王女の朝の身支度

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寝起き

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華やかな王政の時代。

平日の午前,王宮の一室。目映いばかりに輝く金髪の長い髪が,普段の美しく整った髪型とは打って変わって,ほつれてベッドに乱れ散っている。広々としたベッドの上に丸くなって女が眠っていた。

それは頼りなさにも似た,ほっそりと華奢な感じを与える印象だ。しかし、静かな寝息とともにかすかに上下する,シーツにくるまれた丸く細い肩の線から,なだらかな下りのスロープを描いてくびれたウエストへの稜線と,そこから量感溢れるむっちりと張りだした腰の丸みは,シーツ越しにも成熟してメリハリのついたシルエットを浮かせ,大人の女性を感じさせる。そして張りだした腰を頂上にして、そこから爪先までのスーッとなめらかな角度を描く長い裾野が実に美しい。

「これであの王様の妻でなければどんなによかったか。愛おしくてならないから余計つらい」

ベッドの脇で美術作品を思わせるような,長身で逞しく引き締められた肉体を晒した青年が,恋心を隠さない視線を女に送りながら呟いた。

その視線を感じたのか,ほっそりとした女のおとがいがゆっくり動くと,乱れ髪に隠されていた,花びらを重ねて作られたような柔らかそうな深紅の唇が半開きになり,並びのいい白い前歯を覗かせる。

「さぁ,眠り姫を起こしてさしあげましょうかね」

独り言とともに,美青年が鍛えあげられた上半身を傾け,女の顔に唇を寄せた。

「ぅぅん……はふっっ……」

綺麗な球面を描いて秀でた,陶器人形のような白い額に軽くキスをされ,スッと通った鼻筋から甘い鼻息をもらして,王女カトリーヌは目覚めを告げた。

長いまつげがフルフルと震えると,二重瞼がゆっくりと開いて,黒水晶から磨きだしたような黒目がちの瞳がキラキラと輝いている。誰もが心惹かれるような甘さのある声が唇から漏れる。

「ああ,素敵でした……ハウル様……。私,身も心も溶けてしまいそう」

少しかすれてはいるが,可憐な顔立ちに勝るとも劣らない可愛らしい声が室内の空気を震わせた。

「もう時間ですよ、王女様。公務の仕事が待っていますので……」

「ハウル様」と呼ばれた美青年は淡々と返事をかえし,王女の頭を撫でる。

「王女様なんて言わないで。私はもう,ハウル様の……ハウル様のメス奴隷なの……」

「王女様」と囁かれるたび,許されぬ関係をもっているのだという自覚をさせられてしまうため,カトリーヌはその言葉を嫌った。しかし、罪悪感と羞じらいに悶えるカトリーヌの心を嬲るために,美青年は好んで「王女様」と囁く。

「お願いです。二人の時には,カトリーヌって呼び捨てにしてください」

王女はウルウルと潤んで妖しくきらめく大きな目から,遠くを見つめるように芒洋としたまましっかりしない視線を,青年の端正な顔に向けて送った。

(清楚さの裏に淫乱な面をかねそなえ,しかも従順。これで王女だというんだからたまらないな)

王女のサラサラとした髪を撫でながら,二十歳の青年ハウルは,王女を一匹のメス奴隷へと堕としたことに満足した。

青年の指でほつれ髪を払われると,カトリーヌの,小作りに整えられた美しい顔立ちが鮮やかに映えた。カトリーヌは,北欧系の顔立ちで,30代にして今だに美少女のような可憐な顔をうっすらと上気させ,うっとりととろけてしまいそうな表情になっていた。

この純情で可憐な雰囲気を持つ美しい女性,カトリーヌは,十五歳になる王子を息子としてもつ,れっきとした人妻だ。

王女のことを,この国の民なら誰もが知っている。絶世の美女と謳われ,全ての国民から愛され,憧れの存在である。

そんな王女の側人として,ハウルは,仕えることになった。
 
初めてあったときの王女は,腰まである艶やかな髪をなびかせ,清楚なドレスに身を包んでいた。上品な笑顔でハウルに話しかける姿は,天性の若々しさと美しさを輝かせており,可憐な容姿と王女としての品格をもち,目映いばかりの気品さからは,大きな息子のいる母親だとはとうてい思えなかった。それどころか、夫と性の営みをしていることすら信じられない可憐な美しさだった。

誰もが憧れる王女美が,王にしか見せることのない,いや,王にも見せたことのない表情をしている。絶頂をきわめた女性独特の,熱く潤みキラキラと輝く目で,甘く睦言を囁き,ひとまわり以上年下の青年を「ご主人様」と呼んで,行為の最中には,絶叫に近い嬌声をあげ,言いなりに痴態を晒している。

ハウルは,女としての表情を浮かべる王女の顔を見つめた。その造形を慈しむように美青年は,王女のほっそりとシャープな顎のラインを指先でなぞり,柔らかな頬に触れる。

まるで絹のような手触りだった。ピンと張りながら,しっとりとした柔らかな感触と,きめ細かくすべらかな肌触りが指を伝わって,ハウルに光沢のある上質な織物のイメージを浮かべさせた。

「あんん……ハウル様」

王女はされるがままに,白い喉を見せて尖ったおとがいを突きだし,目を閉ざして優美な眉を悩ましくひそませて,切なそうに呻いた。

半開きになったままの唇を,その柔らかな感触を楽しむように美青年の親指がなぞると,王女はそっと咥えこんで,潤んだ目でハウルの顔を見あげ,やっと餌にありついた子猫が貪るよう,指の付け根から腹にかけて,チュッチュッと音をたてながらキスを浴びせた。

「さあ,王女様,身を清めましょう」

人妻の可愛らしくも妖艶な表情を意に介さないかのように美青年は,甘えかかる人妻の柔らくヌメッた舌でチロチロと弄ばれる指を引き抜く。

「ふんんん……」

すねたような声をあげてハウルを見るカトリーヌ。

(なんて可愛らしいんだ。一秒でも離れたくない)

心のなかで愛おしさの募った美青年は,素早く態勢を入れ替えて,有無もいわさず王女のなめらかな背中と膝の裏に腕を差し入れ,すくいあげるようにして裸身を抱き抱えた。

「この歳で御姫様だっこされるなんて……恥ずかしい……」

軽々と抱きあげられた王女は,トキメキで心躍らせながら,美青年の見事に鍛えあげられた厚い胸に顔を埋め,ほっそりした腕を相手の首に伸ばした。王女の体を覆っていたシーツがスルリと落ち,一瞬部屋が明るくなったと感じられるほど,真珠色に輝く染み一つない純白の肌が露わになった。

「恥ずかしい。恥ずかしいです……ハウル様……」

浅黒く引き締まった美青年に抱きあげられた身体は,白い肌と芸術的なまでに美しい金髪との美しいコントラストを描いて,空中でシッカリと固定されている。

羞恥に震えながらもカトリーヌは,抱きあげられていることへの不安は感じなかった。それどころか,ハウルの厚い胸板に埋めた鼻先から,若い男の爽やかで軽い匂いを感じると,深い安心感に包まれる。

(あああ、もう少しこのままで……)

スーッと息を吸いこむと,今までの行為と失神まで追いこまれた激しい絶頂感がフィードバックして,上質の媚薬に勝る効果で王女の頭の芯がクラクラしてしまった。

(私,この人なしでは生きていけない……)

王女は変えられてしまった自分と,これまでの痴態を思いだし,美青年の胸のなかで羞恥に赤面した。

ハウルは抱きあげたカトリーヌをベッドの脇へとおろして立たせ,汗でしっとりとした豊かな髪を両手で束ねて背中のほうへまとめあげた。

なされるがままに王女は美青年に寄りかかっている。

王女は均整のとれた見事な八等身の体をしていた。出産によっても崩れることのなかった肉体は,二十代前半の美しいボディラインを保ったまま,上質の脂を全身にしっとりと塗りこめ,むっちりと成熟させてた。しかし,贅肉のまったく見られないその裸身は、全体に細く華奢な感じは失われていない。

