12 / 37
本編
第六夜
しおりを挟む
「くっ、ニナ……そろそろ、限界……」
「もう少しだけ……」
「うっ……くっ……」
「あと、少し……」
「ホント、もう……無理……」
「すみません。終わりました」
ケニスさんは私の言葉を聞くと、机に突っ伏した。
「だ、大丈夫ですか?」
「ニナは容赦ねえな」
私が以前紙に書き起こして魔術師団に送っていた術式と、おじさまが復元した術式を元に、魔術師団の皆さんがそれぞれ腕輪に書き込んでいく作業が深夜まで続いていた。
当たり前のように腕輪を使っている事に私が驚くと、おじさまは私が通う学校の実情を聞いて「これだから田舎は」と顔をしかめていた。
私は欠けが大きい術式を担当したものの、おじさまから絶望的に遅いと言われ、ケニスさんと組んで作業するように言われた。
「ケニス君は魔力量は多いんだけど、理解の方が追いついて無いんだよね」
おじさまはそう言うと私に魔法をかけた。
術式を紙に書き起こす魔法の応用で、私が思い浮かべた術式は重ねた手を伝ってケニスさんを通り、腕輪に書き込まれていく。
魔力を渡すことは出来なくても、代わりに術式を書き込む事は出来たのかと、思いつかなかった事を悔しく思った。
ケニスさんの手を握り術式の書き込みを始めると、思うままにどんどん術式が書き込まれて行くことに興奮した。
「ケニスさん、凄いですね!」
握る手に力を込めてケニスさんを見ると、ケニスさんも興奮しているのか、赤い顔でこくこくと頷いていた。
「これなら、あっと言う間に終わりますよ」
私は勢いに乗って、どんどん術式を書き込んでいく。
「ちょっ、ニナ、ヤバイ、待って、く……れ……」
ケニスさんは急激な魔力の低下で倒れてしまった。
「普通そんな複雑な術式を、そんな速度では書き込めないんだけど流石だね。でも、もう少しケニス君の事も考えてあげなさい」
おじさまに窘められ、ケニスさんが復活してからは、様子を見ながら慎重に書き込んでいった。
ケニスさんはおじさまに魔力量の多さを褒められるだけあって、深夜まで倒れることなく書き込むことが出来たけど、ずっと顔が赤かったから、無理をしていたのかもしれない。
「悪い、しばらく、休む……」
ケニスさんはフラフラと立ち上がると、部屋の隅に置かれた長椅子に倒れ込んだ。
部屋のあちこちで屍のように横たわる人が増えてきている。
「今日はここまでかな。しっかり休んで魔力を回復させるのも、魔法使いの務めだよ。はい、解散」
おじさまの言葉に、屍たちはゆらゆらと立ち上がり、そのまま部屋を出ていった。
その慣れた様子に、過酷な職場なんだなとおじさまの顔を見ると、ニッコリと微笑んでいた。
「ニナ君は魔力を使ってないんだから、まだ大丈夫だね。どの順番で魔法を発動させるか、構成を決めておこうか」
やはり、過酷な職場だった。
おじさまがそれぞれの進捗を確認する中、私はひたすら構成を練った。
魔術師団の皆さんは流石に優秀で、この調子だと私の魔法よりも良い物になりそうだった。
「ニナ君も、今日はこの辺にしておこうか」
気がつけばおじさまは私の隣に座り、優しげに微笑んでいた。
「すみません。私のせいで皆さんにご迷惑をおかけして」
屍のように横たわる魔術師団の皆さんを思い出して、私は申し訳なさでいっぱいだった。
「ここはいつもこんな風だから気にする事はない。私はむしろお茶会を断る口実が出来て助かったよ」
「お茶会ですか?」
「夜会までの間に大量のお誘いがあってね」
なぜおじさまにお誘いがあるのか分からず、私は首を傾げる。
「これでも前代の勇者だからね。今代の勇者と並ばせたがる人は多いんだよ」
「おじさまが勇者……」
「謁見の場でオスカー君には会ったけど、やっぱり勇者は好きになれなくてね。きっとオスカー君もそう思ったはずさ。同席なんて御免被りたい」
おじさまは心底嫌そうな顔をした。
オスカーが人に嫌われるなんて珍しい。
「オスカー君を嫌う理由が分からないかい?」
おじさまは憐れむような顔で聞いてきた。
「勇者はね、根本的な性質は皆同じなんだよ。同族嫌悪ってやつだね。特にオスカー君は前々代の勇者にそっくりで反吐が出る」
おじさまはそこまで言うと、私の反応をうかがうように少し間を置いた。
「あれは外面がいいだけの、ただの変態だよ」
一体、おじさまは誰の事を言っているんだろう。
「その顔を見ると、やっぱりニナ君も騙されちゃってるんだねえ。まあ、その程度の仲って事かな」
「オスカーはそんな人間じゃありません。いい加減な事を言わないでください」
私はオスカーの事は、家族だと思っている。
その程度と言われて腹が立った。
