29 / 66
第一章
現実は甘くない
しおりを挟む
「こんなのおかしいっ!」
キンキンと甲高い声が講堂に響いた。
半分忘れられていたけれど、ポーラがまだ元気にしていたのだった。
さっきまでは状況が把握できず口が挟めなかったようだったが、ギルバートが心折れたのを見て耐え切れなくなったらしい。
ドレスのレース部分をぎゅっと握り締めて、挑むようにヴィクトリアを睨み上げている。
「ヴィクトリア様は一体何をしたんですか!? 王太子様や先生たちまで騙して、こんな酷いことを……!」
「……呆れたわ」
いったい何の根拠があるのかは知らないが、ヴィクトリア一人がこの状況を作ったと思っている時点で救いようがない。
講堂のあちこちから失笑が漏れて、ポーラはびくりと体を揺らした。
「な、なんですか。だって、あたしたちが退学になるのも、ギル君がこんなに悪く言われるのも、おかしいじゃないですか!」
「だからって、わたくしが何もかもを仕組んだというの? あなたにとっては残念なことでしょうけれど、我がアイラ公爵家には王家を意のままに操る力なんてないわよ?」
ポーラの主張は、ヴィクトリアではなく王太子をも、面と向かって侮辱するのと同義だ。
グレアム王太子にじろりと睨まれて、ポーラは混乱したようにあちこちを見渡した。
今、彼女たちの周囲にいるのは、同じように退学を宣言された十数人の生徒たちのみ。関係のない生徒は遠巻きに事態を眺めている。
そして、ポーラのために声を上げてくれる者は誰もいない。関係のないものはそのまま関わらずに済ませたいだろうし、退学になった者は自分の境遇を嘆くのに忙しい様子だ。
この場では退学の宣言、ヴィクトリアの婚約とリアムの契約の破棄だけをする予定だった。退学者を退場させ、その後は従来通りにパーティーに移行する流れだ。
ポーラが黙っているわけがないというのは、もちろん分かっていたことだが。
「でも、あたしたちは何もしてない!」
自分が正義だと信じて疑わない、まっすぐな目。だが、その裏には不安がちらついている。
必死に見ないようにしているだけで、もう取り返しがつかないところまで来ているのだと、心のどこかで感じているのかもしれない。
「何もしていない? 驚いた。自分が何をしたかも分かっていないの?」
「……あたしとギル君が、愛しあっているから? だからその仕返しに?」
「愛人との浮気なんて、大したことではないわ」
ヴィクトリアとギルバートの間に愛情があったのなら、ポーラとのことも怒りを覚えただろうけれど。
「じゃあ、あたしが平民だったから? だから差別するんでしょう!」
「いいえ。あなたを貴族と思うからこそ、罪に問うのよ」
平民が理想を語ったところで、何が罪になるだろう。裕福な貴族のお金が欲しいと、声に出して願ったとして、まったくだと笑って同意されるだけだ。それらは叶わない願望でしかないのだから。
だが、今のポーラは貴族だ。
「罪? そんなの……」
「リアムが証拠を集めてくれたのよ。お陰で国王陛下も、あなたたちのクーデター計画を理解してくださったわ」
「……クーデター?」
ぽかんと口を開けた間抜けな顔。
「随分とお粗末な計画だったけれど、国を乱そうとしたのは事実。下位貴族が第三王子を旗頭に、筆頭貴族たるアイラ公爵家を乗っ取って資産を奪い、既存の権力構造を崩壊させようとした。これがクーデターでなくて何だと言うのかしら」
リアムの証言で、ポーラがそこまで考えていないのは知っていた。
ただ、アイラがたくさんのお金を持っているのなら、それを配ってもいいだろうと、実に子供らしい発想をしていただけだ。
だが、それを実行できてしまうギルバートが傍にいたから、現実味のある計画として立ち上がってしまった。デリックの入れ知恵があったことも確認している。
そして、彼らが実際にアイラ公爵家の金を横領した事実がある以上、もう言い逃れはできないのだ。
「ち、違う! 違います! あたしたちはただ、困っている人たちを助けたいだけ! 家を継げなくて卒業後は生活できなくなる人とか、毎日働かなきゃ生きていけない平民とか! あたしは平民だったから、その苦労を知ってるんです!」
我に返ったポーラは、ようやくここで慌て始めた。王太子や周囲に向かって弁明する姿は滑稽だ。
ヴィクトリアは頬に手を当てて、わざとらしくため息をついた。
「苦労だなんて。あなたはそれなりに裕福な暮らしをしていたと聞いているのだけれど」
平民だったと言っても、彼女の家は従業員を複数人雇えるほどの商店だった。それも、王都の中心街で暮らしていたのだ。庇護される年齢の子供だったことも踏まえると、彼女が言う苦労など笑える程度のものだったはずだ。
それこそ、スラムで生死の狭間にいたリアムとは、比べるべくもない。
「で、でも! お金をたくさんあるところから、持っていない人たちに平等に分配するのは悪いことじゃない!」
苦しげに顔を歪めながら、ポーラは強く言い切った。
貴族としての教育を受けているのなら、そのような考え方にはならない。実に簡単な、義務と権利の理屈だというのに。
「どこまでも醜いポーラ、どうやら理解していないようだから、特別に教えて差し上げましょう。一時的な施しは何にもならないのよ」
ヴィクトリアは、リアムと繋いだままだった手に力を込めた。
リアムをスラムで拾った時。ヴィクトリアは屋敷に帰ってから、父に叱られた。
たった一人を救ったところで、環境そのものを変えなければ意味がない。気まぐれな施しは毒にしかならない。子供一人、悪い環境から連れ出したところで、後は放置するのなら本当に助けたとは言えない。
無責任に手を出すことは許されない。あの子供に最後まで責任を持てるのなら、傍に置くことを許す、と。
スラム街に関しても同じだった。今のポーラのように、ただ与えればいいのだと思っていた。
「ただ無意味に与えるだけでは、民は怠惰を覚え、勤勉に働くことを忘れます。やがて民草を滅ぼす毒花の根となるわ」
「働かなくて済むなら、それでいいじゃない!」
「誰かが土を耕さねば穀物は実らず、誰かが機を織らねば服を着られず、誰かが石を運ばなければ家は建ちません。そうなった時、最初に飢え死ぬのは民たちよ」
「それを王様や公爵様が助けてあげればいいんでしょう?」
ああ、馬鹿なのね、と純粋な感想が浮かんだ。
「そうなった時にはもう、国にも領地にもお金は無いわよ?」
「でも……」
「民が働くから富が生まれる。わたくしたち貴族はその恩恵を受けて、民を守るために国と領地を運営する。貴族の豊かな生活は、民のために身を捧げるから許されたもの」
裕福な暮らしをしているだけが、貴族だとでも思っているのだろうか。
「わたくしたち貴族に個人の自由はないわ。今のタディリス王国は平和だけれど、例えば戦争になった時、矢面に立つのは貴族の役目。家同士の力関係を調整するのも、庇護する民や家臣に不利益が向かないように。政略結婚なんて、その最たる例ね」
いつしか、講堂にいる多くがヴィクトリアの話に耳を傾け、頷いていた。
「ポーラ。あなたは貴族の富と、平民の自由を求めた。いいところだけどっちも欲しいだなんて、そんなずるいことはできないの」
ヴィクトリアの語ることも、理想だろう。すべてが上手くいく現実などはありえない。事実、そんなことを考えてすらいない貴族もいるだろう。
ただ、ヴィクトリアが美しいと思うものを追い求めた先に、その理想があるのなら。
呆けたようにヴィクトリアを見上げるポーラに、心底分かってもらおうなどとは、もう微塵も思わないけれど。
「理想を目指すのはよろしいわ。けれどやり方を間違えたわね。もっとちゃんと学んでいれば、あなたもギルバートも罪は犯さなかったし、あなたのご家族もあんな風にはならなかったのに」
ことさら優しい声でそう囁く。ポーラは呆けたまま、首を傾げた。
「あたしの、家族? アーキンの家も罪に問われる、ってこと?」
「ある程度はね。あなたの教育を怠ったのだから。でもわたくしが言っているのは、あなたのおじい様とおばあ様のこと」
ここで初めて、ポーラの顔に動揺が走った。
「おじいちゃんとおばあちゃんに何かしたの!?」
「わたくしではなく、あなたがね」
可哀想に、と口先だけの言葉を投げて、ヴィクトリアは微笑んだ。
「あなたが持ち帰る宝石をあてにして店の経営を怠ったせいで、売り上げが落ち込んで生活が苦しいのですって。挙句、おじい様が賭け事に大金をつぎ込んで、大きな借金まで抱えているそうよ。今あなたが着ているドレスやアクセサリーを持って帰れば、借金くらいは返せるのでしょうけれど……」
体を震わせ始めたポーラに、優しく現実を突きつける。
「それは、我がアイラ領の民が生み出した富で買った物でしょう? 返してもらわなければ」
「そん、そんな……」
「うふふ、無責任な気まぐれの施しが破滅を呼ぶということ、身に染みて理解できて良かったわね?」
床に崩れ落ちて泣き喚くポーラに、手を差し伸べるものは誰もいなかった。
キンキンと甲高い声が講堂に響いた。
半分忘れられていたけれど、ポーラがまだ元気にしていたのだった。
さっきまでは状況が把握できず口が挟めなかったようだったが、ギルバートが心折れたのを見て耐え切れなくなったらしい。
ドレスのレース部分をぎゅっと握り締めて、挑むようにヴィクトリアを睨み上げている。
「ヴィクトリア様は一体何をしたんですか!? 王太子様や先生たちまで騙して、こんな酷いことを……!」
「……呆れたわ」
いったい何の根拠があるのかは知らないが、ヴィクトリア一人がこの状況を作ったと思っている時点で救いようがない。
講堂のあちこちから失笑が漏れて、ポーラはびくりと体を揺らした。
「な、なんですか。だって、あたしたちが退学になるのも、ギル君がこんなに悪く言われるのも、おかしいじゃないですか!」
「だからって、わたくしが何もかもを仕組んだというの? あなたにとっては残念なことでしょうけれど、我がアイラ公爵家には王家を意のままに操る力なんてないわよ?」
ポーラの主張は、ヴィクトリアではなく王太子をも、面と向かって侮辱するのと同義だ。
グレアム王太子にじろりと睨まれて、ポーラは混乱したようにあちこちを見渡した。
今、彼女たちの周囲にいるのは、同じように退学を宣言された十数人の生徒たちのみ。関係のない生徒は遠巻きに事態を眺めている。
そして、ポーラのために声を上げてくれる者は誰もいない。関係のないものはそのまま関わらずに済ませたいだろうし、退学になった者は自分の境遇を嘆くのに忙しい様子だ。
この場では退学の宣言、ヴィクトリアの婚約とリアムの契約の破棄だけをする予定だった。退学者を退場させ、その後は従来通りにパーティーに移行する流れだ。
ポーラが黙っているわけがないというのは、もちろん分かっていたことだが。
「でも、あたしたちは何もしてない!」
自分が正義だと信じて疑わない、まっすぐな目。だが、その裏には不安がちらついている。
必死に見ないようにしているだけで、もう取り返しがつかないところまで来ているのだと、心のどこかで感じているのかもしれない。
「何もしていない? 驚いた。自分が何をしたかも分かっていないの?」
「……あたしとギル君が、愛しあっているから? だからその仕返しに?」
「愛人との浮気なんて、大したことではないわ」
ヴィクトリアとギルバートの間に愛情があったのなら、ポーラとのことも怒りを覚えただろうけれど。
「じゃあ、あたしが平民だったから? だから差別するんでしょう!」
「いいえ。あなたを貴族と思うからこそ、罪に問うのよ」
平民が理想を語ったところで、何が罪になるだろう。裕福な貴族のお金が欲しいと、声に出して願ったとして、まったくだと笑って同意されるだけだ。それらは叶わない願望でしかないのだから。
だが、今のポーラは貴族だ。
「罪? そんなの……」
「リアムが証拠を集めてくれたのよ。お陰で国王陛下も、あなたたちのクーデター計画を理解してくださったわ」
「……クーデター?」
ぽかんと口を開けた間抜けな顔。
「随分とお粗末な計画だったけれど、国を乱そうとしたのは事実。下位貴族が第三王子を旗頭に、筆頭貴族たるアイラ公爵家を乗っ取って資産を奪い、既存の権力構造を崩壊させようとした。これがクーデターでなくて何だと言うのかしら」
リアムの証言で、ポーラがそこまで考えていないのは知っていた。
ただ、アイラがたくさんのお金を持っているのなら、それを配ってもいいだろうと、実に子供らしい発想をしていただけだ。
だが、それを実行できてしまうギルバートが傍にいたから、現実味のある計画として立ち上がってしまった。デリックの入れ知恵があったことも確認している。
そして、彼らが実際にアイラ公爵家の金を横領した事実がある以上、もう言い逃れはできないのだ。
「ち、違う! 違います! あたしたちはただ、困っている人たちを助けたいだけ! 家を継げなくて卒業後は生活できなくなる人とか、毎日働かなきゃ生きていけない平民とか! あたしは平民だったから、その苦労を知ってるんです!」
我に返ったポーラは、ようやくここで慌て始めた。王太子や周囲に向かって弁明する姿は滑稽だ。
ヴィクトリアは頬に手を当てて、わざとらしくため息をついた。
「苦労だなんて。あなたはそれなりに裕福な暮らしをしていたと聞いているのだけれど」
平民だったと言っても、彼女の家は従業員を複数人雇えるほどの商店だった。それも、王都の中心街で暮らしていたのだ。庇護される年齢の子供だったことも踏まえると、彼女が言う苦労など笑える程度のものだったはずだ。
それこそ、スラムで生死の狭間にいたリアムとは、比べるべくもない。
「で、でも! お金をたくさんあるところから、持っていない人たちに平等に分配するのは悪いことじゃない!」
苦しげに顔を歪めながら、ポーラは強く言い切った。
貴族としての教育を受けているのなら、そのような考え方にはならない。実に簡単な、義務と権利の理屈だというのに。
「どこまでも醜いポーラ、どうやら理解していないようだから、特別に教えて差し上げましょう。一時的な施しは何にもならないのよ」
ヴィクトリアは、リアムと繋いだままだった手に力を込めた。
リアムをスラムで拾った時。ヴィクトリアは屋敷に帰ってから、父に叱られた。
たった一人を救ったところで、環境そのものを変えなければ意味がない。気まぐれな施しは毒にしかならない。子供一人、悪い環境から連れ出したところで、後は放置するのなら本当に助けたとは言えない。
無責任に手を出すことは許されない。あの子供に最後まで責任を持てるのなら、傍に置くことを許す、と。
スラム街に関しても同じだった。今のポーラのように、ただ与えればいいのだと思っていた。
「ただ無意味に与えるだけでは、民は怠惰を覚え、勤勉に働くことを忘れます。やがて民草を滅ぼす毒花の根となるわ」
「働かなくて済むなら、それでいいじゃない!」
「誰かが土を耕さねば穀物は実らず、誰かが機を織らねば服を着られず、誰かが石を運ばなければ家は建ちません。そうなった時、最初に飢え死ぬのは民たちよ」
「それを王様や公爵様が助けてあげればいいんでしょう?」
ああ、馬鹿なのね、と純粋な感想が浮かんだ。
「そうなった時にはもう、国にも領地にもお金は無いわよ?」
「でも……」
「民が働くから富が生まれる。わたくしたち貴族はその恩恵を受けて、民を守るために国と領地を運営する。貴族の豊かな生活は、民のために身を捧げるから許されたもの」
裕福な暮らしをしているだけが、貴族だとでも思っているのだろうか。
「わたくしたち貴族に個人の自由はないわ。今のタディリス王国は平和だけれど、例えば戦争になった時、矢面に立つのは貴族の役目。家同士の力関係を調整するのも、庇護する民や家臣に不利益が向かないように。政略結婚なんて、その最たる例ね」
いつしか、講堂にいる多くがヴィクトリアの話に耳を傾け、頷いていた。
「ポーラ。あなたは貴族の富と、平民の自由を求めた。いいところだけどっちも欲しいだなんて、そんなずるいことはできないの」
ヴィクトリアの語ることも、理想だろう。すべてが上手くいく現実などはありえない。事実、そんなことを考えてすらいない貴族もいるだろう。
ただ、ヴィクトリアが美しいと思うものを追い求めた先に、その理想があるのなら。
呆けたようにヴィクトリアを見上げるポーラに、心底分かってもらおうなどとは、もう微塵も思わないけれど。
「理想を目指すのはよろしいわ。けれどやり方を間違えたわね。もっとちゃんと学んでいれば、あなたもギルバートも罪は犯さなかったし、あなたのご家族もあんな風にはならなかったのに」
ことさら優しい声でそう囁く。ポーラは呆けたまま、首を傾げた。
「あたしの、家族? アーキンの家も罪に問われる、ってこと?」
「ある程度はね。あなたの教育を怠ったのだから。でもわたくしが言っているのは、あなたのおじい様とおばあ様のこと」
ここで初めて、ポーラの顔に動揺が走った。
「おじいちゃんとおばあちゃんに何かしたの!?」
「わたくしではなく、あなたがね」
可哀想に、と口先だけの言葉を投げて、ヴィクトリアは微笑んだ。
「あなたが持ち帰る宝石をあてにして店の経営を怠ったせいで、売り上げが落ち込んで生活が苦しいのですって。挙句、おじい様が賭け事に大金をつぎ込んで、大きな借金まで抱えているそうよ。今あなたが着ているドレスやアクセサリーを持って帰れば、借金くらいは返せるのでしょうけれど……」
体を震わせ始めたポーラに、優しく現実を突きつける。
「それは、我がアイラ領の民が生み出した富で買った物でしょう? 返してもらわなければ」
「そん、そんな……」
「うふふ、無責任な気まぐれの施しが破滅を呼ぶということ、身に染みて理解できて良かったわね?」
床に崩れ落ちて泣き喚くポーラに、手を差し伸べるものは誰もいなかった。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。
それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。
一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。
いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。
変わってしまったのは、いつだろう。
分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。
******************************************
こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏)
7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

旦那様は離縁をお望みでしょうか
村上かおり
恋愛
ルーベンス子爵家の三女、バーバラはアルトワイス伯爵家の次男であるリカルドと22歳の時に結婚した。
けれど最初の顔合わせの時から、リカルドは不機嫌丸出しで、王都に来てもバーバラを家に一人残して帰ってくる事もなかった。
バーバラは行き遅れと言われていた自分との政略結婚が気に入らないだろうと思いつつも、いずれはリカルドともいい関係を築けるのではないかと待ち続けていたが。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる