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「シルフィ、お前のようなブサイクとは婚約破棄させてもらう! 今すぐこの屋敷から出て行け!」
そう唐突に婚約破棄を突きつけた男の名前はルイド伯爵。そして、私がブサイクなシルフィです。
って、誰がブサイクですか! 私は至って普通の令嬢。決してブサイクなわけではない。
……はずです。
しかし、また婚約破棄ですか。もうこの人生で七回目ですよ。いい加減にしてください、世の男ども。
いい加減、飽き飽きです。私もそろそろ結婚を前提としたお付き合いをしたいですのに。
こうやって婚約破棄ばかりされるから、相手をなかなか好きになれません。
なので、まったくダメージは受けていないのですが……。
「ショックで声も出ないか。まあそれも仕方あるまい。俺のような男と別れることになるのだからな」
なぜか、私が傷心していることになっている。妄想甚だしいな、ルイド伯爵。
それにしても今回、婚約を破棄される理由は何なのかしら。ブサイクというのは建前だと思うけど……。
今までは悪口を言っているというデマをまともに信じた男に婚約を破棄されたり。
妹に酷いことをしているという嘘を信じたシスコンに婚約を破棄されたりしましたが……。
「ねぇ~、ルイド様ぁ。まだお義姉ちゃんと婚約破棄してないの~。早くベッドに行こうよ~。私もう濡れてきちゃって我慢できないのぉ~」
「げぇ」
まさかの義妹!? 私、まだ15歳の義妹に婚約者を奪われちゃったの? 惨めですね、私。
しかし、何というか……キモいですね。何が『濡れてきちゃって我慢できないのぉ~』ですか。
あなた最近、成人年齢を超えたばかりですよね? それを分かって言っているのかしら。
「もう我慢できないのかい? 仕方のない子だね、アンナは。今日もい~っぱい、中に出してあげるから、もう少し待っててくれるかい?」
「やった~! でも、もう待てな~い」
「まったく、仕方がないな」
そう言って、ルイド伯爵はアンナを手招きし、ハグをした。それはもう……私に見せつけんばかりに。
というか、うわぁ~。キスまで始めたよ、キスまで。しかも口の中に舌を入れて……。
私、目の前にいるんだけどなぁ。
「……ぁっ、ルイド様ぁ」
「もう少しの辛抱だ。俺も早くメチャクチャにしたい。でも、シルフィが未練たらたらでさ! 出て行ってほしいのに、出て行ってくれないんだ」
「え? 出て行ってほしいなら出て行きますよ? それでは、私はお邪魔なようなので消えますね。後は2人でどうぞ。でも、アンナ。ちゃんと避妊はしなさいよ」
こうして最後にありがたいアドバイスをして、屋敷から出て行くのだった。
それにしても、ルイド伯爵ってロリコンだったんだ。救いようがないぐらい、キモいですね。
~ルイド伯爵視点~
「――一体、どこから湧いてきやがった!」
シルフィが屋敷を出て行った後、俺はアンナとベッドの上で交わっていた。アンナのそれはとても気持ちのいい穴で、何度もドロドロの精を吐き出してしまう。アンナもアンナでよがり、決して離すまいと締めつけてきた。
何よりアンナの喘ぎ声がやる気にさせて、俺は何度も腰を打ちつけては、白い液体を注ぎ込んだ。
それぐらい、俺は夢中になっていた。
だからなのか、俺はそれに気づかなかった。気づけなかった。気づけるはずもなかった。
俺とアンナの愛の巣に、影が立っていたのだ。それは俺の記憶が正しければシャドウという名の魔物だったはず。
だが、なぜか危害を加えてこない。俺たちをただ見ているだけ……。
一体、なんなんだ?
「ルイド様ぁ。どうしたんですか~。どれだけ舐めてもおっきくならないので、ちょっと傷ついちゃいました。私のお口、気持ちよくないですかぁ?」
「気持ちいいよ、アンナ。少し誰かに見られてるような気がして、勃たないだけだ」
「そうなんですかぁ? よかったぁ。私も気づいてましたけど、何もしてこないなら、見せつけましょう? 私たちが激しくお互いの体を貪りあう姿を」
「そうだな。もう孕んでるかもしれないが、もう一回孕ませてやる!」
「んっ……。やぁ……っ、乳首コリコリしないでぇっ……」
俺は少し萎えていたこともあって、再び前戯から始めることにした。やはり、アンナの甘い声は俺の股間によく響く。これなら今すぐにも硬くなってくれるだろう。
アンナのあそこもピチャピチャ水音を鳴らしていて、いつでも準備万端という感じだ。
俺は指でそれをイジっていたが、耐えきれなくなったので1番奥まで挿入し、子宮をグリグリする。
こうするとアンナは一瞬で絶頂に達するが、それでやめる俺ではない。激しいキスをして、ぷっくりとした乳首を指で転がし、休む間もなく腰を打ちつけた。
そして、アンナと俺は一緒にイキ狂う。何度も、何度も何度も――。
その瞬間、
『――死ね』
微かにそう聞こえてきたような気がしたけど――射精を止めることはできなかった。
~シルフィ視点~
「――あぁ。まだあなたは私を諦めていないのね。一度でいいから、ざまぁできればあなたの元へ戻るのに。あなたがざまぁをしてどうするの?」
私は激しく燃え上がる屋敷を見て、呟いた。あぁ、また家族が1人死んだ。もうお父さまもお母さまもみんなざまぁされて、きっと次の家族もざまぁされるのね。
「可哀想に」
そう他人事のように呟いて、本当の家族などもう住んでいない実家への帰路につく。
【完】
そう唐突に婚約破棄を突きつけた男の名前はルイド伯爵。そして、私がブサイクなシルフィです。
って、誰がブサイクですか! 私は至って普通の令嬢。決してブサイクなわけではない。
……はずです。
しかし、また婚約破棄ですか。もうこの人生で七回目ですよ。いい加減にしてください、世の男ども。
いい加減、飽き飽きです。私もそろそろ結婚を前提としたお付き合いをしたいですのに。
こうやって婚約破棄ばかりされるから、相手をなかなか好きになれません。
なので、まったくダメージは受けていないのですが……。
「ショックで声も出ないか。まあそれも仕方あるまい。俺のような男と別れることになるのだからな」
なぜか、私が傷心していることになっている。妄想甚だしいな、ルイド伯爵。
それにしても今回、婚約を破棄される理由は何なのかしら。ブサイクというのは建前だと思うけど……。
今までは悪口を言っているというデマをまともに信じた男に婚約を破棄されたり。
妹に酷いことをしているという嘘を信じたシスコンに婚約を破棄されたりしましたが……。
「ねぇ~、ルイド様ぁ。まだお義姉ちゃんと婚約破棄してないの~。早くベッドに行こうよ~。私もう濡れてきちゃって我慢できないのぉ~」
「げぇ」
まさかの義妹!? 私、まだ15歳の義妹に婚約者を奪われちゃったの? 惨めですね、私。
しかし、何というか……キモいですね。何が『濡れてきちゃって我慢できないのぉ~』ですか。
あなた最近、成人年齢を超えたばかりですよね? それを分かって言っているのかしら。
「もう我慢できないのかい? 仕方のない子だね、アンナは。今日もい~っぱい、中に出してあげるから、もう少し待っててくれるかい?」
「やった~! でも、もう待てな~い」
「まったく、仕方がないな」
そう言って、ルイド伯爵はアンナを手招きし、ハグをした。それはもう……私に見せつけんばかりに。
というか、うわぁ~。キスまで始めたよ、キスまで。しかも口の中に舌を入れて……。
私、目の前にいるんだけどなぁ。
「……ぁっ、ルイド様ぁ」
「もう少しの辛抱だ。俺も早くメチャクチャにしたい。でも、シルフィが未練たらたらでさ! 出て行ってほしいのに、出て行ってくれないんだ」
「え? 出て行ってほしいなら出て行きますよ? それでは、私はお邪魔なようなので消えますね。後は2人でどうぞ。でも、アンナ。ちゃんと避妊はしなさいよ」
こうして最後にありがたいアドバイスをして、屋敷から出て行くのだった。
それにしても、ルイド伯爵ってロリコンだったんだ。救いようがないぐらい、キモいですね。
~ルイド伯爵視点~
「――一体、どこから湧いてきやがった!」
シルフィが屋敷を出て行った後、俺はアンナとベッドの上で交わっていた。アンナのそれはとても気持ちのいい穴で、何度もドロドロの精を吐き出してしまう。アンナもアンナでよがり、決して離すまいと締めつけてきた。
何よりアンナの喘ぎ声がやる気にさせて、俺は何度も腰を打ちつけては、白い液体を注ぎ込んだ。
それぐらい、俺は夢中になっていた。
だからなのか、俺はそれに気づかなかった。気づけなかった。気づけるはずもなかった。
俺とアンナの愛の巣に、影が立っていたのだ。それは俺の記憶が正しければシャドウという名の魔物だったはず。
だが、なぜか危害を加えてこない。俺たちをただ見ているだけ……。
一体、なんなんだ?
「ルイド様ぁ。どうしたんですか~。どれだけ舐めてもおっきくならないので、ちょっと傷ついちゃいました。私のお口、気持ちよくないですかぁ?」
「気持ちいいよ、アンナ。少し誰かに見られてるような気がして、勃たないだけだ」
「そうなんですかぁ? よかったぁ。私も気づいてましたけど、何もしてこないなら、見せつけましょう? 私たちが激しくお互いの体を貪りあう姿を」
「そうだな。もう孕んでるかもしれないが、もう一回孕ませてやる!」
「んっ……。やぁ……っ、乳首コリコリしないでぇっ……」
俺は少し萎えていたこともあって、再び前戯から始めることにした。やはり、アンナの甘い声は俺の股間によく響く。これなら今すぐにも硬くなってくれるだろう。
アンナのあそこもピチャピチャ水音を鳴らしていて、いつでも準備万端という感じだ。
俺は指でそれをイジっていたが、耐えきれなくなったので1番奥まで挿入し、子宮をグリグリする。
こうするとアンナは一瞬で絶頂に達するが、それでやめる俺ではない。激しいキスをして、ぷっくりとした乳首を指で転がし、休む間もなく腰を打ちつけた。
そして、アンナと俺は一緒にイキ狂う。何度も、何度も何度も――。
その瞬間、
『――死ね』
微かにそう聞こえてきたような気がしたけど――射精を止めることはできなかった。
~シルフィ視点~
「――あぁ。まだあなたは私を諦めていないのね。一度でいいから、ざまぁできればあなたの元へ戻るのに。あなたがざまぁをしてどうするの?」
私は激しく燃え上がる屋敷を見て、呟いた。あぁ、また家族が1人死んだ。もうお父さまもお母さまもみんなざまぁされて、きっと次の家族もざまぁされるのね。
「可哀想に」
そう他人事のように呟いて、本当の家族などもう住んでいない実家への帰路につく。
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