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ざまぁ開始!
6話
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――あら? 音が途切れてしまいましたわ。
マリアが魔力の供給をやめたようね。
まあ、そうしたい気持ちも分かります。
自分の喘ぎをみんなに聞かれてるものね。
こんなの今までに味わったことがない屈辱のはずだもの……
でも、これで許してあげるわけないでしょう?
「どうしました? 許してほしくないの?」
「お姉さま……っ、どういうつもり?」
「……どういうつもりって、何が? 不都合なことでもあるのかしら? さっきの声、あなたたちなんてことはないのでしょう?」
「それは……」
「私、確認してほしいだけなんですよ。この声の持ち主が誰なのか」
まあ、すでに知っていますが。
何回も確認しましたので。
もし、間違っていたら不敬罪で死刑にされかねないですし、それはもう念入りに……ね。
「どうするの? もう、音声聞きたくない?」
「…………」
「まだあなたたちだと決まったわけじゃないんですよ? 名前がまだ出ていませんし」
「……で、でもっ……」
「はぁ。話になりませんね。それなら、返してください」
せっかく1番近いところで、自分の喘ぎ声を聞かせてあげようと思ったのに。
私の優しさを無下にするなんて……妹失格ね。
妹だなんて一度たりとも思ったことありませんが。
それよりも――
「――マリア! 壊せ! 貴様が次期当主じゃなくてももういい! 俺と結婚したいなら、壊せ!」
「ユリウス……様?」
「早く壊せと言っている! 聞こえないのか!」
あらあら、ユリウスったら。そんなに慌てちゃって、どうしたのかしら。
まだあなたたちと決まったわけじゃないのに。
でも、その焦りよう、あの声の主が自分たちだと教えているようなもの……
馬鹿なのかしらね、やっぱり。
「マリア、返しなさい」
「……っ」
「壊せ! マリア!」
「…………ッ!」
……本当にどうしようもないのね、あなたは。
その瞬間、魔封石は砕け散った。
マリアが床に叩きつけたのだ。
これがあなたの選択なのね、マリア。
もうあなたに慈悲を与えない。徹底的に潰して差し上げます。
「よくやった、マリア!」
「はい、ユリウス様ぁ!」
ユリウスの下へと走るマリア。
そんな救えない2人を横目に、私は予備の魔封石を取り出した。
すると、2人の顔が見る見る青ざめていく。
「魔封石が1つなはずないでしょう?」
「そんな、馬鹿な……」
「せいぜいあなたたちの名前が出ないことを願うことね」
私は魔封石に魔力を流し込む。
よかった、複製しておいて。
魔封石は壊れやすいですからね。
ちなみに、後10個くらい予備がありますわ。
そして、再び男女の声がパーティー会場に響く。
『――ああぁ……っ、んんっ……、はあっ、はあぁ……っ。だ、ダメぇ……っ』
『ダメとか言っておきながらっ、咥え込んで離さないじゃないかっ。本当はもっと、激しくやってほしいんだろ?』
『そんな……っ、ことっ……、な……いぃぃ……っ!』
『くっ。そろそろ出そうだ。1番奥に出してやるからっ、なぁ! マリア!』
『はっ……、激し……っ。ユリウスさ、まぁ……っ。んんっ……、イクッ。イグッ……イグイグイグイグッッッ――! んっ、はぁはぁ……っ。あなたでお腹いっぱぁい……』
マリアが魔力の供給をやめたようね。
まあ、そうしたい気持ちも分かります。
自分の喘ぎをみんなに聞かれてるものね。
こんなの今までに味わったことがない屈辱のはずだもの……
でも、これで許してあげるわけないでしょう?
「どうしました? 許してほしくないの?」
「お姉さま……っ、どういうつもり?」
「……どういうつもりって、何が? 不都合なことでもあるのかしら? さっきの声、あなたたちなんてことはないのでしょう?」
「それは……」
「私、確認してほしいだけなんですよ。この声の持ち主が誰なのか」
まあ、すでに知っていますが。
何回も確認しましたので。
もし、間違っていたら不敬罪で死刑にされかねないですし、それはもう念入りに……ね。
「どうするの? もう、音声聞きたくない?」
「…………」
「まだあなたたちだと決まったわけじゃないんですよ? 名前がまだ出ていませんし」
「……で、でもっ……」
「はぁ。話になりませんね。それなら、返してください」
せっかく1番近いところで、自分の喘ぎ声を聞かせてあげようと思ったのに。
私の優しさを無下にするなんて……妹失格ね。
妹だなんて一度たりとも思ったことありませんが。
それよりも――
「――マリア! 壊せ! 貴様が次期当主じゃなくてももういい! 俺と結婚したいなら、壊せ!」
「ユリウス……様?」
「早く壊せと言っている! 聞こえないのか!」
あらあら、ユリウスったら。そんなに慌てちゃって、どうしたのかしら。
まだあなたたちと決まったわけじゃないのに。
でも、その焦りよう、あの声の主が自分たちだと教えているようなもの……
馬鹿なのかしらね、やっぱり。
「マリア、返しなさい」
「……っ」
「壊せ! マリア!」
「…………ッ!」
……本当にどうしようもないのね、あなたは。
その瞬間、魔封石は砕け散った。
マリアが床に叩きつけたのだ。
これがあなたの選択なのね、マリア。
もうあなたに慈悲を与えない。徹底的に潰して差し上げます。
「よくやった、マリア!」
「はい、ユリウス様ぁ!」
ユリウスの下へと走るマリア。
そんな救えない2人を横目に、私は予備の魔封石を取り出した。
すると、2人の顔が見る見る青ざめていく。
「魔封石が1つなはずないでしょう?」
「そんな、馬鹿な……」
「せいぜいあなたたちの名前が出ないことを願うことね」
私は魔封石に魔力を流し込む。
よかった、複製しておいて。
魔封石は壊れやすいですからね。
ちなみに、後10個くらい予備がありますわ。
そして、再び男女の声がパーティー会場に響く。
『――ああぁ……っ、んんっ……、はあっ、はあぁ……っ。だ、ダメぇ……っ』
『ダメとか言っておきながらっ、咥え込んで離さないじゃないかっ。本当はもっと、激しくやってほしいんだろ?』
『そんな……っ、ことっ……、な……いぃぃ……っ!』
『くっ。そろそろ出そうだ。1番奥に出してやるからっ、なぁ! マリア!』
『はっ……、激し……っ。ユリウスさ、まぁ……っ。んんっ……、イクッ。イグッ……イグイグイグイグッッッ――! んっ、はぁはぁ……っ。あなたでお腹いっぱぁい……』
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