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第2章
side フリード⑦
しおりを挟む「……さて、お前達には今、俺がここに何をしに来たのか分かってるだろうか?」
今、俺の目の前で跪いているのはニコラスとセレン・エンバース男爵令嬢。
二人の顔は青ざめ、その身体はプルプルと震えている。
そして、何が起きているのかと興味津々の目を向けてくるのは、この場に集っていた貴族達。
ここは、シリル伯爵家。
伯爵は新しい庭園を作ったらしく、その完成披露のガーデンパーティーが行われていた。
フィーを牢屋に繋いでおきながら、ニコラスとセレン男爵令嬢はのうのうと過ごしており、今日はこのシリル伯爵家主催のパーティーに顔を出していた。
本当はこんな公衆の面前でニコラスの罪を追求するつもりでは無かった。
城で拘束して断罪するつもりだったんだ。
──だが。
城におらず、どこに行ったのかと問えば、昼間から呑気にパーティーに出席していると聞いて、俺はどうしてもニコラスが許せなくなった。
だから、こうして俺はシリル伯爵家のパーティーへと乗り込みその場で断罪する事を選んだ。
──────……
無事に証拠の品を手に入れた俺が急いで王宮に戻ると、 父上や重臣達はちょうど会議を開いていた。
その会議の内容こそが、父上が言っていたように、まさにフィー……スフィア・ランバルド公爵令嬢の処分をどうするか……の話し合いだった。
ちなみに、重臣の1人であるランバルド公爵は当事者の親なので、この場に呼ばれていない。
自ら謹慎を申し出て蟄居していた。(だから公爵は屋敷にいた)
「では、ランバルド公爵令嬢の処分は、国外追放という事でー……」
「いや、その処分の決定は待ってもらおうか?」
まさに、フィーの処分が決定しようかというギリギリのタイミングで俺は会議の場に駆け込んだ。
「フリード殿下!?」
「何故、ここに」
「帰国されていたのか?」
突然現れた俺に皆、動揺を隠せていない。
顔色を変えていないのは父上くらいなもんだ。
そんな中、一人の大臣が口を開いた。
「殿下、おかえりなさいませ。無事の帰国何よりです。……色々と話を聞きたい所ではありますが……何故、ランバルド公爵令嬢の処分の決定を待たなくてはならないのでしょうか?」
「ランバルド公爵令嬢は無実だからだ」
俺の言葉に会議の場がざわめいた。
「無実?」
「だが、夜会で……」
「ニコラス殿下の主張はどうなるんだ?」
「ランバルド公爵令嬢は反論しなかったんだろう?」
「取り調べでもそうだったと聞いている……」
どいつもこいつも好き勝手な事ばっかり言ってるな。
「恐れながら申し上げます」
別の大臣が手を挙げて発言の許可を求めた。
「言ってみろ」
「非常に申し上げにくい事ではありますが、フリード殿下は……そのランバルド公爵令嬢の事を……その……」
「……俺がランバルド公爵令嬢に想いを寄せているから、庇っているとでも言いたいのか?」
「!!」
俺の言葉に皆、気まずそうに顔を見合せながら頷き合う。
……本人には全くと言っていい程、伝わらなかったのに周りにはバレバレじゃないか。
フィーは、どんだけ鈍かったんだ……と、こんな時なのに頭を抱えたくなった。
「俺がそんな理由で動くとでも? 随分と舐められたものだな。……証拠はこれだ」
そう言って俺はこれまで手に入れていた情報証拠をまとめた物を見せながら説明を始めた。
「フリード殿下……これは……」
「ニコラス達がランバルド公爵令嬢に対して行って来た所業の数々だな」
「ニ、ニコラス殿下は、何故こんな事を」
「その理由はこっちだな」
そう言ってさっき手に入れたばかりの、俺の暗殺計画を練っていた計画書と二人の手紙を見せる。
「こ、こ、これは……!」
「まさか!」
「ニコラス殿下がこんな計画を!?」
それを見た重臣達の顔色は一気に変わる。
慌ててフィーの釈放の為の手続きに走り、ニコラスとセレン・エンバース男爵令嬢、そして俺の暗殺計画に強く関与していた貴族を拘束する為の話し合いと準備に入った。
しかし、肝心のニコラスはこの時、城に居なかった。
どこに行ったのかと確認したら、セレン嬢を伴いシリル伯爵家主催のパーティーに行ったという。
