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第2章 ハルシュライン編
第48話 新たな運命の出会い
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アリスはすべての侵入者を始末してしまった。
人間の苦しみ叫ぶ声が聞こえたことにより騎士たちが医務室に慌てて入ってきて、その凄惨な侵入者の死体を見て血だらけで明らかにこの地獄絵図を作ったアリスに恐怖する。
「アリス様、お目覚めしたばかりで申し訳ありませんが身体を清めましょう」
サラは顔色を悪くしながらアリスの血だらけの手を掴む。
アリスは自らの返り血で染まった身体を見るが、すぐに治療中のウィルに視線がいってしまう。
(自分のことなんかよりもウィルが助かるかが心配です。もし、毒などを塗られた武器で攻撃されていてウィルが助からないのならば、このハルシュライン王国を亡ぼしてしまうかもしれませんしね)
アリスはウィルがしたようにひたすらに相手のことを思い待とうとする。
しかし、そこでハンナが部屋に入ってくる。
「アリス、ウィルはほとんどの攻撃を“反射”を使って、防御していたから傷は浅いわ。麻痺毒が使われていそうだから、起きるまでにはしばらく時間がかかるから、お風呂に入ってきなさい」
アリスはウィルが無事だと知り涙を流しウィルに近づく。
「アリス、傷口に他人の血が付くと良くないからあなたは近づかないでね」
アリスはハンナに指摘され、ウィルに近づくことを止める。
(ふぅ、少し初めての異世界での戦いで気を張り詰めすぎていたみたいですね。ウィルが目覚めたら何をしましょうか。まずは食事でしょうか?)
アリスはウィルが目覚めたときに血だらけではまずいと身を清めに行くのだった。
アリスはウィルが起きたら連絡が入る様にメイド達に命令をし、甲板から港を眺める。
(この港はハルシュライン王国の玄関のようなものであり、入港した後に申請をして数日で許可が下りると晴れて王国に入れるのですよね。私たちは一般の来港者ではないのですが、そこは考慮されないのでしょうか)
アリスがメイドのサラに紅茶を淹れて貰っていると、何やら船の外が騒がしい。
(また、侵入者ですが今回は距離があるので“拒絶”で消しましょうか?)
騎士達が慌てて壮年の男性を連れてくる。
誰だろうと疑問に思っていると隣で紅茶を飲んでいたハンナがアリスに耳打ちする。
「あれは、この国のクズ貴族のバルメロア公爵よ。最低のクズだから気をつけてね」
(最低のクズですか。何やら面倒な気がしますね)
アリスとハンナはバルメロア公爵が近寄ってくると椅子から立ちあがる。
「これはお久しぶりですね。バルメロア公爵」
「ふひひ、相変わらずの良い肉付きだ。私の愛人にしてやろう」
「他国の公爵家令嬢を愛人扱いとはいささか礼を欠いた発言ですよ」
「アルストロメリア王国の下級民族程度、俺の性欲を満たす肉穴だ」
「あの、これ以上私たちを侮辱するなら腕の一本でも貰いますよ」
アリスはバルメロア公爵の侮辱に対して脅迫で対応する。
しかし、公爵はアリスを舐め回すように視姦すると口を開く。
「お前、やはり噂に聞いていた以上の美しさだ。俺の性奴隷にして毎日俺の×××で至上の快楽を与えてやろう」
この言葉にアリスは敵意で返す。
“拒絶”を使い公爵の右目の視力を奪う。
「なっ……急に右目が……見えない!」
公爵は慌てて、近くにあったテーブルごと倒れる。
床に落ちて砕ける高級食器の数々にメイドたちから小さな悲鳴が上がる。
その光景を見下したように冷たい目で見つめるアリスとハンナだったが、新たに騎士たちが別の人物を連れてくる。
「はじめまして、ハルシュライン王国第二王子のエリシア・ハルシュラインです。以後お見知りおきを。また、この度は当国の公爵がご迷惑をおかけして申し訳ありません。今回の謝罪はどのようなものをお望みでしょうか?」
「あの第二王子って本当ですか。どこからどう見ても女性だと思うのですが」
「ぐはぁ……僕は男で……はは……そうか女性かぁ」
何やらスイッチが入ったらしくエリシアは膝を着きブツブツと壊れた様に呟く。
「アリス、ハルシュライン王国の第二王子は美しい女性にしか見えないことで有名よ」
ハンナがアリスに小声で耳打ちする。
(なるほど、これは地雷を踏み抜きましたね)
「今回は第二王子のエリシアさんのことを女性扱いして侮辱してしまったので、今回はお互いに非があったということで責任は互いに取らないということでどうでしょうか?」
「それはありがたいです。私としてもそういっていただけると助かります」
