいる隣国の魔法学校を受験し見事合格したのだ。
全寮制の魔法学校での生活は日本の学生生活に近く、平民貴族関係なく交流を深める事が出来ている。
年に一度、帰省した際に自国の学園に通っている友人達とのお茶会で話を聞くが、ゲーム通りヒロインも第2王子も学園に通ってはいるが、恋愛には発展していないようだ。
ヒロインは同じ平民の彼氏がいるらしい。
これ。あれかな。もしかして私という障害がなくて、ハプニングやイベントが起きないから、恋愛感情自体発生せずに現在に至る感じ???
一瞬ヤバって思ったけど、別にゲーム通り生きないといけない訳じゃないし、そもそも王族と平民のCPって周囲も巻き込んで色々大変だから、しなくていい苦労はしないに越した事はない!
という事で放置する事にした。
3年後の卒業式、私は無事卒業を迎えた。
ちなみに自国からの同じ留学生だった、大公の3男と婚約し、隣国の魔法研究所にしばらく勤務した後、自国の魔法省に勤務している婚約者と結婚するため自国に戻った。
第2王子は、学園在学中に同盟国の王女と婚約し、卒業と共に結婚した。
そしてヒロインは何と在学中に妊娠し結婚。自主退学の上、旦那の実家で出産したようだ。
結果、それぞれが、側からみると面白みはない、あまり波風のたたない平和なエンディングを迎えた。
ゲームは山あり谷あり過酷であればある程楽しめるが、実際そんな人生を歩みたくて歩む人はいない。
身の丈にあった、平和が1番なのだ。
何度呼びかけても小さな背中は振り向く事なく前を進んでいく。
これ、あれだね。さっき「レオって呼んで?」って愛称呼びを言い渡されたのに呼ばないから振り向かないやつだね。
面倒臭さにため息が出る。
どうもこんにちは。
アリシア•ファーブルです。
ベタに前世持ちの転生者で、転生先はゴールデンタイムにアニメ化までされた、とある乙女ゲームの悪役令嬢です。
今日は来たくもない王家主催のお茶会に無理矢理出席させられ、母と仲の良い王妃に挨拶したついでに第2王子のレオンハルトを紹介され、大人達の生温い視線を受けながら第2王子に王家の庭園を案内されている最中なのだ。
そうこうしている間に、立派な生垣の角を曲った王子の姿が見えなくなる。
私は立ち止まった。王子の護衛は庭園の入り口と庭に点在していてこの場所は見えない。
うん。もういいや。
そして私は足早に母のいるお茶会会場に引き返した。もちろん、王子の護衛には慌てた様子が伺えたが、彼らが王子に伝える間にさっさっと帰ってしまえばいい。ついでに2度と王子に関わらないように出来ないか算段し始める。
「お母様」
テーブルで王妃と話している母に近づく。
涙をうっすら浮かべ、見えないところで自ら汚したドレスの裾や手を母にだけ見せる。
「どうしたの!?殿下に庭園を案内してもらっていたんじゃ」
母も周りを気にしつつ聞いてくる。
「レオンハルト王子様が前を歩かれていたけど早くて、何度か呼びかけたんだけど聞こえなかったみたいなの。途中で転んでしまって。王子様の姿は見えなくなるし、ドレスも汚れてしまったし、もう帰りたいわ」
タイミング良く涙が一粒頬を伝う。
私って女優!内心拍手喝采なところ、僅かな音を立ててカップが置かれた。そちらを見るとどうも王妃は聞き耳を立てていたらしく、動揺が見てとれる。
「なんてこと。ごめんなさいね。アリシアちゃん」
「そんないいのよ。ディシア。この子の声が小さくて殿下にはきっと聞こえなかったのよ」
「私、何か失礼な事をしたのだと思います。お詫びのしようもございません。今後はレオンハルト王子様にはお会いしないよう、気をつけます」
「「そんな」」
顔を見合わせ焦る様子から、テンプレの匂いがプンプンする。恐らく母達は仲の良い友達同士、自分の子供達をあわよくば婚約させようと画策していたに違いない。
そもそも今日は10歳になる第2王子の未来の側近候補や婚約者候補を選ぶため、高位貴族の子息子女をあつめたお茶会なのだ。
他の子息子女を差し置いて、王子に私だけ庭を案内させた事からも、第2王子と侯爵家の令嬢なら釣り合いも取れるし、私達親戚になるのよ~なんて学園女子が考えそうな夢物語を本気でやるつもりだったと考えられる。
「お母様」
もう一度ドレスをギュッと握り涙目で訴えると、とりあえず母は席を立ち、王妃に今日は帰ると挨拶をする。
会場を後にする際、チラリと第2王子が慌てた様子で護衛と一緒に会場に戻ってきた姿が見えた。
どうやら間に合ったらしい。
その後、8歳の幼気な外見を生かし、家の庭園であっても1人で散歩も出来ない。第2王子の姿を見るとあの時1人取り残された事が蘇って怖い。など、トラウマになった印象を強くつけ、王家主催や第2王子が出席しそうなお茶会には参加しなかった。