「……こんな時にパーティーとはな……俺もシリル伯爵家に向かう! 用意しろ」
「はっ!」
留学しているはずの俺の登場にシリル伯爵家は大騒ぎになった。
しかも当主の顔は真っ青だった。
それもそのはず。このシリル伯爵はニコラスの企みに大きく加担していて、つい先ほど爵位剥奪が決定した家なのだ。もちろん、まだ伯爵はその事を知らないが。
……俺がこうして姿を現した事で、今まさに当主の頭の中では諸々の計画が音を立てて崩れている事だろう。
「突然、やって来て申し訳ないが俺もこのパーティーに参加させて貰えるか?」
「お、王太子殿下……」
「ニコラスが来ているんだろう? せっかく帰国したのにまだ挨拶が出来ていないんだ。挨拶しても構わないだろう?」
と、 俺は笑顔を作り無理やり押し切ろうとする。
「え! う……あ……」
伯爵は完全に怯えていた。
思ったより馬鹿では無いのか色々感じ取ったようだ。
身の破滅も予感しているのだろう。顔は真っ青を通り越して真っ白になっている。
そして、そんなシリル伯爵は当然、俺の申し出を拒否出来るはずもなく。
俺の傍らに控えていた衛兵達に伯爵を拘束するよう指示を出し、
こうして俺は何も知らずにパーティーを楽しんでいるニコラスの元へと向かった。
────……
「あ、兄上……いつ帰国されていた、のです、か?」
青白い顔でニコラスが言う。
目の前に俺がいる事がまだどこか信じきれていない様子だ。
「俺が帰国していると困る事でもあったか? ニコラス」
「い、いえ……」
ニコラスの顔色はどんどん悪くなる一方だ。
その隣にいるセレン・エンバース男爵令嬢はいまだ状況が理解出来ていないのか、「何で、どうして、ここに!?」という言葉を繰り返している。
「そうか? 困っているんだろう? 何故なら俺を暗殺する計画が流れてしまっただろうからな」
「「!!」」
ニコラスと、セレン・エンバース男爵令嬢は弾かれたように顔を上げた。
その顔と瞳は驚きで揺れていた。
聞き耳を立てていたパーティー参加者の中にも動揺が広がる。
当たり前だ。暗殺なんて穏やかでない言葉が聞こえて来たのだから。
「残念ながらお前達の企みの証拠は全て揃っている」
「そ、んな……どうして」
ニコラスが信じられないって顔をしている。本当に計画が漏れていないと思い込んでいたのか。どこまでもおめでたい頭だな。
……だからこそ、こうして担ぎ上げられたわけだが。
「わ、私は……! そう! 唆されたんだ!」
「ニコラス様!?」
「セ、セレンが……王太子に……ゆくゆくは私に王になれなんて望んだから……!」
「え? ちょっ!? やだ、何言ってるのよ!」
ニコラスは、焦った様に自己弁護を始めた。セレン・エンバース男爵令嬢はその言葉に驚き目を丸くして抗議の声を上げた。
「確かに私は王妃になりたいって望んだけど、それはあんただって納得したじゃないの!」
「違う! 私はセレンに唆されただけだ!! 私の意思では無い!」
俺の目の前で二人は醜い言い争いを始めた。
セレン・エンバース男爵令嬢にいたっては言葉づかいさえも崩れている。
そして、ニコラスは頑なにセレン男爵令嬢が悪い! と言い張っている。
そんなニコラスを見て俺は失望しか感じなかった。
(まさか、ここで自己弁護に走るとはな……)
「なぁ、ニコラス。お前は今、自分がどれだけ最低な事を言っているのか分かるか?」
「はい?」
「そもそも、ここまでお前がやって来た行いが全て最低な行為なんだが、それすらも分かっていないんだな」
「兄上……?」
俺はため息を吐きながら続ける。
「お前は、そこの女に出会った後、スフィアに何をした?」
「……スフィアに?」
「仮にもお前とスフィアは、腹立たしい事に婚約関係だったにも関わらず、お前はそこの女に入れ揚げたあげくスフィアを蔑ろにし、学院では彼女を不当に陥れ、昨夜は冤罪をでっち上げて牢屋へと繋いだ。……あぁ、スフィアの大事な親友の事も脅したそうだな?」
「あ……」
ニコラスは怯えた目で俺を見た。
そして、その目は責めるのは暗殺の件では無いのか? と語っているようだった。
「ニコラス。俺はな自分の事より、お前がスフィアやスフィアの大事な人達を傷付けようとした事の方が許せないんだよ」
──何でそんな事が出来たんだ!? 昔のお前はそんな奴じゃ無かったはずだ!
