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28. 男爵令嬢には渡さない
しおりを挟むそれからのレインヴァルト様は、本当に毎朝、私を迎えに来ると抱き締めてくれるようになった。
まぁ、今世のレインヴァルト様は元からスキンシップは多かったし、想いを通じ合わせてからは更に増えていたので、あまり大きく変化したようには感じないのだけれど。
それでも嬉しく思うのは、私がレインヴァルト様を好きだという想いがあるから。
あの日、メイリン男爵令嬢は大勢の人の前で好き勝手な事をこれでもかと言い放ち連行されていった。
その事から、私の彼女への嫌がらせという話も実は男爵令嬢の狂言だったのでは……?
そんな空気が流れ始めていた。
また、時を同じくして数人の令嬢が学園を自主退学していた事も判明した。
急な結婚が決まったからなど理由は様々だったけれど、それはあくまでも表向きの理由で、まさにその自主退学をした彼女達こそがメイリン男爵令嬢に嫌がらせを行っていた張本人達だったらしい。
こうして私の冤罪に関わった人達が姿を消して行った。
それでも、人の噂はそう簡単には消えないし、一度抱いた疑惑の種も残り続けていくだろう。
後はもうこれからの“私”を見て判断していってもらうしかない。
私がそんな決意を固めていたら、
学園がお休みの今日、レインヴァルト様が改まった様子で我が家を訪ねて来た。
「メイリン・ヒューロニア男爵令嬢との接見の日が決まった」
レインヴァルト様が真剣な顔でそう言った。
「彼女は今どこにいるのですか?」
「……過去にフィオーラが居た場所にいる」
「!」
そこは私にとっては思い出したくもない場所。
「……フィオーラも接見する権利はある……どうしたい? 俺はフィオーラの気持ちを優先する」
「…………」
本音を言えば、メイリン男爵令嬢にも会いたくないしあの場所にだって行きたくない。
あの場所に踏み込む自分を想像するだけでも吐き気が込み上げてきそうになる。
それでも。
私は逃げたくない。
今、逃げたら二度とあの場所には行けなくなると思うし、メイリン男爵令嬢の事も分からないままになる。
その方が嫌だ。
……何より、逃げた私ではレインヴァルト様の隣に立つのに相応しくないと思う。
だから……
「……私も行きます」
「フィオーラ……」
レインヴァルト様の目は、私の返答に驚いたのか大きく見開いていた。
けれど私の決意が見て取れたのか、それ以上の追求はされなかった。
そして、私の手を取り優しく握りながら言った。
「無茶だけはするな。気分が悪くなったら隠さず絶対に言えよ」
「分かりました」
レインヴァルト様から与えられるこの手の温もりが、不安に胸が波立つ私の心を安心させてくれた。
****
────この場所に足を踏み入れるのは、いつ以来だろうか。
前回の人生では、その場で国外追放を言い渡されたからここには来ていない。
そうなると処刑された、2度目の人生以来になる。
「当たり前ですけど、変わっていませんね」
「……お前が入るのは、今よりも後だったからな。……変な感じだが」
「そうですね、変な感じです」
私が落ち着いているので、レインヴァルト様はどこかホッとしているようにも見受けられる。
だけど、その目はどこまでも私を心配して気遣っていて。
つくづく私に優しい人。今だってしっかり手を握ってくれている。
そうして手を繋いで奥まで歩けば、メイリン男爵令嬢の居る場所────かつての自分が捕らえられていた場所に辿り着いた。
「……」
メイリン男爵令嬢は、ぼんやりと寝台に腰掛けていた。
そして、私達の姿を見かけると、ちょっと驚いたような顔を見せ、すぐに眉間に皺を寄せた。
「……殿下が来るとは聞いていましたけど、まさかフィオーラ様までいらっしゃるなんて驚きました」
「…………」
そう口にするメイリン男爵令嬢は、どこまでも挑発的な目だった。
