人妻嬲り

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芽吹き

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 SNSでの鈴音の人気はうなぎのぼりで、和服に興味のある海外からの問い合わせも多い。今回和服の普及も兼ねて、鈴音は海外に一週間ほど出張している。

 今まで南川に遠慮して、遠出のものはすべて断っていたが、着付け教室で懇意にしている婦人からぜひにと頼まれ、南川に相談した。南川に、行きたいのなら行ったらいい、と背中を押され、鈴音は申し訳なさそうに出て行った。



 南川は、離れの縁側に座り、いるはずのない隣を見る。考えてみれば、二人が離れて過ごすのは、鈴音がここに来て以来、初めてのことだ。南川自身、鈴音には自由にさせたいと思っていたが、知らぬうちに縛りつけていたのかもしれない。一抹の後悔に、ため息を吐く。

 しかし、鈴音がいないだけで、これほど寒々しい気持ちになるとは思いもしなかった。何をしても、鈴音を思い出してしまう。

 髪を結い上げたときのうなじの女っぽさ、甘い吐息を吐きながら縛られたときの妖艶さ、そしていつまでも嗜虐の血を沸かせてくれる羞ずかしそうな美貌。そのどれもが愛おしい。

「すずね……」

と呟くと、頭の中の鈴音が「はい」と答える。「愛している」と呟くと、「わたしもです」と答える。もう何年も一緒に暮らしているのに、好きだという気持ちが、消えるどころか、ますます強くなっている。

 「愛だ」「恋だ」という歳でもなかろう。いい年齢をしてと自分に呆れながら、もう一度「愛している」と呟いてみると、ほのかな甘酸っぱさが心を満たす。存外これも悪いものではない。






 仕事もほったらかしにして、空港まで鈴音を迎えに行った。鈴音の帰国を祝うかのように、地元で大きな花火大会が予定されていた。

 帰ってきて早々、ぜひ南川と花火を見たいという。時差ボケで疲れているのではないかと言うと、「ご主人様と一緒に見たいのです」という。

 南川は、浴衣を着て、落ち着かないまま鈴音を待つ。遅れてきた鈴音は、華やかな浴衣を身にまとい、大人の色香を漂わせていた。

「よく似合っている。見ているこっちがドキドキするよ」

 鈴音は、頬を赤らめ、「ご主人様も素敵ですわ」と照れたように言う。

 すでに年齢は四十を超えている。それなのに、この胸の高鳴りはどうなのか。細い腕にしんなりと優雅に動く手に目がいく。いい年齢をしたもの達が、手を繋いで歩くなんて気恥ずかしいという思いが頭をよぎる。

 近くの高台へ向かって急な坂を歩いて行った。距離的にはそれほどでもないが、花火大会のため交通規制がしてあり、みんな徒歩で坂を上っている。南川のすぐ後ろを鈴音がついてくる。南川は、後ろを振り向き、

「大丈夫か?」

と声をかけ、黙って手を繋ぐ。鈴音は一瞬はっとした顔をしたが、照れくさそうにして、そのまま黙ってついてきた。

 高台の上には、すでに多くの人で埋め尽くされていて、暗闇の中を抜けながら、空いた場所へ移動していると、ちょうど花火が打ち上がった。

 「ド~ンッ」という大砲が撃ち出されたような音に続いて ヒュ~~~という音が期待に胸を湧かせる。夜空に向かっていくつもの白い閃光が打ち上がり、それらが中空の一転に集結するや一気に爆発して、赤、白、青と何色もの光の輪が花開く。

 それを見上げる鈴音の額から頬まで、花火に染まってほんのり赤く染まっている。

 それに見とれる間もなく、大輪の花はさらなる花を生み出し、次の瞬間、七色の花火は滝となり「ザザアァ……パラパラ」という音とともに夜空に流れ落ちていった。

 まさに一瞬も止まることなく、変化に変化を重ねる光と音の饗宴に固唾を呑むと、鈴音も吸い込まれたように夜空を見上げている。

 そのまま花火が失せ、再びまわりに闇夜が戻っても、鈴音の興奮が、握った手から伝わってくる。鈴音が、南川へ顔を向けると、綺麗ですねと、微笑んできた。君の方が綺麗だよという言葉が、高らかに響く花火の音と周囲の喧噪にかき消えていった。






