【完結】婚約破棄されて処刑されたら時が戻りました!?~4度目の人生を生きる悪役令嬢は今度こそ幸せになりたい~

Rohdea

文字の大きさ
33 / 52

28. 男爵令嬢には渡さない

しおりを挟む

  それからのレインヴァルト様は、本当に毎朝、私を迎えに来ると抱き締めてくれるようになった。
  まぁ、今世のレインヴァルト様は元からスキンシップは多かったし、想いを通じ合わせてからは更に増えていたので、あまり大きく変化したようには感じないのだけれど。

  それでも嬉しく思うのは、私がレインヴァルト様を好きだという想いがあるから。




  あの日、メイリン男爵令嬢は大勢の人の前で好き勝手な事をこれでもかと言い放ち連行されていった。
  その事から、私の彼女への嫌がらせという話も実は男爵令嬢の狂言だったのでは……?
  そんな空気が流れ始めていた。

  また、時を同じくして数人の令嬢が学園を自主退学していた事も判明した。
  急な結婚が決まったからなど理由は様々だったけれど、それはあくまでも表向きの理由で、まさにその自主退学をした彼女達こそがメイリン男爵令嬢に嫌がらせを行っていた張本人達だったらしい。

  こうして私の冤罪に関わった人達が姿を消して行った。
  それでも、人の噂はそう簡単には消えないし、一度抱いた疑惑の種も残り続けていくだろう。
  後はもうこれからの“私”を見て判断していってもらうしかない。



  私がそんな決意を固めていたら、
  学園がお休みの今日、レインヴァルト様が改まった様子で我が家を訪ねて来た。

「メイリン・ヒューロニア男爵令嬢との接見の日が決まった」

  レインヴァルト様が真剣な顔でそう言った。

「彼女は今どこにいるのですか?」
「……過去にフィオーラが居た場所にいる」
「!」

  そこは私にとっては思い出したくもない場所。

「……フィオーラも接見する権利はある……どうしたい?  俺はフィオーラの気持ちを優先する」
「…………」

  本音を言えば、メイリン男爵令嬢にも会いたくないしあの場所にだって行きたくない。
  あの場所に踏み込む自分を想像するだけでも吐き気が込み上げてきそうになる。
  それでも。
  私は逃げたくない。
  今、逃げたら二度とあの場所には行けなくなると思うし、メイリン男爵令嬢の事も分からないままになる。
  その方が嫌だ。
  ……何より、逃げた私ではレインヴァルト様の隣に立つのに相応しくないと思う。 
  だから……

「……私も行きます」
「フィオーラ……」

  レインヴァルト様の目は、私の返答に驚いたのか大きく見開いていた。
  けれど私の決意が見て取れたのか、それ以上の追求はされなかった。
  そして、私の手を取り優しく握りながら言った。

「無茶だけはするな。気分が悪くなったら隠さず絶対に言えよ」
「分かりました」

  レインヴァルト様から与えられるこの手の温もりが、不安に胸が波立つ私の心を安心させてくれた。




****



  ────この場所に足を踏み入れるのは、いつ以来だろうか。
  前回の人生では、その場で国外追放を言い渡されたからここには来ていない。
  そうなると処刑された、2度目の人生以来になる。

「当たり前ですけど、変わっていませんね」
「……お前が入るのは、今よりも後だったからな。……変な感じだが」
「そうですね、変な感じです」

  私が落ち着いているので、レインヴァルト様はどこかホッとしているようにも見受けられる。
  だけど、その目はどこまでも私を心配して気遣っていて。
  つくづく私に優しい人。今だってしっかり手を握ってくれている。

  そうして手を繋いで奥まで歩けば、メイリン男爵令嬢の居る場所────かつての自分が捕らえられていた場所に辿り着いた。

「……」

  メイリン男爵令嬢は、ぼんやりと寝台に腰掛けていた。
  そして、私達の姿を見かけると、ちょっと驚いたような顔を見せ、すぐに眉間に皺を寄せた。

「……殿下が来るとは聞いていましたけど、まさかフィオーラ様までいらっしゃるなんて驚きました」
「…………」

  そう口にするメイリン男爵令嬢は、どこまでも挑発的な目だった。
  見た目は可愛らしいのに、中身は全然可愛らしくない。

「無駄口は慎め。メイリン・ヒューロニア。お前の目的は何なんだ」

  レインヴァルト様は、余計な会話はしたくないとばかりに直球で問い詰める。

「目的……?」

  メイリン男爵令嬢は、心底分からないといった顔で首を傾げている。

「あの3人を手玉に取り、かつフィオーラを陥れようとした目的だ!  嘘だらけの噂を流したのはお前だろう!」
「あぁ、そう言う事ですか」

  メイリン男爵令嬢は、ニタリとした笑みを浮かべる。
  思わず背筋がゾッとする笑みだった。

「そうですよ。だって、ここが私の知ってる“世界”と違ったんですもの。だから、私はそれを正そうとしただけです。その為に必要だったんです。ロイ様達もお願いしたら快く手伝ってくれましたよ!」

  メイリン男爵令嬢はあっさりと嘘を流したのは自分だと認めた。さらに彼らの関与まで。

「お前の知ってる“世界”とは何だ」
「あの3人と殿下も含めた4人の男性に、私が愛される世界です。あ、もちろん、殿下は私を王妃にしてくれるんですよ!」
「「!!」」

  それは、レインヴァルト様と私が想像していた通りの世界観だった。

「殿下の心を奪った私の事が憎かったフィオーラ様は、私に嫌がらせやいじめを行った事で処刑されるんです。当然ですよね!  私が王妃になるんですから。邪魔ですもん」


『だって、私の幸せの為に邪魔だったんです。あんな女、生きていてもしょうがないじゃないですか!  ずっと殿下の婚約者ってだけで愛されてもいないくせに大きな顔をしていて、とーっても目障りだったんです。だから、この機会に消えてもらっただけですよ!  それのどこに問題があるんですか?  さぁ、これで邪魔者は消えましたから私達は幸せになりましょうね』


  最初の人生で、私の処刑後に、レインヴァルト様がメイリン男爵令嬢を問い詰めた時に言われたという言葉を思い出した。
  チラッとレインヴァルト様を横目で見ると、恐らく同じ事を思ったのだろう。
  その顔には困惑が現れていた。

「なのに、何故か殿下とフィオーラ様は仲睦まじい様子ですし、私が殿下に近付いても一向に私を愛してくれる様子を見せて下さらない……」

  メイリン男爵令嬢は目を伏せ、困った顔をする。
  その発言と共にこんな顔をするのだから、彼女は本当に現実が見えてない事が嫌でも伝わってきた。
  
「当たり前だ!  俺が愛してるのはフィオーラだけだからな!」
「俺……?  殿下どうしちゃったんですか?  性格まで違うじゃないですか」

  取り繕っていられず、素の状態で怒鳴ったレインヴァルト様にメイリン男爵令嬢は不思議そうな視線を向ける。

「ほら!  それに殿下ったらいつ聞いてもそんな事を言うんですもん。でも、それは間違っていますから。だから、私が殿下に愛される為にはフィオーラ様には消えてもらわなきゃいけないんですよ」

  メイリン男爵令嬢は、ニッコリと笑いながら言う。
  ただ、それこそが当たり前なのだと言う顔をして。

「……例え、フィオーラが居なくなっても俺がお前を愛する事は絶対に無い!」
「ほらほら~また。もう、どこでおかしくなっちゃったんですか?  やっぱり、フィオーラ様が何かしたんですか?」

  そう言いながらメイリン男爵令嬢は今度は私に視線を向ける。

「私は何もしていないわ」
「え~?  だって、これはもうフィオーラ様が何かしたとしか思えませんよ。どうして、殿下に愛されちゃってるんですか?  もう良いですよね?  早く私に殿下を返してください」

  その言葉に私は我慢が出来ず、とうとう堪忍袋の緒が切れた。

「ーーっ!  いい加減にしなさいよ!  貴女が一体何のどこのどんな世界を知って見てるのか知らないけど、ここは貴女の思い通りになる世界なんかじゃない!  レインヴァルト様も私も他の皆も誰もが自分の意思で生きている世界なのよ!  いい加減に目を覚まして現実を見なさい!!」

  気付けば私はそう怒鳴っていた。

「……現実?  私はちゃんと現実を見ていますよ?」
「見えてないから言ってるのよ!  貴女は、貴女が知っていて望んでいる世界に私達を無理やり当てはめようとしているだけでしょ!?」
「……?  私は、無理やり当てはめようとなんてしていませんよ」

  メイリン男爵令嬢は不思議そうな顔をして首を横に振る。

「してるでしょ!?  殿下を返せって言ってる事が何よりの証拠よ!!  レインヴァルト様は貴女のじゃない!  貴女になんて渡さない!  私のよ!!  私と生きるの!!!!」

  そこまで叫んだ時、後ろからレインヴァルト様に抱き締められた。

「レ、レインヴァルト様……!?」
「凄い口説き文句だな……お前、俺をどうする気だ?」
「え??」
「無自覚かよ……俺はフィオーラには絶対に勝てる気がしねぇな……」
「何言ってるんです?」

  私が言われている事の意味が分からず首を傾げていると、メイリン男爵令嬢がワナワナと震えだして叫んだ。

「な、なんなのよーー何で私の目の前でイチャつくのよ!!  こんなの私の知ってる世界じゃ無いじゃないの!!」
「当たり前だ、お前の知ってる世界なんてものは存在しない。お前はフィオーラが1年以内に死ぬ運命だと言ったな?  それはお前の知ってる世界の話なんだろう?  仮にそんな世界が本当にあったとしても俺が覆してみせる」
「………………」

  メイリン男爵令嬢は黙り込む。

「現実を見ろ。今のお前には何も無い。追って正式にお前には沙汰が下される。学園はもちろん退学。ヒューロニア男爵家からも追放し、平民となって国境外れにある修道院へ送られる。二度と王都への立ち入りは許されない」
「は?  退学?  何よそれ……しかも平民!?  修道院ですって?」

  メイリン男爵令嬢が不満そうな顔をする。
  彼女は自分が処罰を受ける事は無いとタカをくくっていたのかもしれない。
  何故そう思えるのか本当に理解出来ないのだけれど。

  (だけど、よりにもよって修道院あそこに……?)

「お前が現実を見ようとしなかった結果だ。命があるだけ良かったと思うんだな」
「ロイ様達は!?」
「……アイツらもアイツらで処分が下される。今、全員を事情聴取している所だが、ロイとハリクスは謹慎している。あぁ、ラルゴは教師をクビになった所だったな。ロイ達も退学は免れない。そして、お前との面会は生涯にわたって禁止だ」
「はぁ!?  もう会えないという事!?」

  メイリン男爵令嬢は、彼らと二度と会えない事には堪えたのかその顔には絶望の色が広がっていた。

「どうしてよ……私は何も間違えてなんかいないのに……」

  どうやら、未だに納得がいかず現実が見えていないらしい。
  これはどんな処分を受けても彼女は絶対に変わらない……そんな気がした。
  
  (だから、に送るのね……)

「ねぇ、フィオーラ様?」
「?」

  突然、メイリン男爵令嬢が私の方に目を向けた。
  その様子にレインヴァルト様の警戒も強まる。

「貴女はレインヴァルト様の手で処刑されるの。あぁ、でも今はこの可能性は低いのかしら?  なら、あの何とかって名前の病気で命を落とすのかしら?  それともー……」
「やめろ!!」

  レインヴァルト様が怒鳴って黙らせた。
  これ以上、私に聞かせない為だろう。

「フィオーラは死なない。俺が絶対に死なせない」
「…………そうですか。それは残念ですね」

  それっきりメイリン男爵令嬢も口を噤んだ。




「フィオーラ、戻ろう」

  メイリン男爵令嬢は牢の中に入れられても何一つ変わっていなかった。
  だから、これ以上ここにいても何にもならないと判断したのか、レインヴァルト様は戻る事に決めたようだった。

  私もこれ以上彼女にかける言葉は見つからなかった。

「はい」

  私達は、その場を後にした。
  振り返る事はしなかったので、メイリン男爵令嬢がどんな顔をして私達を見ていたのかは最後まで分からなかった。

しおりを挟む
感想 159

あなたにおすすめの小説

地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい

木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」 私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。 アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。 これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。 だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。 もういい加減、妹から離れたい。 そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。 だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。

【完結】幼い頃からの婚約を破棄されて退学の危機に瀕している。

桧山 紗綺
恋愛
子爵家の長男として生まれた主人公は幼い頃から家を出て、いずれ婿入りする男爵家で育てられた。婚約者とも穏やかで良好な関係を築いている。 それが綻んだのは学園へ入学して二年目のこと。  「婚約を破棄するわ」 ある日突然婚約者から婚約の解消を告げられる。婚約者の隣には別の男子生徒。 しかもすでに双方の親の間で話は済み婚約は解消されていると。 理解が追いつく前に婚約者は立ち去っていった。 一つ年下の婚約者とは学園に入学してから手紙のやり取りのみで、それでも休暇には帰って一緒に過ごした。 婚約者も入学してきた今年は去年の反省から友人付き合いを抑え自分を優先してほしいと言った婚約者と二人で過ごす時間を多く取るようにしていたのに。 それが段々減ってきたかと思えばそういうことかと乾いた笑いが落ちる。 恋のような熱烈な想いはなくとも、将来共に歩む相手、長い時間共に暮らした家族として大切に思っていたのに……。 そう思っていたのは自分だけで、『いらない』の一言で切り捨てられる存在だったのだ。  いずれ男爵家を継ぐからと男爵が学費を出して通わせてもらっていた学園。 来期からはそうでないと気づき青褪める。 婚約解消に伴う慰謝料で残り一年通えないか、両親に援助を得られないかと相談するが幼い頃から離れて育った主人公に家族は冷淡で――。 絶望する主人公を救ったのは学園で得た友人だった。   ◇◇ 幼い頃からの婚約者やその家から捨てられ、さらに実家の家族からも疎まれていたことを知り絶望する主人公が、友人やその家族に助けられて前に進んだり、贋金事件を追ったり可愛らしいヒロインとの切ない恋に身を焦がしたりするお話です。 基本は男性主人公の視点でお話が進みます。 ◇◇ 第16回恋愛小説大賞にエントリーしてました。 呼んでくださる方、応援してくださる方、感想なども皆様ありがとうございます。とても励まされます! 本編完結しました! 皆様のおかげです、ありがとうございます! ようやく番外編の更新をはじめました。お待たせしました! ◆番外編も更新終わりました、見てくださった皆様ありがとうございます!!

【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜

凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】  公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。  だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。  ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。  嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。  ──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。  王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。  カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。 (記憶を取り戻したい) (どうかこのままで……)  だが、それも長くは続かず──。 【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】 ※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。 ※中編版、短編版はpixivに移動させています。 ※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。 ※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)

【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ

との
恋愛
2月のコンテストで沢山の応援をいただき、感謝です。 「王家の念願は今度こそ叶うのか!?」とまで言われるビルワーツ侯爵家令嬢との婚約ですが、毎回婚約破棄してきたのは王家から。  政より自分達の欲を優先して国を傾けて、その度に王命で『婚約』を申しつけてくる。その挙句、大勢の前で『婚約破棄だ!』と叫ぶ愚か者達にはもううんざり。  ビルワーツ侯爵家の資産を手に入れたい者達に翻弄されるのは、もうおしまいにいたしましょう。  地獄のような人生から巻き戻ったと気付き、新たなスタートを切ったエレーナは⋯⋯幸せを掴むために全ての力を振り絞ります。  全てを捨てるのか、それとも叩き壊すのか⋯⋯。  祖父、母、エレーナ⋯⋯三世代続いた王家とビルワーツ侯爵家の争いは、今回で終止符を打ってみせます。 ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 完結迄予約投稿済。 R15は念の為・・

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のジャンヌは、4年もの間ずっと婚約者で侯爵令息のシャーロンに冷遇されてきた。 オレンジ色の髪に吊り上がった真っ赤な瞳のせいで、一見怖そうに見えるジャンヌに対し、この国で3本の指に入るほどの美青年、シャーロン。美しいシャーロンを、令嬢たちが放っておく訳もなく、常に令嬢に囲まれて楽しそうに過ごしているシャーロンを、ただ見つめる事しか出来ないジャンヌ。 それでも4年前、助けてもらった恩を感じていたジャンヌは、シャーロンを想い続けていたのだが… ある日いつもの様に辛辣な言葉が並ぶ手紙が届いたのだが、その中にはシャーロンが令嬢たちと口づけをしたり抱き合っている写真が入っていたのだ。それもどの写真も、別の令嬢だ。 自分の事を嫌っている事は気が付いていた。他の令嬢たちと仲が良いのも知っていた。でも、まさかこんな不貞を働いているだなんて、気持ち悪い。 正気を取り戻したジャンヌは、この写真を証拠にシャーロンと婚約破棄をする事を決意。婚約破棄出来た暁には、大好きだった騎士団に戻ろう、そう決めたのだった。 そして両親からも婚約破棄に同意してもらい、シャーロンの家へと向かったのだが… ※カクヨム、なろうでも投稿しています。 よろしくお願いします。

死に役はごめんなので好きにさせてもらいます

橋本彩里(Ayari)
恋愛
【書籍化決定】 フェリシアは幼馴染で婚約者のデュークのことが好きで健気に尽くしてきた。 前世の記憶が蘇り、物語冒頭で死ぬ役目の主人公たちのただの盛り上げ要員であると知ったフェリシアは、死んでたまるかと物語のヒーロー枠であるデュークへの恋心を捨てることを決意する。 愛を返されない、いつか違う人とくっつく予定の婚約者なんてごめんだ。しかも自分は死に役。 フェリシアはデューク中心の生活をやめ、なんなら婚約破棄を目指して自分のために好きなことをしようと決める。 どうせ何をしていても気にしないだろうとデュークと距離を置こうとするが…… たくさんのいいね、エール、感想、誤字報告をありがとうございます! ※書籍化決定しております! 皆様に温かく見守っていただいたおかげです。ありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ 詳細は追々ご報告いたします。 アルファさんでは書籍情報解禁のち発売となった際にはサイトの規定でいずれ作品取り下げとなりますが、 今作の初投稿はアルファさんでその時にたくさん応援いただいたため、もう少し時間ありますので皆様に読んでいただけたらと第二部更新いたします。 第二部に合わせて、『これからの私たち』以降修正しております。 転生関係の謎にも触れてますので、ぜひぜひ更新の際はお付き合いいただけたら幸いです。 2025.9.9追記

処理中です...