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第2章
3. ヒロイン……の登場
しおりを挟むニコラス殿下の婚約者となってから、私達の関係が良くなったかと言うとそんな事は全く無い。
学院でのニコラス殿下は相変わらずだし、夜会だのパーティーだのでエスコートを受けてダンスも一緒に踊るけどそれだけ。
好きになって欲しいとは微塵も思わないけれど、ここまで嫌われるのもね……
「……おい。スフィア、何を考えてる?」
「え、いえ、何も?」
いけない、いけない。
今はニコラス殿下とのダンスの最中だったわ。
私は慌てて笑顔を見せる。
「…………チッ」
「!」
ニコラス殿下は小さく舌打ちをした。……王子様としてどうなの、それ?
婚約者になってから何度かこうして踊っているけれど、どうもしっくり来ないのは、やはりお互いの気持ちが向いていないからだろうか。
私は顔を上げてニコラス殿下をじっと見つめた。
「…………」
ニコラス殿下を見ていると胸が苦しくなる。
最近の彼の外見は、私にフリード殿下を思い出させる。さすが兄弟なだけあって二人はよく似ている。
「お前は……いつもそんな目で私を見るんだな」
「……え?」
そう小さな声で呟いたニコラス殿下の表情はどこかいつもと違っていた。
そうして、あっという間に半年が過ぎ、遂に物語の開始の時がやって来た。
ヒロインこと、セレン・エンバース男爵令嬢が入学してきたのを見つけた時は、
“やっぱり、ここはあの小説の世界なんだ。間違ってなかったんだ”
と思ったものだ。
そして、彼女と恋に落ちるはずのヒーローであるニコラス殿下は……
「大丈夫……か?」
「はい、すみません……私、ちゃんと前を見ていなくて……」
今、私の目の前でついに二人は出会いを果たしていた。
廊下で出会い頭にぶつかる、というベッタベタな展開はまさにストーリー通り。
(悪役令嬢スフィアはここでお互い見惚れたように暫し見つめ合う二人を見て初めての嫉妬をするんだけどね。そんな気持ち欠けらも湧かないわ)
これが始まり。それからも二人の偶然の遭遇は続き、
ニコラス殿下とセレン嬢の距離はゆっくりだけど、徐々に縮まっていく──
────はずだった。
・・・・・・。
想像以上だわ。
その日も私は本気で困っていた。
「もう、ニコラス殿下! こんな所ではダメです!」
「いいだろ、セレン。あぁ、やっぱり君は可愛いなぁ」
私の目の前でイチャイチャしている二人は、この世界のヒーローとヒロイン……ニコラス殿下とセレン・エンバース男爵令嬢なんだけど……
何故かこの二人。
本来の物語の展開を無視するかのように、ゆっくりどころか急速に距離を縮めていた。
おかげでこの二人は前世風に言わせて貰えば、正にバカップルそのものだった。
まさか、ヒロインがこんなちょっと頭のネジが緩い感じの子だったなんて私はショックが隠せない。
私の知ってる小説の中の二人はこんな様子では無かったのに!
セレン嬢は、常識を踏まえた明るく健気な少女だった。
なのに今、目の前のセレン嬢は明るいけど……かなり非常識な……コホンッ……と、とにかくストーリーで書かれていたセレン嬢とあまりにも違っていた。
私は二人の恋の何の障害にもなっていない。
一応、ニコラス殿下の婚約者という肩書きがあるから邪魔者ではあるのだろうけれど、私の存在など忘れたかのように二人はとにかくイチャイチャしていた。
(悪役令嬢スフィアの存在、必要だったかな? これ、絶対に必要なかったよね!?)
そう思わずにはいられなかった。
「……ニコラス殿下! セレン様! そろそろ授業の時間ですよ。そろそろ準備を始めた方が宜しいのでは?」
本音を言えば、二人の事は放っておきたいけれど……そうもいかない為、渋々声をかける。
すると案の定、ジロリと睨まれた。
「本当に、お前はいちいち煩いな。セレンとの時間を邪魔しないでくれないか?」
「そうですよ! 私と殿下は学年が違うので、この時間しか一緒に居られないんですから邪魔しないでください! それともスフィア様、嫉妬ですか? 醜いですね!」
……いや、もうすぐ授業が始まるから声をかけてるんですけどね……
私がこんな事してるのも、ニコラス殿下のせいなのに!
そもそも嫉妬なんてするわけないでしょう?
そう声を大にして言いたい。
「……私はもう行きます。遅れずに授業に来てくださいませ」
私はクルリと向きを変えて歩き出したのだけど、
「あぁ、そうだ、スフィア。お前は今日も王宮に来るのか?」
ニコラス殿下に声をかけられてしまった。
早く教室に戻りたいんですけど!?
「え、えぇ……勉強しないといけませんから」
ニコラス殿下の婚約者となった日から、王子妃教育が始まっている。
正直、気は全く進まないが行かなくてはならない。
「チッ、今日もか! 何で王宮でもお前の顔を見なくちゃならないんだ! 不愉快だ!!」
そうですね…………でもそれは、こっちのセリフです。
とってもとってもそう言いたいけれど、言えないのが悔しい。
「え~殿下、私も王宮に行きたいです~」
セレン嬢が甘ったれた声を出した。
「今は我慢してくれ。いつか必ずセレンを招待すると約束するから」
「わぁい、約束ですよ? 殿下」
…………あぁぁぁ、もう!
今すぐさっさとこの場でもいいから婚約破棄してくれないかな?
絶対に私、要らないでしょ?
そんな気持ちが顔に出てしまっていたのか、
「きゃ、殿下! 私、スフィア様に睨まれてしまいました!! 怖いです……」
えーんと泣きながら、セレン嬢はニコラス殿下にしがみつく。
「何!? 大丈夫かセレン!? ……スフィア、なんて事をするんだ!! セレンはお前と違ってか弱い令嬢なんだぞ!?」
……もはや、意味が分からない。
私、婚約破棄されるまでのあと1年近く、ずっとこの茶番に付き合わなくちゃいけないのかな?
「……今度こそ、失礼しますわ」
私はこれ以上何も言う気が起きず、彼らに背を向けて教室へと歩き出した。
教室に向かいながら、色々考える。
国外追放の為に悪役令嬢になると決めたけど、どうしたものか……
私は、セレン嬢を虐めるべきなの…………?
……アレを? 何かすごく嫌。
「スフィア!」
そんな風に考え事しながら歩いていたら、後ろから声をかけられた。
「リリア……と、ロベルト。どうかした?」
親友のリリアとその婚約者のロベルトの二人がいた。
「スフィア……また、殿下とセレンさんの所に行ってたの?」
「えぇ。お目付け役みたいなものだから」
私は苦笑いしながら言う。
「殿下は不誠実よ! スフィアという婚約者がいるのに!! ねぇ、ロベルト?」
「えっ? あぁ……まぁ……そうだな」
ロベルトは、明らかに戸惑った返事をしているが、リリアはその事に気がついていないようだ。
私の婚約の事情を知らないリリアからすれば、浮気行為にしか見えないニコラス殿下の振舞いが許せないのだろう。
隣のロベルトは、事情を知っている人間なので曖昧な返事になってしまっている。
申し訳ないなとは思う。
───そう。
私がニコラス殿下の婚約者となった半年前、私は突然ロベルトに呼び出された。
─────
───
『スフィア。どういう事だ?』
『突然、何の話かしら?』
『……お前の婚約の事だ。何故、ニコラス殿下の婚約者になる事を承諾した?』
『あぁ、もしかしてペレントン侯爵家も私をニコラス殿下の婚約者にと進言した家なのかしら?』
図星だったのだろう。ロベルトは悔しそうに顔を歪めた。
ロベルトのせいでは無いのにね。
『……すまない。だが、俺はお前は断ると思っていた』
『どうして?』
『…………スフィア。俺はお前と同じ日に社交界デビューしてるんだ』
『えっ』
その言葉に思わずビクッと身体が反応し震えてしまった。
『あの日、スフィアのエスコートしていたのはニコラス殿下では無い……フリード殿下だったよな?』
『そ、それが何だと、言うの?』
自分でも声が震えているのが分かる。おそらくロベルトにも伝わっているだろう。
『……フリード殿下の成人を祝った舞踏会にも俺は参加している』
『!!』
ロベルトは見てきたのだ。
社交界デビューの日に、フリード殿下にエスコートされ、舞踏会ではファーストダンスを申し込まれていた私を。
『お前はフリード殿下の事を……』
『言わないで……!! それ以上は口にしないで!!』
必死でロベルトの言葉を遮った。
これ以上は聞きたくない。悲しくなるだけだから。
『…………悪い』
ロベルトは、それだけで色々察したのだろう。それ以上追求はしてこなかった。
『ううん、私こそ……ごめん』
気まずい沈黙が流れ落ち着いた後、気になった事を聞いてみた。
『ロベルトは、何で私の婚約の件を気にしてくれたの?』
『スフィアがリリアの親友で俺とも友人だから』
『えっ?』
『リリアは事情を何も知らない。知らないから無邪気に婚約おめでとう! と思ってる。そんなリリアがもしも裏の事情を知ったら、お前の事を思って傷つくだろ? だから、スフィアが何を考えてるのか知りたかった』
『……私の心配というより、リリアの心配なのね』
『……うっ』
このリリアの婚約者……ロベルトは、本当にリリアの事が大好きで、いつもリリアの事ばっかり考えているような人だ。
傍から見れば、すごく大事にしてるのがよく分かるんだけど、当のリリアにはちゃんと伝わってなさそうな所が不憫な人なのだけど。
『いいのよ、ちゃんと私の心配をしてくれている事も分かってるから』
『……すまない。……何か俺に出来ることがあったら遠慮なく言ってくれ』
『ありがとう』
────
───────
私が、“悪役令嬢スフィアとなって国外追放される事を望んでる”
リリアが知ったら傷付くだろうな……ロベルトも怒るでしょうね。
なんて考えていたら、
「もう! スフィア、聞いてるの?」
「え? あ、ごめんなさい……」
リリアに怒られてしまった。
「だけど、セレン男爵令嬢もちょっと変わった人よね」
リリアがそんな事を口にした。
「えっ?」
あれを“ちょっと変わった人”ですませられるリリアは大物かもしれない。
「だってそのうち、周りに敵を作りそうなタイプじゃない? 大丈夫なのかしら」
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リリアは、それを心配しているのだろう。
「……そうね」
小説のストーリーでは、そのイジメの筆頭が私だったわけだけど。
本来ならそろそろイジメを開始していなければならない。
けれど、私はまだ何もしていない。せいぜい、素行を咎めるくらいだ。
……“悪役令嬢スフィア”になると決めたのに。
どこかで、まだ躊躇っている自分がいる。
それに、婚約破棄されて国外追放された後の事もそろそろちゃんと考えなくてはいけないのに。
「ダメね、私は……」
私は、リリアにも聞こえないくらい小さな声でそう呟いていた。
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