なめらかな背筋からくびれたウエストラインの下に,キュッとあがった逆ハート型にプリンと張りだしたヒップ。そこからつづく長く美しい脚線。太腿は贅肉がなく引き締まっているためスリムに感じるが,その実,しっかりと脂を乗せて成熟し,それを包む肌がパンパンに張りつめて充実の度合いを見せ,そこから段差を見せずにスッと長いふくらはぎと引き締まった足首に支えられている。

腹部では、縦長の上品な形の臍がくびれたウエストの中心にあり,その下には,乳脂を練りこんだように透けるほど白くなだらかな下腹部が,出産経験を感じさせない美しさを保っている。

さらには,その下のむっちりとした太腿の付け根,下腹部のなだらかな丘陵をくだった先に,小さな逆三角形の狭い範囲に密集して茂る金色の恥毛が,フサフサとして艶やかにきらめいていた。

驚くのは、細身の王女からは想像もできないほど,胸から大きく張りだした巨乳だった。カトリーヌの乳房は,下乳が根元から直接丸く張りだして見せ,鎖骨から乳首までの距離である乳さがりが短く,全体が盛りあがって正面に向かって突きだしているように見える,美しい紡錘形に整っていた。胸は元々小さいほうではなかったが,出産の時に二サイズも大きくなったまま戻らず、Eカップの乳房となったのだ。

乳房の先端には,敏感な愛美の最大の弱点の一つである乳首があった。色白で可憐な愛美そのもののように、鮮やかな桜色に色づいた乳首が,同色の小さな乳輪に囲まれ,理想的な形に尖っている。それでも産前の淡いピンクから色づき,小さな尖りだった形も少しは成長していた。

王女の乳房は,若い男にいじめ抜かれ,真っ赤に染まるまでさんざん揉みこまれた。突き勃った乳首を指の腹でつままれたり,きつく吸いあげられたりと,今では乳房への刺激だけでも絶頂をきわめるほど開発されてしまった。

「なんて綺麗な胸なんだ。若い女性がきっとみな嫉妬しますよ。これだけ大きくて魅力的だなんて……。しかも,このいやらしく勃起した乳首の美しい色と形といったら虐め甲斐があるじゃないですか……」

見とれるほど美しい顔が,サディスティックな笑みを浮かべながら,淫らに揉みあげながらそう囁いて、王女の心を羞恥に染めさせた。

普段の王女は,清楚で洗練されたドレスに身を包み,くびれたウエストにほっそりとしたしなやかな四肢、そして小作りな顔のために、かなり着痩せして見える。それがこんなに肉感的なボディラインを隠していたとは,美青年も気づくのに時間がかかった。

今,その優美な全身を包む,まるで白雪のごとき輝く柔肌には,赤い縄が巻かれているように,ところどころに赤く縄目の痕が痛々しく浮かんでいた。それは,サディストとの倒錯の行為の名残りだ。

「ぁ,ああっ……もっと一緒にいられたらいいですのに……」

王女の肉感に満ちた見事な八等身の体がよろめく。美青年に責められた絶頂の連続によって,腰がまだ抜けてしまったようになっていて,しっかりしていないらしい。後ろからがっしりとハウルに支えられ,やっと立つことができた。

「本当にお美しい,カトリーヌ王女様」

「恥ずかしいです……ハウル様……こんなおばさんをあんまり見ないでください」

若い男の囁きに頬を染めて哀願する王女は,育ちのよさを証明するように,どんなに破廉恥な行為を経験させられていても,いつまでも羞じらいを失わなかった。

王女は,御姫様として蝶よ花よと大切に育てられ,許嫁である王様と結婚し,はっとするほど綺麗な青年に抱かれるまで他の男を知らない性に潔癖な女性だったのだ。

それが若い美青年に調教され,今では縄に縛られ,お尻を凄惨に叩かれながらセックスをし,教えこまれた倒錯の快感によって気絶するまで絶頂をきわめさせられている。

「さあ、水浴びに行きましょう」

王女はよろめく腰を美青年に支えられながら浴室に向かった。

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