 湯上がりにバスタオルを巻いた体を、自分の寝室のベッドに大の字に横たえながら、南川はじっとしていた。自分が何をしたというわけでもないのに花火大会の興奮が冷めやらない。鈴音がやって来るのを待つのがもどかしい気分だった。

 鈴音がひっそりと入って来た。入ると、いつものならいで、ドアの傍の衝立の中に入った。そこで着ているものを脱いで、南川の寝具に入るのだ。

 秘めやかな衣ずれの音がたつのを待って、南川は声をかけた。

「待ち遠しかったよ」

 生まれたままの姿で鈴音が衝立の陰から出て来た。撫で肩を小さくすくめ、両手でたわわな胸と、生まれたままの恥毛とを隠している。男の嬲りものになるためにみずから素っ裸になった、その羞じらいにこぼれんばかりの姿が、南川を昂ぶらせた。

「ちょっとそこで立ち止まって」

 畳を踏む白い素足が、ピクッと止まった。羞ずかしそうに南川に向けた顔を捻じるように伏せ、みるみるうなじまで染めた。

 南川はあえて両手までどけろとは命じなかった。鈴音には羞じらいで消え入りたげなそんな風情こそ似つかわしいのだ。

 鈴音の裸身はどこまでもなだらかでふくよかな曲線に囲まれている。それが頭から爪先まで羞じらいに彩られで消え入りたげに立ち尽くしているさまは、何度見ても見飽きない眺めだった。プロポーションという点からだけ見れば、まだ若いモデルや女優の方がはるかに勝っていよう。

 だが、男の心をなどませしっとりくるみ込んでくれる優しさが、鈴音の体の線にはある。

「おいで」

 さしのべた南川の腕の中に、鈴音は待ちかねたように崩れ込んできた。もう肌を汗ばませていた。腰のなめらかなくびれが、スルリと南川の腰の中におさまった。

 愛する者を手中にする満足感を覚えながら、鈴音の背から腰を撫でてやる。

 すべすべして柔らかい肌である。どこかしっとりして、きめが細かい。抱き合ったまま、その白い肌に触れていると、何百年ものあいだ雪国で育まれ、紡ぎ出されてきた絹に触れているような気がする。

「あんなにしてごらんになるの、いやです」

 白い腕を南川の首にからめ、熱い息づかいを喘がせながら、鈴音は言った。

「いいじゃないか。わたしは鈴音の美しさに参っているんだよ」

「じゃぁ、絶対、離さないでくださいね」

「わたしの方が手放せないんだよ」

「今日は、縛りになりませんの?」

「たまにはこうやって鈴音にリードされてみたいと思ってね」

「いや」

 鈴音はにわかに羞じらって、南川の胸に顔を埋めた。たしかに今日の鈴音はひとりで燃えている感じだった。あごに指をかけて顔を仰向かせると、自分からかぶさるようにして喘ぐ口を寄せてきた。瞳が燃えていた。

「縛られない方が燃えるんなら、これからは縛るのはよそう」

 軽口をたたく口がふさがれた。もどかしげに舌が割り込んできた。毛脛をスベスベした内股に割り込ませてこすり上げてやると、喘ぎを顫わせて、舌に力を加えてきた。右手を下にのばして、南川のものをゆっくり擦りはじめた。

「今日は激しいんだね。どうかしたのか」

「……はずかしい……ごらんにならないで……」

 鈴音の顔は羞じらいと昂まりとで真っ赤だ。その顔を南川の視線から隠すようにして、鈴音は体を下げてゆき、白い背中と腰を見せて手にしたものに口を押しつけた。

(やけに積極的だな。久しぶりに会ったからだろうか)

 いぶかりながら、南川は鈴音のたおやかな背すじをなぞり、腰のまるみを愛でた。

 鈴音は艶っぽく結い上げた髪が次第に乱れてくるのもかまわず口にしたものの上で顔を上下にゆすっている。舌がチロチロ動いて、急所をくすぐる。きつく吸い上げられてそれをやられると、気の遠くなるような快さに呻かずにはいられなかった。横坐りになった尻たぼのあわいから手をさし込んでまさぐると、熱湯のようなたぎりが指に触れた。わずかに膝をくつろげて自由にいじらせながら、鈴音はさらに昂ぶっていくようだ。

「どうしたんだね、本当に」

 肩を掴んでこっち向きにさせようとしても、鈴音はかたくなに拒んで、南川の剛直にむしゃぶりついている。

 南川はゆったり手足を伸ばして、腰の中心から全身に拡がる悦楽に身を任せた。

 やがて鈴音は、南川を汚したみずからの唾液を舌で丁寧に舐め取って清めると、南川にかぶさってきた。

「あの……」張りつめた乳ぶさを南川の胸に押しつけながら、消え入らんばかりに囁いた。

「上になってもよろしい?」

「その前にもう一度キスだ」

 今度は南川が鈴音の首を抱え込んで情熱的な口づけを行なった。眼を細くして口づけを受ける鈴音の上気した貌は、えもいえぬなまめきに匂うようであった。

「思う存分わたしのもので感じるといい」

「そんな……」

「いつもわたしから好きなように嬲られて、不満だろう。時には逆もいい」

「不満だなんて。いつも幸せに思ってますわ……鈴音は身も心もご主人様のものです」

「わたしもいま同じことを言おうと思っていたところなんだ」

 鈴音は南川の胸にしがみついてあふれる涙をこすりつけた。もはやたまらぬといった風情で身悶えすると、南川の腰にまたがり、手を添えたものを、熱く濡れそぼったみずからの秘肉の間に、ふかふがと埋め込んだ。

「ああ……ご主人様」

 崩れかけた黒髪が反り返した顔に振りかかるのをうるさげに払いのけながら、鈴音は大胆に腰を使いだした。根をしっかりと食い締め絞り上げるようにしながら、腰をまわすのだ。ああッ、ああッ、と昂ぶった声を絞りつつ熱し切った子宮に先端を押しつけ、抉る。

 南川はめったにない鈴音の狂乱ぶりに眼をそばたてつつも、その妖しい美しさに酔った。鳩尾に汗をしたたらせて弾む乳房に両手を当てがって絞り上げてやった。

「あ……いい……」

 根がキリキリ食い締められた。そのまま乳房を揉みはじめると、鈴音の腰の動きがそれとリズムを合わせた。

「あぁぁ、イキそう……」

 涎のあふれる口をワナフナ慄わせ、眉間に深い皺を刻んで、鈴音は反った。

「まだ早過ぎる」

「だ、だって……」

「いくことは、わたしが許さん」

 そう言いながら、下からズンと子宮に響くような一撃を送り込んでやった。

「ヒぃイイイ……イッ、イキます」

 ブルブルッと身ぶるいしながら、鈴音はえもいえぬ恍惚とした顔を見せた。その顔と、絞り上げてくるきつい収縮とが、南川の引き金を引いた。

「ああッ……旦那さま…」

 激しいしぶきを感じ取って、鈴音はふたえび総身を慄わせた。

 ティッシュで南川のものをいとしげに拭き清め、自分の始末もすませると、鈴音は南川の腕の中に崩れ込んできた。

「ずいぶん激しかったじゃないか」

「……はずかしい……」

「あんなに激しいというのは、生理が近いってことなのかな」

 南川はほつれ毛をかきやりながら訊いた。

「それが……」

 と、ますますきつく頬を南川の胸にすりつけながら、鈴音は囁いた。

「この前から、生理がないのです。妊娠検査薬では陽性反応が」

「え? 今なんと言った?」

 南川は鈴音の羞じらう顔をしゃくり上げた。

「旦那さまの赤ちゃんが……ここに」

 羞じらいと幸せとで輝くばかりの鈴音の顔を、南川は眩しそうに眺めた。

(そうか、それがうれしくて、あんなに燃えたのか……) 






 数日後、内診台に、鈴音が横たえられた。鈴音は消え入らんばかりに羞じらって、片手でしっかり顔を覆い、もう一方の手で南川の手をしっかり握りしめていた。

「ニか月とちょっとというところだね」

 表川はゴム手袋を脱ぎながら言った。南川は鈴音の顔を覆った手の奥から涙が溢れ出るのを見た。

「おまえもいよいよ父親か」

 鈴音の着付けを待つ間、奥の居間に南川を誘った表川が訊いた。

「まだ実感は湧かないがね。鈴音が喜んでいる」

「おまえが一番喜んでいるように見えるがな」

 すすめられた酒をことわりながら、南川は言った。

「そうかもしれん」

「様子でわかったよ。お前にいじらしいほどの惚れこみようだってことは、ひと眼でわかる」

「結婚する。まだプロポーズはしていないが」

「ふーん、おまえの方が惚れているというわけか。くくく」

「お前にだって、あの明子さんという看護師があるじゃないか。身も心も看護してもらっているんだろうが」

 表川は黙ってグラスをあけた。

「本当に好きな女に心底惚れる。お前の気持ちがよくわかるよ」

 ひとりごとのように言いながら、表川は窓の外を見た。

 看護師に付き添われて鈴音が入って来た。表川は立ち上がって迎えた。鈴音ははじめて妊娠を知らされた若妻のように、まだ羞じらっていた。

「おめでとうございます、奥さん。ご主人からお聞き及びと思いますが、わたしは堕ろすのが専門でして、お産みになるのでしたら、良い医者をご紹介してさしあげます」

「ありがとうございます。お世話になりました」

 鈴音は丁寧に頭を下げた。

 今日は二人きりで南川が車を運転して来た。その南川が帰り道、前を向いたまま、ひと言も口をきいてくれない。内診台に上がっている間、しっかり手を握ってくださっていたのに、と思うと、鈴音は南川の怒ったような横顔にオロオロ戸惑うばかりだ。

「……わたくし、産んでもよろしいのでしょうか……」

 思い切って訊いて見た。が、それにも思い込んだような顔を見せたきりだった。鈴音は泣きたくなった。

「……こんな齢ですし……おいやなのでしたら……」

 言いながら涙がこぼれた。

「どんな言葉をかけてあげたらいいか、分からないだけだよ。自分の子どもと考えると、ジーーンとくるものだな」

 南川は思いに浸ったように言った。

 実は心の内は違っていた。どのように結婚を申し込もうかと考えていたのだ。一流のホテルで食事をして、その場でか、または部屋に移動してからとも考えた。だが、そんなロマンチックなプロポーズが自分に似合うとは思えない。サディストには、サディストなりの仕方がある。

「鈴音、ありがとう。子どもができてうれしいよ」

 南川は、口角を上げ、ニヤリと笑うのだった。




 鈴音の生まれたままの裸体をそこに立てさせて、南川はしげしげと眺め入った。

「おいで」

 離れの部屋では、うっすらとした明かりを灯す行灯が、温かな暖色系の光りを放っていた。白く美しい裸身を照らし、障子に映し出される影がゆらゆらと揺れている。

 鈴音の頭上に鎖の音がして、水平に吊られたパイプが降りてきた。パイプの面端には黒い鞣革の手枷が取りつけられていた。

「おゆるしくださいまし。こんなのは、いやです……」

 胸の両手を剥かされて手首をくくりつけられながら、鈴音は哀しげに訴えた。おどろな雰囲気に圧倒されて、優しい胸がすくみ上がっている。別人のようになった南川に何をされるのか、こわい。

 白い両腕を拡げて固定された鈴音は、鎖を引き上げられるにつれて、背筋が伸びていく。いやおうなしに前が剥き出しにされた。その姿を、その羞ずかしい身悶えのひとつひとつを、見られる羞ずかしさ。

「これが見えるかね」

 眼の前につきつけられたのは、房鞭だった。黒い鞣革が不気味なねばい光を放っていた。

「打たれたくなかったら、その閉じた足を開くんだ」

 南川は鞭を鈴音のおののく鳩尾にソロリと這わせた。おぞましさに胸がキュッとすくんだ。鞭は頸すじを這って背中にまわり、背すじをおびやかして、硬化した尻を撫でまわした。

「……おゆるし……」

 慄え声を尻目に、鞭はふたたび前にまわって、腹を這った。鈴音は総身を粟立たせた。

 鈴音はよじり合わせていた白い下肢をゆるめ、おずおずと拡げていった。

 四肢を大の字なりに開き切った真っ白な裸身が、行灯の趣のある明かりを浴び、妖艶さを醸し出していた。

 南川は、手を伸ばし、鈴音の秘部に触れる。

「蜜でいっぱいだ」

「いや……」

 そんなはずはないと思ったが、南川の指の動きのなめらかさが、それを証していた。信じられなかった。

「鈴音は苛められるとぐっしょり濡れる。わたし好みのマゾだよ」

 カーッと頭が燃えた。

(ご主人様がそんな体にしてしまわれたのです)

 南川の手が、まだ妊娠のそぶりすら感じない腹を撫でつつ、もう一方の指で、熱湯をたぎらせた媚肉をまさぐっている。はじけた肉芽に触れられると甘い声が漏れた。

 南川は、愛おしそうに腹を撫でた。

「子どもができるとどんな気持ちになるのか想像もできなかったが……鈴音とわたしの子どもだと思うとうれしいものだな」

「ご主人様にそう言ってくださって……とてもうれしいです」

「わたしもうれしいよ。この年となってはじめて自分の子が持てるんだからね」

 熱い口づけに、気持ちがさらに昂ぶる。悦びのしたたりが内股を伝うまでに溢れた。

「子どもが出来たとなると、結婚しなければならんな」

 南川は鈴音の固くしこった乳房を撫でながら言った。心なしかそれはもう母乳をたくわえて、いつもより張っているように思えた。

「……旦那さまの赤ちゃんなら、鈴音は、ひとりでも育てます……」

「冗談言っちゃいかんよ」

「でも……」

「わたしは結婚の申し込みをしているつもりなんだがね」

 不意に鈴音は総身を慄わせて泣き出した。

 鈴音の胸にはうれしさと情けなさが激しくもつれ合った。

 何という結婚の申し込みだろう――全裸に剥いて大の字に曝し上げ、その浅間しい姿を見せつけながら、結婚の申し込みをするとは――

 我ながら酷いプロポーズだと思った。だが、これが自分にはふさわしい。 

「どうかね、受けてくれるかね」

 鈴音は返事ができなかった。お尻を撫でられながら身体全体で泣いていた。

「体の方は一緒になりたくて、こんなにおつゆを出しているのに――」

 二本の指に抉られて、鈴音はヒィイと大の字を反り返した。

「返事がないところを見ると、いまだにわたしの片想いだったのかな」

「違います……鈴音は……鈴音は……南川様を……」

「わたしのことを、どうだって?」

 南川の指は意地悪く、愛液を擦り込むようにして陰核をヌルヌルと扱いた。

「ぁあっ……ぅぅんっ、お、お慕いしています……ぁああっ」

 蚊の鳴くように言って嗚咽を高めた。

「すると結婚はオーケーだね?」

「……は、はい……ああッ、ぅぅんんっ」

 鈴音がうわずった声をあげたのは、二本の指が蜜壺の最奥を貫いてきたからだった。

「ああ、手を……手を、どけてくださいまし」

 淫らに発情した裸身が腰をゆすりたてて歔いている。侘び寂びのある情緒ある和室が、妖しい雰囲気に彩られていた。

 南川は鈴音の哀訴を無視して、さらに深く抉った。

「ぁあああああっ、だ、だめ……」

「さあ、もう一度はっきり言ってもらいたいな」

 南川は指を抽送しながら、耳元で囁いた。

「ぅんっ、ああ、しばらく……指の動きを止めて……」

「言いなさい」

「……鈴音は……ご主人様の……」

 そこまで言って、心の悦びと肉の悦びで舌がもつれた。南川は抽送を止めずに、鈴音の乳ぶさを腹を繊毛を尻を撫でまわした。どこもかも悦びに張りつめ感じていた。

 愛撫の中で鈴音は首を捻じって、しきりに南川の唇を求めた。南川は抽送をさらに深くしながら、唇を重ねた。

 舌が待ちかねたようにさし込まれてくる。南川の舌を吸い、悦びの呻きを絞り出しつつ、腰を揺すって南川の指を食い締めた。

「……ご主人様……鈴音は、もう……」
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