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第一章 シマシマな日常
バシッ
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実験室で半ば戦力外通告を受けてしまったローブの二人組は、魔王城の廊下をトボトボと歩いていた。
「……なんかさ、上手くいかないもんだよね」
みりん風調味料のビンを抱えた黒ローブが、ポツリと言葉をこぼした。
「……ああ、そうだな」
黒ローブの言葉に、灰色ローブが短く相槌を打つ。
「魔界で重用されないのは、魔王や周りの人が僕らのことをちゃんと評価してないからだ、って思ってたのにね」
「実際は、単純に実力が足りなかっただけだったとはな」
「それに、技術や知識も元の世界とかなり共有してるみたいだし」
「……そうだな」
二人組は、そこで同時に深いため息を吐いた。
「元の世界でも、報われないのは全部周りのせい、って思ったけど、ひょっとしたら違ったのかな……?」
「……どうだろうな」
灰色ローブはそう言うと、目深に被ったフードの下で目を伏せた。
「こっちに来たばかりのころは、元の世界に対する憤りも強かったが……今思えば、上手くやる方法はいくらでもあったのかもしれないな」
「そういうものなのかな……」
灰色ローブの言葉に、黒ローブは曖昧な言葉を返した。
そんな会話をしているうちに、二人組はキッチンの扉の前まで辿り着いた。灰色ローブが扉を開くと、中ではシーマ十四世一行が、楽しそうに作業をしていた。
「はつ江! お刺身の切り方はこんな感じでいいのか!?」
「どれどれ……うんうん、バッチリだぁよ、シマちゃん」
「おばあちゃん! ニンジンの切り方はこれでいい!?」
「うんうん、ゑねとちゃんも上手だねぇ」
「はつ江さん、キュウリの処理が完了しました。レディも、薬味のシソを刻み終わったそうです」
「あれまぁよ! マロちゃんもバスちゃんも手際がいいねぇ! とても、助かるだぁよ!」
二人組はしばしの間、シーマたちのなごやかなやり取りを眺めていた。すると、はつ江が二人組に気づき、ニッコリと微笑んだ。
「頭巾ちゃんたち、お疲れ様。ヤギさんのお手伝いは終わったのかい?」
はつ江に声をかけられ、二人組はハッとした表情を浮かべた。
「あ、う、うん! だから、魔王から、このみりん風調味料を届けてほしいって言われたんだ!」
「あー、あと……魔王から、こちらの作業を手伝うようにと言いつけられた」
「あれまぁよ! それは、助かるねぇ! そんなら、さっそく手伝ってほしいことがあるだぁよ!」
ごまかし気味に返事をする二人に、はつ江は笑顔で手招きをした。すると、二人組はおずおずと、キッチンへと足を進めた。
まさに、そのとき!
バステトが突然耳を後ろに反らし、尻尾の毛を逆立てながら、二人組に近づいた。
「レディ!? 急にどうしたのですか!?」
制止しようと手を握ったマロを気にすることなく、バステトは二人組の元にズンズン進んでいく。
二人組は、怒りに満ちたバステトの表情を見て、ビクッと肩を震わせた。バステトは二人組の前で足を止めると、鋭い目付きで睨みつけた。
「な、何かな? 猫ちゃん」
黒ローブが怯えながら問いかけると、バステトはパクパクと口を動かした。ローブの二人組が首をかしげていると、マロが耳をペタッと伏せて、尻尾を垂らした。
「え、えーと、僕、読唇術の心得があるので、レディが何を言っているか分かるのですが……今回の件で、レディはあなたたちが音楽祭を邪魔しようとしたことと、ウェネトさんをそそのかしたことに対して、とても立腹しているそうです」
マロが説明すると、ローブの二人組は気まずそうな表情を浮かべた。
「うん、怒るのも当然だよね……リーダーたちの言いつけだったとはいえ、ごめんね」
「……すまなかった」
二人がおずおずと謝ると、バステトは反らしていた耳を元に戻し、俯きながら深いため息を吐いた。それから、二人に顔を向けて、再びパクパクと口を動かした。すると、マロが耳を伏せたままコクコクと頷いた。
「え、えーとですね……素直に謝ってくださったことと、トビズイッカンムカデからウェネトさんをかばおうとしてくれたことに免じて……平手打ち一発ずつで許すと、言っています」
マロが説明すると、はつ江が困惑した表情を浮かべた。
「バスちゃんや、人をぶったりしたら、ダメだぁよ」
はつ江がそう言うと、ローブの二人組は同時に首を横に振った。
「いいんだよ、おばあちゃん。僕たちが悪いことをしてたのは事実なんだし」
「ああ。それに、ビンタ一発くらいで済むなら、安いものだ」
ローブの二人組がそう言うと、バステトは口の端をニッと吊り上げて笑みを浮かべた。すると、マロが耳を伏せたまま、深いため息を吐いた。
「お二人がそう言うなら、僕はもう止めませんよ……では、レディの手が届くように屈んでください」
「分かったよ!」
「ああ」
呆れ気味のマロの言葉に、ローブの二人組は素直に返事をした。すると、バステトがまずは、黒ローブを見つめた。それから、右手を振り上げ、黒ローブの左頬に向かって勢いよく振り下ろした。
キッチンには、バシッという重い打撃音が響く。
そして……
「いっ……」
黒ローブは短い悲鳴を上げながら、みりん風調味料のビンを抱えてうずくまった。その姿を見た灰色ローブは、薄らと冷や汗を浮かべる。
「え……そんなに痛いのか……っうぅ」
そして、油断しているところに、バステトの平手打ちをくらい、黒ローブと同じようにうずくまった。うずくまる二人を眺めながら、バステトは満足そうにフンと鼻を鳴らし、マロは沈痛な面持ちで拝むように両手を合わせた。
説明しよう!
シャム系統の猫ちゃんは筋肉質なので、ビンタをくらうと地味にめちゃくちゃ痛いのだ!
「……すごい威力だな」
刺身を切る手を止めて一部始終を見ていたシーマが、耳を伏せながらポツリと呟いた。すると、ウェネトが得意げな表情を浮かべて、フスフスと鼻を鳴らした。
「そうでしょ! バステトは歌が上手いだけじゃなくて、すっごく強いのよ! 私がオブトカンムリオオサソリに襲われそうになったときに、ビンタでやっつけてくれたことだってあるんだから!」
ウェネトがバステトの武勇伝を語ると、はつ江は、ほうほう、と声を漏らしながら、コクコクと頷いた。
「バスちゃんは強いんだねぇ」
はつ江が感心していると、ローブの二人組がヨロヨロと立ち上がった。
「えーと、猫ちゃんはこれで気が済んだかな?」
頬をおさえながら黒ローブが尋ねると、バステトはコクリと頷いた。
「じゃあ、俺たちも手伝うが……ばあさん、何をすれば良いんだ?」
灰色ローブも頬をさすりながら、はつ江に向かって尋ねた。すると、はつ江はニッコリと笑った。
「それじゃあ、酢飯を作るのを手伝っておくれ」
「え、酢飯?」
黒フードはキョトンとした表情で、はつ江の言葉を問い返した。すると、はつ江はコクリと頷いた。
「そうだぁよ!」
「今日はお客さんが多いからな! 夕飯は皆で楽しめるように、手巻き寿司にするんだ!」
はつ江が答えると、シーマも得意げな表情で続いた。
「へえ、手巻き寿司かー」
「……なんだか、懐かしいな」
二人の言葉を聞いて、黒ローブと灰色ローブは感慨深そうに言葉を漏らした。
そうして、ローブの二人組を加えたシーマ十四世殿下一行は、ワイワイと手巻き寿司の準備を進めていった。
「この量のご飯だと、結構重労働だね」
寿司桶の中に入った酢飯を切るように混ぜていた黒ローブが、腕を震わせながらポツリと呟いた。
「それじゃあ交代だ、次の桶から俺が混ぜるから、お前が仰いでくれ」
内輪で酢飯を仰いでいた灰色ローブが声をかけると、黒ローブは目を輝かせた。
「ありがとう! じゃあ、お願い!」
「ああ」
黒ローブと灰色ローブは、しゃもじとウチワを交換して、次の桶の酢飯に取りかかった。はつ江は穴子の煮染めを作りながら、二人に向かってニッコリと微笑んだ。
「二人とも、ありがとうねぇ。年を取ると酢飯を混ぜるのも大変でよぅ! 二人のおかげで、すごく助かっただぁよ!」
はつ江に声をかけられたローブの二人組は、毒気を抜かれた表情を浮かべた。そして、どちらからともなく、プッと吹き出した。
「ううん、気にしないでおばあちゃん!」
「ああ、この位のことならなんてことない。他にも手伝うことがあったら、教えてくれ」
二人組が穏やかに微笑みながら答えると、はつ江はカラカラと笑い出した。
「わははは! それは頼もしいだぁよ! 二人とも、ありがとうねぇ!」
はつ江の言葉を受けて、ローブの二人組は照れくさそうに頬を掻いた。そんな三人の様子を眺め、シーマは安心したように微笑んだ。
こうして、歌姫一行とローブの二人組とのわだかまりにも片がつき、シーマ十四世殿下一行は手巻き寿司の準備に励むのだった。
「……なんかさ、上手くいかないもんだよね」
みりん風調味料のビンを抱えた黒ローブが、ポツリと言葉をこぼした。
「……ああ、そうだな」
黒ローブの言葉に、灰色ローブが短く相槌を打つ。
「魔界で重用されないのは、魔王や周りの人が僕らのことをちゃんと評価してないからだ、って思ってたのにね」
「実際は、単純に実力が足りなかっただけだったとはな」
「それに、技術や知識も元の世界とかなり共有してるみたいだし」
「……そうだな」
二人組は、そこで同時に深いため息を吐いた。
「元の世界でも、報われないのは全部周りのせい、って思ったけど、ひょっとしたら違ったのかな……?」
「……どうだろうな」
灰色ローブはそう言うと、目深に被ったフードの下で目を伏せた。
「こっちに来たばかりのころは、元の世界に対する憤りも強かったが……今思えば、上手くやる方法はいくらでもあったのかもしれないな」
「そういうものなのかな……」
灰色ローブの言葉に、黒ローブは曖昧な言葉を返した。
そんな会話をしているうちに、二人組はキッチンの扉の前まで辿り着いた。灰色ローブが扉を開くと、中ではシーマ十四世一行が、楽しそうに作業をしていた。
「はつ江! お刺身の切り方はこんな感じでいいのか!?」
「どれどれ……うんうん、バッチリだぁよ、シマちゃん」
「おばあちゃん! ニンジンの切り方はこれでいい!?」
「うんうん、ゑねとちゃんも上手だねぇ」
「はつ江さん、キュウリの処理が完了しました。レディも、薬味のシソを刻み終わったそうです」
「あれまぁよ! マロちゃんもバスちゃんも手際がいいねぇ! とても、助かるだぁよ!」
二人組はしばしの間、シーマたちのなごやかなやり取りを眺めていた。すると、はつ江が二人組に気づき、ニッコリと微笑んだ。
「頭巾ちゃんたち、お疲れ様。ヤギさんのお手伝いは終わったのかい?」
はつ江に声をかけられ、二人組はハッとした表情を浮かべた。
「あ、う、うん! だから、魔王から、このみりん風調味料を届けてほしいって言われたんだ!」
「あー、あと……魔王から、こちらの作業を手伝うようにと言いつけられた」
「あれまぁよ! それは、助かるねぇ! そんなら、さっそく手伝ってほしいことがあるだぁよ!」
ごまかし気味に返事をする二人に、はつ江は笑顔で手招きをした。すると、二人組はおずおずと、キッチンへと足を進めた。
まさに、そのとき!
バステトが突然耳を後ろに反らし、尻尾の毛を逆立てながら、二人組に近づいた。
「レディ!? 急にどうしたのですか!?」
制止しようと手を握ったマロを気にすることなく、バステトは二人組の元にズンズン進んでいく。
二人組は、怒りに満ちたバステトの表情を見て、ビクッと肩を震わせた。バステトは二人組の前で足を止めると、鋭い目付きで睨みつけた。
「な、何かな? 猫ちゃん」
黒ローブが怯えながら問いかけると、バステトはパクパクと口を動かした。ローブの二人組が首をかしげていると、マロが耳をペタッと伏せて、尻尾を垂らした。
「え、えーと、僕、読唇術の心得があるので、レディが何を言っているか分かるのですが……今回の件で、レディはあなたたちが音楽祭を邪魔しようとしたことと、ウェネトさんをそそのかしたことに対して、とても立腹しているそうです」
マロが説明すると、ローブの二人組は気まずそうな表情を浮かべた。
「うん、怒るのも当然だよね……リーダーたちの言いつけだったとはいえ、ごめんね」
「……すまなかった」
二人がおずおずと謝ると、バステトは反らしていた耳を元に戻し、俯きながら深いため息を吐いた。それから、二人に顔を向けて、再びパクパクと口を動かした。すると、マロが耳を伏せたままコクコクと頷いた。
「え、えーとですね……素直に謝ってくださったことと、トビズイッカンムカデからウェネトさんをかばおうとしてくれたことに免じて……平手打ち一発ずつで許すと、言っています」
マロが説明すると、はつ江が困惑した表情を浮かべた。
「バスちゃんや、人をぶったりしたら、ダメだぁよ」
はつ江がそう言うと、ローブの二人組は同時に首を横に振った。
「いいんだよ、おばあちゃん。僕たちが悪いことをしてたのは事実なんだし」
「ああ。それに、ビンタ一発くらいで済むなら、安いものだ」
ローブの二人組がそう言うと、バステトは口の端をニッと吊り上げて笑みを浮かべた。すると、マロが耳を伏せたまま、深いため息を吐いた。
「お二人がそう言うなら、僕はもう止めませんよ……では、レディの手が届くように屈んでください」
「分かったよ!」
「ああ」
呆れ気味のマロの言葉に、ローブの二人組は素直に返事をした。すると、バステトがまずは、黒ローブを見つめた。それから、右手を振り上げ、黒ローブの左頬に向かって勢いよく振り下ろした。
キッチンには、バシッという重い打撃音が響く。
そして……
「いっ……」
黒ローブは短い悲鳴を上げながら、みりん風調味料のビンを抱えてうずくまった。その姿を見た灰色ローブは、薄らと冷や汗を浮かべる。
「え……そんなに痛いのか……っうぅ」
そして、油断しているところに、バステトの平手打ちをくらい、黒ローブと同じようにうずくまった。うずくまる二人を眺めながら、バステトは満足そうにフンと鼻を鳴らし、マロは沈痛な面持ちで拝むように両手を合わせた。
説明しよう!
シャム系統の猫ちゃんは筋肉質なので、ビンタをくらうと地味にめちゃくちゃ痛いのだ!
「……すごい威力だな」
刺身を切る手を止めて一部始終を見ていたシーマが、耳を伏せながらポツリと呟いた。すると、ウェネトが得意げな表情を浮かべて、フスフスと鼻を鳴らした。
「そうでしょ! バステトは歌が上手いだけじゃなくて、すっごく強いのよ! 私がオブトカンムリオオサソリに襲われそうになったときに、ビンタでやっつけてくれたことだってあるんだから!」
ウェネトがバステトの武勇伝を語ると、はつ江は、ほうほう、と声を漏らしながら、コクコクと頷いた。
「バスちゃんは強いんだねぇ」
はつ江が感心していると、ローブの二人組がヨロヨロと立ち上がった。
「えーと、猫ちゃんはこれで気が済んだかな?」
頬をおさえながら黒ローブが尋ねると、バステトはコクリと頷いた。
「じゃあ、俺たちも手伝うが……ばあさん、何をすれば良いんだ?」
灰色ローブも頬をさすりながら、はつ江に向かって尋ねた。すると、はつ江はニッコリと笑った。
「それじゃあ、酢飯を作るのを手伝っておくれ」
「え、酢飯?」
黒フードはキョトンとした表情で、はつ江の言葉を問い返した。すると、はつ江はコクリと頷いた。
「そうだぁよ!」
「今日はお客さんが多いからな! 夕飯は皆で楽しめるように、手巻き寿司にするんだ!」
はつ江が答えると、シーマも得意げな表情で続いた。
「へえ、手巻き寿司かー」
「……なんだか、懐かしいな」
二人の言葉を聞いて、黒ローブと灰色ローブは感慨深そうに言葉を漏らした。
そうして、ローブの二人組を加えたシーマ十四世殿下一行は、ワイワイと手巻き寿司の準備を進めていった。
「この量のご飯だと、結構重労働だね」
寿司桶の中に入った酢飯を切るように混ぜていた黒ローブが、腕を震わせながらポツリと呟いた。
「それじゃあ交代だ、次の桶から俺が混ぜるから、お前が仰いでくれ」
内輪で酢飯を仰いでいた灰色ローブが声をかけると、黒ローブは目を輝かせた。
「ありがとう! じゃあ、お願い!」
「ああ」
黒ローブと灰色ローブは、しゃもじとウチワを交換して、次の桶の酢飯に取りかかった。はつ江は穴子の煮染めを作りながら、二人に向かってニッコリと微笑んだ。
「二人とも、ありがとうねぇ。年を取ると酢飯を混ぜるのも大変でよぅ! 二人のおかげで、すごく助かっただぁよ!」
はつ江に声をかけられたローブの二人組は、毒気を抜かれた表情を浮かべた。そして、どちらからともなく、プッと吹き出した。
「ううん、気にしないでおばあちゃん!」
「ああ、この位のことならなんてことない。他にも手伝うことがあったら、教えてくれ」
二人組が穏やかに微笑みながら答えると、はつ江はカラカラと笑い出した。
「わははは! それは頼もしいだぁよ! 二人とも、ありがとうねぇ!」
はつ江の言葉を受けて、ローブの二人組は照れくさそうに頬を掻いた。そんな三人の様子を眺め、シーマは安心したように微笑んだ。
こうして、歌姫一行とローブの二人組とのわだかまりにも片がつき、シーマ十四世殿下一行は手巻き寿司の準備に励むのだった。
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