あれから4年、私は12歳になった。
「お母様、ズバリ聞きますが、第2王子様と私を婚約させようとしていませんか?」
「なっ何の事かしら~?」
この3年、王子や王妃に会う事はなかったが、特に王妃から、母を介して何やかやと接触を図られている。
今日という今日ははっきりさせるべきだ。
「お母様は私に第2王子様と政略結婚をしなさいと仰るのですね。ご自身は学園で知り合ったお父様と恋愛結婚をして幸せになられたのに、私には侯爵家のため、どちらかというと苦手な第2王子様と愛のない結婚をし、一生を王家、また侯爵家のために捧げろと、そう仰るのですね」
感情の篭らない目で伝える。
「そっそれは。えっと。政略結婚をしろって言っている訳じゃないのよ。ただ、殿下とは歳も釣り合うし、これから知っていけば愛も芽生えるんじゃないかなーっと」
母が愛想笑いをしながらどうにか空気を変えようと明るい声を出す。
「私の気持ちはどうでもいいのですね」
「アッアリシア?」
母の呼び方を無視して部屋を出る。
それから約1か月、食事以外に母と顔を合わせる事をやめ、会話も聞かれた事にイエスがノーで答えるのみ。少しづつ母がやつれてきているが、ここで止める訳にはいかない。自分でも性格が悪いと思うが、第2王子との婚約だけはどうしても避けねばならない。
何故なら、この世界が舞台の乙女ゲームは、攻略対象者が多数いるのではなく、第2王子一択なのだ。
ストーリーは至ってシンプルで、学園の入学式で運命的な出会いをした平民のヒロインと第2王子、その第2王子の婚約者との三角関係がメインで、葛藤や嫉妬やそれを成長と共に乗り越え、困難にも打ち勝つ愛のドラマが繰り広げられる。
もちろん、ヒロインは第2王子とハッピーエンドをむかえ、卒業式ではライバルで悪役令嬢と称された婚約者は「貴女には負けた」と言い残して去っていくのだ。
そう、その第2王子の婚約者こそ私である。
だが私は、そんな面倒な事に巻き込まれたくはない。そもそも、そんなドラマを繰り広げられる程王子を好きになれない。そう、全くタイプではないのだ。
前世からカウントすると50歳になる私にとって、顔良し頭良し誠実で爽やかな王子キャラは、正直物足りない。面白みがない。一生一緒とかつまらなさすぎるのだ。
なので、ヒロインとどうぞ幸せになって欲しいと、切に祈る次第だ。
という事で、たとえ母を悲しませても婚約者にだけはなりたくないのだ。
「ごめんなさい。アリシアちゃん。もうレオンハルト様と婚約させようなんてしないから、お母様を避けないで~」
約1か月後、やつれた母が泣きながらやってきた。
「分かって頂けたならいいのです。ただ、誓約書を書いてください」
12歳らしからぬ申し出だが、譲る事は出来ない。
母は涙ながらに私と第2王子の婚約、結婚をさせないという誓約書を作成しサインした。
そして15歳。学園入学の日で乙女ゲーム開始の日。私は隣国の魔法学校の入学式に出席していた。
そう、第2王子と接種を断つだけではフラグは折れないのではないか。と考えた私は必死で勉強して、自国より魔法学が進んでいる隣国の魔法学校を受験し見事合格したのだ。
全寮制の魔法学校での生活は日本の学生生活に近く、平民貴族関係なく交流を深める事が出来ている。
年に一度、帰省した際に自国の学園に通っている友人達とのお茶会で話を聞くが、ゲーム通りヒロインも第2王子も学園に通ってはいるが、恋愛には発展していないようだ。
ヒロインは同じ平民の彼氏がいるらしい。
これ。あれかな。もしかして私という障害がなくて、ハプニングやイベントが起きないから、恋愛感情自体発生せずに現在に至る感じ???
一瞬ヤバって思ったけど、別にゲーム通り生きないといけない訳じゃないし、そもそも王族と平民のCPって周囲も巻き込んで色々大変だから、しなくていい苦労はしないに越した事はない!
という事で放置する事にした。
3年後の卒業式、私は無事卒業を迎えた。
ちなみに自国からの同じ留学生だった、大公の3男と婚約し、隣国の魔法研究所にしばらく勤務した後、自国の魔法省に勤務している婚約者と結婚するため自国に戻った。
第2王子は、学園在学中に同盟国の王女と婚約し、卒業と共に結婚した。
そしてヒロインは何と在学中に妊娠し結婚。自主退学の上、旦那の実家で出産したようだ。
結果、それぞれが、側からみると面白みはない、あまり波風のたたない平和なエンディングを迎えた。
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