見た目は可愛らしいのに、中身は全然可愛らしくない。
「無駄口は慎め。メイリン・ヒューロニア。お前の目的は何なんだ」
レインヴァルト様は、余計な会話はしたくないとばかりに直球で問い詰める。
「目的……?」
メイリン男爵令嬢は、心底分からないといった顔で首を傾げている。
「あの3人を手玉に取り、かつフィオーラを陥れようとした目的だ! 嘘だらけの噂を流したのはお前だろう!」
「あぁ、そう言う事ですか」
メイリン男爵令嬢は、ニタリとした笑みを浮かべる。
思わず背筋がゾッとする笑みだった。
「そうですよ。だって、ここが私の知ってる“世界”と違ったんですもの。だから、私はそれを正そうとしただけです。その為に必要だったんです。ロイ様達もお願いしたら快く手伝ってくれましたよ!」
メイリン男爵令嬢はあっさりと嘘を流したのは自分だと認めた。さらに彼らの関与まで。
「お前の知ってる“世界”とは何だ」
「あの3人と殿下も含めた4人の男性に、私が愛される世界です。あ、もちろん、殿下は私を王妃にしてくれるんですよ!」
「「!!」」
それは、レインヴァルト様と私が想像していた通りの世界観だった。
「殿下の心を奪った私の事が憎かったフィオーラ様は、私に嫌がらせやいじめを行った事で処刑されるんです。当然ですよね! 私が王妃になるんですから。邪魔ですもん」
『だって、私の幸せの為に邪魔だったんです。あんな女、生きていてもしょうがないじゃないですか! ずっと殿下の婚約者ってだけで愛されてもいないくせに大きな顔をしていて、とーっても目障りだったんです。だから、この機会に消えてもらっただけですよ! それのどこに問題があるんですか? さぁ、これで邪魔者は消えましたから私達は幸せになりましょうね』
最初の人生で、私の処刑後に、レインヴァルト様がメイリン男爵令嬢を問い詰めた時に言われたという言葉を思い出した。
チラッとレインヴァルト様を横目で見ると、恐らく同じ事を思ったのだろう。
その顔には困惑が現れていた。
「なのに、何故か殿下とフィオーラ様は仲睦まじい様子ですし、私が殿下に近付いても一向に私を愛してくれる様子を見せて下さらない……」
メイリン男爵令嬢は目を伏せ、困った顔をする。
その発言と共にこんな顔をするのだから、彼女は本当に現実が見えてない事が嫌でも伝わってきた。
「当たり前だ! 俺が愛してるのはフィオーラだけだからな!」
「俺……? 殿下どうしちゃったんですか? 性格まで違うじゃないですか」
取り繕っていられず、素の状態で怒鳴ったレインヴァルト様にメイリン男爵令嬢は不思議そうな視線を向ける。
「ほら! それに殿下ったらいつ聞いてもそんな事を言うんですもん。でも、それは間違っていますから。だから、私が殿下に愛される為にはフィオーラ様には消えてもらわなきゃいけないんですよ」
メイリン男爵令嬢は、ニッコリと笑いながら言う。
ただ、それこそが当たり前なのだと言う顔をして。
「……例え、フィオーラが居なくなっても俺がお前を愛する事は絶対に無い!」
「ほらほら~また。もう、どこでおかしくなっちゃったんですか? やっぱり、フィオーラ様が何かしたんですか?」
そう言いながらメイリン男爵令嬢は今度は私に視線を向ける。
「私は何もしていないわ」
「え~? だって、これはもうフィオーラ様が何かしたとしか思えませんよ。どうして、殿下に愛されちゃってるんですか? もう良いですよね? 早く私に殿下を返してください」
その言葉に私は我慢が出来ず、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
「ーーっ! いい加減にしなさいよ! 貴女が一体何のどこのどんな世界を知って見てるのか知らないけど、ここは貴女の思い通りになる世界なんかじゃない! レインヴァルト様も私も他の皆も誰もが自分の意思で生きている世界なのよ! いい加減に目を覚まして現実を見なさい!!」
気付けば私はそう怒鳴っていた。
