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本編
第八夜 ※オスカー視点 ☆
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一人で広い天蓋付きのベッドに横たわり、眠れぬ夜を過ごす。
いつも隣にいたニナは、今はもういない。
前代の勇者の所にいると言う事は、ニナは真実を知ってしまったんだろうか。
いつだって、努力さえすれば何だって出来たし、手に入った。
それなのに、ニナだけはどうしても俺の物にはなってくれなかった。
ニナはアッシュブラウンの髪にヘーゼルの瞳と、目立たない組み合わせながらも、整った顔立ちの可愛い子供だった。
くりくりと大きな瞳で見つめられ、ニッコリと笑いかけられると、いつだって幸せな気持ちになった。
俺の母さんは他所から来た人間で、身体が弱くて俺一人しか子供を産めなかったことから、村の中では冷遇されていたと思う。
隣に住むニナのおばさんも、行商人で他所者だったおじさんと結婚して、中々子供を授からずにいたので同じような境遇だったんだろう。
お互い父親が留守がちと言う事もあり、俺達は一つの家族の様に暮らしていた。
子供の頃、ニナはよく男子に苛められて泣かされていた。
ニナは俺としか遊ばなかったから、ちょっとでも自分の方を向いて欲しかったんだろう。
ブスと言われてカエルを投げつけられたと泣くニナを慰めながら、密かに優越感を感じていた。
ニナに可愛いと言えるのは俺だけだし、言う度に向けられる笑顔は俺だけの物だ。
だから俺は、ニナが苛められるのを本気では止めなかった。
止めようと思えば止められただろうに、俺だけのニナでいて欲しくて何もしなかった。
どうしようもなくニナが好きだと自覚したのは、俺が七歳の時、母さんが死んだ後だ。
葬式で泣く近所の人達を見て、俺の心は冷え冷えとしていた。
皆、俺をかわいそうだと言って泣いていて、母さんの死を悲しんでいないように見えた。
そもそも見舞いにも来ていない人達が、わんわん泣く事にも違和感があった。
俺と父さん、ニナの家族だけが、静かに母さんの死を悼んでいた。
暫くして、ニナと母さんの墓参りに行った時、ニナは蹲って泣いた。
「もう、おばさんには会えないんだね」
大きな目に涙をいっぱい浮かべた顔を向けられて、俺の目からも涙が溢れた。
それまで一度も泣かなかったのに、壊れたかと思うぐらい、涙が止まらなくなった。
「オ、オスカー……」
そんな俺を見てニナも更に泣き、俺達は抱き合っていつまでも泣き続けた。
「ごめんね。オスカーの方が悲しいよね。あの、私に出来る事があったら何だってするよ。だから、ええと……何でも言ってね」
先に泣き止んだニナが、目と鼻を真っ赤にして、困ったような顔で言ってきた。
泣かないでとも、元気になってとも言えず、それでも何か力になろうとしてくれる事が嬉しかった。
不器用で優しいニナ。
俺だけの可愛いニナ。
「じゃあ、ずっと側にいてよ」
抱きしめたままそう言うと、ニナは嬉しそうにうんと言った。
母さんが死んでから、冒険者だった父さんは長期の依頼を受ける事も多くなっていた。
父さんとニナの両親でどのような話し合いがあったかは分からないけど、俺はニナの家で暮らす事になった。
父さんが帰ってきても、夜はニナと一緒に寝ていたぐらいだ。
この頃はただ、ニナと一緒に過ごせるだけで幸せだった。
父さんが死ぬ少し前、俺の家の掃除をしていたニナがふと呟いた。
「結婚したら、この家で暮らすことになるのかな」
それまで、いくら俺が好きだと言ってもはぐらかして聞く耳を持たなかったニナから、そんな言葉が出るとは思っていなくて俺は驚いた。
