上 下
128 / 392
2015年

俳句から学ぶエッセイと小説の違い、テンプレと主人公の設定と読者の共感について

しおりを挟む
 しばらく、小説ばかり書いていたので、ちょっとエッセイを書きたくなってるようです。


プレバト! 大女優競演!俳句の才能を徹底査定 Full 2015 03 15 
https://youtu.be/3CH_l1SposU

プレバト! 
http://www.mbs.jp/p-battle/

夏井いつきの100年俳句日記
http://100nenhaiku.marukobo.com/


 毒舌の俳句の先生が芸能人の俳句(五・七・五)を添削するテレビ番組です。

 この前の番組では「富山のチューリップ畑」がお題に出て、評価一位の高田万由子が詠んだ句が凄くて、チューリップ畑の背後に見える「残雪」を最初に持ってきて、最後には「春の花」に繋がっていくものです。

 句自体は忘れてしまいましたが、チューリップ畑なのに、「残雪」から入る発想の非凡、そこから「春の花」に飛躍するイメージなど、これが俳句というものでした。
 
 俳句の夏井いつき先生がいうのには、散文(エッセイ)と俳句(小説)の違いは、イメージや発想の飛躍があるかどうかという点だそうです。


 つまり、エッセイは発想、気づきというものもあるけど、基本的には「説明」「謎解き」みたいなもので、小説の要素である「情景、心理描写、イメージ」とはやっぱり別物のようです。

 小説ってやっぱり、最初の発想の良さとイメージなんだなと思いました。

 なろうのテンプレも主人公の設定とその後の展開の発想が秀逸なので、多くの人に模倣されるのだろうなと思いました。


プレバト! 大女優競演!俳句の才能を徹底査定 Full 2015 03 15 
https://youtu.be/3CH_l1SposU


 しかし、この番組、紺野美佐子さんの俳句は最下位が多くて、稲の稲穂の写真をみて、上記動画では「実るほど 頭垂れたら さかさ吊り」という句を読んでいました。

 「実りきて 稲架はさ垂穂たるほの さかさ吊り」という先生の全面添削で何とか形になってました。

 渡辺えりこさんの「ようやくここは 秋の穂のなる 東北」という俳句は凄かった。
 7・7・4の変則でありながら、震災後の東北の復活というテーマを効果的にうたいあげています。

 一位の梅沢富美男さんの「黄金なす 陽の背に負う 稲架はさ一重」はもっと凄くて、黄金なす→稲架はさ一重やおひさまにかかっていれば凡人の発想で、黄金なす→陽のにかかってるから非凡だそうです。

 陽の、おひさまの香りが黄金色に輝く、かおるという複数感覚にうったえる発想が凄い訳で、小説の描写やイメージの参考になる番組ですね。


1位の「ひび割れて、埋まる」 作者:ひかわ浅葱さん
http://ncode.syosetu.com/n6647cf/(作者退会)

 このホラー大賞の一位作品がまさにそうで、夏の情景描写と夏の香りまで再現された文章の素晴らしさが感想欄に書かれています。

--------------------------------------------------------------
投稿者: ZAKI  [2015年 04月 18日 16時 31分] ---- ----
良い点
「読んだ!」ツイートでも書かせていただきましたが、まずは短い物語の中にギュッと凝縮された濃密な世界観と過不足のない構成、描写力が素晴らしかったです。
主人公の目を通して見えている情景が読み手にも明確に脳内で再生され、さらには彼が体験した出来事までもが、空気や質感、音、そして温度までもを伴って感じとることができました。
光と闇。熱気と冷気。夏ならではの喧噪と静寂といった対比も見事で、どこかノスタルジックでのんびりとした田舎ならではの空気感から浮かび上がる残酷さにゾクリとしました。

ラストのあの余韻がまたお見事で……。

無邪気にひそむ真実。。。

ひかわ浅葱……恐ろしい子!!(笑)

演出の妙にただただ脱帽でした!
--------------------------------------------------------------



 この話から繋がっていくのですが、テンプレの主人公の設定というのが似たような感じになる理由というのがあって、この主人公と読者が何となく重なるというキャラ設定があったりする訳です。

 それは「転生前」の主人公のキャラ設定です。
 ニートであったり、無職であったり、あまりいい人生を送ってなくて、それが転生後に逆転するというストーリーの流れになります。

 この最初の部分で、読者が感情移入できるキャラを設定できるか?がポイントだと思うし、その後の展開の面白さもあるとは思います。


 大体、このエッセイ自体が最初に支持されて、予想外にブックマークが伸びて今、433ブックマークぐらいあります。

 それで小説で感想欄で反響が若干あった作品は「複垢調査官 飛騨亜礼 ≪短編連作版≫」「ぼくはおかあさんのよんでくれるえほんがすきです」なんですけど、この作品の共通点は「なろうネタの小説」なんですよ。

 つまり、読者の感情移入の法則というのは「ここに書かれていることは自分のことだ」と思えるかどうかで、そういう小説の主人公や展開を作れるかどうか?にかかってるように思いました。


小説とラノベを分けるのはナンセンス!? 人気の「キャラ文芸」とは何か?【識者解説】
http://ddnavi.com/news/237456/ 


 実はラノベやなろうの小説の内容については、さほど何かがあるという訳ではなく、ポイントは実はそのあたりにあるんじゃないかと思いはじめました。

 実技的にはなかなか難しいですが、この辺りも考えながら新作(当分ないかもですが)とかを作っていこうと思います。

 もちろん、非凡な発想、新たなテンプレとして流行りそうな設定を思いつくか、それから表現が素晴らしとか、そういう技術的なものも大事だと思います。

 ただ、読者の心をつかむキャラ設定というか、このなろうでは実はそちらの方が大事だと思います。
 読者が感情移入しやすいキャラとは何かというお話です。
 
 ラノベの「ハーレム」「タイトル」などのナンセンスさが我慢ならん!ということもあると思いますが、それがなろう小説やラノベの本質で、それは俳句の基本が「5・7・5」なのと同じようなものです。

 もはや、それがひとつのジャンルの特徴で推理小説に名探偵が何故、出て来るのか?密室トリックが出て来るの?というようなナンセンスな批判になっています。

 それを超える発想の作品を出すしかないというレベルの高い話になってしまいます。

 この斬新な発想というのは「戦国自衛隊」「進撃の巨人」「日本沈没」のようなクラスの設定になるので、なかなか難しいことだと思います。 

 プレバトの俳句の授業はそういう発想や小説表現の勉強になるなと思いました。

 

 実はこの相手目線の小説の作り方ですが、僕が今の奥さんと結婚できた理由のひとつです。

 奥さんは最初、僕のことにはあまり関心がない。お見合いだし、最初は恋愛感情もない訳です。

 ところが、奥さんの関心をリサーチして、それを提供することに徹して結婚できた訳です。


 読者は自分のことしか考えないし、最初は作者など気にしていません。

 ただ、作品が面白い、この作品の主人公は自分自身だと思って感情移入して、その後に、作者のことが気になりはじめます。

 結局、そういうことであって、ログホラの作者が脱税しようが、作品が面白ければそれでいい訳です。

 人間って自己中心的だなといってもそれが人間の本質であって、他者中心ではただの奴隷だよねと思ったりします。

 それが健全な人間の姿だと思いました。

 小説を書く上でも、そういう視点が大事なことをちょっと思い出してきました。








(あとがき)

シロクロボット・リプレイス 作者名 youse
https://www.magnet-novels.com/novels/50713

小説家になろう版
https://ncode.syosetu.com/n5066ef/

マグネット活動報告、ときどき書評日記連
https://www.magnet-novels.com/novels/53308

note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
https://novelba.com/works/860215

米津玄師 MV「Lemon」
https://youtu.be/SX_ViT4Ra7k



 米津玄師 MV「Lemon」をよく聴いたりして、文章を書いたりしてるんですが、一億PV超えてて収益は0.1円/1PVなら1000万ぐらいになるそうです。

 米津玄師は一億PV超えの作品が数作品あって、たぶん、ユーチューブの収入だけで一億円超えるんじゃないかと思います。
 十年にひとりの天才だとも言われていて、宇多田ヒカルにも匹敵する才能だと思ってます。

 この方、最初はイラストレーターを目指していて、はじめの頃のPVは自作イラストで構成されていたようです。
 
 ノベルバのような小説投稿サイトが増えて、小説家もPVだけで収益がゲット出来て暮らしていけるようになれば、もう新人賞を取る必要もなく、デビューさえ必要なくなります。

 読者は無料で小説が読めるし、ユーチューブで作品を無料公開してるミュージシャンのようになれたらいいなと思います。
 
 宇多田ヒカルと米津玄師に共通する創作のテーマは『孤独』だそうです。
 異世界転生小説もひきこもりとかニート的だし、『孤独』を見つめる創作なんかなとも思う。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

申し訳ありませんが、貴方様との子供は欲しくありません。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:126

【完結】前世の因縁は断ち切ります~二度目の人生は幸せに~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:77,319pt お気に入り:4,606

わたしは妹にとっても嫌われています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:191pt お気に入り:5,347

ある男の後悔

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:932

もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:23,433pt お気に入り:1,152

オレはスキル【殺虫スプレー】で虫系モンスターを相手に無双する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,458pt お気に入り:642

冷徹だと噂の公爵様は、妹君を溺愛してる

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:4,437pt お気に入り:207

処理中です...