「……現実? 私はちゃんと現実を見ていますよ?」
「見えてないから言ってるのよ! 貴女は、貴女が知っていて望んでいる世界に私達を無理やり当てはめようとしているだけでしょ!?」
「……? 私は、無理やり当てはめようとなんてしていませんよ」
メイリン男爵令嬢は不思議そうな顔をして首を横に振る。
「してるでしょ!? 殿下を返せって言ってる事が何よりの証拠よ!! レインヴァルト様は貴女のじゃない! 貴女になんて渡さない! 私のよ!! 私と生きるの!!!!」
そこまで叫んだ時、後ろからレインヴァルト様に抱き締められた。
「レ、レインヴァルト様……!?」
「凄い口説き文句だな……お前、俺をどうする気だ?」
「え??」
「無自覚かよ……俺はフィオーラには絶対に勝てる気がしねぇな……」
「何言ってるんです?」
私が言われている事の意味が分からず首を傾げていると、メイリン男爵令嬢がワナワナと震えだして叫んだ。
「な、なんなのよーー何で私の目の前でイチャつくのよ!! こんなの私の知ってる世界じゃ無いじゃないの!!」
「当たり前だ、お前の知ってる世界なんてものは存在しない。お前はフィオーラが1年以内に死ぬ運命だと言ったな? それはお前の知ってる世界の話なんだろう? 仮にそんな世界が本当にあったとしても俺が覆してみせる」
「………………」
メイリン男爵令嬢は黙り込む。
「現実を見ろ。今のお前には何も無い。追って正式にお前には沙汰が下される。学園はもちろん退学。ヒューロニア男爵家からも追放し、平民となって国境外れにある修道院へ送られる。二度と王都への立ち入りは許されない」
「は? 退学? 何よそれ……しかも平民!? 修道院ですって?」
メイリン男爵令嬢が不満そうな顔をする。
彼女は自分が処罰を受ける事は無いとタカをくくっていたのかもしれない。
何故そう思えるのか本当に理解出来ないのだけれど。
(だけど、よりにもよって修道院に……?)
「お前が現実を見ようとしなかった結果だ。今は命があるだけ良かったと思うんだな」
「ロイ様達は!?」
「……アイツらもアイツらで処分が下される。今、全員を事情聴取している所だが、ロイとハリクスは謹慎している。あぁ、ラルゴは教師をクビになった所だったな。ロイ達も退学は免れない。そして、お前との面会は生涯にわたって禁止だ」
「はぁ!? もう会えないという事!?」
メイリン男爵令嬢は、彼らと二度と会えない事には堪えたのかその顔には絶望の色が広がっていた。
「どうしてよ……私は何も間違えてなんかいないのに……」
どうやら、未だに納得がいかず現実が見えていないらしい。
これはどんな処分を受けても彼女は絶対に変わらない……そんな気がした。
(だから、あの修道院に送るのね……)
「ねぇ、フィオーラ様?」
「?」
突然、メイリン男爵令嬢が私の方に目を向けた。
その様子にレインヴァルト様の警戒も強まる。
「貴女はレインヴァルト様の手で処刑されるの。あぁ、でも今はこの可能性は低いのかしら? なら、あの何とかって名前の病気で命を落とすのかしら? それともー……」
「やめろ!!」
レインヴァルト様が怒鳴って黙らせた。
これ以上、私に聞かせない為だろう。
「フィオーラは死なない。俺が絶対に死なせない」
「…………そうですか。それは残念ですね」
それっきりメイリン男爵令嬢も口を噤んだ。
「フィオーラ、戻ろう」
メイリン男爵令嬢は牢の中に入れられても何一つ変わっていなかった。
だから、これ以上ここにいても何にもならないと判断したのか、レインヴァルト様は戻る事に決めたようだった。
私もこれ以上彼女にかける言葉は見つからなかった。
「はい」
私達は、その場を後にした。
振り返る事はしなかったので、メイリン男爵令嬢がどんな顔をして私達を見ていたのかは最後まで分からなかった。
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