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牝犬調教(前編)
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志藤美紀は,スタイルの良い身体にグレーのジャンスカツインニットワンピースをよく似合い,隼人の座る席に向かって颯爽と歩いてきた。
背中に流れたストレートのサラサラとした髪が,カッカッという歩きに合わせて揺れている。
小顔で,日本人形を思わせる清楚な雰囲気。ハッと息を飲むほどの美女であった。切れ長の目が特に美しく,小さな唇はリップクリームで十分に潤い,艶めいていた。
薄いメイクなのに,大人っぽく,20歳とは思えないほどで,ちょっとした仕種や顔の表情に,妖しい女の匂いを感じさせる。
美紀と同じゼミ生となり1年が過ぎた,大学に入った時から,隼人は美紀に惹かれていた。もちろん,隼人だけではない。これだけの美女なのだ。誰もが憧れと恋心を彼女に向けた。
だが,彼女とは誰とも付き合おうとはしなかった。顔が良くて,女性から人気の男もあえなく撃沈し,どんんな男が好みなのだと密かにSNSで話題にもなったぐらいである。
そんな中,隼人はあえて彼女とは距離をとった。飲み会でも彼女を中心にして輪ができるのだが,そこから一番遠いところにいるよう心がけたのだ。
ある日,学校の講義が終わったとき,モテ男と呼ばれる男が,美紀に誕生日プレゼントを贈ったと言っているのを聞いた。耳を澄まして聞いてみると,プレゼントは彼だけではなく,他にも大勢いたらしい。
美紀が20歳の誕生日から10日過ぎた頃だ。思い切って隼人は会員制のレストランに美紀を誘った。断られると思っていたが,思いもかけず,了承したのだった。
「隼人さんが誘ってくるなんて初めてよね。嫌われているのかと思ってた」
美紀が席に座ると,すぐに店員が前菜がテーブルに置かれた。
「反対さ。みんな美紀さんに夢中だからね。ぼくが誕生日のお祝いに誘っても断られると思ったんだよ。」
隼人は眩しい目をして美紀を見つめた。
「もう10日も過ぎてから誘うんだ?」
いたずらっぽく美紀が言う。
「勇気を出すのにそれだけ時間がかかったのさ。それに,誕生日のお祝いの誘いがたくさんあったみたいだったし。」
「2人きりで会うのは、隼人が始めてだわ」
そう言って美紀は頬を赤く染めた。色が白いだけに、顔色の変化がすぐにわかる。
それからは,普段と変わらない会話が続いた。美紀は,初めてきたレストランだったが,料理は,とても豪華で美味しかった。
「料理は,どれも最高だったけど,高かったんじゃない?」
食後のコーヒーが置かれ,ウェイターが立ち去っていくと,美紀は不安そうに隼人に小さな声で言った。周りは,ほぼカップルで,しかも高そうな服やオシャレな服を着て,いかにもお金持ちって感じだ。明らかに学生の2人には場違いだ。
「大丈夫だよ。それよりも,ここはショーレストランだからね。今から始まるショーを楽しみにしてよ」
隼人はそう言ってにっこり微笑んだ。
館内の音楽が止まり,ステージらしき所にスポットライトが当たった。ざわついていたフロアが静まりかえる。
「きゃぁっ……」
そこへ現れたのは,美紀と同じくらの年齢の美女だった。ただ,美紀が悲鳴を上げるのも無理はなかった。
美女が,裸だったのだ。しかも,透けるような白い肌に,真っ赤な縄によって淫らに縛られているではないか。形の良い乳房や恥毛の翳がはっきりと見える。
「ああ,どうして裸の女の人が……」
あまりにショッキングな姿に美紀は視線を逸らした。レストランという食事の場所に,裸の女性がいることもだが,生まれて初めてSMチックな姿を目にしたからだ。知識としては,知っていたが,まさか現実に縛られている女性を見ることになろうとは思いもしなかった。
「ここは,会員制の高級レストランでね。SMを愛好しているセレブのための場所なんだ。ステージに立っている女性は,圭子といって美紀と同じ大学生で,正真正銘のマゾさ」
「マ,マゾ?」
拍手が起こり圭子は頭を下げた。ほんのり顔が朱く,目が潤んで見える。多くの視線の集まる中で,裸でいられる神経が,美紀には分からなかった。
後ろから男が,美香の乳房を揉み始めた。縄で縛られて強調された乳房を揉みし抱く手の動きは,いかつい男の顔に似合わず,繊細で優しい。次第に,「ぁあっ,ああんっ」という淫らな喘ぎ声が漏れ始めた。
「ああ、どうして……」
美紀はとても見ていられず,細面の美貌をうつ向けた。
「マゾは,いじめられたり,見られたりすることで歓びを感じるんだ。圭子を見てごらんよ。もうぐっしょり濡らしてるはずだ」
「うそ……うそだわ」
美紀は小さくかぶりを振った。信じられない気持ちだった。だが,それとは反対に,あの美女は濡らしているかもしれないと思った。美紀の顔がほんのりと妖しくに染まっていった。
隼人は,そんな美紀をじっと観察し,確信に至った。この一年観察して,清楚な顔の裏に強いマゾ性が隠れているのではないかと感じていた。
それは,ドSとしての嗅覚であり,本能だった。類は友を呼ぶではないが,ドMの女性は直感的に分かってしまうのだ。
一年間観察し続けたのは,慎重に慎重を喫した結果だ。彼氏を作らなかったのも,御姫様のように接せられることに物足りなさを感じているのではないかと考えている。
「あ、ああっ……」
か細い美紀の声が,静まりかえったフロアにひろがる。周りを見渡すと,女性が床に跪いてフェラを始めるカップルや男性の膝の上に座って愛撫を受けている女性などが目に映った。
それに美紀が気付かないはずがなかった。顔を上気させ,圭子と同じように潤んだメスの顔をしている。
「圭子。お客様はおまえの淫らなところを見たいんだ。さぁ,跪いてごらん。お尻を鞭で叩いてあげるよ」
男がそう言うと,圭子は羞恥に身体を震わせながら,ステージの上で四つん這いになった。雪のように白い素肌があっという間に桃色に染まった。
「隼人……?」
その時,席を立った隼人が,まっすぐステージに進んでいった。まるで支配者のように悠然と歩いていく。
美紀は,突然のことに驚いてしまった。
(隼人は何をするつもりなの?)