「人は見たいものしか見えないものだからね。まだ手を出されて無いならいいけど、そのつもりが無いなら彼には気を付けた方がいいよ」
余りに的外れな言葉に何も言えず、私は不快感もあらわにただ首を振る。
そんな私の様子を見て、おじさまは目を細めて笑った。
「オスカー君が何を考えているか教えてあげようか。……そうだな、虚像しか見ようとしないニナには、身体に教え込みたくなるよね。身体中舐め回して、あらゆる所に擦りつけながら、ニナのイイ所を探したい。我を失ったニナにひたすら名前を呼ばせて、求めさせるのもいいね。ああ、自分の前で自慰をさせて、それを見ながら扱いたら気持ちいいだろうな」
恍惚の表情で見つめられて、私は固まる。
「ちなみに、私はオスカー君と違って、隠さない変態だから」
固まったままの私の肩をポンと叩いて、おじさまはドアの方に向かった。
「今日はもう休みなさい。仮眠室を使うといい。それじゃあ、お休み」
おじさまは私に混乱を残したまま、去って行った。
私は仮眠室のベットに横たわり、眠れぬ夜を過ごしていた。
おじさまが変態なのは、この際どうでもいい。
オスカーが考えている事として言った言葉が、頭をぐるぐる回って離れなかった。
『ニナに自慰を教え込んで、目の前で乱れる姿を見ながら、扱きたい』
そう言ったのは魔王だったけど、おじさまの言葉と一致している。
やたらとオスカーの名前を呼ばせたがっていたのも一緒だ。
今夜全て話すと言っていたオスカーは、何を話そうとしていたんだろう。
『ニナ』
優しく微笑みながら、私を呼ぶオスカーを思い出す。
オスカーはいつだって優しく、私を守ってくれていた。
子供の頃、男の子達に枯れ葉みたいな汚い髪だと笑われて落ち葉を被せられた時も、ニナはキレイだと慰めてくれた。
最近だって、落ちこぼれがいつまでも学校に行っていても無駄だと言われる度に、ニナは凄いんだと反論してくれていた。
そんなオスカーに、私がしてあげられる事なんて何も無くて、だからこそ、オスカーが笑顔でいてくれるなら私は何だってしようと思っていた。
おじさまが言うように私の知るオスカーは、本当のオスカーとは違うんだろうか。
オスカーは今、何をして何を思っているんだろうか。
答えが出ない問題を考えるのは性に合わない。
私は無理矢理思考を止めて、目を閉じて眠るように努めた。
「もう少しだけ……」
「うっ……くっ……」
「あと、少し……」
「ホント、もう……無理……」
「すみません。終わりました」
ケニスさんは私の言葉を聞くと、机に突っ伏した。
「だ、大丈夫ですか?」
「ニナは容赦ねえな」
私が以前紙に書き起こして魔術師団に送っていた術式と、おじさまが復元した術式を元に、魔術師団の皆さんがそれぞれ腕輪に書き込んでいく作業が深夜まで続いていた。
当たり前のように腕輪を使っている事に私が驚くと、おじさまは私が通う学校の実情を聞いて「これだから田舎は」と顔をしかめていた。
私は欠けが大きい術式を担当したものの、おじさまから絶望的に遅いと言われ、ケニスさんと組んで作業するように言われた。
「ケニス君は魔力量は多いんだけど、理解の方が追いついて無いんだよね」
おじさまはそう言うと私に魔法をかけた。
術式を紙に書き起こす魔法の応用で、私が思い浮かべた術式は重ねた手を伝ってケニスさんを通り、腕輪に書き込まれていく。
魔力を渡すことは出来なくても、代わりに術式を書き込む事は出来たのかと、思いつかなかった事を悔しく思った。
ケニスさんの手を握り術式の書き込みを始めると、思うままにどんどん術式が書き込まれて行くことに興奮した。
「ケニスさん、凄いですね!」
握る手に力を込めてケニスさんを見ると、ケニスさんも興奮しているのか、赤い顔でこくこくと頷いていた。
「これなら、あっと言う間に終わりますよ」
私は勢いに乗って、どんどん術式を書き込んでいく。
「ちょっ、ニナ、ヤバイ、待って、く……れ……」
ケニスさんは急激な魔力の低下で倒れてしまった。
「普通そんな複雑な術式を、そんな速度では書き込めないんだけど流石だね。でも、もう少しケニス君の事も考えてあげなさい」
おじさまに窘められ、ケニスさんが復活してからは、様子を見ながら慎重に書き込んでいった。
ケニスさんはおじさまに魔力量の多さを褒められるだけあって、深夜まで倒れることなく書き込むことが出来たけど、ずっと顔が赤かったから、無理をしていたのかもしれない。
「悪い、しばらく、休む……」
ケニスさんはフラフラと立ち上がると、部屋の隅に置かれた長椅子に倒れ込んだ。
部屋のあちこちで屍のように横たわる人が増えてきている。
「今日はここまでかな。しっかり休んで魔力を回復させるのも、魔法使いの務めだよ。はい、解散」
