僕はロクデナシ

黒宮海夢

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ぼく

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ぼくはロクデナシだ。

なんで生まれたのかは分からない。

世の中の普通の人は、人のためや、社会のため、ペットのため、
みんな大切なもののために生きてるようだ。

だけどぼくは、そういうのから全部逃げてきた。

ぼくは自分の性別が分からない。名前が分からない。着たい服が分からない。似合う色が分からない。好きという気持ちが分からない。


ただただ雲のように生きたかった。
だけど、雲の真似をしていてもすぐに飽きた。

大切にしたい人が出来たこともあった。
だけど、ぼくは逃げた。
大切にしたい夢が出来たこともあった。
だけど、ぼくは逃げた。

ぼくは嘆く。ぼくはそうやって存在意義を見出している。

やさしい人の言葉は、受け取れない。
ぼくはロクデナシだから。

きみがぼくを好きになったら、きみもロクデナシになってしまう気がして受け取れない。

怠惰と孤独を餌にしながら、毎日寝たり飲んだり食ったり。

西日が登る頃、ぼくは咽び泣く。

時々人のために祈ってみたりもする。



そんなロクデナシの詩。

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