男と隼人は知り合いなのか,黙って鞭を隼人に渡した。隼人は,鞭を受け取ると,美しい顔を妖しく歪め,大学では見たことのないようなサヂスティックな表情に変わった。
美紀は,その顔を見た瞬間,雷が落ちたような衝撃を受け,全身が震えた。言いようもない不安に襲われるとともに,決して逆らうことのできない運命を感じたのだった。
ビシッッ
隼人の手にする鞭が,圭子のお尻に放たれた。
「ひぃいいっ……」
鞭で叩かれたところに赤い筋ができている。痛さなのか,それとも催促なのか圭子は,叩かれたお尻を左右に振っていた。
ビシッッ ビシッッ ビシッッ
「ひっ,ひぃいいっ………あぁぁぁっ……んひぃいいいいっ………あぁぁっ……隼人様……」
鞭のしなる音,圭子を叩く音,そして圭子の艶の含んだ悲鳴がレストラン中に響いた。圭子のお尻が,真っ赤になるにつれ,否が応にも熱気が高まってくるのを感じた。
美紀は,ステージから片時も目が離せなくなっていた。鞭の一振り一振りが美女のお尻を襲う。それが,自分だったらという妄想に駆られ,ゾクゾクとした被虐に心を奪われてしまうのだった。
しばらく打ち終えると,隼人は,鞭を男に渡して,戻ってきた。美紀は,隼人が,自分に向かってくるのを瞬き一つすることなく見つめていた。
驚きとともに,神々しいまでに超越した存在に思えてならなかった。
「ショーはどうだい?圭子を見てごらん。どことなく美紀に似てないかい」
美紀のすぐそばに立つと,耳元にそう囁いてきた。甘く熱い吐息に,美紀の身体が熱くなる。
苦悶とも喜悦ともとれる圭子の表情にすべての視線が集中した。
「オマンコどうなんだ,圭子。お客さんに教えてあげなさい」
いかつい男が,二本の指で美女の花園をまさぐりながら,ピンマイクに向かって言った。くちゅっくちゅっという卑猥な音を,マイクが拾う。
「ああ……圭子の……圭子のオ,オマンコ……はあっ……ぐしょぐしょです……ああ,軽蔑なさらないで……」
甘い喘ぎ声を吐きながら,身体をくねらせた。
「おまえが,鞭に打たれることが大好きな変態だってことはみんな知ってるさ。安心してよがるんだ」
「あっ、ああ……あ、あんっ……だ,だめ,そこ,いじっちゃ嫌……」
圭子はスレンダーな肢体を悶えさせながら,大衆の視線を感じ,恍惚とした表情で被虐の快感に身を任せている。
「あれが未来の美紀だよ。メス犬でいることに歓びを感じるようになる。」
「な,何を言ってるの……隼人……冗談を言うのはやめて……」
ドクッドクッと心臓が高鳴るのが分かる。これが,隼人のに聞こえてしまうのではと思うと,気が気ではない。
「冗談じゃないさ。美紀は,ぼくに支配されたがってるのさ。いつも清楚そうにしていたけど,美紀は本当はドMのどうしようもない変態なのさ」
「はっ,はぁっ………やめて……変なことを言わないで……はぁっ……そんなわけないじゃない……」
鼓動の早さとともに,息がどうしても荒くなってしまう。身体の昂ぶりが抑えられない。
(あぁぁぁ……どうしてしまったの……身体が熱くてたまらない……)
「身体が火照ってどうしようもないんだろう。正直になれよ。圭子をみろ。幸せそうにしているだろう?」
「あっ,ああっ……い,いやっ……」
圭子の透き通るような甘い喘ぎ声が,美紀の心に突き刺さる。初めて聞く女性の媚声。明らかに嫌がっている言葉ではない。反対に欲しくて欲しくてたまらない女の声だ。
自分が今どうしようもなく興奮し,昂っているのが分かる。下半身が疼いて疼いてどうしようもないのだ。目の前の美女と自分が重なってしまう。
「あんっ……ああぁぁ,焦らしちゃイヤ……」
圭子はすでに官能に溺れていた。観客の熱い視線に犯され,全身が火のように燃えているようだった。圭子のゾクっとするようなで大人びた眼差しに,美紀自身も身体を熱くさせるのだった。
「誕生日プレゼントを準備しているんだ。気に入ってくれるといいけど」
そう言って,隼人が手にしているのは,犬の首輪だった。
「そ,それを……どうするの?」
「もちろん美紀のその綺麗な首につけるんだよ」
美紀は,愕然とするしかなかった。誕生日のお祝いとして連れてこられたレストランで,あろうことか犬の首輪をつけるというのだ。恋心をもっていた相手が,自分とは無縁なサディストであったなんて,予想もつかないことだった。
恐れ,そして怯え。
そして,自分でも信じられないような高揚に戸惑ってしまう。まるで別の人間へと変えられてしまうような感覚がするのだ。
首に犬の首輪が巻かれ,そしてつけられた。
ゾクゾクとした電流が,全身を走り,有紀を熱くさせる。
犬のような扱いに発情し,身体がむずむずしてくる。自分の身体のどこに,これほどまでの牝の欲望が潜んでいたのか。自分で自分の身体が信じられなかった。
「よく似合うよ,有紀。とても綺麗だ。メス犬が椅子に座っていたらおかしいだろう?四つん這いになるんだ」
美紀は視線をそらし,かぶりを振った。それでも、ここから立ち去ろうとはしなかった。怒って帰ることもできるのに,美紀からは反発する意思は感じられなかった。
しばらく無言の時間が過ぎた。
「気に入らなかったかな?悪かった。出ようか。首輪も外すよ」
残念そうに言いながら,美紀の首に手を回し,外そうとした。
(あぁぁ……外さないで……外してはだめ……)
「待って……」
隼人は立ったまま美紀を見下ろした。美紀にとって,隼人はすでに同級生という意識はなくなっていた。自分を支配し,そして奉仕させる人間として目に映るのだった。
それが怖いくせに,強烈に惹かれていく自分がいるのだった。
「ああ、もう意地悪しないで……」
隼人を見上げる美紀の瞳はキラキラと濡れていた。涙が一筋,頬を伝わっていく。
「ぁぁああ,どうしてこんなことを……美紀,隼人のこと……好きなのに……」
「嫌いになったのか。でもこれがオレの愛し方なんだ」
美紀は恨めしそうに隼人を見上げ,ううん,と首を振る。
その瞳に,隼人の身体を流れる嗜虐の血が疼いた。強いもの,圧倒的に支配してくれるものを待ち望んでいる瞳だ。間違いない。マゾの瞳だ。しかもかなりマゾ性が強い。
隼人は,自分の見立てが間違っていなかったことを確信するのだった。
「さぁ,早く跪くんだ。美紀」
隼人は自分の足下を指差した。美紀は,屈辱に震えながら膝を折っていった。四つん這いのまま,顔を隼人から逸らしている。
「ひぃいいっ……」
隣のテーブルからは,モデルのような美しい裸体の女性が,でっぷりとお腹を膨らませた,これまた裸体の男から,お尻をスパンキングをされて,喘いでいる声が聞こえてくる。
カチャカチャ
隼人がスラックスのベルトを緩めるのを見て,美紀は蒼ざめた表情をこわばらせた。まさか,こんな人の多い場所で服を脱ぐとは思わなかったのだ。
「ああぁぁ……いや,いやっ……脱がないで」
「チンポが勃起し過ぎて痛いんだ。それに周りを見てごらん。服を着ている方がおかしいよ」
さっきまでオシャレなレストランだったのが,いつの間にかほとんどの客が,服を脱いでいた。鞭で叩いているテーブルもあれば,テーブルの上でSEXを始めているところもある。
美紀からすれば,自分とは場違いな,性の狂宴に迷い込んだような気分だった。だが,不思議なことに嫌な気持ちにならないのだ。それどころか,期待している自分に驚いてしまうのだった。
「美紀は嫌なら帰ればよかったんだ。どうして怒って帰らない?」
そう,帰ればよかったのだ。それは分かっている。でも,分かっているのに身体が動こうとはしなかったのだった。
隼人は,スラックスを脱ぎながら,妖しい瞳を向けてきた。もう帰ることは絶対にないという自信がみなぎっている。
「わ,分からない……でも、美紀は,隼人のこと,好きだから……だから」
隼人が下着を下げるのを見て,美紀は視線を逸らした。
「ほらっ、こっちを見ろよ、美紀」
上着やシャツも脱ぎ,全裸になった隼人は,ゆっくりと美紀に近寄ってきた。まるでファッション雑誌にでてくるような綺麗な身体だった。
引き締まった肉体に,ほどよく筋肉がついている。隼人は,身長が高いため,よけいにスタイルがよく見えるのだ。
そして,股間からは,すでに大きく勃起したペニスが反り返っていた。
「ああ……」
美紀は長い睫毛をゆっくりと上げた。そして、その大きな黒目でじっと、グロテスクに勃起させた怒張を見た。それだけで,秘部がジワッと濡れてくるのを感じるのだった。
(ぁぁああ……お,大きい……」
美しい切れ長の瞳は,そり返った怒張から逸らすことができなくなっていた。
「ほら、見てるだけじゃなくて、舐めてみろよ、美紀」
「あああ……隼人のものを,美紀が舐めるのね……」
美咲はかすれた声で呟くと,そっと目を閉じた。そして,唇をペニスの先端に寄せていく。
唇が,硬く隆起した怒張に触れた。挨拶するようにピクンピクンと跳ねる。それが見た目と違ってなんだか可愛らしい。
「……は,隼人……」
雁首の裏側を舐めると,怒張がピクッと再び跳ねた。
(ここが感じるんだ……)
美紀はそこをしつこく,ぺろぺろと舐め始めた。
「はぁぁぁっ……美紀……感じるよ……」
普段は物静かで,みんなの外から静かに笑みを絶やさない顔が,今は美紀の舌での愛撫によって,顔を仰け反らせている。
「あ、ああ……」
隼人のややパーマのかかった艶やかな髪が,喘ぐたびに外に流れていく。爽やかなリンスの香りが漂い,美紀の舌での愛撫を夢中にさせた。
舌で亀頭全体の愛撫から舌にスゥーーと下りていき,再びペニスの根元から元の亀頭へと滑らせていく。
「あ,ああ……うっんっ……」
隼人の美しい身体がガクガクと揺れた。その瞬間,美紀の髪を鷲づかみしてきたのだ。そして,無理矢理口の中に,怒張をこじ開けてきた。
「ぅぅぅぅううっ……」
喉奥まで大きなペニスを突き入ってきた。喉奥が大きなもので塞がれ,気道が詰まった。咳き込みたいのを我慢して,隼人のされるがままにペニスへの奉仕を続けた。
(どうして……ひどい扱いなのに……)
隼人らしからぬ荒々しい行動に驚きながらも,身体の奥底が燃え上がっていくのが不思議でならなかった。
これまで付き合った男性は,誰もが紳士で御姫様のように接してきてくれた。それが当たり前だと思ってきたのに,隼人は全く違った。まるで奴隷のように支配し,メスとして扱ってくるのだ。
がしっと掴んだ髪を前後に揺らし,美紀の口を使ってペニスを扱かせていく。喉奥をひたすらに突き,己の快楽のみのために美紀の身体を使うのだった。
それはあまりにも荒々しく,激しいものであった。
「うぉぉおおっ……美紀……すごくいいよ……」
髪を前後に引っ張るだけでなく,腰を振って美紀の口を抽送することで,さらに激しさが増した。美紀の口の中を怒張が次々と繰り出され,粘膜を擦り,喉奥を圧迫していった。
「あぁぁ………ぅぅぅうううううっ……い,いくよ………」
その瞬間ペニスが膨張した。ぐっと膨らみ,爆発の寸前であることを美紀は感じ取った。
「ぁぁぁあああああーーーー」
隼人の身体が,グンと反り返り,最後の一突きとばかりに腰をグンと前に振ってきた。すると,隼人のペニスの射精が始まった。
男を感じさせる力強い射精がそこにあった。すさまじい勢いで,熱い熱い精子を浴びせられ,美紀はむせそうになる。
「ぉぉぉぉっ……美紀………」
ドクッドクッと精液が噴き出す快感に,隼人の整った顔が妖艶なまでの美しさを放ち,美紀は思わず見とれてしまった。
「ううっ……」
唇の端から精液がどろりと溢れた。
「呑むんだ,美紀。全部呑むんだよ」
美紀の白い喉が,ゴクリと上下に動いた。初めて味わう精液に日本人形のような整った美貌を歪めた。唇から溢れた精液が頬から顎へと伝っていく。
「ああ……」
美紀は上を向いたまま、恍惚とした顔をしていた。顎から喉へと流れた精液が,鎖骨へと垂れていった。
「なかなか上手いじゃないか。イラマの経験があるのか?清楚そうなイメージから,ちょっと予想外だったが……」
「男の人に,こんなことするなんて,美紀、初めて……ああああ,今夜の美紀,自分でもおかしいの……なんだか、別の女になったみたい……身体がすごく熱い」
「これはこれは,隼人君じゃないか。今日は仕事じゃないのかい?」
突然隣のテーブルにいた小太りの中年の男性が,隼人に話しかけてきた。隣には,首輪に繋がれ,犬のように四つん這いな美女が寄り添っている。
「お久しぶりです。田中様。今日はデートなんですよ。で,こっちが今日からぼくのメス犬になった美紀です」
(めす犬って……メス犬じゃないのに……隼人,ひどいわ)
「今日からですか……なるほど。通りですべてがなっていない訳ですな。ゆかり。メス犬の先輩として,教えてあげなさい。」
そう言うと,隣にいたゆかりという女性が,近づいてきた。はっとするほどの美女だが,裸のうえ,乳首には淫らな装飾がされていた。
「そう。あなたが隼人様のメス犬なのね。とても羨ましいわ。あなた幸せね。まずは,メス犬なら,服を脱がなきゃ」
美女は,美紀の服を脱がし始めた。
「しかし,隼人君がメス犬をもつようになるとはね。今まで頑なに拒否していたのにどういう心境の変化かね」
「拒否していたわけではありませんよ。ただ,ぼくはメス犬はたった一人の大切な人だけでいいと思っています。心身ともに可愛がるには,ぼくには一人が精一杯です。メス犬だからこそ,たっぷりの愛情が必要というのがぼくのポリシーなんで。ですから,今まで慎重に見極めてきただけですよ」
「なるほどね。さすが期待された調教師なだけはありますな。わたしにとっても,このゆかりは,命の次に大切なメス犬でね。隼人君の言うことはよく分かるよ」
「ご主人様。これでいかがでしょうか?」
ゆかりの声が,話の合間に入ってきた。ゆかりの隣に,裸になり羞恥に震えている美紀の姿があった。両手を使って,女の大切なところを必死に隠している。だが,乳首に一目で高価そうなニップルリングを装着されているのが目に入った。
「田中様。この装飾品は?」
「あーーーこれかね。これは,君が初めてメス犬を飼うことへのプレゼントだよ。もらってくれるとうれしいね」
「こんな高い物を……ありがとうございます。大切に使わせていただきます」
「では,初めての夜を楽しみなさい。我々も楽しむことにするよ」
男性は,再びリールを引っ張って,美女を四つん這いにさせ,去って行った。
「美紀……よく似合うよ。とても綺麗だ」
人にじろじろと見られることはよくあることなので,慣れていた。だが,裸を明るい照明の下で,じっと見られては,あまりの恥ずかしさに身を縮めることしかできなかった。
「は,隼人……恥ずかしいわ……お願い……み,見ないで……」
「手を離すんだ。嫌なら服を着て帰るんだな」
褒めたと思えば,いきなり冷酷な言葉を放った。まるで超然とした美しさの神が,命令しているような厳粛さが窺えた。
「あぁぁ……どうしても……しないといけないの……」
顔を逸らし,しばらく羞恥に身を震わせた。やがて,乳房を隠していた手をゆっくりと離した。
(は,恥ずかしい……)
隼人は罰だとでも言うかのように,小さく可憐な乳首をいきなり摘まんできた。ややひんやりとした指が,無慈悲にコリコリと弄り出す。
「ぁぁあん……だ,だめ……意地悪しないで……」
ピリピリとした電流が,身体の中心を走った。潤んだ唇から,透き通った喘ぎ声が漏れる。
(ち,乳首弱いの……あぁぁ……弄らないで…)
美紀の哀願は無視して,隼人はもう片方の乳首も同時に摘まんだ。
「あぁんんっ……はぁぁぁっ……」
上半身を反らし,美紀は喘いだ。豊満な乳房が大きく弾み,乳首についている装飾品が揺れながら,ジャラジャラと鳴った。
「何が意地悪しないでだよ。本当は苛められたいんだよな,美咲」
隼人はそう言うと,指をグリッっと力を入れる。大きな乳房に比して小さい乳首の根元が,プレスされていく。
「あぁぁ……だ,だめ……ひぃいいっ……ち,違うわ……いやいや……」
(そんなわけないじゃない……苛められたいだなんて……変態だわ)
「違わないさ。だって,美紀は変態のマゾだからな。だからぼくもメス犬になるのさ」
そう言って,隼人は見透かしたような眼差しを向けながら,乳首をギュッと捻った。
「痛いっ……う,ううぅぅっ,や,やめて……」
美紀の美貌が苦痛に歪んだ。それなのにも関わらず,乳首がジンジンと疼いてくる。身体の奥底が,火照って火照って仕方がないのだ。
(あぁぁぁ……どうして……どうしてなの……本当にわたしはマゾなの?)
「いいんだろう?美紀。ぼくには分かるのさ。美紀が,苛められるのが大好きだってことを……。気持ちいいって言ってみろ」
隼人は摘まんだ乳首を引っ張った。繊細な乳首ピーンと伸びる。
「あうっ……どうして,いじめるの……ああ,もうだめ……うう……ぁぁああああっ」
乳首が千切れそうな痛みが,たまらない快感へと変わっていく。ますます昂ぶり,上気した顔を向けながら,潤んだ瞳で隼人を見つめた。それは,まさにメスの顔だった。
「おいおい,乳首だけでイキそうなのか。驚いた。こんなに乳首の感度がいいなんてな。まだ調教してないのに乳首だけでイケるやつなんてそうそういないぜ。だが,イッてはだめだ。メス犬は勝手にイケないんだよ。我慢するんだな」
乳首を引っ張る力を緩めると,乳首の根元をぎゅっと締め付け,コリコリ始めた。ニップルリングが,照明を反射して妖しく光っている。
美紀自身も自分の身体に驚いていた。性の経験がないわけではないが,乳首だけでイキそうになるなんて初めてのことだった。乳首だけでなく,まだイクということ自体が未経験だったのである。
「はぁぁぁぁっ……だめだめ……そんなにしたら……おかしくなっちゃう………」
「もっとおかしくしてやるよ。美紀がメス犬としてふさわしく調教してやる。乳首だけで何度もイケるようにな」
隼人は,テーブルの下に置いていたバックから小さな容器を取り出して開けると,中のクリームをたっぷりすくい取った。美紀の乳首に丹念に塗っていく。塗り込みながら,相変わらず執拗に指での愛撫を続ける。
ひんやりとした感触が,次第に乳首がカァーと熱くなった。熱さが,ジンジンと激しい疼きに変わり,美紀を狂わせていく。
「あぁぁぁ……熱い……乳首が熱いの……変な薬を塗らないで………」
媚薬がヌルヌルと乳首に塗られ,指がその上を気持ちよさそうに滑っていく。小ぶりの乳首が,恥ずかしいくらいにピーンと勃起している。秘部からはしたないほどに愛液が溢れ,太股を伝って垂れ落ちていった。
「これを塗られるとね。どんな不感症の女でも淫乱女に変わっちゃうんだよ。もともと敏感な美紀はどんなになるんだろうね?」
「ああああっ……いや,いや……ぁ,ああっ………んんっ…………変な感じなの………ぁあああああっ」
「それをイクっていうんだよ。ちゃんと言葉にするんだ」
(あぁぁ……だめ……そんなに激しく……はぁぁああっ……くる……何かきちゃう……)
隼人は,弄っていた乳首に力を入れ,ぎゅっと潰した。美紀の頭の中でバチバチと火花が激しく散り,強烈な快感が全身に走った。
「ひぃいいいいいっ………い,いくぅううううーーーーー」
「ふふふ。やっぱり敏感だね。すぐにイッちゃったよ。これだけ敏感なら死ぬほどよがり狂えるね」
霞んだ瞳には,絶世の美男子が,まるで悪魔のように妖しく微笑んでいる。美紀は,このまま官能という危険でありながら,この世では味わえないような快楽の沼にズルズルと沈んでいくような気がした。
(いやいや……もう自分が自分でなくなっちゃう……)
一転して優しく繊細なタッチで,乳首を愛撫する。まるで触るか触らないかの絶妙な刺激は,媚薬の強さをさらに倍加させていた。
(あぁぁぁ……そんなまどっろこしい触り方はだめ……もっと……もっと強く……)
「お,お願い……どうにかして……」
「メス犬にはメス犬の言葉遣いがあるだろう?頭の良い美紀なら分かるよね」
「い,意地悪しないで……ください……お,お願いします……もっと強く触って……」
パーーーーーーーン パーーーーーーーーーーーン
「ひ,ひぃいいっ……」
美紀のお尻に激しい痛みが襲った。隼人の手のひらによって,お尻をぶたれたのだ。生まれて初めて人に打たれた。それなのに,恐怖や恐れという感情は生まれない。それどころか,もっとぶって欲しいという欲求が生じていることに驚いてしまう。
「おねだりの仕方もできないのか。だめなメス犬だな。こう言うんだよ」
美紀の耳元に顔を寄せる。ふわっと爽やかな香りが,頭の中を恍惚とさせる。そして告げられる羞恥の言葉。
「そ,そんな言葉……言えないです……ぁぁぁ……言わないと…だめですか?」
上目使いで哀願するが,隼人の目を見ていると,この人には逆らえないのだと感じてしまう。
「美紀の……え,エッチな……乳首が疼いて……仕方がありません。どうかこのイ,イヤラシイ……乳首を…ご……ご主人様の手……でいじめてくれないでしょうか」
(は,恥ずかしい……美紀,エッチじゃなかったのに……どんどんエッチになっちゃう……)
「よく言えたよ,美紀えらいね。乳首をグリグリとしてあげるよ。ほらぁ,グリグリ……」
「あああああっ………グリグリいいっ……摘まんで捻られるの気持ちいい……はぁぁあああっ……もっと……もっとして……ください……」
美紀の口からタガがは外れたように,淫らな言葉が繰り出される。大学の友人達が聞けば,耳を疑う言葉の連続だ。
「もっと強くして欲しいのかい?乳首が可哀想なくらいいじめられているが……」
「して……してください……あぁぁっ……強いのがいいの……もっといじめてください……」
「可愛いメス犬のためだからね。ご主人様として苛めないといけないだろう。」
「あぁんっ…」
隼人は,指で弄りながら,舌でペロペロと舐め始めた。小さな乳首を器用に舐め回す。指の刺激に合わせて舌のねっとりとした温かい感触が心地よい。指と舌を使い,時間をかけて嬲ってくる。
「あ,ぁ,ぁあんっ……はぁぁっ…ぁんんっ……あ,ああ,ああああんっ……」
両足がガクガク震え,力が入らなくなってきた。
「ぁぁあああっ……もう……だめ……あぁぁああっ……」
立っていられるのも限界だった。次から次に押し寄せてくる快感の波に,耐える力はもうなかった。
美紀の様子をじっと観察していた隼人は,カリッと歯で乳首を噛んだのだ。身体を仰け反らせると,ニップルリングが激しく揺れた。美しきメスの映像の一コマのような姿に隼人は,息を飲んだ。
「ひぃぃぃいいいいいいいーーーーーー」
美紀は,めくるめく快感に一気に力が抜け,その場で秘部からはしたなく潮が噴き出た。自らの痴態に身体が真っ赤になるが,動く力さえなかった。
背中に流れたストレートのサラサラとした髪が,カッカッという歩きに合わせて揺れている。
小顔で,日本人形を思わせる清楚な雰囲気。ハッと息を飲むほどの美女であった。切れ長の目が特に美しく,小さな唇はリップクリームで十分に潤い,艶めいていた。
薄いメイクなのに,大人っぽく,20歳とは思えないほどで,ちょっとした仕種や顔の表情に,妖しい女の匂いを感じさせる。
美紀と同じゼミ生となり1年が過ぎた,大学に入った時から,隼人は美紀に惹かれていた。もちろん,隼人だけではない。これだけの美女なのだ。誰もが憧れと恋心を彼女に向けた。
だが,彼女とは誰とも付き合おうとはしなかった。顔が良くて,女性から人気の男もあえなく撃沈し,どんんな男が好みなのだと密かにSNSで話題にもなったぐらいである。
そんな中,隼人はあえて彼女とは距離をとった。飲み会でも彼女を中心にして輪ができるのだが,そこから一番遠いところにいるよう心がけたのだ。
ある日,学校の講義が終わったとき,モテ男と呼ばれる男が,美紀に誕生日プレゼントを贈ったと言っているのを聞いた。耳を澄まして聞いてみると,プレゼントは彼だけではなく,他にも大勢いたらしい。
美紀が20歳の誕生日から10日過ぎた頃だ。思い切って隼人は会員制のレストランに美紀を誘った。断られると思っていたが,思いもかけず,了承したのだった。
「隼人さんが誘ってくるなんて初めてよね。嫌われているのかと思ってた」
美紀が席に座ると,すぐに店員が前菜がテーブルに置かれた。
「反対さ。みんな美紀さんに夢中だからね。ぼくが誕生日のお祝いに誘っても断られると思ったんだよ。」
隼人は眩しい目をして美紀を見つめた。
「もう10日も過ぎてから誘うんだ?」
いたずらっぽく美紀が言う。
「勇気を出すのにそれだけ時間がかかったのさ。それに,誕生日のお祝いの誘いがたくさんあったみたいだったし。」
「2人きりで会うのは、隼人が始めてだわ」
そう言って美紀は頬を赤く染めた。色が白いだけに、顔色の変化がすぐにわかる。
それからは,普段と変わらない会話が続いた。美紀は,初めてきたレストランだったが,料理は,とても豪華で美味しかった。
「料理は,どれも最高だったけど,高かったんじゃない?」
食後のコーヒーが置かれ,ウェイターが立ち去っていくと,美紀は不安そうに隼人に小さな声で言った。周りは,ほぼカップルで,しかも高そうな服やオシャレな服を着て,いかにもお金持ちって感じだ。明らかに学生の2人には場違いだ。
「大丈夫だよ。それよりも,ここはショーレストランだからね。今から始まるショーを楽しみにしてよ」
隼人はそう言ってにっこり微笑んだ。
館内の音楽が止まり,ステージらしき所にスポットライトが当たった。ざわついていたフロアが静まりかえる。
「きゃぁっ……」
そこへ現れたのは,美紀と同じくらの年齢の美女だった。ただ,美紀が悲鳴を上げるのも無理はなかった。
美女が,裸だったのだ。しかも,透けるような白い肌に,真っ赤な縄によって淫らに縛られているではないか。形の良い乳房や恥毛の翳がはっきりと見える。
「ああ,どうして裸の女の人が……」
あまりにショッキングな姿に美紀は視線を逸らした。レストランという食事の場所に,裸の女性がいることもだが,生まれて初めてSMチックな姿を目にしたからだ。知識としては,知っていたが,まさか現実に縛られている女性を見ることになろうとは思いもしなかった。
「ここは,会員制の高級レストランでね。SMを愛好しているセレブのための場所なんだ。ステージに立っている女性は,圭子といって美紀と同じ大学生で,正真正銘のマゾさ」
「マ,マゾ?」
拍手が起こり圭子は頭を下げた。ほんのり顔が朱く,目が潤んで見える。多くの視線の集まる中で,裸でいられる神経が,美紀には分からなかった。
後ろから男が,美香の乳房を揉み始めた。縄で縛られて強調された乳房を揉みし抱く手の動きは,いかつい男の顔に似合わず,繊細で優しい。次第に,「ぁあっ,ああんっ」という淫らな喘ぎ声が漏れ始めた。
「ああ、どうして……」
美紀はとても見ていられず,細面の美貌をうつ向けた。
「マゾは,いじめられたり,見られたりすることで歓びを感じるんだ。圭子を見てごらんよ。もうぐっしょり濡らしてるはずだ」
「うそ……うそだわ」
美紀は小さくかぶりを振った。信じられない気持ちだった。だが,それとは反対に,あの美女は濡らしているかもしれないと思った。美紀の顔がほんのりと妖しくに染まっていった。
隼人は,そんな美紀をじっと観察し,確信に至った。この一年観察して,清楚な顔の裏に強いマゾ性が隠れているのではないかと感じていた。
それは,ドSとしての嗅覚であり,本能だった。類は友を呼ぶではないが,ドMの女性は直感的に分かってしまうのだ。
一年間観察し続けたのは,慎重に慎重を喫した結果だ。彼氏を作らなかったのも,御姫様のように接せられることに物足りなさを感じているのではないかと考えている。
「あ、ああっ……」
か細い美紀の声が,静まりかえったフロアにひろがる。周りを見渡すと,女性が床に跪いてフェラを始めるカップルや男性の膝の上に座って愛撫を受けている女性などが目に映った。
それに美紀が気付かないはずがなかった。顔を上気させ,圭子と同じように潤んだメスの顔をしている。
「圭子。お客様はおまえの淫らなところを見たいんだ。さぁ,跪いてごらん。お尻を鞭で叩いてあげるよ」
男がそう言うと,圭子は羞恥に身体を震わせながら,ステージの上で四つん這いになった。雪のように白い素肌があっという間に桃色に染まった。
「隼人……?」
その時,席を立った隼人が,まっすぐステージに進んでいった。まるで支配者のように悠然と歩いていく。
美紀は,突然のことに驚いてしまった。
(隼人は何をするつもりなの?)
男と隼人は知り合いなのか,黙って鞭を隼人に渡した。隼人は,鞭を受け取ると,美しい顔を妖しく歪め,大学では見たことのないようなサヂスティックな表情に変わった。
美紀は,その顔を見た瞬間,雷が落ちたような衝撃を受け,全身が震えた。言いようもない不安に襲われるとともに,決して逆らうことのできない運命を感じたのだった。
ビシッッ
隼人の手にする鞭が,圭子のお尻に放たれた。
「ひぃいいっ……」
鞭で叩かれたところに赤い筋ができている。痛さなのか,それとも催促なのか圭子は,叩かれたお尻を左右に振っていた。
ビシッッ ビシッッ ビシッッ
「ひっ,ひぃいいっ………あぁぁぁっ……んひぃいいいいっ………あぁぁっ……隼人様……」
鞭のしなる音,圭子を叩く音,そして圭子の艶の含んだ悲鳴がレストラン中に響いた。圭子のお尻が,真っ赤になるにつれ,否が応にも熱気が高まってくるのを感じた。
美紀は,ステージから片時も目が離せなくなっていた。鞭の一振り一振りが美女のお尻を襲う。それが,自分だったらという妄想に駆られ,ゾクゾクとした被虐に心を奪われてしまうのだった。
しばらく打ち終えると,隼人は,鞭を男に渡して,戻ってきた。美紀は,隼人が,自分に向かってくるのを瞬き一つすることなく見つめていた。
驚きとともに,神々しいまでに超越した存在に思えてならなかった。
「ショーはどうだい?圭子を見てごらん。どことなく美紀に似てないかい」
美紀のすぐそばに立つと,耳元にそう囁いてきた。甘く熱い吐息に,美紀の身体が熱くなる。
苦悶とも喜悦ともとれる圭子の表情にすべての視線が集中した。
「オマンコどうなんだ,圭子。お客さんに教えてあげなさい」
いかつい男が,二本の指で美女の花園をまさぐりながら,ピンマイクに向かって言った。くちゅっくちゅっという卑猥な音を,マイクが拾う。
「ああ……圭子の……圭子のオ,オマンコ……はあっ……ぐしょぐしょです……ああ,軽蔑なさらないで……」
甘い喘ぎ声を吐きながら,身体をくねらせた。
「おまえが,鞭に打たれることが大好きな変態だってことはみんな知ってるさ。安心してよがるんだ」
「あっ、ああ……あ、あんっ……だ,だめ,そこ,いじっちゃ嫌……」
圭子はスレンダーな肢体を悶えさせながら,大衆の視線を感じ,恍惚とした表情で被虐の快感に身を任せている。
「あれが未来の美紀だよ。メス犬でいることに歓びを感じるようになる。」
「な,何を言ってるの……隼人……冗談を言うのはやめて……」
ドクッドクッと心臓が高鳴るのが分かる。これが,隼人のに聞こえてしまうのではと思うと,気が気ではない。
「冗談じゃないさ。美紀は,ぼくに支配されたがってるのさ。いつも清楚そうにしていたけど,美紀は本当はドMのどうしようもない変態なのさ」
「はっ,はぁっ………やめて……変なことを言わないで……はぁっ……そんなわけないじゃない……」
鼓動の早さとともに,息がどうしても荒くなってしまう。身体の昂ぶりが抑えられない。
(あぁぁぁ……どうしてしまったの……身体が熱くてたまらない……)
「身体が火照ってどうしようもないんだろう。正直になれよ。圭子をみろ。幸せそうにしているだろう?」
「あっ,ああっ……い,いやっ……」
圭子の透き通るような甘い喘ぎ声が,美紀の心に突き刺さる。初めて聞く女性の媚声。明らかに嫌がっている言葉ではない。反対に欲しくて欲しくてたまらない女の声だ。
自分が今どうしようもなく興奮し,昂っているのが分かる。下半身が疼いて疼いてどうしようもないのだ。目の前の美女と自分が重なってしまう。
「あんっ……ああぁぁ,焦らしちゃイヤ……」
圭子はすでに官能に溺れていた。観客の熱い視線に犯され,全身が火のように燃えているようだった。圭子のゾクっとするようなで大人びた眼差しに,美紀自身も身体を熱くさせるのだった。
「誕生日プレゼントを準備しているんだ。気に入ってくれるといいけど」
そう言って,隼人が手にしているのは,犬の首輪だった。
「そ,それを……どうするの?」
「もちろん美紀のその綺麗な首につけるんだよ」
美紀は,愕然とするしかなかった。誕生日のお祝いとして連れてこられたレストランで,あろうことか犬の首輪をつけるというのだ。恋心をもっていた相手が,自分とは無縁なサディストであったなんて,予想もつかないことだった。
恐れ,そして怯え。
そして,自分でも信じられないような高揚に戸惑ってしまう。まるで別の人間へと変えられてしまうような感覚がするのだ。
首に犬の首輪が巻かれ,そしてつけられた。
ゾクゾクとした電流が,全身を走り,有紀を熱くさせる。
犬のような扱いに発情し,身体がむずむずしてくる。自分の身体のどこに,これほどまでの牝の欲望が潜んでいたのか。自分で自分の身体が信じられなかった。
「よく似合うよ,有紀。とても綺麗だ。メス犬が椅子に座っていたらおかしいだろう?四つん這いになるんだ」
美紀は視線をそらし,かぶりを振った。それでも、ここから立ち去ろうとはしなかった。怒って帰ることもできるのに,美紀からは反発する意思は感じられなかった。
しばらく無言の時間が過ぎた。
「気に入らなかったかな?悪かった。出ようか。首輪も外すよ」
残念そうに言いながら,美紀の首に手を回し,外そうとした。
(あぁぁ……外さないで……外してはだめ……)
「待って……」
隼人は立ったまま美紀を見下ろした。美紀にとって,隼人はすでに同級生という意識はなくなっていた。自分を支配し,そして奉仕させる人間として目に映るのだった。
それが怖いくせに,強烈に惹かれていく自分がいるのだった。
「ああ、もう意地悪しないで……」
隼人を見上げる美紀の瞳はキラキラと濡れていた。涙が一筋,頬を伝わっていく。
「ぁぁああ,どうしてこんなことを……美紀,隼人のこと……好きなのに……」
「嫌いになったのか。でもこれがオレの愛し方なんだ」
美紀は恨めしそうに隼人を見上げ,ううん,と首を振る。
その瞳に,隼人の身体を流れる嗜虐の血が疼いた。強いもの,圧倒的に支配してくれるものを待ち望んでいる瞳だ。間違いない。マゾの瞳だ。しかもかなりマゾ性が強い。
隼人は,自分の見立てが間違っていなかったことを確信するのだった。
「さぁ,早く跪くんだ。美紀」
隼人は自分の足下を指差した。美紀は,屈辱に震えながら膝を折っていった。四つん這いのまま,顔を隼人から逸らしている。
「ひぃいいっ……」
隣のテーブルからは,モデルのような美しい裸体の女性が,でっぷりとお腹を膨らませた,これまた裸体の男から,お尻をスパンキングをされて,喘いでいる声が聞こえてくる。
カチャカチャ
隼人がスラックスのベルトを緩めるのを見て,美紀は蒼ざめた表情をこわばらせた。まさか,こんな人の多い場所で服を脱ぐとは思わなかったのだ。
「ああぁぁ……いや,いやっ……脱がないで」
「チンポが勃起し過ぎて痛いんだ。それに周りを見てごらん。服を着ている方がおかしいよ」
さっきまでオシャレなレストランだったのが,いつの間にかほとんどの客が,服を脱いでいた。鞭で叩いているテーブルもあれば,テーブルの上でSEXを始めているところもある。
美紀からすれば,自分とは場違いな,性の狂宴に迷い込んだような気分だった。だが,不思議なことに嫌な気持ちにならないのだ。それどころか,期待している自分に驚いてしまうのだった。
「美紀は嫌なら帰ればよかったんだ。どうして怒って帰らない?」
そう,帰ればよかったのだ。それは分かっている。でも,分かっているのに身体が動こうとはしなかったのだった。
隼人は,スラックスを脱ぎながら,妖しい瞳を向けてきた。もう帰ることは絶対にないという自信がみなぎっている。
「わ,分からない……でも、美紀は,隼人のこと,好きだから……だから」
隼人が下着を下げるのを見て,美紀は視線を逸らした。
「ほらっ、こっちを見ろよ、美紀」
上着やシャツも脱ぎ,全裸になった隼人は,ゆっくりと美紀に近寄ってきた。まるでファッション雑誌にでてくるような綺麗な身体だった。
引き締まった肉体に,ほどよく筋肉がついている。隼人は,身長が高いため,よけいにスタイルがよく見えるのだ。
そして,股間からは,すでに大きく勃起したペニスが反り返っていた。
「ああ……」
美紀は長い睫毛をゆっくりと上げた。そして、その大きな黒目でじっと、グロテスクに勃起させた怒張を見た。それだけで,秘部がジワッと濡れてくるのを感じるのだった。
(ぁぁああ……お,大きい……」
美しい切れ長の瞳は,そり返った怒張から逸らすことができなくなっていた。
「ほら、見てるだけじゃなくて、舐めてみろよ、美紀」
「あああ……隼人のものを,美紀が舐めるのね……」
美咲はかすれた声で呟くと,そっと目を閉じた。そして,唇をペニスの先端に寄せていく。
唇が,硬く隆起した怒張に触れた。挨拶するようにピクンピクンと跳ねる。それが見た目と違ってなんだか可愛らしい。
「……は,隼人……」
雁首の裏側を舐めると,怒張がピクッと再び跳ねた。
(ここが感じるんだ……)
美紀はそこをしつこく,ぺろぺろと舐め始めた。
「はぁぁぁっ……美紀……感じるよ……」
普段は物静かで,みんなの外から静かに笑みを絶やさない顔が,今は美紀の舌での愛撫によって,顔を仰け反らせている。
「あ、ああ……」
隼人のややパーマのかかった艶やかな髪が,喘ぐたびに外に流れていく。爽やかなリンスの香りが漂い,美紀の舌での愛撫を夢中にさせた。
舌で亀頭全体の愛撫から舌にスゥーーと下りていき,再びペニスの根元から元の亀頭へと滑らせていく。
「あ,ああ……うっんっ……」
隼人の美しい身体がガクガクと揺れた。その瞬間,美紀の髪を鷲づかみしてきたのだ。そして,無理矢理口の中に,怒張をこじ開けてきた。
「ぅぅぅぅううっ……」
喉奥まで大きなペニスを突き入ってきた。喉奥が大きなもので塞がれ,気道が詰まった。咳き込みたいのを我慢して,隼人のされるがままにペニスへの奉仕を続けた。
(どうして……ひどい扱いなのに……)
隼人らしからぬ荒々しい行動に驚きながらも,身体の奥底が燃え上がっていくのが不思議でならなかった。
これまで付き合った男性は,誰もが紳士で御姫様のように接してきてくれた。それが当たり前だと思ってきたのに,隼人は全く違った。まるで奴隷のように支配し,メスとして扱ってくるのだ。
がしっと掴んだ髪を前後に揺らし,美紀の口を使ってペニスを扱かせていく。喉奥をひたすらに突き,己の快楽のみのために美紀の身体を使うのだった。
それはあまりにも荒々しく,激しいものであった。
「うぉぉおおっ……美紀……すごくいいよ……」
髪を前後に引っ張るだけでなく,腰を振って美紀の口を抽送することで,さらに激しさが増した。美紀の口の中を怒張が次々と繰り出され,粘膜を擦り,喉奥を圧迫していった。
「あぁぁ………ぅぅぅうううううっ……い,いくよ………」
その瞬間ペニスが膨張した。ぐっと膨らみ,爆発の寸前であることを美紀は感じ取った。
「ぁぁぁあああああーーーー」
隼人の身体が,グンと反り返り,最後の一突きとばかりに腰をグンと前に振ってきた。すると,隼人のペニスの射精が始まった。
男を感じさせる力強い射精がそこにあった。すさまじい勢いで,熱い熱い精子を浴びせられ,美紀はむせそうになる。
「ぉぉぉぉっ……美紀………」
ドクッドクッと精液が噴き出す快感に,隼人の整った顔が妖艶なまでの美しさを放ち,美紀は思わず見とれてしまった。
「ううっ……」
唇の端から精液がどろりと溢れた。
「呑むんだ,美紀。全部呑むんだよ」
美紀の白い喉が,ゴクリと上下に動いた。初めて味わう精液に日本人形のような整った美貌を歪めた。唇から溢れた精液が頬から顎へと伝っていく。
「ああ……」
美紀は上を向いたまま、恍惚とした顔をしていた。顎から喉へと流れた精液が,鎖骨へと垂れていった。
「なかなか上手いじゃないか。イラマの経験があるのか?清楚そうなイメージから,ちょっと予想外だったが……」
「男の人に,こんなことするなんて,美紀、初めて……ああああ,今夜の美紀,自分でもおかしいの……なんだか、別の女になったみたい……身体がすごく熱い」
「これはこれは,隼人君じゃないか。今日は仕事じゃないのかい?」
突然隣のテーブルにいた小太りの中年の男性が,隼人に話しかけてきた。隣には,首輪に繋がれ,犬のように四つん這いな美女が寄り添っている。
「お久しぶりです。田中様。今日はデートなんですよ。で,こっちが今日からぼくのメス犬になった美紀です」
(めす犬って……メス犬じゃないのに……隼人,ひどいわ)
「今日からですか……なるほど。通りですべてがなっていない訳ですな。ゆかり。メス犬の先輩として,教えてあげなさい。」
そう言うと,隣にいたゆかりという女性が,近づいてきた。はっとするほどの美女だが,裸のうえ,乳首には淫らな装飾がされていた。
「そう。あなたが隼人様のメス犬なのね。とても羨ましいわ。あなた幸せね。まずは,メス犬なら,服を脱がなきゃ」
美女は,美紀の服を脱がし始めた。
「しかし,隼人君がメス犬をもつようになるとはね。今まで頑なに拒否していたのにどういう心境の変化かね」
「拒否していたわけではありませんよ。ただ,ぼくはメス犬はたった一人の大切な人だけでいいと思っています。心身ともに可愛がるには,ぼくには一人が精一杯です。メス犬だからこそ,たっぷりの愛情が必要というのがぼくのポリシーなんで。ですから,今まで慎重に見極めてきただけですよ」
「なるほどね。さすが期待された調教師なだけはありますな。わたしにとっても,このゆかりは,命の次に大切なメス犬でね。隼人君の言うことはよく分かるよ」
「ご主人様。これでいかがでしょうか?」
ゆかりの声が,話の合間に入ってきた。ゆかりの隣に,裸になり羞恥に震えている美紀の姿があった。両手を使って,女の大切なところを必死に隠している。だが,乳首に一目で高価そうなニップルリングを装着されているのが目に入った。
「田中様。この装飾品は?」
「あーーーこれかね。これは,君が初めてメス犬を飼うことへのプレゼントだよ。もらってくれるとうれしいね」
「こんな高い物を……ありがとうございます。大切に使わせていただきます」
「では,初めての夜を楽しみなさい。我々も楽しむことにするよ」
男性は,再びリールを引っ張って,美女を四つん這いにさせ,去って行った。
「美紀……よく似合うよ。とても綺麗だ」
人にじろじろと見られることはよくあることなので,慣れていた。だが,裸を明るい照明の下で,じっと見られては,あまりの恥ずかしさに身を縮めることしかできなかった。
「は,隼人……恥ずかしいわ……お願い……み,見ないで……」
「手を離すんだ。嫌なら服を着て帰るんだな」
褒めたと思えば,いきなり冷酷な言葉を放った。まるで超然とした美しさの神が,命令しているような厳粛さが窺えた。
「あぁぁ……どうしても……しないといけないの……」
顔を逸らし,しばらく羞恥に身を震わせた。やがて,乳房を隠していた手をゆっくりと離した。
(は,恥ずかしい……)
隼人は罰だとでも言うかのように,小さく可憐な乳首をいきなり摘まんできた。ややひんやりとした指が,無慈悲にコリコリと弄り出す。
「ぁぁあん……だ,だめ……意地悪しないで……」
ピリピリとした電流が,身体の中心を走った。潤んだ唇から,透き通った喘ぎ声が漏れる。
(ち,乳首弱いの……あぁぁ……弄らないで…)
美紀の哀願は無視して,隼人はもう片方の乳首も同時に摘まんだ。
「あぁんんっ……はぁぁぁっ……」
上半身を反らし,美紀は喘いだ。豊満な乳房が大きく弾み,乳首についている装飾品が揺れながら,ジャラジャラと鳴った。
「何が意地悪しないでだよ。本当は苛められたいんだよな,美咲」
隼人はそう言うと,指をグリッっと力を入れる。大きな乳房に比して小さい乳首の根元が,プレスされていく。
「あぁぁ……だ,だめ……ひぃいいっ……ち,違うわ……いやいや……」
(そんなわけないじゃない……苛められたいだなんて……変態だわ)
「違わないさ。だって,美紀は変態のマゾだからな。だからぼくもメス犬になるのさ」
そう言って,隼人は見透かしたような眼差しを向けながら,乳首をギュッと捻った。
「痛いっ……う,ううぅぅっ,や,やめて……」
美紀の美貌が苦痛に歪んだ。それなのにも関わらず,乳首がジンジンと疼いてくる。身体の奥底が,火照って火照って仕方がないのだ。
(あぁぁぁ……どうして……どうしてなの……本当にわたしはマゾなの?)
「いいんだろう?美紀。ぼくには分かるのさ。美紀が,苛められるのが大好きだってことを……。気持ちいいって言ってみろ」
隼人は摘まんだ乳首を引っ張った。繊細な乳首ピーンと伸びる。
「あうっ……どうして,いじめるの……ああ,もうだめ……うう……ぁぁああああっ」
乳首が千切れそうな痛みが,たまらない快感へと変わっていく。ますます昂ぶり,上気した顔を向けながら,潤んだ瞳で隼人を見つめた。それは,まさにメスの顔だった。
「おいおい,乳首だけでイキそうなのか。驚いた。こんなに乳首の感度がいいなんてな。まだ調教してないのに乳首だけでイケるやつなんてそうそういないぜ。だが,イッてはだめだ。メス犬は勝手にイケないんだよ。我慢するんだな」
乳首を引っ張る力を緩めると,乳首の根元をぎゅっと締め付け,コリコリ始めた。ニップルリングが,照明を反射して妖しく光っている。
美紀自身も自分の身体に驚いていた。性の経験がないわけではないが,乳首だけでイキそうになるなんて初めてのことだった。乳首だけでなく,まだイクということ自体が未経験だったのである。
「はぁぁぁぁっ……だめだめ……そんなにしたら……おかしくなっちゃう………」
「もっとおかしくしてやるよ。美紀がメス犬としてふさわしく調教してやる。乳首だけで何度もイケるようにな」
隼人は,テーブルの下に置いていたバックから小さな容器を取り出して開けると,中のクリームをたっぷりすくい取った。美紀の乳首に丹念に塗っていく。塗り込みながら,相変わらず執拗に指での愛撫を続ける。
ひんやりとした感触が,次第に乳首がカァーと熱くなった。熱さが,ジンジンと激しい疼きに変わり,美紀を狂わせていく。
「あぁぁぁ……熱い……乳首が熱いの……変な薬を塗らないで………」
媚薬がヌルヌルと乳首に塗られ,指がその上を気持ちよさそうに滑っていく。小ぶりの乳首が,恥ずかしいくらいにピーンと勃起している。秘部からはしたないほどに愛液が溢れ,太股を伝って垂れ落ちていった。
「これを塗られるとね。どんな不感症の女でも淫乱女に変わっちゃうんだよ。もともと敏感な美紀はどんなになるんだろうね?」
「ああああっ……いや,いや……ぁ,ああっ………んんっ…………変な感じなの………ぁあああああっ」
「それをイクっていうんだよ。ちゃんと言葉にするんだ」
(あぁぁ……だめ……そんなに激しく……はぁぁああっ……くる……何かきちゃう……)
隼人は,弄っていた乳首に力を入れ,ぎゅっと潰した。美紀の頭の中でバチバチと火花が激しく散り,強烈な快感が全身に走った。
「ひぃいいいいいっ………い,いくぅううううーーーーー」
「ふふふ。やっぱり敏感だね。すぐにイッちゃったよ。これだけ敏感なら死ぬほどよがり狂えるね」
霞んだ瞳には,絶世の美男子が,まるで悪魔のように妖しく微笑んでいる。美紀は,このまま官能という危険でありながら,この世では味わえないような快楽の沼にズルズルと沈んでいくような気がした。
(いやいや……もう自分が自分でなくなっちゃう……)
一転して優しく繊細なタッチで,乳首を愛撫する。まるで触るか触らないかの絶妙な刺激は,媚薬の強さをさらに倍加させていた。
(あぁぁぁ……そんなまどっろこしい触り方はだめ……もっと……もっと強く……)
「お,お願い……どうにかして……」
「メス犬にはメス犬の言葉遣いがあるだろう?頭の良い美紀なら分かるよね」
「い,意地悪しないで……ください……お,お願いします……もっと強く触って……」
パーーーーーーーン パーーーーーーーーーーーン
「ひ,ひぃいいっ……」
美紀のお尻に激しい痛みが襲った。隼人の手のひらによって,お尻をぶたれたのだ。生まれて初めて人に打たれた。それなのに,恐怖や恐れという感情は生まれない。それどころか,もっとぶって欲しいという欲求が生じていることに驚いてしまう。
「おねだりの仕方もできないのか。だめなメス犬だな。こう言うんだよ」
美紀の耳元に顔を寄せる。ふわっと爽やかな香りが,頭の中を恍惚とさせる。そして告げられる羞恥の言葉。
「そ,そんな言葉……言えないです……ぁぁぁ……言わないと…だめですか?」
上目使いで哀願するが,隼人の目を見ていると,この人には逆らえないのだと感じてしまう。
「美紀の……え,エッチな……乳首が疼いて……仕方がありません。どうかこのイ,イヤラシイ……乳首を…ご……ご主人様の手……でいじめてくれないでしょうか」
(は,恥ずかしい……美紀,エッチじゃなかったのに……どんどんエッチになっちゃう……)
「よく言えたよ,美紀えらいね。乳首をグリグリとしてあげるよ。ほらぁ,グリグリ……」
「あああああっ………グリグリいいっ……摘まんで捻られるの気持ちいい……はぁぁあああっ……もっと……もっとして……ください……」
美紀の口からタガがは外れたように,淫らな言葉が繰り出される。大学の友人達が聞けば,耳を疑う言葉の連続だ。
「もっと強くして欲しいのかい?乳首が可哀想なくらいいじめられているが……」
「して……してください……あぁぁっ……強いのがいいの……もっといじめてください……」
「可愛いメス犬のためだからね。ご主人様として苛めないといけないだろう。」
「あぁんっ…」
隼人は,指で弄りながら,舌でペロペロと舐め始めた。小さな乳首を器用に舐め回す。指の刺激に合わせて舌のねっとりとした温かい感触が心地よい。指と舌を使い,時間をかけて嬲ってくる。
「あ,ぁ,ぁあんっ……はぁぁっ…ぁんんっ……あ,ああ,ああああんっ……」
両足がガクガク震え,力が入らなくなってきた。
「ぁぁあああっ……もう……だめ……あぁぁああっ……」
立っていられるのも限界だった。次から次に押し寄せてくる快感の波に,耐える力はもうなかった。
美紀の様子をじっと観察していた隼人は,カリッと歯で乳首を噛んだのだ。身体を仰け反らせると,ニップルリングが激しく揺れた。美しきメスの映像の一コマのような姿に隼人は,息を飲んだ。
「ひぃぃぃいいいいいいいーーーーーー」
美紀は,めくるめく快感に一気に力が抜け,その場で秘部からはしたなく潮が噴き出た。自らの痴態に身体が真っ赤になるが,動く力さえなかった。
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