「オスカーもたまには会いに来てね。知らぬ間に弟か妹が出来てても知らないからね」
「は?」
「え?家族が増えるの、嬉しくなかった?」
ニナが何を言っているのか、全く理解できなかった。
「誰と、誰が結婚するんだ?」
「おじさんと、私だよ」
「なんでそんな話になったんだ」
「ふふふ、この間おじさんが戻った時にお願いしたんだ」
心底嬉しそうに笑うニナを、信じられない気持ちで見つめた。
「……父さんは、何て答えたんだ?」
「当然断られたけど、必死に頼み込んだら、成人しても結婚したい相手が見つからなかったら、結婚してくれるって」
「なんで、ニナは父さんと……結婚したいんだ?」
好きだからに決まってるでしょと言われたら、立ち直れないかもしれない。
「おじさんと結婚したら、オスカーとも家族になれるでしょ」
「は?」
「家族になれば、離れていても心は一緒だよ」
いや、全く意味が分からない。
「家族になりたいなら、俺と結婚すればいいだろ」
まさかこんな形でプロポーズする事になるとは思わなかった。
「それじゃあ、駄目なんだよ」
「何が駄目なんだよ」
「駄目なものは駄目なの。オスカーも王都に行ったら、分かるよ」
ニナは寂しそうに笑うと、掃除を終わらせて家を出ていった。
その夜、隣で眠るニナを見つめて、俺はもやもやとした思いを持て余していた。
ニナはどれだけ好きだと言っても、はぐらかして本気には受け取ってくれない。
本当に父さんと結婚して、更に子供まで作るつもりなんだろうか。
ニナの事だから、子供の作り方も分からず言っているんだろう。
それでも、父さんにニナを取られるかと思うと腸が煮えくり返る思いだった。
ニナは俺の物だ。
誰にも渡さない。
俺は閉じられたニナの唇に、そっと自分の唇を重ねた。
柔らかな感触をもっと味わいたくて、舌先で唇をなぞる。
唇を割って舌を中に入れ、ニナの舌と絡ませる。
いつも頑なに俺を受け入れようとしないのに、あっさりと受け入れられ、貪るようにキスをした。
こんな事をしては駄目だと思い唇を離しても、唇から目が離せない。
見ていればまたしたくなり、唇を重ねれば舌も絡ませたくなった。
「んん……オスカー……」
寝ぼけていたのか、ニナはその大きな目を開けると、俺の名を呼んで幸せそうに笑った。
ニナとの一方的なキスで、下半身を痛いぐらい硬くしていた俺は、たったそれだけの事で出してしまった。
自分でも驚いて、思わずニナに眠りの魔法をかけてしまう。
ため息をついて片付けようと服を脱ぎ、眠るニナを見る。
眠りの魔法は深い眠りに誘うだけで、絶対に目覚めない訳ではない。
それでも、とっさに俺がかけた魔法はニナが考えた術式の方だ。
目覚めようとすると自動で魔法のかけ直しがされるため、長時間では無いとは言え、ほぼ目覚める事は無い。
無意識の内に、部屋に結界を張る。
これで誰も入れないし、音が外に漏れることは無い。
理性も何もかも吹っ飛んで、俺は淡々とニナの服を脱がした。
大きくて柔らかな胸を揉み、硬くなった乳首を摘んで口に含む。
反応が乏しいながらもクリトリスを押しつぶすと、割れ目はしっとりと濡れた。
指を中に挿れると、そのきつさに驚く。
入る気がしないし、流石に痛みで目を覚ますだろう。
それにここまでしておいても、俺自身を挿れるのははばかれた。
俺はひたすらニナの身体を触り、舐め、硬くなった物を身体のあちこちに擦りつけた。
ニナの身体に欲望を放った時感じたのは、罪悪感よりも喜びの方が大きかった。
一度味わってしまったら、もう止めることは出来なかった。
眠りの魔法はかけ過ぎると身体に良くないので、毎日は出来ない。
欲望を持て余した俺は今まで以上に鍛錬に明け暮れた。
いい加減同じ部屋で過ごすのはどうかと思われているのも知っていたから、どす黒い欲望を悟られない様に、あくまでも清廉潔白な好青年を演じた。
ニナの心も欲しかったけど、それと同じぐらいニナの身体を味わいたかった。
強く求めて拒絶される事を恐れて、まともに告白も出来ず、反応の薄い身体で欲望を満たす日々が続いた。
ニナに名前を呼ばれ、求められ、その中に思う存分挿れたい。
欲望だけが膨らんでいった。
全てを終わらせる為に、俺は魔王封印の旅にニナを誘った。
最初はきっぱりと断られたものの、勇者と魔王のお伽噺を話せば、ニナはあっさりと信じてくれた。
別に魔王を演じるつもりは無かった。
好きだと言ってもはぐらかされるなら、はぐらかしようのない状況に持ち込もうとしただけだ。
まさか『あなたは誰?』と言われるとは思わなかった。
俺以外の誰だと言うんだ。
少し腹が立って魔王と答えたら、ニナはそれすらあっさりと信じ込んだ。
全てを終わらせるはずが、意のままに俺を受け入れるニナを貪ることに夢中になってしまった。
何も知らないニナに、一から色々と教えていきたいと思っていのに、意外と知識豊富だったのは予想外だった。
娼婦の友達がいるなんて初耳だ。
偏った知識を植え付けられているようで、最高に気持ちいいながらも、色々と複雑だった。
とろとろに蕩けるニナの反応にすっかりのぼせ上がっていた俺は、勘違いしてしまっていた。
ニナは魔王だから、簡単に身も心も捧げたのだ。
『あなたは誰?』
ニナの言葉が蘇る。
ニナは俺だけは決して受け入れようとはしない。
心を手に入れる事よりも、欲望を優先してきたんだから当然の報いか。
全てを話し、しっかりとニナと向き合おうと思った矢先、俺の前からニナはいなくなった。
「ニナ、会いたい……」
受け取り手のいない言葉は、虚しく暗い部屋の中に消えて行った。
いつも隣にいたニナは、今はもういない。
前代の勇者の所にいると言う事は、ニナは真実を知ってしまったんだろうか。
いつだって、努力さえすれば何だって出来たし、手に入った。
それなのに、ニナだけはどうしても俺の物にはなってくれなかった。
ニナはアッシュブラウンの髪にヘーゼルの瞳と、目立たない組み合わせながらも、整った顔立ちの可愛い子供だった。
くりくりと大きな瞳で見つめられ、ニッコリと笑いかけられると、いつだって幸せな気持ちになった。
俺の母さんは他所から来た人間で、身体が弱くて俺一人しか子供を産めなかったことから、村の中では冷遇されていたと思う。
隣に住むニナのおばさんも、行商人で他所者だったおじさんと結婚して、中々子供を授からずにいたので同じような境遇だったんだろう。
お互い父親が留守がちと言う事もあり、俺達は一つの家族の様に暮らしていた。
子供の頃、ニナはよく男子に苛められて泣かされていた。
ニナは俺としか遊ばなかったから、ちょっとでも自分の方を向いて欲しかったんだろう。
ブスと言われてカエルを投げつけられたと泣くニナを慰めながら、密かに優越感を感じていた。
ニナに可愛いと言えるのは俺だけだし、言う度に向けられる笑顔は俺だけの物だ。
だから俺は、ニナが苛められるのを本気では止めなかった。
止めようと思えば止められただろうに、俺だけのニナでいて欲しくて何もしなかった。
どうしようもなくニナが好きだと自覚したのは、俺が七歳の時、母さんが死んだ後だ。
葬式で泣く近所の人達を見て、俺の心は冷え冷えとしていた。
皆、俺をかわいそうだと言って泣いていて、母さんの死を悲しんでいないように見えた。
そもそも見舞いにも来ていない人達が、わんわん泣く事にも違和感があった。
俺と父さん、ニナの家族だけが、静かに母さんの死を悼んでいた。
暫くして、ニナと母さんの墓参りに行った時、ニナは蹲って泣いた。
「もう、おばさんには会えないんだね」
大きな目に涙をいっぱい浮かべた顔を向けられて、俺の目からも涙が溢れた。
それまで一度も泣かなかったのに、壊れたかと思うぐらい、涙が止まらなくなった。
「オ、オスカー……」
そんな俺を見てニナも更に泣き、俺達は抱き合っていつまでも泣き続けた。
「ごめんね。オスカーの方が悲しいよね。あの、私に出来る事があったら何だってするよ。だから、ええと……何でも言ってね」
先に泣き止んだニナが、目と鼻を真っ赤にして、困ったような顔で言ってきた。
泣かないでとも、元気になってとも言えず、それでも何か力になろうとしてくれる事が嬉しかった。
不器用で優しいニナ。
俺だけの可愛いニナ。
「じゃあ、ずっと側にいてよ」
抱きしめたままそう言うと、ニナは嬉しそうにうんと言った。
母さんが死んでから、冒険者だった父さんは長期の依頼を受ける事も多くなっていた。
父さんとニナの両親でどのような話し合いがあったかは分からないけど、俺はニナの家で暮らす事になった。
父さんが帰ってきても、夜はニナと一緒に寝ていたぐらいだ。
この頃はただ、ニナと一緒に過ごせるだけで幸せだった。
父さんが死ぬ少し前、俺の家の掃除をしていたニナがふと呟いた。
「結婚したら、この家で暮らすことになるのかな」
それまで、いくら俺が好きだと言ってもはぐらかして聞く耳を持たなかったニナから、そんな言葉が出るとは思っていなくて俺は驚いた。
「オスカーもたまには会いに来てね。知らぬ間に弟か妹が出来てても知らないからね」
「は?」
「え?家族が増えるの、嬉しくなかった?」
ニナが何を言っているのか、全く理解できなかった。
「誰と、誰が結婚するんだ?」
「おじさんと、私だよ」
「なんでそんな話になったんだ」
「ふふふ、この間おじさんが戻った時にお願いしたんだ」
心底嬉しそうに笑うニナを、信じられない気持ちで見つめた。
「……父さんは、何て答えたんだ?」
「当然断られたけど、必死に頼み込んだら、成人しても結婚したい相手が見つからなかったら、結婚してくれるって」
「なんで、ニナは父さんと……結婚したいんだ?」
好きだからに決まってるでしょと言われたら、立ち直れないかもしれない。
「おじさんと結婚したら、オスカーとも家族になれるでしょ」
「は?」
「家族になれば、離れていても心は一緒だよ」
いや、全く意味が分からない。
「家族になりたいなら、俺と結婚すればいいだろ」
まさかこんな形でプロポーズする事になるとは思わなかった。
「それじゃあ、駄目なんだよ」
「何が駄目なんだよ」
「駄目なものは駄目なの。オスカーも王都に行ったら、分かるよ」
ニナは寂しそうに笑うと、掃除を終わらせて家を出ていった。
その夜、隣で眠るニナを見つめて、俺はもやもやとした思いを持て余していた。
ニナはどれだけ好きだと言っても、はぐらかして本気には受け取ってくれない。
本当に父さんと結婚して、更に子供まで作るつもりなんだろうか。
ニナの事だから、子供の作り方も分からず言っているんだろう。
それでも、父さんにニナを取られるかと思うと腸が煮えくり返る思いだった。
ニナは俺の物だ。
誰にも渡さない。
俺は閉じられたニナの唇に、そっと自分の唇を重ねた。
柔らかな感触をもっと味わいたくて、舌先で唇をなぞる。
唇を割って舌を中に入れ、ニナの舌と絡ませる。
いつも頑なに俺を受け入れようとしないのに、あっさりと受け入れられ、貪るようにキスをした。
こんな事をしては駄目だと思い唇を離しても、唇から目が離せない。
見ていればまたしたくなり、唇を重ねれば舌も絡ませたくなった。
「んん……オスカー……」
寝ぼけていたのか、ニナはその大きな目を開けると、俺の名を呼んで幸せそうに笑った。
ニナとの一方的なキスで、下半身を痛いぐらい硬くしていた俺は、たったそれだけの事で出してしまった。
自分でも驚いて、思わずニナに眠りの魔法をかけてしまう。
ため息をついて片付けようと服を脱ぎ、眠るニナを見る。
眠りの魔法は深い眠りに誘うだけで、絶対に目覚めない訳ではない。
それでも、とっさに俺がかけた魔法はニナが考えた術式の方だ。
目覚めようとすると自動で魔法のかけ直しがされるため、長時間では無いとは言え、ほぼ目覚める事は無い。
無意識の内に、部屋に結界を張る。
これで誰も入れないし、音が外に漏れることは無い。
理性も何もかも吹っ飛んで、俺は淡々とニナの服を脱がした。
大きくて柔らかな胸を揉み、硬くなった乳首を摘んで口に含む。
反応が乏しいながらもクリトリスを押しつぶすと、割れ目はしっとりと濡れた。
指を中に挿れると、そのきつさに驚く。
入る気がしないし、流石に痛みで目を覚ますだろう。
それにここまでしておいても、俺自身を挿れるのははばかれた。
俺はひたすらニナの身体を触り、舐め、硬くなった物を身体のあちこちに擦りつけた。
ニナの身体に欲望を放った時感じたのは、罪悪感よりも喜びの方が大きかった。
一度味わってしまったら、もう止めることは出来なかった。
眠りの魔法はかけ過ぎると身体に良くないので、毎日は出来ない。
欲望を持て余した俺は今まで以上に鍛錬に明け暮れた。
いい加減同じ部屋で過ごすのはどうかと思われているのも知っていたから、どす黒い欲望を悟られない様に、あくまでも清廉潔白な好青年を演じた。
ニナの心も欲しかったけど、それと同じぐらいニナの身体を味わいたかった。
強く求めて拒絶される事を恐れて、まともに告白も出来ず、反応の薄い身体で欲望を満たす日々が続いた。
ニナに名前を呼ばれ、求められ、その中に思う存分挿れたい。
欲望だけが膨らんでいった。
全てを終わらせる為に、俺は魔王封印の旅にニナを誘った。
最初はきっぱりと断られたものの、勇者と魔王のお伽噺を話せば、ニナはあっさりと信じてくれた。
別に魔王を演じるつもりは無かった。
好きだと言ってもはぐらかされるなら、はぐらかしようのない状況に持ち込もうとしただけだ。
まさか『あなたは誰?』と言われるとは思わなかった。
俺以外の誰だと言うんだ。
少し腹が立って魔王と答えたら、ニナはそれすらあっさりと信じ込んだ。
全てを終わらせるはずが、意のままに俺を受け入れるニナを貪ることに夢中になってしまった。
何も知らないニナに、一から色々と教えていきたいと思っていのに、意外と知識豊富だったのは予想外だった。
娼婦の友達がいるなんて初耳だ。
偏った知識を植え付けられているようで、最高に気持ちいいながらも、色々と複雑だった。
とろとろに蕩けるニナの反応にすっかりのぼせ上がっていた俺は、勘違いしてしまっていた。
ニナは魔王だから、簡単に身も心も捧げたのだ。
『あなたは誰?』
ニナの言葉が蘇る。
ニナは俺だけは決して受け入れようとはしない。
心を手に入れる事よりも、欲望を優先してきたんだから当然の報いか。
全てを話し、しっかりとニナと向き合おうと思った矢先、俺の前からニナはいなくなった。
「ニナ、会いたい……」
受け取り手のいない言葉は、虚しく暗い部屋の中に消えて行った。
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