おじさまの言葉に、屍たちはゆらゆらと立ち上がり、そのまま部屋を出ていった。
その慣れた様子に、過酷な職場なんだなとおじさまの顔を見ると、ニッコリと微笑んでいた。
「ニナ君は魔力を使ってないんだから、まだ大丈夫だね。どの順番で魔法を発動させるか、構成を決めておこうか」
やはり、過酷な職場だった。
おじさまがそれぞれの進捗を確認する中、私はひたすら構成を練った。
魔術師団の皆さんは流石に優秀で、この調子だと私の魔法よりも良い物になりそうだった。
「ニナ君も、今日はこの辺にしておこうか」
気がつけばおじさまは私の隣に座り、優しげに微笑んでいた。
「すみません。私のせいで皆さんにご迷惑をおかけして」
屍のように横たわる魔術師団の皆さんを思い出して、私は申し訳なさでいっぱいだった。
「ここはいつもこんな風だから気にする事はない。私はむしろお茶会を断る口実が出来て助かったよ」
「お茶会ですか?」
「夜会までの間に大量のお誘いがあってね」
なぜおじさまにお誘いがあるのか分からず、私は首を傾げる。
「これでも前代の勇者だからね。今代の勇者と並ばせたがる人は多いんだよ」
「おじさまが勇者……」
「謁見の場でオスカー君には会ったけど、やっぱり勇者は好きになれなくてね。きっとオスカー君もそう思ったはずさ。同席なんて御免被りたい」
おじさまは心底嫌そうな顔をした。
オスカーが人に嫌われるなんて珍しい。
「オスカー君を嫌う理由が分からないかい?」
おじさまは憐れむような顔で聞いてきた。
「勇者はね、根本的な性質は皆同じなんだよ。同族嫌悪ってやつだね。特にオスカー君は前々代の勇者にそっくりで反吐が出る」
おじさまはそこまで言うと、私の反応をうかがうように少し間を置いた。
「あれは外面がいいだけの、ただの変態だよ」
一体、おじさまは誰の事を言っているんだろう。
「その顔を見ると、やっぱりニナ君も騙されちゃってるんだねえ。まあ、その程度の仲って事かな」
「オスカーはそんな人間じゃありません。いい加減な事を言わないでください」
私はオスカーの事は、家族だと思っている。
その程度と言われて腹が立った。
「人は見たいものしか見えないものだからね。まだ手を出されて無いならいいけど、そのつもりが無いなら彼には気を付けた方がいいよ」
余りに的外れな言葉に何も言えず、私は不快感もあらわにただ首を振る。
そんな私の様子を見て、おじさまは目を細めて笑った。
「オスカー君が何を考えているか教えてあげようか。……そうだな、虚像しか見ようとしないニナには、身体に教え込みたくなるよね。身体中舐め回して、あらゆる所に擦りつけながら、ニナのイイ所を探したい。我を失ったニナにひたすら名前を呼ばせて、求めさせるのもいいね。ああ、自分の前で自慰をさせて、それを見ながら扱いたら気持ちいいだろうな」
恍惚の表情で見つめられて、私は固まる。
「ちなみに、私はオスカー君と違って、隠さない変態だから」
固まったままの私の肩をポンと叩いて、おじさまはドアの方に向かった。
「今日はもう休みなさい。仮眠室を使うといい。それじゃあ、お休み」
おじさまは私に混乱を残したまま、去って行った。
私は仮眠室のベットに横たわり、眠れぬ夜を過ごしていた。
おじさまが変態なのは、この際どうでもいい。
オスカーが考えている事として言った言葉が、頭をぐるぐる回って離れなかった。
『ニナに自慰を教え込んで、目の前で乱れる姿を見ながら、扱きたい』
そう言ったのは魔王だったけど、おじさまの言葉と一致している。
やたらとオスカーの名前を呼ばせたがっていたのも一緒だ。
今夜全て話すと言っていたオスカーは、何を話そうとしていたんだろう。
『ニナ』
優しく微笑みながら、私を呼ぶオスカーを思い出す。
オスカーはいつだって優しく、私を守ってくれていた。
子供の頃、男の子達に枯れ葉みたいな汚い髪だと笑われて落ち葉を被せられた時も、ニナはキレイだと慰めてくれた。
最近だって、落ちこぼれがいつまでも学校に行っていても無駄だと言われる度に、ニナは凄いんだと反論してくれていた。
そんなオスカーに、私がしてあげられる事なんて何も無くて、だからこそ、オスカーが笑顔でいてくれるなら私は何だってしようと思っていた。
おじさまが言うように私の知るオスカーは、本当のオスカーとは違うんだろうか。
オスカーは今、何をして何を思っているんだろうか。
答えが出ない問題を考えるのは性に合わない。
私は無理矢理思考を止めて、目を閉じて眠るように努めた。
10
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる