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本編
最終日
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「あの、やっぱりこのドレスはおかしくないですか?」
私は運営室の皆さんにされるがまま、着飾らされていた。
髪をアップにして、純白のドレスを着て、これでは結婚式の花嫁さんみたいだ。
「だって、式典の後はすぐパーティーでしょ?ローブの下はドレスじゃないと」
「魔術師団の制服は、黒いローブにその下は何でもいいから白い服と言う決まりなのよ」
「主役の一人なんだから、これぐらい派手に行かないと」
「少女から、一人のレディに。素晴らしいわ」
魔王城近くの村で私が目覚めた後、おじさまとルーファスさんも無事目を覚まし、そのまま数日回復を待ってから私達は王都に戻った。
馬を使っての帰途は一日ちょっとの短い物だったけど、ルーファスさんの愚痴とおじさまの嫌味とオスカーの愛の囁きが入り混じり、混沌としか言い表せない旅路だった。
どこでどうそうなったのか、私達は危機を救った勇者一行と言う事になっていて、片付ける事を片付けたら、凱旋の祝賀会を開く事が決まっていた。
「ニナ君、そろそろ支度は済んだかい?」
ノックの後に入って来たおじさまは、白い礼服を身に纏い、手に黒いローブを持っていた。
私とだいたい同じでほっとした。
「これはこれは、花嫁さんみたいだね」
「そう言う団長は花婿さんみたいですよ。いくら規定とは言え、この格好でいいんでしょうか」
「いっその事、このまま結婚しちゃおうか」
おじさまはそう言うと私の腰を抱き、身体をぐっと引き寄せた。
「花嫁の父にしか見えませんね」
「オスカー」
いつの間に入ってきたのか、オスカーがおじさまを引き剥がした。
「ノックもしないで入ってくるとは、本当にいやらしい男だな」
「外で副団長と会って、入れてもらったんです」
オスカーの隣には手を頬に当て、うっとりと私を見つめる副団長が立っていた。
「ニナ、本当にきれいよ。相手はどうかと思うけど、やっぱり恋は女を美しくするのね」
副団長に褒められて、私は居心地悪く顔を赤らめた。
やはり、褒められる事にはなかなか慣れない。
「本当は牢屋にぶち込んでやりたいところだけど、ニナが許しているなら諦めるしかないわね」
副団長はオスカーを見る事無く、顔をしかめて言った。
「私も許している訳では無いんですけどね」
私はちらりとオスカーを見た。
魔兵科の黒い制服を着ているオスカーは、悔しいぐらいにかっこいい。
王都に戻ってすぐ、オスカーは騎士団に入団した。
私が魔術師団に入った事を知ると、オスカーも魔術師団に入ると言ったけど、おじさまから初歩の初歩も出来ていないくせにおこがましいと一蹴されたのだ。
仕方無くと言った風情で入団した騎士団だけど、聞いた話によると朝も晩も鍛錬に明け暮れているそうだ。
入ったからには手を抜かず、努力を欠かさないのはオスカーらしい。
オスカーは毎日の様に愛を囁き、その度に私の心はぐらぐら揺れたけど、返事は保留のまま今日まで来てしまった。
「ニナ、行こう」
「ちょっと待った」
私へと差し出されたオスカーの手を、おじさまが掴んで払い除けた。
「危機の元凶がエスコート?祝賀会に出して貰えるだけでもありがたく思うんだね」
おじさまはそう言うと私の手を取り歩き出した。
オスカーは苦い顔をして私達を見つめていたけど、何も言わず私達の後に続いた。
王様との謁見を終えて、私は祝賀会の会場の隅で隠れるようにして立っていた。
王様から何やらありがたいお褒めの言葉を頂いた気がするけど、緊張しすぎて覚えていない。
とにかく胃が痛くて逃げ出したかった。
祝賀会の会場に入るとすぐ、いろんな人に囲まれたオスカーとおじさまを残して、私は部屋の隅に逃げ込んだ。
ルーファスさんは「これぐらいの役得がなきゃ割に合わない」と言って、嬉々としてダンスを踊りに行った。
きらびやかな人達を見ていると落ち着かないので、私はきびきびと働く使用人の人達を見て心を落ち着かせていた。
私も地下室で、お皿でも洗っていたい。
「ニナ、こんな所にいたのか」
壁の花どころか、花瓶の花の陰に隠れていた私をオスカーが見つけてしまった。
「オスカーこそ、なんでこんな所に来たの?」
目立つオスカーに隣に立たれて、私はそわそわと落ち着かない。
「ニナがこんな所にいるからだろ」
オスカーはそう言うと、私に手を差し出してきた。
私はその手を取ることなく、じっと見つめた。
「成人の祝いのダンスパーティーで踊れなかったから、代わりに今日踊りたい」
オスカーは真剣な顔で私を見つめた。
「俺と、踊ってくれないか?」
ずるい。
こんなの絶対断れない。
私はおずおずと手を差し出し、オスカーの手に重ねた。
「本当に、私でいいの?」
「ああ、もうニナでしか勃たない」
思わず引っ込めようとした手を掴み、オスカーがホールの中央へ向かった。
「やっぱり、考え直そうかと思うんだけど」
「残念だな。もう離さない」
楽しげに笑うオスカーを見ていると、もういいかなと言う気になってくる。
きっとオスカーに何をされても、最後の最後には許してしまうんだろう。
「じゃあ約束して。あんまり変な事はしないって」
「分かった。少しは我慢する」
少しの我慢で大丈夫なんだろうか。
私が首を捻っていると、オスカーは立ち止まり私に微笑みかけた。
「また、ニナと踊れて嬉しい」
オスカーはそう言うとステップを踏み始めた。
「……私も」
久しぶりのダンスで、しかも他の人もいる所で踊るのは初めてなので、緊張で脂汗が出そうだ。
オスカーは私の性格を知ってか、なるべく目立たない位置で踊ってくれているけど、村のダンスホールとは訳が違う。
それでも、オスカーと一緒に踊れて、私の気持ちは高揚していた。
「本当は、オスカーと踊りたかった」
村でのダンスパーティーの前、私とオスカーは家の中でダンスの練習をしていた。
狭い家なので、すぐにどこかにぶつかっちゃうけど、二人きりの時間はとても楽しかった。
「俺は最後まで、ニナを待っていた」
ダンスパーティーをサボった事は、今でも根に持たれている。
「わわっ。待って」
オスカーは嫌がらせの様にステップを早めて私を振り回した。
「その節は、すみませんでした」
通常のステップに戻り、私は改めて謝った。
「それを言ったら、俺の方が謝らなければいけない事が多い」
「それは、本当に反省して」
オスカーは暫く何も言わずステップを踏むと、私を持ち上げてくるくると回った。
回し終わると立ち止まり、私をきつく抱きしめた。
周りから悲鳴のような、小さなどよめきが起こる。
「本当に、ごめん」
耳元で囁くと、オスカーは再びステップを踏み出した。
「……ビックリした」
ちゃんと音楽に合わせた動きと言うところがオスカーらしい。
何をやらせても上手だ。
「もう、ニナを泣かすような事はしない。俺も、笑っているニナが好きだ」
真剣な表情で見つめられて、私は心を決めた。
「うん、私もオスカーが大好き。ずっと一緒にいて」
私が笑いかけると、オスカーは一瞬驚いた顔をしてから、嬉しそうに笑った。
「ああ、ずっと一緒だ」
そう言うとオスカーはステップを早めて、私達は飛ぶようにホールを移動する。
「待って、早い早い!」
私はついていくのに必死だ。
「好きだ!ニナ!」
こんな上機嫌なオスカーは久しぶりに見た。
旅に出る前は、こんな未来は考えもしなかった。
私が笑って、オスカーも笑う。
子供の頃に戻ったみたいに笑いあって、私達は音楽が鳴り止むまで踊り続けた。
私は運営室の皆さんにされるがまま、着飾らされていた。
髪をアップにして、純白のドレスを着て、これでは結婚式の花嫁さんみたいだ。
「だって、式典の後はすぐパーティーでしょ?ローブの下はドレスじゃないと」
「魔術師団の制服は、黒いローブにその下は何でもいいから白い服と言う決まりなのよ」
「主役の一人なんだから、これぐらい派手に行かないと」
「少女から、一人のレディに。素晴らしいわ」
魔王城近くの村で私が目覚めた後、おじさまとルーファスさんも無事目を覚まし、そのまま数日回復を待ってから私達は王都に戻った。
馬を使っての帰途は一日ちょっとの短い物だったけど、ルーファスさんの愚痴とおじさまの嫌味とオスカーの愛の囁きが入り混じり、混沌としか言い表せない旅路だった。
どこでどうそうなったのか、私達は危機を救った勇者一行と言う事になっていて、片付ける事を片付けたら、凱旋の祝賀会を開く事が決まっていた。
「ニナ君、そろそろ支度は済んだかい?」
ノックの後に入って来たおじさまは、白い礼服を身に纏い、手に黒いローブを持っていた。
私とだいたい同じでほっとした。
「これはこれは、花嫁さんみたいだね」
「そう言う団長は花婿さんみたいですよ。いくら規定とは言え、この格好でいいんでしょうか」
「いっその事、このまま結婚しちゃおうか」
おじさまはそう言うと私の腰を抱き、身体をぐっと引き寄せた。
「花嫁の父にしか見えませんね」
「オスカー」
いつの間に入ってきたのか、オスカーがおじさまを引き剥がした。
「ノックもしないで入ってくるとは、本当にいやらしい男だな」
「外で副団長と会って、入れてもらったんです」
オスカーの隣には手を頬に当て、うっとりと私を見つめる副団長が立っていた。
「ニナ、本当にきれいよ。相手はどうかと思うけど、やっぱり恋は女を美しくするのね」
副団長に褒められて、私は居心地悪く顔を赤らめた。
やはり、褒められる事にはなかなか慣れない。
「本当は牢屋にぶち込んでやりたいところだけど、ニナが許しているなら諦めるしかないわね」
副団長はオスカーを見る事無く、顔をしかめて言った。
「私も許している訳では無いんですけどね」
私はちらりとオスカーを見た。
魔兵科の黒い制服を着ているオスカーは、悔しいぐらいにかっこいい。
王都に戻ってすぐ、オスカーは騎士団に入団した。
私が魔術師団に入った事を知ると、オスカーも魔術師団に入ると言ったけど、おじさまから初歩の初歩も出来ていないくせにおこがましいと一蹴されたのだ。
仕方無くと言った風情で入団した騎士団だけど、聞いた話によると朝も晩も鍛錬に明け暮れているそうだ。
入ったからには手を抜かず、努力を欠かさないのはオスカーらしい。
オスカーは毎日の様に愛を囁き、その度に私の心はぐらぐら揺れたけど、返事は保留のまま今日まで来てしまった。
「ニナ、行こう」
「ちょっと待った」
私へと差し出されたオスカーの手を、おじさまが掴んで払い除けた。
「危機の元凶がエスコート?祝賀会に出して貰えるだけでもありがたく思うんだね」
おじさまはそう言うと私の手を取り歩き出した。
オスカーは苦い顔をして私達を見つめていたけど、何も言わず私達の後に続いた。
王様との謁見を終えて、私は祝賀会の会場の隅で隠れるようにして立っていた。
王様から何やらありがたいお褒めの言葉を頂いた気がするけど、緊張しすぎて覚えていない。
とにかく胃が痛くて逃げ出したかった。
祝賀会の会場に入るとすぐ、いろんな人に囲まれたオスカーとおじさまを残して、私は部屋の隅に逃げ込んだ。
ルーファスさんは「これぐらいの役得がなきゃ割に合わない」と言って、嬉々としてダンスを踊りに行った。
きらびやかな人達を見ていると落ち着かないので、私はきびきびと働く使用人の人達を見て心を落ち着かせていた。
私も地下室で、お皿でも洗っていたい。
「ニナ、こんな所にいたのか」
壁の花どころか、花瓶の花の陰に隠れていた私をオスカーが見つけてしまった。
「オスカーこそ、なんでこんな所に来たの?」
目立つオスカーに隣に立たれて、私はそわそわと落ち着かない。
「ニナがこんな所にいるからだろ」
オスカーはそう言うと、私に手を差し出してきた。
私はその手を取ることなく、じっと見つめた。
「成人の祝いのダンスパーティーで踊れなかったから、代わりに今日踊りたい」
オスカーは真剣な顔で私を見つめた。
「俺と、踊ってくれないか?」
ずるい。
こんなの絶対断れない。
私はおずおずと手を差し出し、オスカーの手に重ねた。
「本当に、私でいいの?」
「ああ、もうニナでしか勃たない」
思わず引っ込めようとした手を掴み、オスカーがホールの中央へ向かった。
「やっぱり、考え直そうかと思うんだけど」
「残念だな。もう離さない」
楽しげに笑うオスカーを見ていると、もういいかなと言う気になってくる。
きっとオスカーに何をされても、最後の最後には許してしまうんだろう。
「じゃあ約束して。あんまり変な事はしないって」
「分かった。少しは我慢する」
少しの我慢で大丈夫なんだろうか。
私が首を捻っていると、オスカーは立ち止まり私に微笑みかけた。
「また、ニナと踊れて嬉しい」
オスカーはそう言うとステップを踏み始めた。
「……私も」
久しぶりのダンスで、しかも他の人もいる所で踊るのは初めてなので、緊張で脂汗が出そうだ。
オスカーは私の性格を知ってか、なるべく目立たない位置で踊ってくれているけど、村のダンスホールとは訳が違う。
それでも、オスカーと一緒に踊れて、私の気持ちは高揚していた。
「本当は、オスカーと踊りたかった」
村でのダンスパーティーの前、私とオスカーは家の中でダンスの練習をしていた。
狭い家なので、すぐにどこかにぶつかっちゃうけど、二人きりの時間はとても楽しかった。
「俺は最後まで、ニナを待っていた」
ダンスパーティーをサボった事は、今でも根に持たれている。
「わわっ。待って」
オスカーは嫌がらせの様にステップを早めて私を振り回した。
「その節は、すみませんでした」
通常のステップに戻り、私は改めて謝った。
「それを言ったら、俺の方が謝らなければいけない事が多い」
「それは、本当に反省して」
オスカーは暫く何も言わずステップを踏むと、私を持ち上げてくるくると回った。
回し終わると立ち止まり、私をきつく抱きしめた。
周りから悲鳴のような、小さなどよめきが起こる。
「本当に、ごめん」
耳元で囁くと、オスカーは再びステップを踏み出した。
「……ビックリした」
ちゃんと音楽に合わせた動きと言うところがオスカーらしい。
何をやらせても上手だ。
「もう、ニナを泣かすような事はしない。俺も、笑っているニナが好きだ」
真剣な表情で見つめられて、私は心を決めた。
「うん、私もオスカーが大好き。ずっと一緒にいて」
私が笑いかけると、オスカーは一瞬驚いた顔をしてから、嬉しそうに笑った。
「ああ、ずっと一緒だ」
そう言うとオスカーはステップを早めて、私達は飛ぶようにホールを移動する。
「待って、早い早い!」
私はついていくのに必死だ。
「好きだ!ニナ!」
こんな上機嫌なオスカーは久しぶりに見た。
旅に出る前は、こんな未来は考えもしなかった。
私が笑って、オスカーも笑う。
子供の頃に戻ったみたいに笑いあって、私達は音楽が鳴り止むまで踊り続けた。
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