そこまで言ってやりたかった。
だけど、今のコイツには言っても無駄だと思いやめた。
ニコラスは「あ……」とか「うっ」とか言葉にならない声を上げるだけで、そのまま硬直していた。
そうして、俺は次にニコラスを変えた全ての元凶となる女を見た。
「さて、セレン・エンバース男爵令嬢。君も随分と好き勝手な事をしてくれたね?」
「どう……して……王太子殿下が? ……おかしいわよ、モブなのに……まるで殿下が主人公みたいじゃない……」
セレン・エンバース男爵令嬢はプルプル震えたままブツブツと独り言を呟いている。
本当に何を言っているのかさっぱり分からない。
「おかしいわ……私は物語通りにニコラス様と恋に落ちたわ……」
彼女の独り言は続く。
「だけど、何故か思うように動かない悪役令嬢に困ってた時に助けてくれたあの人のアドバイス通りにしたら、何もかもが上手くいって悪役令嬢は予定通り断罪されたのに……」
……何なんだ? この女はいったい何の話をしてるんだ?
あの人のアドバイス? 誰の事だ?
セレン男爵令嬢の呟いている声が聞こえる範囲にいる野次馬も変な顔をしている。
「……知らない。こんな展開は……知らないし、有り得ないわ……」
意味不明な事をブツブツと呟くセレン・エンバース男爵令嬢からは、もはやまともな答えを得られる気がしなかった。
俺の言葉も聞こえていなさそうだ。
「セレン・エンバース男爵令嬢。俺はお前がスフィアにした事を許さない」
この言葉は届いたのか、セレン男爵令嬢は俯いていた顔を上げて俺を見た。
「え? 許さないって……本当に何でよ……嘘、冗談でしょ?」
「あいにく、嘘でも冗談でも無い」
「そんな! そんな事って……!!」
よほどショックだったのか、その後は何を言っても聞いても、彼女は「どうして、どうして」と呟くばかりだった。
「ニコラス。そしてセレン・エンバース男爵令嬢。お前達はこのまましばらく牢屋へ入ってもらう」
「「えっ!」」
二人の驚きの声が重なった。
野次馬の中にも動揺の気配が色濃く広がっていく。
王子が牢屋に入れられそうになっているから当然か。
「何を驚く? 罪を犯した者が入れられる場所なのだから当然だろう?」
「「……」」
「無実の罪で牢屋送りにされた令嬢もいたわけだからな。お前達が入らないでどうする?」
二人の顔はもはや真っ青を通り越して真っ白に近かった。
「さぞかし、良い待遇で迎えられるだろうよ」
俺は笑顔でそう言った。
フィーは幸い、収容された後も手酷い扱いは受けなかったようだが、この後コイツらがどんな扱いを受けようとも俺は関知しない。自業自得だ。その身を持って後悔するといい。
本当は、すでに二人の処分は決定していたのだが、俺がどうしてもコイツらを牢に繋いでやりたかった。
どんな処分が下されるのか怯えて過ごせばいい。
だから、敢えてニコラスとセレン・エンバース男爵令嬢の処分はこの場では伝えず時間を置く事にした。
俺の脳裏には地下牢に繋がれていたフィーの姿が浮かんだ。
今頃、無事に釈放されているだろうか? その後の諸々の手配はして来たが……大丈夫だろうか。
さっさとコイツらへの断罪を終わらせてフィーの元へ向かわなくては。
俺はコイツらを許す気は一切無い。
それだけの事をコイツらはしたのだから。
俺の何よりも大事な人に手を出した事を一生かけて後悔すればいい。
放心状態のニコラスと、いまだに意味不明な言葉をブツブツ呟き続ける男爵令嬢を見ながらそう思った。
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