61 / 66
第二章
主従の在り方
しおりを挟む
セルマが立ち去ってから、ヴィクトリアは少し冷めている紅茶を自分でカップに注いだ。香りが飛んでしまっている。手が自然と人を呼ぶためのベルに伸びて、持ち上げてから躊躇った。
意を決してベルを鳴らしたのと同時、扉がノックされる。返事をすると、リアムの声がした。
「お嬢様、お茶が冷めた頃かと思いまして」
少しだけ震える声に、唖然としてから小さく笑みを零した。考えることが同じだ。
「ええ。ちょどそれで、あなたを呼ぼうと思ったの」
ティーポットを乗せたカートを部屋に入ってきたリアムは、安心したような顔をしていた。熱源のスクロールが仕込まれたカートを使えば、その場でお湯を作ることができる。リアムの淀みない手つきを眺めながら、ヴィクトリアは口を開いた。
「先ほど、お母様にお説教されてしまったわ」
「お説教、ですか?」
「ええ。怒っていたわけではないけれど、わたくしにはお説教だったわ。とても耳が痛かったから」
感情的に怒る人たちではない分、両親からの言葉はよく刺さる。
リアムは目尻を下げて、「私もです」と言った。
「旦那様に注意を受けました。本当に……、頭が上がりません」
「お父様も?」
母は、父に内緒だと言ってここに来ていたけれど。もしかしたら父はすべて分かっているのかもしれない。
リアムはお湯が沸くのをじっと待っていたが、不意にヴィクトリアに視線を移した。何度か口を開いては閉じ、何かを言いかけるが、言葉が出てこない。
急かしてはいけないかと黙って待っていると、やがて言葉を選ぶのを諦めたのか、リアムはヴィクトリアの正面に来て膝をついた。
「お嬢様は……、近頃、あまり私を愛でてくださらない」
声に、隠し切れない不満が滲んでいた。ヴィクトリアは息を呑む。
「美しいとも、かわいいとも。それよりも大きな問題があるのは分かっていますが、……寂しいと、思ってしまうのです」
思い返す。リアムとの婚約を許されてからの、ヴィクトリアの言動。
誰かに向かってリアムのことを自慢したり、軽く意地悪をした記憶はある。けれど、前のように頻繁に交流を持っていただろうか。
目の前のことに必死で、このかわいい従者の顔を、ちゃんと見ていただろうか。
このことか、と、セルマの言葉がすとんと胸に落ちた。
ヴィクトリアは、婚約者となったリアムと、ちゃんと向き合っていなかった。
「……ごめんなさい」
手を伸ばして、リアムの頬を撫でる。
「お母様のおっしゃる通りだわ。わたくし、浮かれていたのね。舞い上がっているところにエルベールが来たものだから、他のことが見えなくなっていたのだわ」
一度奪われたトラウマが焦りを生んでいるのだと思っていた。けれどそもそも、ヴィクトリア自身が冷静ではなかった。それでは何をやっても失敗するに決まっている。
「そうね、そうだわ。エルベール・フォルジュがあらゆる意味であなたを奪いに来たのだと、無意識にそう思っていたのだわ。なんて無様なのかしら。こんな簡単なことに振り回されていたなんて」
敵を見極めることすらできずに、解決策なんて出てくるわけもなかった。
リアムはヴィクトリアの手を上から押さえて、頬をすり寄せた。
「旦那様が、私は全部の感情を一緒にするからいけないのだと。私も同じです。従者としては正しくとも、婚約者の振る舞いとしては違っていた。両立したいならば、もっと考えなければいけなかったのに」
お互いに、言葉にせずとも理解できるという驕りがあったから。関係性が変わったのだから、もっと話し合うべきだったのに。
ヴィクトリアが恐れていること。やりたいこと。整理されていない気持ちを表面だけ語ったところで、リアムが、そしてヴィクトリア自身が、理解できる訳が無かった。
「婚約者としては、わたくしたちはまだまだね」
僅かに潤む赤い瞳と目が合って、吸い寄せられるように唇が触れ合った。
照れたように俯いたリアムをひとしきり撫でまわして、膝の上に抱えるように抱きしめた。
「わたくしの、かわいいリアム。忠実な従者。愛情深い婚約者。それから……」
ふと、ヴィクトリアの脳裏に閃くものがあった。
言葉を止めたヴィクトリアを、不思議そうな顔をしたリアムが見つめる。
「お嬢様?」
無言のまま見つめ返す。リアムの頬がほんのりと赤らむが、それでも視線を逸らさない。
「あの……?」
ヴィクトリアがいつまでも口を閉ざしているからか、照れていたリアムは徐々に不安を覚えたように眉を下げ始めた。
微笑を刻んでいた唇が力を失くし、一瞬だけ震えたのを見て、ヴィクトリアは微笑んだ。
「本当、わたくしったらどうしてリアムを愛でずにいられたのかしら。こんなにかわいいというのに」
「……お嬢様が平常にお戻りになられたようで、良かったです」
がっくりと項垂れたリアムだったが、すぐに気を取り直して立ち上がった。
「何か、思いつかれたのでしょうか? エルベールについて」
「ええ。魔法印の仕掛けを暴くのは、必要だけど今ではないわ。わたくし一人でやることでもない。それこそ鑑定官に任せましょう」
「では、どのように?」
「あなたよ、リアム。わたくしの優秀な護衛」
ヴィクトリアがスラムで拾った少年は、なんでもできるようになりたいと、そう願った。結果、貴族家の養子に入り、従者としての技能だけでなく戦う術も覚えたのだ。
バルフォア家は長く続く騎士の家系だ。帝国と国境を接するアイラ家の騎士は、ひょっとすると王家が抱える騎士団よりも強い。
ヴィクトリアが好きに行動できるのも、リアムという護衛が常に傍にいるからだ。アイラの騎士として鍛え上げられた、リアム・バルフォアが。
「私、ですか」
「レスターが書いてくれた脚本を覚えている?」
ヴィクトリアたちの婚約を祝福し、エルベールを悪役に仕立て上げるための物語。
「あれをなぞりましょう。もう下地はできているわ」
エルベールは確かに、リアムを連れ戻すためにやってきた。だが、今の目的はリアムから逸れ、ヴィクトリアを足掛かりにアイラ領を手に入れようとしている。
その行動は、フォルジュ家の息子という立場でのものだ。ならばヴィクトリアも、アイラ公爵家の後継として相対しなければ。
「……また、頼り切りになってしまうけれど。わたくし一人では何もできないわ」
光は見えた。だが、それだけが口惜しい。
ヴィクトリアは眉根を寄せた。しかしリアムは首を振る。
「いいえ、前にも申し上げました。私はヴィクトリアお嬢様のためならば、なんでもいたします。それは、お嬢様にお仕えしたくなる魅力があるからです。正しく使ってくださると、そう信じているから。だから私の力を、お預けするのです」
「リアム……」
「他の者とて同じ。私はお嬢様のように人の上に立つことはできません。人を使うことができるのは、それそのものが才能であり、一つの力です」
だから、とリアムは笑う。
「お嬢様は、堂々と我々をお使いください」
目の前が晴れ渡った気がした。
「……その信頼に、答えなければいけないわね」
リアムだけではなく、ヴィクトリアに仕えてくれる使用人、アイラ公爵家の下につく家臣たち。それから、祝福してくれた民すべて。
彼らが誇れる主人であらねばならない。それが、ヴィクトリア・リーヴズ・アイラの務めだ。
意を決してベルを鳴らしたのと同時、扉がノックされる。返事をすると、リアムの声がした。
「お嬢様、お茶が冷めた頃かと思いまして」
少しだけ震える声に、唖然としてから小さく笑みを零した。考えることが同じだ。
「ええ。ちょどそれで、あなたを呼ぼうと思ったの」
ティーポットを乗せたカートを部屋に入ってきたリアムは、安心したような顔をしていた。熱源のスクロールが仕込まれたカートを使えば、その場でお湯を作ることができる。リアムの淀みない手つきを眺めながら、ヴィクトリアは口を開いた。
「先ほど、お母様にお説教されてしまったわ」
「お説教、ですか?」
「ええ。怒っていたわけではないけれど、わたくしにはお説教だったわ。とても耳が痛かったから」
感情的に怒る人たちではない分、両親からの言葉はよく刺さる。
リアムは目尻を下げて、「私もです」と言った。
「旦那様に注意を受けました。本当に……、頭が上がりません」
「お父様も?」
母は、父に内緒だと言ってここに来ていたけれど。もしかしたら父はすべて分かっているのかもしれない。
リアムはお湯が沸くのをじっと待っていたが、不意にヴィクトリアに視線を移した。何度か口を開いては閉じ、何かを言いかけるが、言葉が出てこない。
急かしてはいけないかと黙って待っていると、やがて言葉を選ぶのを諦めたのか、リアムはヴィクトリアの正面に来て膝をついた。
「お嬢様は……、近頃、あまり私を愛でてくださらない」
声に、隠し切れない不満が滲んでいた。ヴィクトリアは息を呑む。
「美しいとも、かわいいとも。それよりも大きな問題があるのは分かっていますが、……寂しいと、思ってしまうのです」
思い返す。リアムとの婚約を許されてからの、ヴィクトリアの言動。
誰かに向かってリアムのことを自慢したり、軽く意地悪をした記憶はある。けれど、前のように頻繁に交流を持っていただろうか。
目の前のことに必死で、このかわいい従者の顔を、ちゃんと見ていただろうか。
このことか、と、セルマの言葉がすとんと胸に落ちた。
ヴィクトリアは、婚約者となったリアムと、ちゃんと向き合っていなかった。
「……ごめんなさい」
手を伸ばして、リアムの頬を撫でる。
「お母様のおっしゃる通りだわ。わたくし、浮かれていたのね。舞い上がっているところにエルベールが来たものだから、他のことが見えなくなっていたのだわ」
一度奪われたトラウマが焦りを生んでいるのだと思っていた。けれどそもそも、ヴィクトリア自身が冷静ではなかった。それでは何をやっても失敗するに決まっている。
「そうね、そうだわ。エルベール・フォルジュがあらゆる意味であなたを奪いに来たのだと、無意識にそう思っていたのだわ。なんて無様なのかしら。こんな簡単なことに振り回されていたなんて」
敵を見極めることすらできずに、解決策なんて出てくるわけもなかった。
リアムはヴィクトリアの手を上から押さえて、頬をすり寄せた。
「旦那様が、私は全部の感情を一緒にするからいけないのだと。私も同じです。従者としては正しくとも、婚約者の振る舞いとしては違っていた。両立したいならば、もっと考えなければいけなかったのに」
お互いに、言葉にせずとも理解できるという驕りがあったから。関係性が変わったのだから、もっと話し合うべきだったのに。
ヴィクトリアが恐れていること。やりたいこと。整理されていない気持ちを表面だけ語ったところで、リアムが、そしてヴィクトリア自身が、理解できる訳が無かった。
「婚約者としては、わたくしたちはまだまだね」
僅かに潤む赤い瞳と目が合って、吸い寄せられるように唇が触れ合った。
照れたように俯いたリアムをひとしきり撫でまわして、膝の上に抱えるように抱きしめた。
「わたくしの、かわいいリアム。忠実な従者。愛情深い婚約者。それから……」
ふと、ヴィクトリアの脳裏に閃くものがあった。
言葉を止めたヴィクトリアを、不思議そうな顔をしたリアムが見つめる。
「お嬢様?」
無言のまま見つめ返す。リアムの頬がほんのりと赤らむが、それでも視線を逸らさない。
「あの……?」
ヴィクトリアがいつまでも口を閉ざしているからか、照れていたリアムは徐々に不安を覚えたように眉を下げ始めた。
微笑を刻んでいた唇が力を失くし、一瞬だけ震えたのを見て、ヴィクトリアは微笑んだ。
「本当、わたくしったらどうしてリアムを愛でずにいられたのかしら。こんなにかわいいというのに」
「……お嬢様が平常にお戻りになられたようで、良かったです」
がっくりと項垂れたリアムだったが、すぐに気を取り直して立ち上がった。
「何か、思いつかれたのでしょうか? エルベールについて」
「ええ。魔法印の仕掛けを暴くのは、必要だけど今ではないわ。わたくし一人でやることでもない。それこそ鑑定官に任せましょう」
「では、どのように?」
「あなたよ、リアム。わたくしの優秀な護衛」
ヴィクトリアがスラムで拾った少年は、なんでもできるようになりたいと、そう願った。結果、貴族家の養子に入り、従者としての技能だけでなく戦う術も覚えたのだ。
バルフォア家は長く続く騎士の家系だ。帝国と国境を接するアイラ家の騎士は、ひょっとすると王家が抱える騎士団よりも強い。
ヴィクトリアが好きに行動できるのも、リアムという護衛が常に傍にいるからだ。アイラの騎士として鍛え上げられた、リアム・バルフォアが。
「私、ですか」
「レスターが書いてくれた脚本を覚えている?」
ヴィクトリアたちの婚約を祝福し、エルベールを悪役に仕立て上げるための物語。
「あれをなぞりましょう。もう下地はできているわ」
エルベールは確かに、リアムを連れ戻すためにやってきた。だが、今の目的はリアムから逸れ、ヴィクトリアを足掛かりにアイラ領を手に入れようとしている。
その行動は、フォルジュ家の息子という立場でのものだ。ならばヴィクトリアも、アイラ公爵家の後継として相対しなければ。
「……また、頼り切りになってしまうけれど。わたくし一人では何もできないわ」
光は見えた。だが、それだけが口惜しい。
ヴィクトリアは眉根を寄せた。しかしリアムは首を振る。
「いいえ、前にも申し上げました。私はヴィクトリアお嬢様のためならば、なんでもいたします。それは、お嬢様にお仕えしたくなる魅力があるからです。正しく使ってくださると、そう信じているから。だから私の力を、お預けするのです」
「リアム……」
「他の者とて同じ。私はお嬢様のように人の上に立つことはできません。人を使うことができるのは、それそのものが才能であり、一つの力です」
だから、とリアムは笑う。
「お嬢様は、堂々と我々をお使いください」
目の前が晴れ渡った気がした。
「……その信頼に、答えなければいけないわね」
リアムだけではなく、ヴィクトリアに仕えてくれる使用人、アイラ公爵家の下につく家臣たち。それから、祝福してくれた民すべて。
彼らが誇れる主人であらねばならない。それが、ヴィクトリア・リーヴズ・アイラの務めだ。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる