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第四話
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初めての相手は、大学のサークルの先輩だった。
それまで彼氏なんて出来た事がなくて、私は舞い上がってしまったんだろう。
請われるままに身体を許し、求められる度に応じてしまった。
デートはいつも一人暮らしの先輩の家で、何をする訳でもなく、ただ身体を重ねていた。
おかしいなと思いだした頃、見知らぬ女性が私を訪ねてきた。
「人の彼氏を寝取ろうとするなんて、最低」
投げつけられた言葉の意味が分からず、私は何も言い返せなかった。
恋人だと思っていたのは私だけで、先輩にとって私は、ただの浮気相手だった。
その後の大学生活は、先輩の彼女に色々と言いふらされて、身体目当ての人に言い寄られたりと、ろくな事が無かった。
男の人を信じられないで、恋すら出来ないまま五年が経ち、私は23歳になっていた。
会社と一人暮らしの小さなアパートを往復するだけの毎日。
友人からは、いつまでも昔を引きずっていたらもったいないと言われていたけど、もう人を好きになる事すら怖くなっていた。
好きになったら簡単にのぼせて、いいようにあしらわれてしまうんじゃないかと不安だった。
そんな私の前に現れた、見知らぬ人。
やはり私は安い女だったんだろう。
あっと言う間に好きになって、そして裏切られた。
好きだと言ったのに。
会いたかったと言ったのに。
責任は取るって言ったのに。
何にも大丈夫なんかじゃ無かった。
生理が来た時、ほっとしたと同時に、あの人とのつながりはもう何も無いんだと、無性に悲しかった。
合コンに誘われた時、恋人はいるか聞かれた時、会社の人に告白された時。
無意識の内に釣り目がちの顔を思い出してしまう。
口の端を片方だけ上げた笑顔を思い出してしまう。
その度私は、11桁の数字をタップした。
事務的なアナウンスが、私の気持ちを消してくれる事を期待して。
一年が経ち、もう電話を掛ける事もほとんど無くなった。
私は思い切って、携帯の番号を変えた。
もう電話が鳴る事を待ってはいなかったけど、鳴らないと言う事実に耐えられなくなったのだ。
鳴らない電話を見る度に、拒絶されている様に感じたし、裏切られている様に感じた。
番号を変えてしまえば、鳴らないのでは無く、鳴らせない。
これで、あの人とのつながりがまた一つ消えた。
それからまた一年近く経った頃、私はある男性を紹介され、告白もされていた。
私を心配した友人が、信頼出来る人だからと強く勧めてきた人だった。
忘れられない人がいるからと一度は断ったけど、忘れられるまでは友達でいいからと言われて、何度か一緒に遊んだ。
その人の切れ長の瞳を見る度、大きな釣り目を思い出した。
その人が両方の口角をきれいに上げて笑う度、片端だけ上げて笑う笑顔を思い出した。
その人からの電話が掛かってくる度、忘れられない11桁の数字を思い出した。
もう、二度と会う事の無い人なのに、いつまで私は囚われ続けるんだろう。
いっそ、抱かれてしまえば忘れられるだろうか。
恋人でも無い人としか、した事が無いのだから、大事にする様な身体でもない。
何しろ私は安い女なのだ。
きっと抱かれたら簡単に好きになって、あの人の事も忘れてしまうだろう。
私はスマホを持ち、電話画面をじっと見つめた。
連絡先を開いて、選ぶだけ。それだけなのに、自分からデートに誘う事を思うと、なかなか通話マークをタップ出来なかった。
暫くの逡巡の後、私はどうしても忘れられなかった11桁の数字をタップした。
これが最後。いつものアナウンスを聞いたら、今度こそ本当に、お終いにするのだ。
「え?」
コール音が聞こえて、私の心臓がドクリと跳ねた。
これは、誰につながるんだろう。
「もしもし?」
コール音が三回鳴った後で聞こえてきた声に、私は固まる。
「……チサなのか?」
私は飛び上がりそうになって、電話を切ってしまった。
なんで、なんで今更、丈さんが出るんだろう。
訳が分からず呆然としていると、スマホが鳴った。
私が掛けた、11桁の数字が表示されている。
「なんで……」
鳴り続けるスマホをどうしていいか分からずオロオロしていると、着信が途絶え、少ししてからメールが届いた。
『チサ、会いたい。話がしたい。電話に出て欲しい 加藤 丈』
ニ年近くも拒絶されたのに、丈さんとつながった事を、どうしようもなく嬉しく思ってしまう。
再び鳴った着信を、私は躊躇いながらも受けてしまった。
「チサ?」
「……はい」
「良かった。電話はつながらないし、掛かって来ないし、もうフラれたのかと思った」
「……それは、こっちのセリフです」
「でも、チサの携帯の番号が違う。これでは俺からは掛けられない」
流石に、ちょっと腹がたった。
私が携帯を変えたのは、丈さんと最後に会ってから一年後ぐらいだ。
少なくとも一年間は電話を掛けようとしなかったくせに、何を今更。
「二年も経てば、番号が変わる事もあります」
「二年?何の事だ?最後に会ったのは五ヶ月前だろ?」
「丈さんこそ、何を言ってるんですか?アレはもう、二年近く前の話です」
「おかしい、話が噛み合っていない」
丈さんは何か考えるように暫く黙り込んだ。
「チサは、明日は休みか?」
「え?はい。土日休みの仕事なので」
「俺もだ。なら、チサがどこにいても会いに行く。チサは、今どこにいるんだ?」
丈さんは意気込んで聞いてきたけど、いざ場所を告げると、丈さんと私は最寄り駅が同じだった。
ずっと、すぐ近くに丈さんはいた。
「チサ?」
もう夜も遅かったけど、徒歩で行ける距離だったので、私達は駅で待ち合わせをした。
まだ終電までには時間があるから、それなりに人の行き来はある。
「髪が、長い……」
「二年も経てば、髪も伸びます」
驚く丈さんに、私は過ぎた時間の長さを強調する。
「二年?」
丈さんは不思議そうに私を眺める。
服を来て会うのは初めてだから、何だか無性に恥ずかしい。
急いでメイクをして、それなりの格好をしてきたつもりだけど、変じゃ無いだろうか。
丈さんは、ジーンズにカットソーとジャケットを合わせて、きれいに着こなしていた。
かっこいいなと見とれてしまった。
「チサと最後に会ったのは、今年の一月だろ?」
「一昨年の、七月です」
「そんな馬鹿な」
「五ヶ月じゃ、こんなにも髪は伸びないでしょう?」
肩までのショートボブだった髪型は、緩くパーマをあてたロングヘアーに変わっていた。
「一昨年……待てよ、俺は去年の夏、携帯の番号を変えている。それより前は違う番号だ」
「ずっと、使われていませんって、アナウンスが流れていました」
「チサが番号を変えたのは?」
「私も、去年の夏頃ですね」
「俺に教えたのは、変える前の番号なんだな?」
「だって、その時はまだ変えていなかったから」
丈さんは暫く考え込むと、頭をワシャワシャとかいた。
「ダメだ、紙とペンがいる」
私は、じっと丈さんを見つめていた。
釣り目がちの顔、骨太でがっしりした身体。
私の視線に気付くと、丈さんは片方の口の端だけ上げて笑った。
どうしよう。やっぱり、好きだ。
気付けば私の瞳からは勝手に涙が溢れて、それを見た丈さんが慌てていた。
「チサ……」
丈さんはためらいがちに、そっと私を抱きしめた。
「二年か、長いな。その、待っていてくれたのか?」
丈さんの言葉に私は首を横に振る。
「忘れられなかった、だけです」
「……すまない。でも、忘れないでいてくれて、ありがとう」
きつく抱きしめられて、低くて心地良い声で囁かれた言葉に、私は思い切り泣いた。
「すみ、ません……あの、涙が、止まらなくて……一度、家に帰ります」
どうしても涙が止まらなくて、このままだと丈さんの服が酷い事になってしまう。
ついでに私の顔はきっともう、酷い事になっている。
「泣いている好きな子を、一人にさせられる訳ないだろ?家に帰るなら、俺も付いていく」
「駄目です。慌てて出てきたから、散らかってます」
どの服を着ていくか迷って、色々出しっぱなしにして来てしまった。
「なら、俺の部屋に来たらいい」
丈さんの優しい声に、私は素直に頷いた。
それまで彼氏なんて出来た事がなくて、私は舞い上がってしまったんだろう。
請われるままに身体を許し、求められる度に応じてしまった。
デートはいつも一人暮らしの先輩の家で、何をする訳でもなく、ただ身体を重ねていた。
おかしいなと思いだした頃、見知らぬ女性が私を訪ねてきた。
「人の彼氏を寝取ろうとするなんて、最低」
投げつけられた言葉の意味が分からず、私は何も言い返せなかった。
恋人だと思っていたのは私だけで、先輩にとって私は、ただの浮気相手だった。
その後の大学生活は、先輩の彼女に色々と言いふらされて、身体目当ての人に言い寄られたりと、ろくな事が無かった。
男の人を信じられないで、恋すら出来ないまま五年が経ち、私は23歳になっていた。
会社と一人暮らしの小さなアパートを往復するだけの毎日。
友人からは、いつまでも昔を引きずっていたらもったいないと言われていたけど、もう人を好きになる事すら怖くなっていた。
好きになったら簡単にのぼせて、いいようにあしらわれてしまうんじゃないかと不安だった。
そんな私の前に現れた、見知らぬ人。
やはり私は安い女だったんだろう。
あっと言う間に好きになって、そして裏切られた。
好きだと言ったのに。
会いたかったと言ったのに。
責任は取るって言ったのに。
何にも大丈夫なんかじゃ無かった。
生理が来た時、ほっとしたと同時に、あの人とのつながりはもう何も無いんだと、無性に悲しかった。
合コンに誘われた時、恋人はいるか聞かれた時、会社の人に告白された時。
無意識の内に釣り目がちの顔を思い出してしまう。
口の端を片方だけ上げた笑顔を思い出してしまう。
その度私は、11桁の数字をタップした。
事務的なアナウンスが、私の気持ちを消してくれる事を期待して。
一年が経ち、もう電話を掛ける事もほとんど無くなった。
私は思い切って、携帯の番号を変えた。
もう電話が鳴る事を待ってはいなかったけど、鳴らないと言う事実に耐えられなくなったのだ。
鳴らない電話を見る度に、拒絶されている様に感じたし、裏切られている様に感じた。
番号を変えてしまえば、鳴らないのでは無く、鳴らせない。
これで、あの人とのつながりがまた一つ消えた。
それからまた一年近く経った頃、私はある男性を紹介され、告白もされていた。
私を心配した友人が、信頼出来る人だからと強く勧めてきた人だった。
忘れられない人がいるからと一度は断ったけど、忘れられるまでは友達でいいからと言われて、何度か一緒に遊んだ。
その人の切れ長の瞳を見る度、大きな釣り目を思い出した。
その人が両方の口角をきれいに上げて笑う度、片端だけ上げて笑う笑顔を思い出した。
その人からの電話が掛かってくる度、忘れられない11桁の数字を思い出した。
もう、二度と会う事の無い人なのに、いつまで私は囚われ続けるんだろう。
いっそ、抱かれてしまえば忘れられるだろうか。
恋人でも無い人としか、した事が無いのだから、大事にする様な身体でもない。
何しろ私は安い女なのだ。
きっと抱かれたら簡単に好きになって、あの人の事も忘れてしまうだろう。
私はスマホを持ち、電話画面をじっと見つめた。
連絡先を開いて、選ぶだけ。それだけなのに、自分からデートに誘う事を思うと、なかなか通話マークをタップ出来なかった。
暫くの逡巡の後、私はどうしても忘れられなかった11桁の数字をタップした。
これが最後。いつものアナウンスを聞いたら、今度こそ本当に、お終いにするのだ。
「え?」
コール音が聞こえて、私の心臓がドクリと跳ねた。
これは、誰につながるんだろう。
「もしもし?」
コール音が三回鳴った後で聞こえてきた声に、私は固まる。
「……チサなのか?」
私は飛び上がりそうになって、電話を切ってしまった。
なんで、なんで今更、丈さんが出るんだろう。
訳が分からず呆然としていると、スマホが鳴った。
私が掛けた、11桁の数字が表示されている。
「なんで……」
鳴り続けるスマホをどうしていいか分からずオロオロしていると、着信が途絶え、少ししてからメールが届いた。
『チサ、会いたい。話がしたい。電話に出て欲しい 加藤 丈』
ニ年近くも拒絶されたのに、丈さんとつながった事を、どうしようもなく嬉しく思ってしまう。
再び鳴った着信を、私は躊躇いながらも受けてしまった。
「チサ?」
「……はい」
「良かった。電話はつながらないし、掛かって来ないし、もうフラれたのかと思った」
「……それは、こっちのセリフです」
「でも、チサの携帯の番号が違う。これでは俺からは掛けられない」
流石に、ちょっと腹がたった。
私が携帯を変えたのは、丈さんと最後に会ってから一年後ぐらいだ。
少なくとも一年間は電話を掛けようとしなかったくせに、何を今更。
「二年も経てば、番号が変わる事もあります」
「二年?何の事だ?最後に会ったのは五ヶ月前だろ?」
「丈さんこそ、何を言ってるんですか?アレはもう、二年近く前の話です」
「おかしい、話が噛み合っていない」
丈さんは何か考えるように暫く黙り込んだ。
「チサは、明日は休みか?」
「え?はい。土日休みの仕事なので」
「俺もだ。なら、チサがどこにいても会いに行く。チサは、今どこにいるんだ?」
丈さんは意気込んで聞いてきたけど、いざ場所を告げると、丈さんと私は最寄り駅が同じだった。
ずっと、すぐ近くに丈さんはいた。
「チサ?」
もう夜も遅かったけど、徒歩で行ける距離だったので、私達は駅で待ち合わせをした。
まだ終電までには時間があるから、それなりに人の行き来はある。
「髪が、長い……」
「二年も経てば、髪も伸びます」
驚く丈さんに、私は過ぎた時間の長さを強調する。
「二年?」
丈さんは不思議そうに私を眺める。
服を来て会うのは初めてだから、何だか無性に恥ずかしい。
急いでメイクをして、それなりの格好をしてきたつもりだけど、変じゃ無いだろうか。
丈さんは、ジーンズにカットソーとジャケットを合わせて、きれいに着こなしていた。
かっこいいなと見とれてしまった。
「チサと最後に会ったのは、今年の一月だろ?」
「一昨年の、七月です」
「そんな馬鹿な」
「五ヶ月じゃ、こんなにも髪は伸びないでしょう?」
肩までのショートボブだった髪型は、緩くパーマをあてたロングヘアーに変わっていた。
「一昨年……待てよ、俺は去年の夏、携帯の番号を変えている。それより前は違う番号だ」
「ずっと、使われていませんって、アナウンスが流れていました」
「チサが番号を変えたのは?」
「私も、去年の夏頃ですね」
「俺に教えたのは、変える前の番号なんだな?」
「だって、その時はまだ変えていなかったから」
丈さんは暫く考え込むと、頭をワシャワシャとかいた。
「ダメだ、紙とペンがいる」
私は、じっと丈さんを見つめていた。
釣り目がちの顔、骨太でがっしりした身体。
私の視線に気付くと、丈さんは片方の口の端だけ上げて笑った。
どうしよう。やっぱり、好きだ。
気付けば私の瞳からは勝手に涙が溢れて、それを見た丈さんが慌てていた。
「チサ……」
丈さんはためらいがちに、そっと私を抱きしめた。
「二年か、長いな。その、待っていてくれたのか?」
丈さんの言葉に私は首を横に振る。
「忘れられなかった、だけです」
「……すまない。でも、忘れないでいてくれて、ありがとう」
きつく抱きしめられて、低くて心地良い声で囁かれた言葉に、私は思い切り泣いた。
「すみ、ません……あの、涙が、止まらなくて……一度、家に帰ります」
どうしても涙が止まらなくて、このままだと丈さんの服が酷い事になってしまう。
ついでに私の顔はきっともう、酷い事になっている。
「泣いている好きな子を、一人にさせられる訳ないだろ?家に帰るなら、俺も付いていく」
「駄目です。慌てて出てきたから、散らかってます」
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