なぜかエリシアはアリスの目を見つめ顔を赤らめるのだった。
これが、アリスとエリシアの初めての出会いである。
人間の苦しみ叫ぶ声が聞こえたことにより騎士たちが医務室に慌てて入ってきて、その凄惨な侵入者の死体を見て血だらけで明らかにこの地獄絵図を作ったアリスに恐怖する。
「アリス様、お目覚めしたばかりで申し訳ありませんが身体を清めましょう」
サラは顔色を悪くしながらアリスの血だらけの手を掴む。
アリスは自らの返り血で染まった身体を見るが、すぐに治療中のウィルに視線がいってしまう。
(自分のことなんかよりもウィルが助かるかが心配です。もし、毒などを塗られた武器で攻撃されていてウィルが助からないのならば、このハルシュライン王国を亡ぼしてしまうかもしれませんしね)
アリスはウィルがしたようにひたすらに相手のことを思い待とうとする。
しかし、そこでハンナが部屋に入ってくる。
「アリス、ウィルはほとんどの攻撃を“反射”を使って、防御していたから傷は浅いわ。麻痺毒が使われていそうだから、起きるまでにはしばらく時間がかかるから、お風呂に入ってきなさい」
アリスはウィルが無事だと知り涙を流しウィルに近づく。
「アリス、傷口に他人の血が付くと良くないからあなたは近づかないでね」
アリスはハンナに指摘され、ウィルに近づくことを止める。
(ふぅ、少し初めての異世界での戦いで気を張り詰めすぎていたみたいですね。ウィルが目覚めたら何をしましょうか。まずは食事でしょうか?)
アリスはウィルが目覚めたときに血だらけではまずいと身を清めに行くのだった。
アリスはウィルが起きたら連絡が入る様にメイド達に命令をし、甲板から港を眺める。
(この港はハルシュライン王国の玄関のようなものであり、入港した後に申請をして数日で許可が下りると晴れて王国に入れるのですよね。私たちは一般の来港者ではないのですが、そこは考慮されないのでしょうか)
アリスがメイドのサラに紅茶を淹れて貰っていると、何やら船の外が騒がしい。
(また、侵入者ですが今回は距離があるので“拒絶”で消しましょうか?)
騎士達が慌てて壮年の男性を連れてくる。
誰だろうと疑問に思っていると隣で紅茶を飲んでいたハンナがアリスに耳打ちする。
「あれは、この国のクズ貴族のバルメロア公爵よ。最低のクズだから気をつけてね」
(最低のクズですか。何やら面倒な気がしますね)
アリスとハンナはバルメロア公爵が近寄ってくると椅子から立ちあがる。
「これはお久しぶりですね。バルメロア公爵」
「ふひひ、相変わらずの良い肉付きだ。私の愛人にしてやろう」
「他国の公爵家令嬢を愛人扱いとはいささか礼を欠いた発言ですよ」
「アルストロメリア王国の下級民族程度、俺の性欲を満たす肉穴だ」
「あの、これ以上私たちを侮辱するなら腕の一本でも貰いますよ」
アリスはバルメロア公爵の侮辱に対して脅迫で対応する。
しかし、公爵はアリスを舐め回すように視姦すると口を開く。
「お前、やはり噂に聞いていた以上の美しさだ。俺の性奴隷にして毎日俺の×××で至上の快楽を与えてやろう」
この言葉にアリスは敵意で返す。
“拒絶”を使い公爵の右目の視力を奪う。
「なっ……急に右目が……見えない!」
公爵は慌てて、近くにあったテーブルごと倒れる。
床に落ちて砕ける高級食器の数々にメイドたちから小さな悲鳴が上がる。
その光景を見下したように冷たい目で見つめるアリスとハンナだったが、新たに騎士たちが別の人物を連れてくる。
「はじめまして、ハルシュライン王国第二王子のエリシア・ハルシュラインです。以後お見知りおきを。また、この度は当国の公爵がご迷惑をおかけして申し訳ありません。今回の謝罪はどのようなものをお望みでしょうか?」
「あの第二王子って本当ですか。どこからどう見ても女性だと思うのですが」
「ぐはぁ……僕は男で……はは……そうか女性かぁ」
何やらスイッチが入ったらしくエリシアは膝を着きブツブツと壊れた様に呟く。
「アリス、ハルシュライン王国の第二王子は美しい女性にしか見えないことで有名よ」
ハンナがアリスに小声で耳打ちする。
(なるほど、これは地雷を踏み抜きましたね)
「今回は第二王子のエリシアさんのことを女性扱いして侮辱してしまったので、今回はお互いに非があったということで責任は互いに取らないということでどうでしょうか?」
「それはありがたいです。私としてもそういっていただけると助かります」
なぜかエリシアはアリスの目を見つめ顔を赤らめるのだった。
これが、アリスとエリシアの初めての出会いである。
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